JPH0547424U - 内燃機関の燃料噴射弁装置 - Google Patents
内燃機関の燃料噴射弁装置Info
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- JPH0547424U JPH0547424U JP9648891U JP9648891U JPH0547424U JP H0547424 U JPH0547424 U JP H0547424U JP 9648891 U JP9648891 U JP 9648891U JP 9648891 U JP9648891 U JP 9648891U JP H0547424 U JPH0547424 U JP H0547424U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 アルコール又はアルコール混合燃料を使用す
る内燃機関に使用される燃料噴射弁装置の耐久性向上及
び機関の運転性向上を図る。 【構成】 バルブボディーのシート面及び該シート面と
接触する弁体の接触面を耐アルコール腐食性の材料で形
成した。これにより燃料中のアルコールが酸化して発生
するカルボン酸やアルデヒド等がシート面やこのシート
部に接触する弁体の接触面に付着しても耐アルコール腐
食性の材料により腐食を防止でき耐久性を向上できると
共に弁体の作動の応答遅れ、燃料漏れを防止して良好な
燃料噴射特性及び始動性が確保できる。
る内燃機関に使用される燃料噴射弁装置の耐久性向上及
び機関の運転性向上を図る。 【構成】 バルブボディーのシート面及び該シート面と
接触する弁体の接触面を耐アルコール腐食性の材料で形
成した。これにより燃料中のアルコールが酸化して発生
するカルボン酸やアルデヒド等がシート面やこのシート
部に接触する弁体の接触面に付着しても耐アルコール腐
食性の材料により腐食を防止でき耐久性を向上できると
共に弁体の作動の応答遅れ、燃料漏れを防止して良好な
燃料噴射特性及び始動性が確保できる。
Description
【0001】
本考案は、内燃機関に使用される燃料噴射弁装置に関し、特にアルコール燃料 または、アルコール混合燃料(以下アルコール燃料と称す)を使用した内燃機関 の燃料噴射弁装置に関する。
【0002】
従来の内燃機関の燃料噴射弁装置の一例を図4に示す。 このものは、図示しない内燃機関の吸気管に装着されており、電磁駆動される ものである。即ち、内装された図示しない電磁コイルが通電されるとバルブボデ ィー31内に軸方向摺動自由に保持された弁体(ニードル弁)32が、図示しな いリターンスプリングの付勢力に抗して引上げられ、前記バルブボディー31の 内壁に形成されたシート面310から離れ、噴口33が開かれる。
【0003】 これにより、燃料噴射弁装置の内部空間に所定圧力で供給された燃料が、前記 噴口33から吸気管内に供給される。 また、プロテクタ34は樹脂製でバルブボディー31の先端部に嵌合固定され ている。プレートオリフィス35は金属製でバルブボディー31の先端部にレー ザー溶接により固定され、前記バルブボディー31の先端部をプロテクタ34の 間に配設されている。
【0004】 ところで、このような燃料噴射弁装置においても、前記バルブボディー31及 び弁体32の材質には金属材例えばマルテンサイト系ステンレス綱JIS,SU S440C等が用いられている。
【0005】
しかしながら前述した従来の燃料噴射弁装置において、アルコールを混合して いない例えばガソリンのみの燃料を噴射させた場合と、アルコール燃料を噴射さ せた場合とで燃料噴射特性に差が生じる場合があった。つまりアルコール燃料を 噴射させた燃料噴射弁装置は、所定のパルス幅に対して実際の噴射量が時間の経 過とともに除々に減少してしまうのである。
【0006】 この原因を調査したところアルコールが酸化して発生するカルボン酸やアルデ ヒドがバルブボディー31のシート面310及び該シート面310に接触する弁 体32の接触面320を腐食させ、燃料噴射特性に影響を与えていることが判明 した。 即ち、シリンダ内でアルコール燃料が燃焼した際、アルコールが酸化してカル ボン酸やアルデヒドが発生し、排気行程から吸気行程に移りかわる時に生じる吹 き返し等によりシリンダ内で発生したカルボン酸やアルデヒドが吸気管内に流れ 込み、前記シート面310及びこれに接触する弁体32の接触面320に付着す る。また、燃料タンク内や燃料配管中でもアルコールの酸化によりカルボン酸や アルデヒドが発生し、前記シート面310及び前記接触面320に付着する。こ うして付着したカルボン酸やアルデヒドにはバルブボディー31や弁体32の材 質である例えばJIS,SUS440C等の金属材を腐食させる作用があり、特 に前記シート面310と前記接触面320は機械的負荷が大きく腐食されやすい 。そのためシート面310と接触面320との接触面積が増大し、通常シート3 10の周方向に略線接触していた接触面320がシート面310の周方向に面接 触してしまいバルブボディー31と弁体32との密着性が高まる。そして電磁コ イルを所定のパルス幅で励磁して弁体32をリフトさせても密着性が高まってい る分だけ遅れてリフトし、所定量の燃料を噴射させることが困難になり、燃料噴 射特性に影響を与えてしまうのである。
【0007】 従って、従来の燃料噴射弁装置を実際にアルコール燃料を使用した内燃機関に 使用すると空燃比を理論空燃比に制御しようとしても前述したことから所定量の 燃料を噴射することが困難になるため、空燃比がリーン化する恐れがあり、また 、燃料噴射弁装置の耐久性にも影響を与えるという問題があった。 また、前述した腐食により前記シート面310と前記接触面320の面粗度が 悪化するため、シール性が保てなくなり、機関停止直後等で燃料配管内に燃料ポ ンプの吐出圧力が余圧として残っていると燃料が漏れてしまい次の始動時に影響 を与えるとい問題があった。
【0008】 本考案はこのような従来の問題点に着目してなされたもので、アルコールによ るバルブボディーのシート面及び該シート面と接触する弁体の接触面の腐食を防 止した燃料噴射弁装置を提供することを目的とする。
【0009】
上記目的を達成するために、本考案の燃料噴射弁装置は、バルブボディーのシ ート面及び該シート面と接触する弁体の接触面とを耐アルコール腐食性の材料で 形成した構成とした。
【0010】
バルブボディーのシート面及び弁体の接触面を耐アルコール性の高い材料で形 成したので、アルコールが酸化して発生したカルボン酸やアルデヒド等が前記シ ート面または前記接触面に付着しても、前記耐アルコール腐食性の材料により腐 食を防止するもので、前記シート面と前記接触面との接触面積の増大、ひいては 前記シート面と前記接触面の密着性が高まることが抑制されるので、前記シート 面と、前記接触面とのシール性が保たれる。その結果、弁体作動の応答遅れを防 止し、さらにシート面と接触面とのシール性及び燃料噴射弁装置の耐久性が向上 する。
【0011】
以下に、本考案の第一実施例を図1、及び図2に基づいて説明する。 ハウジング1内には電磁コイル2が嵌挿保持され、その内側に螺子込み固定さ れた鉄心3にリターンスプリング4を介して係合する弁体(ニードル弁)6がバ ルブボディー5内に軸方向摺動自由に保持されている。前記ハウジング1とバル ブボディー5とは、バルブホルダ7を介して連結されている。
【0012】 前記バルブボディー5の先端部には中心部を開口したノズルプレート8を介し て同じく中心部を開口したプロテクタ9が嵌合固定されている。 弁体6の基端部には、アンカー10が固定され、前記バルブホルダ7とバルブ ボディー5との間には、弁体6のリフト量を規制するためのストッパプレート1 1が固定されている。
【0013】 そして、前記電磁コイル2に、ハウジング1の基端部に固定されたコネクタ1 2を介して通電電流が供給されると前記弁体6がリターンスプリング4の付勢力 に抗して引き上げられ、バルブボディー5の中心部に開口された噴口14が開か れる。 これにより、ハウジング1に開口された燃料入口13からハウジング1及びバ ルブボディー5の内部空間に所定圧力で導入された燃料が図示しない内燃機関の 吸気通路に噴射供給される。そして、前記電磁コイル2への通電時間を機関運転 条件に応じて制御することにより燃料噴射量が制御される。この燃料噴射弁装置 の前記バルブボディー5の内壁に形成された円錐形状のシート面50には金属の 化合物層51が層状に形成されている。この金属の化合物層51はバルブボディ ー5のシート面50に表面硬化処理を施すことにより形成される。
【0014】 また、弁体6の先端部62に前記シート面50と接触すべく円錐形状に形成さ れた接触面60には、金属の化合物層61が層状に形成されている。 この層状に形成された金属の化合物層51,61は従来の金属材に比べ化学的 に安定しているため、化学変化に強く、アルコールが酸化して発生するカルボン 酸やアルデヒド等に対して優れた耐食性を有し、また耐磨耗性にも優れているの で前記バルブボディー5のシート面50及び弁体6の接触面60の腐食を効果的 に防止できる。
【0015】 図5は、動的流量と噴射時間の関係を示す図で、Aは従来の燃料噴射弁装置を 使用してアルコール燃料を噴射させた場合で、噴射時間の経過と共に動的噴射量 が減少していることがわかる。 即ち、アルコールの酸化によって発生するカルボン酸やアルデヒド等によるシ ート面及びこのシート面に接触、接触面の腐食が時間の経過とともに進行し、そ れに伴う弁体の作動遅れが増大して燃料噴射量に影響を与えているのである。
【0016】 また、Bは、本考案に係わる燃料噴射弁装置で噴射時間に関係なく動的噴射量 の値はほぼ一定の値を示しており、シート面及び弁体の接触面に形成した化合物 層がアルコールの酸化によって発生するカルボン酸やアルデヒドによる腐食を効 果的に防止している。 尚、金属化合物層の厚さが5μm未満であると、 弁体の開弁動作に伴う機械的負荷で、前記金属化合物層が破壊する恐れがある。 そのため10μm程度とするのが機械的負荷による破壊の心配がなく、また製作 上好ましいが、5μm以上あれば破壊の心配はない。
【0017】 また、本実施例ではバルブボディー5のシート面50及びこれと接触すべく弁 体の先端部62に円錐形状に形成された接触面60に金属の化合物層51,61 を形成したが、バルブボディー5及び弁体6の全体に表面硬化処理を施して金属 の化合物層を形成してもよい。 次に第2の実施例を図3に基づいて説明する。
【0018】 バルブボディー21は、金属材例えばJIS SUS440C等からなる本体 部210とジルコニア等のセラミック材からなる先端部211とから構成され、 射出形成によって本体部210と先端部211とが一体に形成されている。 そして、中心部を開口したノズルプレート23がバルブボディー21の先端部 と中心部を開口したプロテクタ24との間に配置されている。このノズルプレー ト23はレーザー溶接によりプロテクタ24に取りつけられている。更にプロテ クタ24の上側内周部はレーザー溶接によりバルブボディー21の本体部210 外周面に取り付けられている。
【0019】 また、弁体22は前述した金属からなる本体部220とジルコニア等のセラミ ック材からなる先端部221とから構成され、射出成形によって本体部220と 、先端部221が一体に形成されている。 前述したセラミック材は、第一実施例で説明した金属の化合物層と同様に優れ た耐食性、耐磨耗性を有しているのでアルコールが酸化して発生するカルボン酸 やアルデヒドによる腐食を効果的に防止できる。さらに、前記セラミック材は従 来の金属材に比べ比重が軽いため、燃料噴射弁装置が軽量化できる。
【0020】 しかし、バルブボディー21の先端部211の材質をセラミック材とした場合 、金属製のノズルプレート23のバルブボディー21の先端部211への固定が 問題となる。そこで前述した実施例ではプロテクタ24を金属製とすることによ り問題を解決した。つまり、この金属製のプロテクタ24にノズルプレート23 をレーザ溶接し、このノズルプレート23が溶接固定されたプロテクタ24をバ ルブボディー21の本体部210端面に密着固定するのである。
【0021】 なお、前述した実施例では弁体22の先端部221をセラミック材としたが弁 体22全体をセラミック材としてもよい。 弁体22全体をセラミック材とすれば弁体22の軽量化を図ることができる。 また、第一実施例のようにセラミック材をバルブボディー21のシート面21 2及びこれに接触する弁体22の接触面222に層状に形成してもよく、この場 合ノズルプレート23のバルブボディー21への固定の問題はなくなる。
【0022】 尚、本考案は以上の実施例に示した型式の燃料噴射弁装置に限定されるもので はなく板状または半球状の弁体を備えたもの、あるいは弁体が噴口の外側に突出 して開弁する型式のもの等、他の型式の燃料噴射弁装置にも適用することができ る。
【0023】
以上説明してきたように、本考案によれば、バルブボディーのシート面と、該 シート面と接離して噴口を開閉する弁体の接触面と、を耐アルコール腐食性の材 料で形成したことにより、アルコール燃料が酸化して発生したカルボン酸やアル デヒドに対する耐腐食性が向上し、また、耐磨耗性も向上する。この結果シート 面と接触面の接触面積増大による密着性の増加が抑制され、弁体作動の応答遅れ を防止できるので、良好な燃料噴射特性を維持できる。また、シート面と接触面 の面粗度の悪化による燃料の漏れが防止でき、機関の始動が良好に行えるととも に燃料噴射弁装置の寿命が向上する等、絶対な効果を得ることができる。
【図1】 本考案第1の実施例の燃料噴射弁装置を示す
縦断面図。
縦断面図。
【図2】 同上の燃料噴射弁装置の要部縦断面図。
【図3】 本考案第2の実施例の燃料噴射弁装置を示す
要部縦断面図。
要部縦断面図。
【図4】 従来の燃料噴射弁装置を示す要部縦断面図。
【図5】 動的噴射量と噴射時間の関係を示す図でAは
従来の燃料噴射弁装置を使用した場合でBは本考案第1
の実施例を使用した場合である。
従来の燃料噴射弁装置を使用した場合でBは本考案第1
の実施例を使用した場合である。
6,22 弁体 5,21 バルブボディー 51,61 金属の化合物層 62,221 先端部(弁体) 60,222 接触面 50,212 シート面 211 先端部(バルブボディー)
Claims (1)
- 【請求項1】 バルブボディーとバルブボディーのシー
ト面に接離してバルブボディーの噴口を開閉する弁体を
備えた内燃機関の燃料噴射弁装置において、バルブボデ
ィーのシート面と、該シート面と接する弁体の接触面
と、を耐アルコール腐食性の材料で形成したことを特徴
とする内燃機関の燃料噴射弁装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9648891U JPH0547424U (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 内燃機関の燃料噴射弁装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9648891U JPH0547424U (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 内燃機関の燃料噴射弁装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0547424U true JPH0547424U (ja) | 1993-06-25 |
Family
ID=14166464
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9648891U Pending JPH0547424U (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 内燃機関の燃料噴射弁装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0547424U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2013030926A1 (ja) * | 2011-08-29 | 2015-03-23 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
JP2015232303A (ja) * | 2014-06-10 | 2015-12-24 | 株式会社デンソー | 燃料噴射弁 |
-
1991
- 1991-11-25 JP JP9648891U patent/JPH0547424U/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2013030926A1 (ja) * | 2011-08-29 | 2015-03-23 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
JP2015232303A (ja) * | 2014-06-10 | 2015-12-24 | 株式会社デンソー | 燃料噴射弁 |
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