JPH0548441U

JPH0548441U - 衛星放送受信用チューナ

Info

Publication number: JPH0548441U
Application number: JP8135291U
Authority: JP
Inventors: 利光衣川
Original assignee: Alps Electric Co Ltd
Current assignee: Alps Alpine Co Ltd
Priority date: 1991-10-07
Filing date: 1991-10-07
Publication date: 1993-06-25
Anticipated expiration: 2006-10-07
Also published as: JP2586188Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】簡単な構成でスイッチのアイソレーションを
充分確保し、受信チャンネルのイメージ信号や局部発振
信号を充分に減衰させる。【構成】２つの衛星放送信号に対応して設けられ、こ
れら２つの衛星放送信号を入力し、択一的に選択制御さ
れたもののみ、２つの衛星放送信号のうちの１つの衛星
放送信号を出力するスイッチ１０，１１を有し、スイッ
チ１０，１１によって択一的に選択された衛星放送信号
を中間周波信号に変換する衛星放送受信用チューナに、
スイッチ１０，１１の出力端に可変トラップ１９，２０
を設けるとともに、スイッチ１０，１１のうち、オンさ
れたスイッチの出力端に設けられた可変トラップの周波
数特性を受信チャンネルの局部発振周波数またはイメー
ジ周波数を阻止する特性に制御するとともに、スイッチ
１０，１１のうち、オフされたスイッチの出力端に設け
られた可変トラップの周波数特性を受信チャンネルの中
心周波数を阻止する特性に制御する可変トラップ制御回
路２１を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、衛星放送を受信するテレビ受信機等において、ＢＳコンバータから出力される高周波信号を中間周波信号に変換する衛星放送受信用チューナに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４は衛星放送システムの構成例を示す概略図である。この図において、１および２はそれぞれ放送衛星であり、それぞれ図５（ａ）および（ｂ）に示す帯域を有する複数の放送チャンネルの衛星放送信号を送信している。３および４はそれぞれ屋外に設置された受信用のパラボラアンテナ、５および６はそれぞれパラボラアンテナ３および４の近傍に設置され、パラボラアンテナ３および４によって受信された１２ＧＨｚ帯の衛星放送信号を増幅し、約１〜２ＧＨｚの高周波信号に変換するＢＳコンバータ、７は屋内に設けられ、高周波信号を中間周波信号に変換する衛星放送受信用チューナ（以下、単にチューナという）である。

【０００３】次に、図６にチューナ７の構成の一例を示す。この図において、８および９はそれぞれＢＳコンバータ５および６から出力された高周波信号が入力される入力端子、１０および１１はそれぞれＰＩＮダイオード等によって構成されたスイッチ、１２はスイッチ制御回路であり、図示せぬ制御回路から出力される切換信号Ｓ_Cに応じてスイッチ１０および１１をオン／オフする。

【０００４】また、１３は高周波増幅器、１４はトラッキングフィルタであり、図示せぬ選局回路から出力されるチューニング電圧Ｖ_Tによってその通過周波数特性が選局されたチャンネルの周波数帯域に制御される。１５は局部発振信号を発振する局部発振器であり、図示せぬ選局回路から出力されるチューニング電圧Ｖ_Tによって局部発振信号の周波数が制御される。さらに、１６はトラッキングフィルタ１４の出力信号を局部発振信号と混合して中間周波信号に変換する混合器、１７は中間周波信号を通過させるＳＡＷ（表面弾性波）デバイス等のバンドパスフィルタ（以下、ＢＰＦという）、１８はＢＰＦ１７の出力信号が出力される出力端子である。

【０００５】このような構成において、放送衛星１から送信される、たとえば、図５（ａ）に示す斜線部分の帯域のチャンネルの衛星放送信号を受信するには、図示せぬ制御回路から切換信号Ｓ_Cを出力してスイッチ１０をオンにし、スイッチ１１をオフにするとともに、図示せぬ選局回路から該当するチャンネルに対応したチューニング電圧Ｖ_Tを出力してトラッキングフィルタ１４の通過周波数特性および局部発振器１５から出力される局部発振信号の周波数を制御する。

【０００６】これにより、パラボラアンテナ３によって受信された衛星放送信号は、ＢＳコンバータ５において増幅された後、約１〜２ＧＨｚの高周波信号に変換され、チューナ７に入力端子８を介して入力される。次に、入力端子８に入力された高周波信号は、スイッチ１０を経て高周波増幅器１３において増幅された後、トラッキングフィルタ１４を経て、混合器１６において局部発振信号と混合されて中間周波信号に変換され、ＢＰＦ１７を経て出力端子１８から出力される。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述した従来の衛星放送受信用チューナにおいては、放送衛星１および２のチャンネルの周波数帯域が図５に示すように重なっているため、スイッチ１０および１１におけるアイソレーションは、約４０ｄＢ以上必要である。ところが、スイッチ１０および１１は、入力される高周波信号の周波数が約１〜２ＧＨｚと高いため、複雑で高価な構成でなければ充分なアイソレーションを確保することが困難であるという欠点があった。

【０００８】また、衛星放送システムにおいては、各チャンネルの信号レベルがほぼ等しいので、地上波を用いた通常のテレビシステムと異なり、あるチャンネルの受信時に、トラッキングフィルタ１４を狭帯域にして他のチャンネルを充分に減衰させる必要はないが、イメージ信号や局部発振信号を充分に減衰させる必要があり、このため、トラッキングフィルタ１４の構成が複雑になるという欠点があった。この考案は、このような背景の下になされたもので、簡単な構成でスイッチ部のアイソレーションが充分確保できるとともに、受信チャンネルのイメージ信号や局部発振信号を充分に減衰させることができる衛星放送受信用チューナを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

この考案は、複数の衛星放送信号に対応して設けられ、該複数の衛星放送信号を入力し、択一的に選択制御されたもののみ、前記複数の衛星放送信号のうちの１つの衛星放送信号を出力する複数の切換手段を有し、前記切換手段によって択一的に選択された前記衛星放送信号を中間周波信号に変換する衛星放送受信用チューナにおいて、前記複数の切換手段の出力端または入力端にそれぞれ設けられた複数の可変トラップと、前記複数の切換手段のうち、オンされた切換手段の出力端または入力端に設けられた可変トラップの周波数特性を受信チャンネルの局部発振周波数またはイメージ周波数を阻止する特性に制御するとともに、前記複数の切換手段のうち、オフされた切換手段の出力端または入力端に設けられた可変トラップの周波数特性を受信チャンネルの中心周波数を阻止する特性に制御する可変トラップ制御手段とを具備することを特徴としている。

【００１０】

【作用】

上記構成によれば、複数の衛星放送信号のある衛星放送信号のあるチャンネルを受信するには、該当する切換手段をオンし、かつ、その他の切換手段をオフするとともに、可変トラップ制御手段により、オンされた切換手段の出力端または入力端に設けられた可変トラップの周波数特性を受信チャンネルの局部発振周波数またはイメージ周波数を阻止する特性に制御するとともに、オフされた切換手段の出力端または入力端に設けられた可変トラップの周波数特性を受信チャンネルの中心周波数を阻止する特性に制御する。

【００１１】

【実施例】

以下、図面を参照して、この考案の一実施例について説明する。図１はこの考案の一実施例による衛星放送受信用チューナの構成を示すブロック図であり、この図において、図６の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。この図に示す衛星放送受信用チューナにおいては、スイッチ１０と高周波増幅器１３との間に可変トラップ１９が、スイッチ１１と高周波増幅器１３との間に可変トラップ２０がそれぞれ新たに設けられている。これらの可変トラップ１９および２０は、バラクタ等によって構成されており、図示せぬ制御回路から出力される切換信号Ｓ_Cおよび図示せぬ選局回路から出力されるチューニング電圧Ｖ_Tに基づいて可変トラップ制御回路２１によってその周波数特性が制御される。

【００１２】すなわち、スイッチがオンされた側の可変トラップは、局部発振周波数をｆ_L 、受信チャンネルの中心周波数をｆ₀、中間周波数をｆ_IF、イメージ周波数をｆ_i _mege とすると、図２（ａ）に示すように、受信チャンネルの局部発振周波数（ｆ _L ＝ｆ₀＋ｆ_IF）またはイメージ周波数（ｆ_imege＝ｆ₀＋２ｆ_IF）を阻止し、スイッチがオフされた側の可変トラップは、図２（ｂ）に示すように、受信チャンネルの中心周波数ｆ₀を阻止するように、その周波数特性が制御される。

【００１３】このような構成において、放送衛星１から送信される、たとえば、図３（ａ）に示す斜線部分の帯域のチャンネルの衛星放送信号を受信するには、図示せぬ制御回路から切換信号Ｓ_Cを出力してスイッチ１０をオンにし、スイッチ１１をオフにするとともに、図示せぬ選局回路から該当するチャンネルに対応したチューニング電圧Ｖ_Tを出力してトラッキングフィルタ１４の通過周波数特性および局部発振器１５から出力される局部発振信号の周波数を制御する。また、可変トラップ制御回路２１は、上述した切換信号Ｓ_Cおよびチューニング電圧Ｖ_Tに基づいて可変トラップ１９および２０それぞれの周波数特性を、図３（ａ）および（ｂ）に破線で示す特性に制御する。

【００１４】これにより、パラボラアンテナ３によって受信された衛星放送信号は、ＢＳコンバータ５において増幅された後、約１〜２ＧＨｚの高周波信号に変換され、チューナ７に入力端子８を介して入力される。次に、入力端子８に入力された高周波信号は、スイッチ１０および可変トラップ１９を経て高周波増幅器１３において増幅された後、トラッキングフィルタ１４を経て、混合器１６において局部発振信号と混合されて中間周波信号に変換され、ＢＰＦ１７を経て出力端子１８から出力される。

【００１５】この時、受信チャンネルの局部発振周波数（ｆ_L＝ｆ₀＋ｆ_IF）またはイメージ周波数（ｆ_imege＝ｆ₀＋２ｆ_IF）は、可変トラップ１９によって充分に減衰される。また、スイッチ１１から漏れ出た受信チャンネル近傍の高周波信号は、可変トラップ２０によって充分に減衰される。また、受信チャンネル近傍以外の高周波信号は、可変トラップ２０によっては充分な減衰が得られないが、トラッキングフィルタ１４およびＢＰＦ１７によって充分な減衰が得られるので、この信号によって妨害を受けることはない。

【００１６】以上説明したように、受信しない側の信号であって受信チャンネル近傍の高周波信号は、受信しない側の可変トラップによって充分に減衰されるので、スイッチに要求されるアイソレーションは、可変トラップの減衰量の分だけ少なくてすむ。たとえば、可変トラップにおけるアイソレーションが２０ｄＢとれるとすると、スイッチにおけるアイソレーションは、２０ｄＢでよい。したがって、スイッチを簡単に構成できる。また、受信チャンネルの局部発振周波数（ｆ_L＝ｆ₀＋ｆ_IF）またはイメージ周波数（ｆ_imegeｆ₀＋２ｆ_IF）が受信する側の可変トラップによって充分に減衰されるので、トラッキングフィルタ１４の性能がその分軽減される。したがって、トラッキングフィルタ１４の回路構成もその調整も簡略化できる。尚、受信しない側の可変トラップの周波数特性は、ナローな特性である必要はなく、受信チャンネル近傍の高周波信号に対する充分な減衰が得られるならば、図３（ｂ）に示すように、ブロードな特性でよいので、局部発振器１５とのトラッキングも容易となる。

【００１７】尚、上述した一実施例においては、スイッチ１０および１１の出力端に可変トラップ１９および１０をそれぞれ設けた例を示したが、スイッチ１０および１１の入力端に可変トラップ１９および１０を設けるようにしてもよい。また、上述した一実施例においては、２つの放送衛星１および２から送信される衛星放送信号を受信する例を示したが、この考案による衛星放送受信用チューナは、１つの放送衛星から送信される２種類の衛星放送信号、たとえば、垂直偏波および水平偏波の衛星放送信号を受信する場合にも適用できることはいうまでもない。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案によれば、簡単な構成でスイッチのアイソレーションが充分確保できるという効果がある。また、簡単な構成で受信チャンネルのイメージ信号や局部発振信号を充分に減衰させることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例による衛星放送受信用チュ
ーナの構成を示すブロック図である。

【図２】可変トラップ１９および２０の特性の一例を示
す図である。

【図３】この考案の一実施例による衛星放送受信用チュ
ーナの動作を説明するための図である。

【図４】衛星放送システムの構成例を示す概略図であ
る。

【図５】放送衛星１および２のそれぞれの放送チャンネ
ルの帯域の一例を示す図である。

【図６】従来の衛星放送受信用チューナの構成例を示す
ブロック図である。

【符号の説明】

１０，１１スイッチ１２スイッチ制御回路１３高周波増幅器１４トラッキングフィルタ１５局部発振器１６混合器１７ＢＰＦ１９，２０可変トラップ２１可変トラップ制御回路

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】複数の衛星放送信号に対応して設けら
れ、該複数の衛星放送信号を入力し、択一的に選択制御
されたもののみ、前記複数の衛星放送信号のうちの１つ
の衛星放送信号を出力する複数の切換手段を有し、前記
切換手段によって択一的に選択された前記衛星放送信号
を中間周波信号に変換する衛星放送受信用チューナにお
いて、前記複数の切換手段の出力端または入力端にそれぞれ設
けられた複数の可変トラップと、前記複数の切換手段のうち、オンされた切換手段の出力
端または入力端に設けられた可変トラップの周波数特性
を受信チャンネルの局部発振周波数またはイメージ周波
数を阻止する特性に制御するとともに、前記複数の切換
手段のうち、オフされた切換手段の出力端または入力端
に設けられた可変トラップの周波数特性を受信チャンネ
ルの中心周波数を阻止する特性に制御する可変トラップ
制御手段とを具備することを特徴とする衛星放送受信用
チューナ。