JPH0549918A - 炭酸ガス吸着剤 - Google Patents

炭酸ガス吸着剤

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JPH0549918A
JPH0549918A JP3224632A JP22463291A JPH0549918A JP H0549918 A JPH0549918 A JP H0549918A JP 3224632 A JP3224632 A JP 3224632A JP 22463291 A JP22463291 A JP 22463291A JP H0549918 A JPH0549918 A JP H0549918A
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JP
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carbon dioxide
adsorbent
carbonate
potassium
sodium
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JP3224632A
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English (en)
Inventor
Eiji Tanaka
栄治 田中
Tetsuo Maeno
徹郎 前野
Akinori Nakayama
彰規 中山
Masaki Minemoto
雅樹 峯元
Yoshihiro Kita
吉博 北
Takeshi Nihei
武 二瓶
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Chemical Co Ltd
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kuraray Chemical Co Ltd
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
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    • Y02CCAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/40Capture or disposal of greenhouse gases of CO2

Abstract

(57)【要約】 【構成】アルミナ、シリカゲル及びゼオライトからなる
群より選ばれた少なくとも1つの吸着剤に、炭酸カリウ
ム及び炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウムからなる群より選ばれた、少なくとも1つの炭
酸塩を添着せしめてなる、低温で炭酸ガスを吸着し、高
温で放出し、繰り返し使用可能な炭酸ガス吸着剤であ
る。 【効果】 本発明の炭酸ガス吸着剤は、空気中の炭酸ガ
スとの反応性が高く、再生も容易であり、また特別な操
作を要することなく常に必要な水分が保持される特徴が
ある。従って、吸着・再生を連続的に繰り返して、密閉
した空間の空気中から炭酸ガスを除去する目的に好適で
ある。また、本発明の吸着剤は高温においても安定で長
期間使用しても劣化しない点に特徴がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭酸ガス吸着剤に関する
もので、更に詳しく述べると、密閉空間に蓄積する炭酸
ガスを吸着除去して、空気を連続的に浄化するために有
効な吸着剤である。
【0002】
【従来の技術】宇宙ステーションや潜水艦等の密閉空間
における空気浄化法の一つとして、炭酸ガス吸着剤を充
填した充填層に炭酸ガスを含んだ空気を導入して、炭酸
ガスを吸着除去する方法が従来から研究されている。吸
着剤としては固体アミンが主として使用され、特にポリ
マーに化学的にアミン類を結合させた、弱塩基性イオン
交換樹脂が多く開示されている。
【0003】例えば特開昭63-252528 号公報には、炭酸
ガス吸着剤としてアミン系イオン交換樹脂を使用して、
空気中の炭酸ガスの吸着とスチームによる再生を交互に
繰り返し、長期間にわたって密閉空間の生活環境を維持
する方法が記載されている。
【0004】また、柴田憲司、加藤宏夫、中島義雄、磯
辺明彦;化学装置( 1990年5月号、75〜80頁) には、ア
ミン系イオン交換樹脂としてアンバーライトIRA - 45及
びスミトモアニオニックレジンSAR -87 を使用して実施
した、同様な研究結果が記載されている。
【0005】吸着剤は通常加熱により再生して繰り返し
使用される。アミン系弱塩基性イオン交換樹脂の再生に
は水蒸気が用いられる。すなわち、炭酸ガスを吸着して
飽和した吸着剤に水蒸気が導入され、吸着剤は加熱され
て炭酸ガスを脱着する。
【0006】脱着したガスは冷却され、脱着された炭酸
ガス及び凝縮した水蒸気は、廃棄または次の工程で有効
利用される。また性能を回復した吸着剤は再度吸着に使
用される。このような吸脱着工程が連続的に繰り返えさ
れる方法である。
【0007】本発明者等も先に活性炭、シリカゲル、ア
ルミナ及びゼオライト等の吸着剤にアミン及び水を添着
した炭酸ガス吸着剤について検討したが(特願平2-3387
06)、アミンは分解し易く、再生温度を100 ℃以上にす
ると次第に劣化すること及び吸着装置からアミン臭が発
生するため、活性炭等で除去する必要がある等の問題点
があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】密閉空間に蓄積する炭
酸ガスを吸着除去して、空気を連続的に浄化すると共
に、炭酸ガスを吸着した吸着成分を熱分解して吸着剤を
再生する場合、高温で長期間再生を繰り返ししても、劣
化しない吸着剤を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、先に活性
炭やシリカゲル、アルミナ、ゼオライトにアミン化合物
を吸着させた吸着剤を使用して、連続的に炭酸ガスを吸
着除去して空気を浄化する方法について研究したが、10
0 ℃以上の高温で長期間再生を繰り返すと、アミン化合
物の分解による吸着剤の劣化が、避けられないことが明
らかになった。
【0010】そこでアルミナ、シリカゲル等の担体に、
耐熱性が高い無機化合物を添着させた吸着剤について検
討した結果、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが優れた炭酸ガスの吸
着再生機能を有することを見出し、これに基づいて本発
明に到達した。
【0011】すなわち、アルミナ、シリカゲル及びゼオ
ライトからなる群より選ばれた少なくとも1つの吸着剤
に、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウムからなる群より選ばれた、少な
くとも1つの炭酸塩を添着せしめてなる、低温で炭酸ガ
スを吸着し、高温で放出し、繰り返し使用可能な炭酸ガ
ス吸着剤である。
【0012】以下本発明について詳しく説明する。
【0013】本発明に使用する吸着剤は、アルミナ、シ
リカゲル及びゼオライトからなる群より選ばれた少なく
とも1つの吸着剤を使用する必要がある。
【0014】本発明に使用されるアルミナは酸化アルミ
ナを主成分としたもので、多孔構造を有し、高い吸着性
を示す。その細孔容積、粒度、形状は特に限定しない
が、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウムの吸着量及び圧損失の関係から
細孔容積が 0.3ml/g 以上で粒度は50メッシュ以下(粒
子径約0.3mm 以上)が好ましい。
【0015】炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウム等をア
ルミナに添着させる時、その添着条件例えば乾燥温度及
び時間を変化させても、炭酸ガスの吸着量に大きなバラ
ツキが認められない。これは、水の存在下で少量生成す
ると考えられる水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウム
に対して、アルミナ担体が安定なためと考えられる。従
って、炭酸カリウムまたは炭酸水素カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウムを添着して使用する場合に
は、耐アルカリ性が高いアルミナはシリカゲルより、担
体として好ましい。
【0016】本発明に使用されるシリカゲルは、ケイ酸
コロイド溶液を凝固させて製造された吸着剤である。主
成分は二酸化ケイ素で細孔構造を有し、90〜500 m2/gの
表面積を持ち、高い吸着性を有する。その細孔容積、粒
度、形状は特に限定しないが、炭酸カリウム、炭酸水素
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの吸着
量及び圧損失の関係から細孔容積が 0.3ml/g 以上で、
粒度は50メッシュ以下(粒子径約0.3mm 以上)が好まし
い。
【0017】尚、シリカゲルは炭酸カリウムまたは炭酸
ナトリウムの添着条件、特に乾燥温度及び時間によって
炭酸ガスの吸着量に大きなバラツキが見られる。これは
炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムが水の存在下で、次
の化学式1で表される様な反応によって水酸化カリウム
または水酸化ナトリウムを遊離させ、水酸化カリウムま
たは水酸化ナトリウムがケイ酸と反応して、加水分解が
促進されるためと考えられる。
【0018】
【化1】
【0019】本発明に使用されるゼオライトはアルミノ
ケイ酸塩で、三次元骨格とその間隙に形成された細孔構
造を有する物質である。500 m2/g以上に達する大きな表
面積とそれに基づく高い吸着性を有する。その組成、構
造は特に限定せず、天然品、合成品の何れも使用でき
る。また細孔容積、粒度、形状は特に限定しないが、炭
酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウムの吸着量及び圧損失の関係から、細孔容
積が 0.3ml/g 以上で粒度は50メッシュ以下(粒子径約
0.3mm 以上) が好ましい。
【0020】これらの吸着剤は単独で使用してもよい
し、或いはまた2種類以上多数の吸着剤を混合使用して
もよい。
【0021】これらの吸着剤はいずれも細孔構造を有
し、それに基づいて、数100 m2/gから場合によっては10
00m2/g近い表面積を有することがある。このファンデル
バールス力による高い吸着力と、界面活性によって空気
中の炭酸ガス、水分を吸着するため、細孔表面の反応性
が著しく高められている。従って、炭酸カリウム、炭酸
水素カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム
の担体としての役割のみならず、発達した細孔構造と吸
着性によって、空気中の炭酸ガスを表面に吸着して、炭
酸カリウム或いは炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウムとの反応を促進させる機能も持って
いる。これは本発明の重要な要素の一つである。
【0022】更に、炭酸カリウムまたは炭酸水素カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムと炭酸ガスが
反応する場合、触媒として水分が必要となり、水分との
共存により反応速度が著しく高められる。これらの吸着
剤はその充填層に空気を通すと、空気中に含まれている
水分を吸着して相当高い含水率に保持する性質を有する
ため、細孔構造に基づく吸着性と相まって一層炭酸ガス
の吸着を促進する効果がある。
【0023】本発明において、炭酸カリウム或いは炭酸
水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムと
反応して吸着剤に固定された炭酸ガスは高温になると、
分解して遊離される。また高温では物理吸着による吸着
剤の吸着容量が急激に低下するため、遊離された炭酸ガ
スは容易に外部に放出される。
【0024】本発明に使用される吸着剤はシリカゲル、
アルミナまたはゼオライトに炭酸カリウムまたは炭酸水
素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムを吸
着させたものである。またはこれらの2種類以上の炭酸
塩を混合添着して使用してもよい。
【0025】本発明では更に、吸着剤に炭酸ガスを吸着
させた後、温度を上げて炭酸ガスを分解放出させ、繰り
返し使用する必要がある。炭酸カリウムまたは炭酸水素
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの様な
無機化合物は、通常炭酸ガスを分解放出させるために必
要な温度が高く、100 〜200℃であるが、熱的安定性が
高いため、高温で長期間再生を繰り返しても劣化しない
性質を持っている。
【0026】従来から吸着・再生を繰り返して使用され
る炭酸ガス吸着剤として、担体にアミン化合物を添着し
た吸着剤が研究されていた。アミン化合物は比較的低温
で炭酸ガスを分解放出させる性質をもっているが、熱的
に不安定なため長期間再生を繰り返すと次第に劣化する
欠点がある。これはアミン化合物の熱分解によるものと
考えられる。アルミナやシリカゲルの様な担体に添着し
て、炭酸ガスを吸着する性質を有するアルカリ性の無機
化合物としては、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの他にも、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸リチウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化亜鉛等が挙げられる。しかし、これ
らの化合物は溶解性が低く、炭酸ガスの吸着性が低いた
め使用出来ない。
【0027】また水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等
の強アルカリは炭酸ガスの吸着性は優れているが、吸着
した炭酸ガスを分解放出させるためには数100 ℃の高温
が必要となるため、本発明の目的には採用出来ない。
【0028】従って、高温再生時にも劣化しない無機の
炭酸ガス吸着剤として炭酸カリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを選択し
た。これらの化合物を担体に添着した吸着剤は炭酸ガス
の吸着性も高く、高温でも極めて安定でしかも比較的低
温で熱再生出来るため、本発明の目的に好適である。
【0029】炭酸カリウムまたは炭酸水素カリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの添着量は、吸着剤
の吸着容量によっても異なるが、通常吸着剤100 部に対
し20〜45部が好ましい。10部以下では吸着性がやや不充
分であり、また50部以上になると却って炭酸ガスの吸着
量がやや低下する傾向が見られる。これは添着剤により
細孔が一部閉塞されるためと考えられる。
【0030】本発明の吸着剤において、水は炭酸ガスを
吸着する反応の触媒として作用するため、水の存在は極
めて重要である。水を全く含有しない系または含有率が
非常に低い系では、炭酸ガスの吸着速度は極めて遅くな
るため実用的には使用出来ない。一方水の含有率が高過
ぎると、吸着剤自体の機能が阻害されるため、充分炭酸
ガスを吸着することが出来ない。適当な水の含有量は担
体の種類によって変わるが通常吸着剤100 部に対し、水
0〜40部が好ましい。
【0031】炭酸カリウムまたは炭酸水素カリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び水を担体に添着
するには、例えば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び水を適当な溶
媒に溶解した溶液を、吸着剤に噴霧状で振り掛ける方
法、または担体を炭酸カリウムまたは炭酸水素カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの水溶液に浸
漬して充分吸着させた後、濾過・乾燥して調製すること
が出来る。
【0032】またこれらの吸着剤は一般に水に対する親
和性が大きく、一方吸着容量には限界があるため、炭酸
ガスを吸着するときそのガス中に水分が含まれていると
水分も同時に吸着し、また水分が過剰であれば放出する
様な調節作用を有する。従って、通常水分含有率を人為
的に調節する必要は殆どなく、これも本発明の重要な要
素の一つである。
【0033】
【作用】空気中の炭酸ガスを吸着除去するためには、単
なる物理吸着のみでは吸着容量が低く、実用上不十分で
ある。従って、化学反応を利用して化学吸着をさせるこ
とが必要となる。炭酸ガスは酸性であるから、アルカリ
性の物質と中和反応を起こす性質がある。従ってアルカ
リ性物質に炭酸ガスを含む空気を通すことにより、炭酸
ガスと反応して吸着除去出来る。本発明においては、吸
着剤は再生して繰り返し使用する必要があるから、反応
生成物は容易に分解して炭酸ガスを放出して再生出来る
ものでなくてはならない。
【0034】無機アルカリ性化合物に比較して、アミン
化合物は吸着剤の再生温度が低く、約70℃で炭酸ガスを
放出する化合物もある。このため従来からこの目的に使
用するため研究されていたが、アミン化合物は熱的に不
安定なため吸着・高温再生を長期間繰り返すと、次第に
分解して劣化することが避けられなかった。
【0035】無機アルカリ性化合物、例えば炭酸カリウ
ムまたは炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウムは化学吸着している炭酸ガスを放出させるた
めには、100 〜200 ℃の高温に加熱する必要があるが、
高温でも熱的には極めて安定なため、繰り返し使用して
も殆ど化学変化を起こさないため、吸着剤も殆ど劣化し
ないことが確かめられた。
【0036】加熱再生方法は吸着剤への水分の補給も考
慮すれば、水蒸気または水蒸気を含んだ加熱空気の吹き
込みが最も適している。吸着再生の循環サイクルを効率
良く行うためには、吸着剤は固体状態で使用することが
好ましくまた、空気との接触面積を出来るだけ大きくす
る必要がある。本発明では、表面積が大きいアルミナ、
シリカゲル、ゼオライトの1つまたは複数の吸着剤に炭
酸カリウムまたは炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウムを添着させることによりこれらの問
題を解決した。
【0037】これらの固体吸着剤は圧損失を考慮して、
適度な粒度及び形状を選択することが出来る。
【0038】炭酸ガスと炭酸カリウムまたは炭酸水素カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムを添着し
た吸着剤は、水が共存しないと反応速度が遅いため、炭
酸ガスの吸着速度を高めるためには、吸着剤の水分含有
率を調節する必要がある。しかし、アルミナ、シリカゲ
ル、ゼオライトは多孔性で水分との親和性が高いので、
空気中の水分が多いときには吸着し、少ないときには放
出する。従って、担体は常に相当多量な水分を含有して
いるので、本発明では炭酸ガス吸着時特に水分をコント
ロールする必要がない。更に、吸着剤は炭酸ガスをその
細孔の表面に吸着して炭酸カリウムまたは炭酸水素カリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとの反応を
促進する機能も有することは既に述べた通りである。
【0039】また本発明は低コストで連続的に炭酸ガス
を除去する機能を有するため、宇宙ステーションや潜水
艦等の密閉空間の様な分野のみでなく、その他広く室内
空気の環境保持にも適用出来る。
【0040】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。
【0041】(実施例1〜4)アルミナに炭酸カリウム
または炭酸ナトリウムを、シリカゲル及びゼオライトに
炭酸カリウムを添着して吸着剤を調製した。表1に使用
した担体の種類、性状、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリ
ウムの添着量及び調製条件を示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1で調製した吸着剤に、更にその担体重
量の5%の水を加え、25℃における炭酸ガスの等温吸着
線を測定した。その結果を図1に示す。
【0044】図1より、平衡吸着量は担体としてアルミ
ナを使用した場合が最も大きく、次にシリカゲル、ゼオ
ライトの順序になっている。
【0045】(実施例5〜7、比較例)実施例1、2及
び3において、炭酸カリウム添着量を40%に揃えた他
は、表1と同一条件で、アルミナ(実施例5)、シリカ
ゲル(実施例6)、及びゼオライト(実施例7)を担体
とした炭酸ガス吸着剤を調製した。
【0046】得られた吸着剤を内径21mm、層高100mm 、
のカラムに充填し、炭酸ガスの濃度1300ppm 、湿度60%
に調整した空気を流量1.36 l/min で流し、カラム出口
の炭酸ガス濃度を測定した。通気時間とカラム出口の炭
酸ガス濃度の関係を図2に示す。
【0047】尚、比較のためアミン系弱塩基性イオン交
換樹脂(三菱化成(株)製WA-21)をカラムに充填して、
同一条件でカラム出口の炭酸ガス濃度を測定した。通気
時間とカラム出口の炭酸ガス濃度の関係を図2に示す
(比較例)。
【0048】図2より、アルミナを担体とした炭酸ガス
吸着剤の吸着量が最も高く、シリカゲルは僅かに少な
く、ゼオライトは最も吸着量が少ないとの結果が得られ
た。
【0049】前記の吸着試験において、カラム入口及び
出口の炭酸ガス濃度が同一になるまで炭酸ガスを吸着し
たアルミナ(実施例5)及びシリカゲル(実施例6)担
体の吸着剤カラムに、それぞれ150 ℃及び130 ℃の高温
空気を 1.36 l/min で流して吸着剤を再生した。再生
時のカラム出口の炭酸ガス濃度を測定した。通気時間と
カラム出口の炭酸ガス濃度の関係を図3に示す。
【0050】尚、比較のため飽和する迄炭酸ガスを吸着
させた、アミン系弱塩基性イオン交換樹脂のカラムを使
用して、高温空気の温度を70℃とした他は同一条件で、
再生時のカラム出口の炭酸ガス濃度を測定した。通気時
間とカラム出口の炭酸ガス濃度の関係を図3に示す(比
較例)。
【0051】図3において担体の種類により、再生温度
は若干異なるがいずれも吸着剤は高温空気により、容易
に再生可能なことを示している。
【0052】(実施例7〜9)中心細孔径及び細孔容積
が異なるアルミナ担体に、炭酸カリウムを添着した吸着
剤を調製した。表2にアルミナ担体の中心細孔径及び細
孔容積及び炭酸カリウム添着量を示す。
【0053】
【表2】
【0054】表2に示した吸着剤を内径20mm、層高100m
m 、のカラムに充填し、炭酸ガスの濃度1300ppm 、湿度
60%、25℃に調整した空気を流量1.36 l/min で流し、
カラム出口の炭酸ガス濃度を測定した。通気時間と破過
開始時点におけるカラム出口の炭酸ガス濃度の関係を図
4に示す。
【0055】図4より、炭酸カリウム40%添着した吸着
剤を調製する場合は、中心細孔径が100 Å前後のアルミ
ナ担体が最も適していることを示している。
【0056】
【発明の効果】本発明の炭酸ガス吸着剤は、空気中の炭
酸ガスとの反応性が高く、再生も容易であり、また特別
な操作を要することなく常に必要な水分が保持される特
徴がある。従って、吸着・再生を連続的に繰り返して、
密閉した空間の空気中から炭酸ガスを除去する目的に好
適である。
【0057】また、本発明の吸着剤は高温においても安
定で長期間使用しても劣化しない点に特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸着剤の25℃における炭酸ガスの等温
吸着線を示す。
【符号の説明】
1 実施例1、アルミナ担体・炭酸カリウム添着 2 実施例2、シリカゲル担体・炭酸カリウム添着 3 実施例3、ゼオライト担体・炭酸カリウム添着 4 実施例4、シリカゲル担体・炭酸ナトリウム添着
【図2】本発明の吸着剤を充填したカラムに、炭酸ガス
を含んだ空気を通じた場合の通気時間とカラム出口の炭
酸ガス濃度の関係を示す。
【符号の説明】
5 実施例5、アルミナ担体・炭酸カリウム添着 5 実施例6、シリカゲル担体・炭酸カリウム添着 7 実施例7、ゼオライト担体・炭酸カリウム添着 8 比較例、アミン系弱塩基性イオン交換樹脂
【図3】本発明の吸着剤に炭酸ガスを吸着させて飽和さ
せたカラムに、高温空気を通じて吸着剤を再生する場合
の、通気時間とカラム出口の炭酸ガス濃度の関係を示
す。
【符号の説明】
5 実施例5、アルミナ担体・炭酸カリウム添着 6 実施例6、シリカゲル担体・炭酸カリウム添着 8 比較例、アミン系弱塩基性イオン交換樹脂
【図4】本発明の吸着剤のアルミナ担体の中心細孔径
と、炭酸ガスを含んだ空気を通じた場合の通気時間とカ
ラム出口の炭酸ガス濃度の関係を示す。
【符号の説明】
9 実施例7、アルミナ担体・炭酸カリウム添着 10 実施例8、アルミナ担体・炭酸カリウム添着 11 実施例9、アルミナ担体・炭酸カリウム添着
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 彰規 兵庫県相生市佐方三丁目7−20 (72)発明者 峯元 雅樹 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 北 吉博 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 二瓶 武 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ、シリカゲル及びゼオライトか
    らなる群より選ばれた少なくとも1つの吸着剤に、炭酸
    カリウム及び炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
    水素ナトリウムからなる群より選ばれた、少なくとも1
    つの炭酸塩を添着せしめてなる、低温で炭酸ガスを吸着
    し、高温で放出し、繰り返し使用可能な炭酸ガス吸着
    剤。
JP3224632A 1991-08-10 1991-08-10 炭酸ガス吸着剤 Pending JPH0549918A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3224632A JPH0549918A (ja) 1991-08-10 1991-08-10 炭酸ガス吸着剤

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