JPH0549255B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

［産業上の利用分野］ 本発明は、インスタントチヨコレート飲料調合
品中の機能剤として有用な、微結晶セルロースを
含有する乾燥粉末組成物に関する。更に詳しく
は、機能剤はコロイド状微結晶セルロース、澱
粉、及びマルトデキストリンのような水溶性成分
を含有する噴霧乾燥組成物でありうる。 ［従来の技術及び発明が解決しようとする課題］ 乾燥調合（ドライミツクス）インスタントチヨ
コレート飲料製品は粉末状の処方剤であつて、水
や牛乳と混合するとチヨコレート飲料となるもの
である。多くのこのようなチヨコレート飲料の一
つの重大な欠点は、最初のかきまぜ後、ココア粒
子が非常に早く沈殿し、容器底にチヨコレート沈
殿物を形成し、液体が薄い水つぽい味になること
である。 市販チヨコレート飲料は、典型的には、ココア
粒子に対して懸濁剤として作用するような安定剤
を使用している。デユランド（Durand）らの合
衆国特許第3539365号に記述され、FMCコーポレ
ーシヨンからアビセル^RRC及びゲルスター^Rの商
標名で販売されているカルボキシメチルセルロー
スで被覆された微結晶セルロース（MCC）（即
ち、カルボキシメチルセルロースと相互にくつつ
きあつた微結晶セルロース）のようなコロイド状
微結晶セルロースは、このような安定剤の一つで
ある。マツギンリー（McGinley）らの合衆国特
許第3684523号に記述されている加熱滅菌された
人工乳飲料は、デユランドらの第3639365号のコ
ロイド状MCCを利用している。 コロイド状微結晶セルロースは、水性媒体中に
分散されたら、個々のコロイド状MCC粒子が凝
固しないで最適の懸濁液性状を提供するように、
活性化即ち“解膠”されねばならない。コロイド
状微結晶セルロースを含有する安定剤系の活性化
は、しばしば、プロペラミキサーやホモジナイザ
ーのような市販の混合装置で提供されるような高
水準の剪断を必要とする。これらの手順は、商業
的に製造される飲料用に意図された安定剤に対し
ては使用可能であるが、家庭用には実用的でな
い。 しかし、家庭用又は自動販売機用に意図された
安定剤としては、スプーンでの単純なかきまぜに
よつて活性化できるものを使用すべきである。水
性媒体中におけるココア粒子の急速分散と長期懸
濁が、任意の固体安定剤にとつて重大な試験であ
ることが認識される場合にのみ、この要件の厳密
性が尊重される。 家庭用インスタント調合品に意図された一つの
市販安定剤は、マツギンリーらの合衆国特許第
4311717号に記述されたもので、マイクロクイツ
ク^R（Microquick）の商標名で販売されている。
これは、乳固形分やホエーと組合わせたコロイド
状MCCを含有している。この安定剤は通常、満
足な可能を提供するが、自動販売機向けのインス
タントチヨコレート飲料調合品のような、最終用
途へ適用される安定剤は、スプーンでの単純なか
きまぜによつて活性化できるものでなければなら
ない。本発明の安定剤はこの必要を満足させるこ
とができる。 ［課題を解決する手段］ 本発明は、水性媒体中に固体を懸濁させるため
の急速分散剤として有用な安定剤であつて、これ
はコロイド状微結晶セルロース；コロイド状微結
晶セルロースの重量に満たないが、液体媒体中の
コロイド状微結晶セルロースを活性化して、水性
媒体の最小限のかきまぜによつてその急速な解膠
（ペプチゼーシヨン）を促進するのに十分な量の
澱粉；及び結合剤のコロイド状微結晶セルロース
に対する重量比が0.6：１ないし９：１の範囲に
あるような量の非増粘性で水溶性の結合剤を含有
する共同処理、共同乾燥された粉末状組成物であ
る。 安定剤は好ましくは噴霧乾燥した組成物であ
る。 コロイド状微結晶セルロースは、好ましくは少
量、例えば３−15％のナトリウムカルボキシメチ
ルセルロースと相互にくつつきあつた微結晶セル
ロースである。 澱粉は、好ましくは低アミロース澱粉である。
安定剤中の澱粉濃度は、水性媒体中で使用する時
にゼラチン状の増粘を起こす量に満たない量とす
べきである。澱粉は、コロイド状微結晶セルロー
スの澱粉に対する重量比が約３：２ないし７：１
の範囲内にあるような量で存在するのが好まし
い。 安定剤の第三成分である非増粘性で水溶性の結
合剤は、マルトデキスリン、ホエー、及び脱脂乾
燥乳からなる群から選ばれるものが好ましい。 本発明の安定剤は、熱湯でもどされる乾燥調合
インスタントチヨコレート飲料処方剤向けに特に
適している。安定剤の使用量は、約0.5−３重量
％及び好ましくは約0.5−1.5重量％のコロイド状
微結晶セルロースを含有するようにもどされた飲
料を生ずるのに十分な量とすべきである。 本発明の安定剤は、典型的には乾燥調合品から
熱湯でもどすことによつてつくられるチヨコレー
ト処方剤中に、ココア固体を懸濁させるのに特に
有用である。この安定剤は、水その他の水性液体
でもどすときに、乾燥調合品の最小限のかきまぜ
によつて、水性媒体中のココア（又は他の）固体
のすぐれた分野と懸濁を提供するという利点をも
つている。 安定剤はココア固体を懸濁させる用途に特に適
しているが、固体の完全な分散とかきまぜを達成
するために最小限の分散と懸濁を可能とするよう
な条件下に、乾燥粉末混合物からの急速なもどし
又は調製を必要とするような、その他の食品及び
非食品の水性固体懸濁系にも同様に有用であると
考えられる。本発明の安定剤へのその他の応用の
例は、インスタント乾燥調合肉汁、チーズソース
調合品、スープ調合品、及び水、特に熱湯や沸騰
水、又は他の水性液体と混合することによつて得
られるその他の食品や飲料、懸濁させるべき固形
分を含有する乾燥調合品を包含する。非食品用途
は、水性媒体への塗料や化粧品色素の懸濁、水中
油滴型乳濁液又はフオームの安定化等を包含す
る。 本発明の安定剤から生ずる性能上の利点は、コ
ロイド状微結晶セルロース、澱粉及び非増粘性／
水溶性結合剤の三成分に基づくものと考えられ、
その全部が互いに緊密に混合されている。本発明
者らは、コロイド状微結晶セルロース基盤の安定
剤が所望の急速分散及び懸濁性能特製を確実に示
すためには、澱粉と非増粘性／水溶性結合剤両方
の存在が必要であると考える。安定剤から澱粉か
ら結合剤を省略すると、下の比較例が示すよう
に、許容できない性能が生ずる。 コロイド状微結晶セルロースは、水性媒体へ固
形分を懸濁させるのに有用な、知られた分散及び
懸濁助剤である。市販のコロイド状微結晶セルロ
ースは通常、微結晶セルロースの個々の粒子を活
性化即ち“解膠”、すなわち長期の良好な固形分
懸濁機能を提供するためには、相当量の剪断を伴
つた強力なかきまぜを必要としている。本発明の
安定剤中に非増粘性／水溶性結合剤及び澱粉が存
在することで、コロイド状微結晶セルロースが最
小限の混合又はかきまぜで急速に活性化ないし脱
凝固化される。高剪断のかきまぜは不要である。 本発明用に適したコロイド状微結晶セルロース
は、典型的には約３−15重量％の少量のナトリウ
ムカルボキシメチルセルロースと相互にくつつき
あつた微結晶セルロースである。ナトリウムカル
ボキシメチルセルロースは、低〜中程度の粘度、
すなわち１重量％の水性分散液中で20℃で50−
1000センチポアズの粘度をもつたものが好まし
い。このタイプの市販コロイド状微結晶セルロー
スは、FMCコーポレーシヨンから入手されるア
ビセル^RRC−591コロイド状微結晶セルロースで
ある。ナトリウムカルボキシメチルセルロースは
好ましい材料であるが、他のコロイド、例えばキ
サンタンやメチルセルロースも、許容できるコロ
イド状微結晶セルロースをつくるのに使用でき
る。 安定剤中のコロイド状微結晶セルロースは、通
常、約25−50％の量で存在するが、量がそれより
多めでも少なめであつても満足な結果をもたら
す。安定剤の最終用途への応用で、コロイド状微
結晶セルロースは、もどされた飲料又は食品（例
えば安定剤を含有する乾燥調合品を水と混合して
得られるもの）の最終処方剤中に、約0.5−３重
量％、好ましくは0.5−1.5重量％の量で存在すべ
きである。後者の好ましい範囲は、ココア固体を
含有するチヨコレート飲料処方剤に特に適してい
る。 安定剤中のコロイド状微結晶セルロースの絶対
量と同じくらい重要なものは、コロイド状微結晶
セルロースとの関連における澱粉及び結合剤の量
である。コロイド状微結晶セルロースを特定量の
澱粉及び結合剤と組み合わせた時にのみ、予想外
のすぐれた結果が生ずる。すなわち、固形分と安
定剤を含有する乾燥調合品を水その他の水性媒体
と穏やかに混ぜたり、かきまぜたりする時に、固
まりとならずに固形分の急速な分散と懸濁が生じ
る。また、高剪断混合に頼らずに、水性媒体中に
長期間（数時間）持続するすぐれた固体懸濁液が
生ずる。 安定剤組成物の第二の重要成分は澱粉である。
澱粉給源は決定的なものでなく、広範囲の澱粉、
例えばトウモロコシ、ジヤガイモ、小麦、米、タ
ピオカ、及びロウ質トウモロコシの澱粉、又は小
麦粉、ジヤガイモ粉などのような澱粉含有穀物粉
が本発明用に満足できる。 市販の適当な澱粉は、メロジエル^R及びクリア
ジエル^Rコーンスターチ、ピユリテイガム17773ロ
ウ質メーズスターチ、インスタントピユア−フロ
Ｆプレゼラチナイズ（pregelatinize）コーンス
ターチ（いずれもナシヨナル・スターチ・アン
ド・ケミカル社のもの）、アメリカン・メーズ・
プロダクツ社のゲレツクス^R（Gelex）プレゼラ
チナイズ（pregelatinize）トウモロコシ、及び
エイ・イー・ステイリー製造会社のミラ−スパー
ス^R澱粉を包含する。 澱粉は、比較的低いアミロース含有量のものが
好ましい。上記のピユリテイガム1773澱粉はこの
ような低アミロース澱粉の一例である。低アミロ
ース澱粉を含有する安定剤組成物は、長期間にわ
たつて優れた固形分安定化性能を示す。すなわ
ち、固形分は目に見える状態を起こさずに、数時
間懸濁されたままの状態を保つ。 プレゼラチナイズ（pregelatinize）澱粉も、
冷水中におけるコロイド状微結晶セルロースの急
速な解膠（ペプチゼーシヨン）を容易にするため
好ましい。プレゼラチナイズ（pregelatinize）
していない澱粉は、澱粉のゼラチン化温度より高
温の、暖かい又は熱い水性媒体でもどされる乾燥
調合品での使用を意図した安定剤処方剤にいつそ
う適している。本発明の安定剤組成物中における
澱粉の使用量が比較的小さいため、プレゼラチナ
イズ（pregelatinize）していない澱粉のゼラチ
ン化は、安定剤が暖かい又は熱い水性媒体と接触
すると直ちに起こる。 澱粉は、コロイド状微結晶セルロースに比べて
少量で安定剤組成物中に使用される。澱粉は、コ
ロイド状微結晶セルロースの重量より少量である
が、水性媒体の最小限の混合又はかきまぜ、例え
ば１分未満の簡単なかきまぜによつて、水性媒体
中のコロイド状微結晶セルロースを活性化ないし
脱凝固するのに十分な量で存在する。コロイド状
微結晶セルロースの活性化に要する量少量より低
水準の澱粉では、姿勢媒体中でもどされる乾燥調
合処方剤中に安定剤を使用する時に、目に見える
ほどの固形分の固まりや沈殿が起こるであろう。 澱粉は、安定剤を水性媒体中で使用する時に、
ゼラチン状の混粘を起こす量より低水準で存在す
るのが望ましい。安定剤のある最終用途への応
用、例えばインスタント肉汁調合品においては、
澱粉は水性媒体の混粘をもたらす量で存在でき
る。チヨコレート飲料処方剤では、澱粉水準はチ
ヨコレート飲料の望ましくない増粘を起こす量、
及び／又は飲料に望ましくない澱粉味を生ずるよ
うな量より低水準であるのが望ましい。 澱粉量は、安定剤中で、コロイド状微結晶セル
ロースの澱粉に対する重量比が約３：２ないし
７：１の範囲、及びより望ましくは約２：１ない
し６：１の範囲となるように調整されるのが望ま
しい。通常これらの比の範囲は、特にココア固形
分を含有するチヨコレート飲料処方剤中に使用す
る時に、安定剤の最適性能をもたらす。 本発明の安定剤中の第三の必須成分は、非増粘
性で水溶性の結合剤である。“結合剤”は、充填
剤、希釈剤又は増量剤としても特徴づけられる
が、本開示の目的にとつては、充填剤として指定
されよう。結合剤は、水性媒体中に安定剤を使用
する時に粘度の望ましくない上昇を起こさず、ま
たそれによつて、望ましい固形分懸濁機能を提供
するように、水性媒体中で非増粘性のものでなけ
ればならない。結合剤はまた、水性媒体中に安定
剤を使用する時に、安定剤の活性化を容易にする
ため、水溶性のものとすべきである。 適当な結合剤は、水性媒体中で非増粘性で水溶
性であることを特徴とする炭水化物、例えばデキ
ストロース、ポリデキストロース、コーンシロツ
プ固体、乳糖等を包含する。 好ましい非増粘性／水溶性結合剤はマルトデキ
ストリン、ホエー、及び脱脂乾燥乳である。 マルトデキストリンは、穀類固形分の加水分解
から得られる多糖類であり、通常、これは粉末型
である。マルトデキストリンは、味や香りを考慮
すると、約９−12のデキストロース当量をもつの
が好ましい。本発明用に適した市販のマルトデキ
ストリンは、グレイン・プロセシング・コーポレ
ーシヨンからのモルトリン^Rマルトデキストリン、
及びアメリカン・メーズプロダクツ社からのアメ
イゾ・フロデツクス^Rマルトデキストリンを包含
する。 ホエーは、チーズ製造のホエー副生品の噴霧乾
燥で得られる粉末状乳製品である。甘みのあるチ
ーズ製品（ぴりつとした酸凝乳でなく）から得ら
れる甘いホエー粉末が好ましい。 脱脂乾燥乳は、ノーフアツト乳固形分又は脱脂
粉乳とも呼ばれ、非増粘性／水溶性の好ましい結
合剤として使用できるもう一つの粉末乳製品であ
る。 非増粘性／水溶性結合剤は、結合剤のコロイド
状微結晶セルロースに対する重量比が約0.6：１
ないし９：１の範囲内にあるような量で、安定剤
組成物中に使用される。相対的に多量の結合剤、
すなわち結合剤のコロイド状微結晶セルロースに
対する比が約７：１ないし９：１の場合、最終用
途への応用において対応的に多量の安定剤を使用
する必要がある。これは、懸濁される固体を含有
した水性媒体中において、使用するのに好ましい
コロイド状微結晶セルロースの所望水準（0.5−
1.5重量％）を達成するために必要である。この
ため、結合剤のコロイド状微結晶セルロースに対
する重量比が約0.6：１ないしは４：１の範囲内
に保持されるのが好ましい。 本発明の安定剤組成物は乾燥粉末である。粉末
は、好ましくは粒径が10−40ミクロンのオーダー
の比較的微細な粒子を含有しており、これは安定
剤が水性媒体に導入される時に、コロイド状微結
晶セルロースの急速活性化ないし解膠（ペプチゼ
ーシヨン）を容易にするものである。安定剤はま
た、粒径が約250ミクロンまでの粗粒子からなる
ものか、又は粗粒子を含有するものでありうる。
このような粗粒子は粒状であるか、又は微細な粒
子の凝集体ないし集合体でありうる。 安定剤をつくるには、上記の三成分を共同処理
し共同乾燥させると、乾燥粉末型の生成物を生ず
る。この処理手順で、三成分が互いに緊密な関係
で存在しあつた、又は、混合された乾燥生成物が
できる。コロイド状微結晶セルロース、澱粉及び
水溶性／非増粘性結合剤を含有する水性スラリー
を慣用の噴霧乾燥にかけるのが、成分を共同処理
し共同乾燥して、粉末状安定剤をつくるのに好ま
しい方法である。 他の形式の設備による共同処理及び共同乾燥も
実行可能であるが、満足な安定剤は慣用の噴霧乾
燥ほど容易には得られない。 本発明の共同処理／共同乾燥させた安定剤組成
物をつくるのに適したものと考えられる手法とし
て、次の二つがある。(i)流体床乾燥により、三成
分含有スラリーを流動床中の懸濁加熱粒子上に噴
霧して、凝集粒状生成物を得るか、又は(ii)流動化
噴霧乾燥で、噴霧乾燥機コーンの下部にある流動
床帯域が、粒子を噴霧帯域へ押し上げると、ここ
で入つてくるスラリーが小滴状に噴霧されて乾燥
する。 噴霧乾燥を用いた調製手順では、適当な容器中
で、コロイド状微結晶セルロース、例えばアビセ
ル（Avicel）^RRC−591微結晶セルロースの水スラ
リーを高速ミキサー又はブレンダー、遠心分離型
ポンプ又はホモジナイザーによる高剪断かきまぜ
にかける。次に澱粉と非増粘性／水溶性結合剤、
例えばマルトデキストリンを、コロイド状微結晶
セルロースに対応した適当量で水性混合物に導入
し、澱粉が混合物中に均質に分布し、結合剤が実
質的に全部溶解されるように、慣用の混合にかけ
る。次に、水性混合物を慣用の噴霧乾燥装置に導
入し、ここで混合物が噴霧されて乾燥すると、微
粉末の形の安定剤組成物を生ずる。 次に安定剤組成物は、種々の用途の任意のもの
に利用されるが、ここで安定剤を含有する乾燥粉
末処方剤を水性媒体でもどすと、最小限のかきま
ぜや低剪断混合のみしか出来ない条件下に、処方
剤中に含まれる微細固形分の良好な分散と懸濁を
提供する。 安定剤の好ましい最終用途は、乾燥“インスタ
ント”チヨコレート飲料調合品であつて、この調
合品を熱湯と数秒間の簡単なスプーンかきまぜに
よつてもどすと、ココア固形分が飲料中に望まし
く懸濁された状態にとどまる。このような乾燥混
合インスタントチヨコレート調合品は典型的に
は、ココア粉末、砂糖、乳化剤（ココア固形分
用）、及び安定剤（ココア固形分の分散及び懸濁
用）を含有する。代表的な乾燥調合品は通常、再
構成された熱い飲み物中に約１重量％のココア固
形分、８％の砂糖、及び１重量％のコロイド状微
結晶セルロースを生ずるのに十分な量の安定剤を
生ずる量で熱湯と組み合わされる。このようなチ
ヨコレート飲料の乾燥調合処方剤は、本発明の安
定剤を含有する他の処方剤と同様に、香味剤、着
色剤、防腐剤、充填剤、希釈剤等のような種々の
その他の慣用成分を含有できる。 ［実施例］ 以下の一般化された手順は、下に詳述された噴
霧乾燥の安定剤組成物をつくるのに使用されたも
のである。 アビセル^RRC−591コロイド状微結晶セルロー
ス（白色粉末）をステンレス容器に入れた冷水
に、水性媒体中で約３−４重量％のコロイド状微
結晶セルロースを生ずるのに十分な量で添加し
た。次に、微結晶セルロースの良好な分散を確保
するために、プロペラーミキサーを用いて、水性
媒体を約30分混合した。この混合後、水性媒体中
に形成される水性ゲルを静置した。 次に所望の量の澱粉と非増粘性／水溶性の結合
剤（いずれも粉末型）を水性ゲルに添加し、混合
を更に15分続けて、澱粉の良好な分散と結合剤の
溶解化を確実にした。 次に、三成分を含有する水性媒体をモートン＝
ゴーリン・ホモジナイザーで、第一段階2000psi、
及び第二段階500psiで均質化した。この手順は、
コロイド状微結晶セルロースと澱粉が完全に分散
されて、噴霧乾燥に適した均質混合物となつた水
性スラリーをもたらした。 実験室規模（直径３フイート）のブラウン噴霧
乾燥機を用いて、均質化水性スラリーを噴霧乾燥
した。噴霧乾燥機の入口温度を約145℃に設定し、
乾燥機へのスラリー仕込み速度は約80℃の出口温
度を提供するように調整された。噴霧は約90psi
の噴霧空気圧で操作される0.01インチノズルで行
なつた。 生ずる噴霧乾燥済みの安定剤粉末は、以下の成
分、すなわち安定剤、ココア、砂糖（庶糖）、及
びココア白化剤としてクレモラ^R非酪農性クリー
マー（ボーデン社）の乾燥配合によつて得られる
乾燥調合チヨコレート飲料処方剤での効能につい
て評価された。次に、温度93℃（200〓）の熱湯
中で15−30秒のスプーンかきまぜによつて乾燥調
合処方剤をもどすと、以下の組成を生じた。 安定剤（もどした飲料中で約１重量％のコロイ
ド状微結晶セルロースを提供するのに十分な量） ココア−１重量％ 庶糖−8.1重量％ クレモラ非酪農性クリーマー−1.6％ 上記の成分濃度を提供するのに十分な熱湯を使
用した。乾燥調合処方剤中の成分の相対量は、上
記のもどした飲料組成物から逆算された。 安定剤の使用量は、典型的には2.5−４重量％
の範囲内、通常は３重量％であつた。正確な量は
安定剤中に存在するコロイド状微結晶セルロース
濃度に依存しており、この濃度が再構成飲料中に
１重量％のコロイド状微結晶セルロースを提供す
るのに必要な安定剤量を決定する。 チヨコレート飲料処方剤中の安定剤の機能は、
１重量％のココア固形分を懸濁状態に保つ能力に
よつて測定した。懸濁能力は最初のスプーンかき
まぜ混合の６時間後に、チヨコレート飲料の観察
によつて決定した。沈殿物がないことは、良好な
安定性を意味した。微結晶セルロース粒子の分散
程度を決定するため、チヨコレート飲料の顕微鏡
検査を行なつた。というのは、分散されない微結
晶セルロース粒子の固まりや凝集体の存在は、一
般に不満足な固形分懸濁性能とよく関連している
からである。 本発明の安定剤の幾つかの例を、上述の手順に
従つて調製した。本発明の安定剤の種々の要素の
臨界性を例示する手段として、比較例も類似条件
下に行なつた。これらの全部の実施例の関連デー
タを第１表と第２表に記載してある。 実施例は、種々の澱粉と三つの非増粘性／水溶
性結合剤、すなわちマルトデキストリン、ホエー
及び脱脂乾燥乳の使用を例示している。安定剤の
コロイド状微結晶セルロース成分としては、アビ
セル^RRC−591Fコロイド状微結晶セルロース
（FMCコーポレーシヨンから入手）を全実施例で
使用した。 安定剤三成分の種々の濃度水準が同じく例示さ
れている。 熱湯で再構成される標準化乾燥調合チヨコレー
ト飲料処方剤中に使用された時の、例示された安
定剤の性能結果を第２表に示す。これらのデータ
は、記述の一般手順を用いて得られたものであ
る。 表中の実施例１−４は、コロイド状微結晶セル
ロース、澱粉、及び結合剤として脱脂乾燥乳を含
有する噴霧乾燥安定剤中における４種の異なる澱
粉の使用を例示している。生ずる安定剤は、標準
化チヨコレート飲料処方剤中で類似の非常に良好
な性能特性を与えた。 比較例ＡとＢは、実施例１−４の澱粉の代わり
にそれぞれヒドロキシプロピルメチルセルロース
とイナゴマメゴムを使用した安定剤によるもので
ある。いずれの生成物も、標準的なチヨコレート
飲料処方剤中で評価した時に、不満足なものであ
つた。 実施例５は、結合剤としてホエーを利用する安
定剤組成物を例示し、実施例７は結合剤としてマ
ルトデキストリンを含有する安定剤組成物を例示
している。実施例１、５及び７の成分性状は同一
であり、使用結合剤のタイプが異なつているだけ
である。チヨコレート飲料処方剤中におけるこれ
らの安定剤の性能は、おしなべて非常に良好であ
つた。 実施例６−11は、コロイド状微結晶セルロース
（CMCC）、澱粉及びマルトデキストリンを含有
する安定剤で、CMCC：澱粉比が３：１ないし
７：１の範囲にある場合のものを例示している。
いずれもチヨコレート飲料処方剤中で非常に良好
な性能結果を与えた。比較例Ｄは過度に低い澱粉
比、すなわち８：１のCMCC：澱粉比で、不満
足な固形分安定化性能を生じたことを例示してい
る。比較例Ｅでは、澱粉がまつたく省略されてお
り、チヨコレート飲料処方剤中の固形分安定化性
能は劣悪であつた。これらの両比較例で、澱粉の
低水準及び欠落は、噴霧乾燥組成物中のコロイド
状微結晶セルロースの活性化ないし解膠（ペプチ
ゼーシヨン）に悪影響するように見える。 実施例12−15は、コロイド状微結晶セルロー
ス、澱粉及びマルトデキストリンを含有する安定
剤で、結合剤：CMCC比が2.8：１ないし0.8：１
の範囲にある場合のものを例示している。いずれ
もチヨコレート飲料処方剤中で非常に良好な性能
結果を与えた。比較例Ｆは、0.5：１のマルトデ
キストリン結合剤：CMCC比で、固形分安定化
性能が限界に近いことを示す。比較例Ｇは、
0.1：１という非常に低いマルトデキストリン：
CMCC比を示し、比較例Ｈは結合剤をまつたく
もたない組成物を例示している。これらの両比較
例は、チヨコレート飲料処方剤中で組成物を評価
した時に、不満足な固形分安定化性能を示した。

【表】

【表】

【表】 ストリン

【表】 し
メロジエツ 16.7
ト澱粉
＊ CMCC＝コロイド状微結晶セルロース

【表】

【表】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水性媒体中に固体を懸濁させるための、急速
   分散剤として有用な安定剤であつて、 (i) コロイド状微結晶セルロース； (ii) コロイド状微結晶セルロースの重量より少な
   いが、水性媒体中でコロイド状微結晶セルロー
   スを活性化して、水性媒体の最小限のかきまぜ
   によつてその急速な解膠（ペプチゼーシヨン）
   を促進するのに十分な量の澱粉；及び (iii) 結合剤のコロイド状微結晶セルロースに対す
   る重量比が0.6：１ないし９：１の範囲にある
   量の非増粘性で水溶性の結合剤； 以上を含有する共同処理、共同乾燥した粉末化
   組成物を特徴とする安定剤。 ２ 噴霧乾燥した組成物を特徴とする、特許請求
   の範囲第１項の安定剤組成物。 ３ コロイド状微結晶セルロースが、少量のナト
   リウムカルボキシメチルセルロースと相互にくつ
   きあつて存在する微結晶セルロースであることを
   特徴とする、特許請求の範囲第１項の安定剤組成
   物。 ４ 澱粉が低アミロース澱粉であることを特徴と
   する、特許請求の範囲第１項の安定剤組成物。 ５ 澱粉がプレゼラチナイズ（pregelatinize）
   された澱粉であることを特徴とする、特許請求の
   範囲第１項の安定剤組成物。 ６ 安定剤を水性媒体中で使用する時に、澱粉濃
   度がゼラチン状の増粘を起こす量より下に保持さ
   れることを特徴とする、特許請求の範囲第１項の
   安定剤組成物。 ７ コロイド状微結晶セルロースの澱粉に対する
   重量比が３：２ないし７：１の範囲内にあるよう
   な量で、コロイド状微結晶セルロースと澱粉とが
   存在することを特徴とする、特許請求の範囲第１
   項の安定剤組成物。 ８ コロイド状微結晶セルロースの澱粉に対する
   重量比が２：１ないし６：１の範囲内にあるよう
   な量で、コロイド状微結晶セルロースと澱粉とが
   存在することを特徴とする、特許請求の範囲第１
   項の安定剤組成物。 ９ 非増粘性で水溶性の結合剤が炭水化物である
   ことを特徴とする、特許請求の範囲第１項の安定
   剤組成物。 １０ 非増粘性で水溶性の結合剤がマルトデキス
   トリン、ホエー、及び脱脂乾燥乳からなる群から
   選ばれることを特徴とする、特許請求の範囲第１
   項の安定剤組成物。 １１ 結合剤のコロイド状微結晶セルロースに対
   する重量比が0.6：１なしい４：１の範囲内にあ
   るような量で結合剤及びコロイド状微結晶セルロ
   ースが存在することを特徴とする、特許請求の範
   囲第１項の安定剤組成物。 １２ コロイド状微結晶セルロース0.5−３重量
   ％を提供するのに十分な量の特許請求の範囲第１
   項の安定剤組成物を含有することを特徴とする水
   性懸濁液の食品処方剤。 １３ 食品処方剤がコロイド状微結晶セルロース
   0.5−1.5重量％を含有するもどされた水性懸濁液
   のチヨコレート又はココア飲料であることを特徴
   とする、特許請求の範囲第１２項の水性懸濁液の
   食品処方剤。