JPH0547321A - 陰極線管装置 - Google Patents

陰極線管装置

Info

Publication number
JPH0547321A
JPH0547321A JP20274191A JP20274191A JPH0547321A JP H0547321 A JPH0547321 A JP H0547321A JP 20274191 A JP20274191 A JP 20274191A JP 20274191 A JP20274191 A JP 20274191A JP H0547321 A JPH0547321 A JP H0547321A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray tube
cathode ray
filling member
funnel
deflection yoke
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP20274191A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3213018B2 (ja
Inventor
Tokuo Hashimoto
徳夫 橋本
Keiji Goto
圭司 後藤
Tsutomu Takegawa
勉 武川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Electronic Engineering Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP20274191A priority Critical patent/JP3213018B2/ja
Publication of JPH0547321A publication Critical patent/JPH0547321A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3213018B2 publication Critical patent/JP3213018B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 パネル4、漏斗状のファンネル5およびネッ
ク8からなる管体を有する陰極線管1とその管体の外側
に装着された偏向ヨーク9などの外装部品とを充填部材
を介して外装箱30内に保持してなる陰極線管装置におい
て、その充填部材31a ,31b を、ファンネルおよび偏向
ヨーク近傍を空間部として、陰極線管の管軸方向に離間
した2か所以上の位置に充填した。 【効果】 充填部材の熱膨張による陰極線管の管軸方向
前方への押出しを大幅に軽減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、陰極線管装置に係
り、特に磁気シールドケースなどの外装箱の内側に、偏
向ヨークなどの外装部品の装着された陰極線管を保持し
てなる陰極線管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、航空機、船舶、車両などの移動
体に設置される陰極線管には、その移動体から発生する
振動が加わる。陰極線管に振動が加わると、その振動が
陰極線管の内側に配置されている各種管内部材に伝達さ
れ、共振をおこして蛍光体スクリーン上に描かれる画像
を劣化するなどの悪影響を及ぼす。
【0003】たとえばシャドウマスク型カラー受像管に
ついては、パネル内面に形成された3色蛍光体層からな
る蛍光体スクリーンに対向して、色選別電極としてのシ
ャドウマスクが配置されているため、このシャドウマス
クが振動すると、その電子ビーム通過孔を通過して3色
蛍光体層に射突する電子ビームの面積が変化し、その振
動が大きいと、他色蛍光体層に射突して色ずれをおこ
す。また蛍光体スクリーン上に描かれる画像は、偏向ヨ
ークの偏向作用により、電子ビームを一定の繰返し周波
数で水平、垂直方向に走査することにより得られるよう
になっているため、シャドウマスクの振動がその繰返し
周波数と特定の関係になると、画面上に明暗縞や色の異
なる縞状のパターンが発生する。
【0004】また、上記移動体においては、一般に陰極
線管は、他の電気機器に接近して配置される場合が多い
ため、近接電気機器から発生する漏れ磁界の影響を受け
るばかりでなく、時々刻々と変化する移動体の姿勢の変
化により、地磁気の影響が変化し、特性が変化しやす
い。
【0005】したがって、振動をともなう移動体に陰極
線管を使用した表示装置を搭載する場合は、陰極線管自
体を耐振設計するとともに、表示装置を移動体から十分
に浮かせて、陰極線管にあまり振動が伝わらないように
することが必要であり、また近接電気機器からの漏れ磁
界や移動体の姿勢の変化に基づく地磁気の変化の影響を
防止して、常時所定の特性を維持させるため、磁気シー
ルド効果をもつ外装箱内に収納することも必要である。
そのため、従来より移動体に搭載する陰極線管を使用し
た表示装置は、磁気シールド効果をもつ外装箱内に弾性
防振作用をもつ充填部材を、いわゆるポッティング法に
より介在させて陰極線管を保持する構造に形成されてい
る。
【0006】上記ポッティング法により介在させる充填
部材としては、陰極線管の受ける振動や衝撃を最大限に
抑制するように、振動や衝撃の強度、モードなどに適応
した振動衝撃吸収特性を有する材料が選択使用される。
【0007】図6に上記ポッティング法により充填部材
を介在させてカラー受像管を保持した陰極線管装置を示
す。この陰極線管装置において、陰極線管1(カラー受
像管)は、内面に3色蛍光体層からなる蛍光体スクリー
ン2が形成され、かつこの蛍光体スクリーン2に対向し
てその内側にシャドウマスク3が配置されたパネル4、
このパネル4に一体に接合された漏斗状のファンネル5
およびこのファンネル5に連設され、内側に電子銃7が
配設されたネック8からなる管体を有し、そのファンネ
ル5とネック8との境界部外側に偏向ヨーク9が、また
ネック8の外側に静コンバーゼンスおよび色純度調整用
磁石10などの外装部品が装着されている。そして陰極線
管1は、パネル4のスカート部から偏向ヨーク9の装着
されているファンネル5にかけてポッティング法により
充填されたシリコーンゴムからなる充填部材11により、
外装箱12内に保持され、移動体から受ける振動をその充
填された充填部材11により減衰して、陰極線管1に加わ
る振動を軽減する構造となっている。なお、外装箱12の
前端部には、パネル4と対向して外光による蛍光体スク
リーン2上に描かれる画像のコントラストの低下を防ぐ
ためのフィルターガラス13が取付けられている。
【0008】この構造の陰極線管装置において、充填部
材11の振動吸収作用を大きくして、陰極線管1に加わる
振動を小さくするためには、陰極線管1と外装箱12との
間隔をできる限り大きくして、充填される充填部材11を
厚くすることが望まれる。しかし、一般に陰極線管装置
が設置される移動体の運転室や機関室などはスペースが
狭く、それにともなって陰極線管装置は、大きさが制限
される。一方、陰極線管装置の表示画面はできるだけ大
きくしたいという要求がある。したがって実際に充填さ
れる充填部材11の厚さは、スペース面から制限される外
装箱12の大きさと要求される画面の大きさとの兼合いと
なり、一般にあまり厚くすることができない。
【0009】ところで、上記構造の陰極線管装置を移動
体に搭載すると、陰極線管装置には、近接電気機器から
の熱や移動体の受ける直射日光などにより、陰極線管装
置の周囲の温度が90℃程度に上昇することがある。こ
れに陰極線管1に装着されている偏向ヨーク9の発熱
(約40℃)が加わると、外装箱12内の温度が100℃
以上となる。その結果、充填部材11が熱膨張し、この充
填部材11により保持されている陰極線管1が管軸(Z
軸)方向前方に約2mm程度押出されるようになる。
【0010】すなわち、上記陰極線管装置の一部を拡大
して示した図7により説明すると、陰極線管1と外装箱
12との間隔が比較的大きい部分に充填された充填部材11
の厚さは、管軸と直交する方向15に40mm程度、管軸と
同方向16に85mm程度となっている。一方、シリコーン
ゴムを充填部材11とした場合、その熱膨張係数は、2×
10-4/℃であるから、常温(20℃)から90℃に温
度上昇した場合(温度差ΔT=70℃)の管軸と直交す
る方向15の充填部材11の熱膨張は、 40mm×70℃×2×10-4/℃=約0.6mm 同様に管軸と同方向16の熱膨張は、 85mm×70℃×2×10-4/℃=約1.2mm となる。その結果、管軸に対して傾斜したファンネル5
の外面上のA点は、それらを合成したB点に移動する。
【0011】そこで、充填部材11の加熱が均一であると
すると、充填部材11の熱膨張は、管軸に対して対称とな
り、陰極線管1は破線で示したように管軸方向前方に移
動し、A点がC点まで押出される。その距離LACは、A
−B間の長さをLAB、角度ACBをθ1 、線ABがファ
ンネル5の外面の垂線17となす角度をθ2 とすると、
【0012】
【数1】
【0013】で表される。
【0014】今、θ1 =25°とすると、
【0015】
【数2】
【0016】となり、数1より、
【0017】
【数3】
【0018】となり、陰極線管1は、2.5mm押出され
ることになる。その結果、パネル4がその前面に取付け
られたフィルターガラス13に当たり、これを破損すると
いう問題がおこる。
【0019】上記充填部材11の熱膨張による陰極線管1
の押出しを低減する構造として、実開昭58−3728
0号公報には、図8に示すように、外装箱12と充填部材
11との間に多孔質部材20を配置し、この多孔質部材20に
より充填部材11の熱膨張を吸収するようにした陰極線管
装置が示されている。しかしこの構造では、充填部材11
として好適なシリコーンゴムを充填するとき、未硬化の
流動性シリコーンゴムがその多孔質部材20に浸込み、充
填部材11の熱膨張に対する吸収作用を消滅させるという
問題がある。
【0020】また実開昭57−17053号公報には、
充填部材11の一部に空間21を設けて、充填部材11が熱膨
張したときの逃げ場とした構造の陰極線管装置が示され
ている。しかしこの構造では、充填部材11の熱膨張の影
響を最も受ける陰極線管1のファンネル5部分まで充填
部材11が充填されているため、十分な効果が得られにく
い。しかもこの構造では、偏向ヨーク9も充填部材11で
覆われているため、偏向ヨーク9の発熱により、その近
傍の温度が100℃以上の高温となり、この高温に加熱
された充填部材11の熱膨張により、偏向ヨーク9が変形
し、カラー受像管のコンバーゼンスや色純度が劣化する
という問題がおこる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来よ
り移動体に搭載する表示装置は、その移動体から受ける
振動を軽減するために、陰極線管を弾性防振作用をもつ
充填部材を介して外装箱内に保持する構造に形成されて
いる。しかし従来の陰極線管装置は、その充填部材が陰
極線管の漏斗状のファンネル部分まで充填されているた
め、この充填部材が熱膨張したとき、陰極線管を管軸方
向前方に押出し、パネルに対向してその前面に取付けら
れたフィルターガラスに当たり、これを破損するという
問題がある。
【0022】これを防止するために、外装箱と充填部材
との間に多孔質部材を配置して、充填部材の熱膨張を吸
収する構造にしたものがあるが、この構造では、充填部
材としてシリコーンゴムを充填するとき、未硬化の流動
性シリコーンゴムがその多孔質部材に浸込み、充填部材
の熱膨張に対する吸収作用を消滅させるという問題があ
る。また充填部材の一部に空間を設けて充填部材が熱膨
張したときの逃げ場とした構造のものがあるが、この構
造では、充填部材の熱膨張の影響を最も受ける陰極線管
のファンネル部分に充填部材が充填されているため、十
分な効果が得られにくい。また偏向ヨークが充填部材で
覆われているため、偏向ヨークの発熱によりその近傍の
充填部材が高温度に加熱され、その高温度に加熱された
充填部材の熱膨張により偏向ヨークが変形し、カラー受
像管のコンバーゼンスや色純度を劣化するという問題が
ある。
【0023】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、充填部材の熱膨張による陰極線管
の押出しを軽減し、かつ特に陰極線管の特性を劣化しな
い陰極線管装置を構成することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】パネルおよびこのパネル
に接合された漏斗状のファンネルおよびこのファンネル
に連設されたネックからなる管体を有する陰極線管とそ
の管体の外側に装着された偏向ヨークを含む外装部品と
を充填部材を介して外装箱内に保持してなる陰極線管装
置において、充填部材を、ファンネルおよび偏向ヨーク
近傍を空間部として、陰極線管の管軸方向に離間した2
か所以上の位置に充填した構造に形成した。
【0025】
【作用】上記のように、ファンネルおよび偏向ヨーク近
傍を空間部として、陰極線管の管軸方向に離間した2か
所以上の位置に充填部材を充填すると、充填部材が熱膨
張しても、充填部材は、その充填部材の充填されていな
い空間部に膨出し、陰極線管を管軸方向前方に押出す作
用を大幅に軽減することができる。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0027】図1にその一実施例である陰極線管装置を
示す。この陰極線管装置において、陰極線管1は、カラ
ー受像管であり、パネル4およびこのパネル4に一体に
接合された漏斗状のファンネル5およびこのファンネル
5に連設されたネック8から管体を有し、そのパネル4
内面に青,緑,赤に発光する3色蛍光体層からなる蛍光
体スクリーン2が形成され、この蛍光体スクリーン2に
対向してその内側に多数の電子ビーム通過孔の形成され
たシャドウマスク3が配置されている。またネック8内
に3電子ビームを放出する電子銃7が配設されている。
【0028】この陰極線管1のファンネル5とネック8
との境界部外側には、偏向ヨーク9が、またネック8の
外側には、静コンバーゼンスおよび色純度調整用磁石10
が装着されている。
【0029】そして、これら偏向ヨーク9および磁石10
の装着された陰極線管1は、外装箱30の内側に配置さ
れ、この外装箱30に対して、上記偏向ヨーク9および磁
石10の装着された陰極線管1は、ファンネル5、偏向ヨ
ーク9および磁石10近傍を空間部としてパネル4のスカ
ート部外側面近傍に充填された幅が約30mm、硬度が2
0〜40(JIS.K−6301に記載の測定法による
硬度)のシリコーンゴムからなる充填部材31a と、ネッ
ク8端部近傍に充填された幅が約30mm、硬度が30〜
50(JIS.K−6301に記載の測定法による硬
度)のシリコーンゴムからなる充填部材31b とにより保
持されている。つまり、偏向ヨーク9や磁石10の装着さ
れた陰極線管1の重心は、ファンネル5部分にあるの
で、上記充填部材31a ,31b は、その偏向ヨーク9や磁
石10の装着された陰極線管1の重心位置を挟んで、その
両側で保持する構造となっている。
【0030】なお、外装箱30には、陰極線管1のパネル
4と対向する前端部にフィルターガラス13が取付けら
れ、また上記充填部材31a ,31b の充填位置を避けて開
孔32a〜32d が形成されている。
【0031】つぎに、この陰極線管装置の組立て方法に
ついて説明する。
【0032】図3(a)に示すように、所定のカラー受
像管製造工程により製造された陰極線管1をパネル4を
下にして治具台34上に置き、この陰極線管1に外装箱30
を被せて位置決めしかつ外装箱30と治具台34との接触部
を液密にして固定する。また外装箱30に形成されている
開孔(図示せず)を粘着テープなどの任意手段により密
閉しておく。そしてパネル4のスカート部外側面近傍の
所定位置に充填部材31a を形成するため、その充填部材
31a よりも比重の大きいフロリナート35aなどの不活性
液体を所定の幅になるまで注入する。ついで同(b)に
示すように、未硬化の流動性シリコーンゴム36a を約3
0mmの幅になる量注入して硬化させる。
【0033】つぎに同(c)に示すように、ファンネル
5および偏向ヨーク(図示せず)近傍を空間にするた
め、2層目のフロリナート35bをネック8がほぼ埋没す
るまで注入する。そして同(d)に示すように、未硬化
の流動性シリコーンゴム36b を約30mmの幅になる量注
入して硬化させる。その後、治具台34に設けられている
排出部(図示せず)からフロリナート35aを排出すると
ともに、上記外装箱30の開孔を密閉している粘着テープ
を剥がして、開孔からフロリナート35bを排出する。な
お、その後、パネル4に前面にフィルターガラスを取付
ける。
【0034】ところで、上記のように陰極線管装置を構
成すると、陰極線管装置の周囲の温度の上昇により充填
部材31a ,31b が熱膨張しても、陰極線管1の管軸方向
前面に押出しを大幅に軽減でき、かつ偏向ヨーク9を変
形することなく、しかも陰極線管が外部から受ける振動
を有効に抑制する陰極線管装置とすることができる。
【0035】すなわち、上記のように構成すると、陰極
線管周囲温度の上昇により充填部材31a ,31b が熱膨張
しても、その結果生ずる陰極線管1を加圧する力は、パ
ネル4のスカート部およびネック8に垂直となり、これ
らスカート部およびネック8の外面は管軸とほぼ平行で
あるため、熱膨張した充填部材31a ,31b が陰極線管1
に加える加圧力の管軸方向成分はきわめい小さいものと
なる。したがって陰極線管1の管軸方向前面への押出し
を大幅に軽減でき、従来管軸方向前面への押出しが大き
いために発生したフィルターガラス18の破損を防止でき
る。
【0036】図2は、この例の陰極線管装置の管軸方向
前面への押出しを従来の陰極線管装置のそれと比較して
示した特性図である。この図では、横軸に時間(加熱時
間)、左側の縦軸に陰極線管の押出し量、右側のの縦軸
に充填部材の温度とって示してある。図中、破線38で示
したように充填部材が温度上昇するとき(90℃)、従
来の陰極線管装置では、曲線39で示すように2mm以上押
出されるが、この例の陰極線管装置は、曲線40で示すよ
うにわずかであり、従来の陰極線管装置にくらべて管軸
方向前面への押出しが大幅に軽減される。
【0037】しかも、この例の陰極線管装置は、外装箱
30に開孔32a〜32d が形成されているため、陰極線管1
の動作時に偏向ヨーク9などから発生する熱を、その開
孔32a 〜32d から外部に発散させ、充填部材31a ,31b
の過度の加熱による熱膨張を防止することができる。す
なわち、外装箱30に開孔32a 〜32d は、陰極線管装置の
組立に際し、流動性シリコーンゴム36a ,36bの硬化
後、フロリナート35a ,35b を排出するための排出孔と
して用いられるが、陰極線管装置の組立後は、その開孔
32a 〜32d を通る空気の対流により、偏向ヨーク9など
から発生する熱による充填部材31a ,31b の過度の加熱
を抑制して、その充填部材31a,31b の熱膨張を防止す
る。測定結果では、開孔をもたない外装箱を用いた場
合、偏向ヨーク近傍の温度が約40℃になったが、開孔
32a 〜32d を形成したことにより、約30℃に抑えるこ
とができた。なお、この開孔32a 〜32d の作用を有効に
するためには、空気の対流が良好になるように開孔32a
〜32d を上下に対にして設けるとよい。
【0038】また、この例の陰極線管装置は、パネル4
のスカート部外側面近傍およびネック8端部近傍にそれ
ぞれ充填部材31a ,31b が充填され、偏向ヨーク9近傍
をく空間部としているので、充填部材31a ,31b が熱膨
張しても、そのために偏向ヨーク9が変形することはな
く、したがって従来の陰極線管装置に発生した偏向ヨー
クの変形に基づくコンバーゼンスや色純度の劣化が防止
される。
【0039】さらに、この例の陰極線管装置は、偏向ヨ
ーク9や静コンバーゼンスおよび色純度調整用磁石10の
装着された陰極線管の重心位置を挟んでパネル4のスカ
ート部外側面近傍とネック8端部近傍とにそれぞれ充填
部材31a ,31b が充填されているため、陰極線管に加わ
る振動を効果的に減衰させるものとなっている。
【0040】すなわち、発明者の実験結果によれば、偏
向ヨーク9や磁石10の装着された陰極線管の重心位置近
くで陰極線管を保持すると、振動伝達減衰特性は、その
重心位置近くに充填された充填部材に大きく左右され
る。そのため、減衰特性のすぐれた材料を用いても、そ
の特性を十分に発揮できないことが判明した。図4は、
その様子を示したものである。図4において、曲線42
は、重心位置近くまで充填部材を充填した従来の陰極線
管装置の振幅倍率である。これに対して、硬軟2種類の
充填部材を重心位置近くまで充填すると、曲線43に示す
ように振幅倍率は低下するが、さらにこの例の陰極線管
装置のように重心位置を避けて硬軟2種類の充填部材を
充填すると、曲線44に示すように振幅倍率を低下させる
ことができる。
【0041】また、この例の陰極線管装置では、充填部
材31a ,31b の硬度を、パネル4のスカート部外側面近
傍の充填部材31a については、20〜40とし、ネック
8端部近傍の充填部材31b については、硬度30〜50
としたが、これは、硬度の異なる複数種の充填部材につ
いて実験した結果、適正化したものである。
【0042】すなわち、この例の陰極線管装置の陰極線
管1(カラー受像管)は、パネル4の内側にシャドウマ
スク3が配置されており、このシャドウマスク3の共振
周波数が200〜500Hzであるため、このシャドウマ
スク3に接近して陰極線管1を保持する充填部材31a と
しては、200Hz以上の振動を効果的に減衰するものが
望まれる。それを満足する充填部材31aとしては、硬度
40以下が有効であるが、一方、硬度が20未満になる
と、陰極線管1の保持が不安定となるため、パネル4の
スカート部外側面近傍の充填部材31a については、硬度
20〜40とした。
【0043】またネック8内に配設されててる電子銃7
の共振周波数は、400〜600Hzであり、上記シャド
ウマスク3の共振周波数よりも高い。そのため、ネック
8端部近傍の充填部材31b としては、パネル4のスカー
ト部外側面近傍の充填部材31a よりも硬くし、振動の減
衰と陰極線管1の安定保持とが得られる硬度30〜50
とした。
【0044】なお、上記実施例では、パネルのスカート
部外側面部分とネック端部近傍の2か所に充填部材を充
填して陰極線管を保持したが、この充填部材の充填位置
としては、図5に示すように、適宜パネル4のスカート
部外側面近傍とネック8端部近傍との中間に充填部材31
c を充填するなど、3か所以上で保持しても、ほぼ同様
の効果が得られる。
【0045】
【発明の効果】パネル、漏斗状のファンネルおよびネッ
クからなる管体を有する陰極線管と、その管体の外側に
装着された偏向ヨークなどの外装部品とを充填部材を介
して外装箱内に保持してなる陰極線管装置において、そ
の充填部材を、ファンネルおよび偏向ヨーク近傍を空間
部として、陰極線管の管軸方向に離間した2か所以上の
位置に充填すると、陰極線管の周囲温度の上昇により充
填部材が熱膨張しても、陰極線管を管軸方向前方に押出
す作用を大幅に軽減でき、かつ偏向ヨークの変形に基づ
く陰極線管の特性の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である陰極線管装置の構成
を示す図である。
【図2】その充填部材の熱膨張による陰極線管の管軸方
向前方への押出しを従来の陰極線管装置のそれと比較し
て示す図である。
【図3】図3(a)ないし(d)はそれぞれ上記陰極線
管装置の組立て方法を説明ための図である。
【図4】上記陰極線管装置の印加振動周波数に対する振
幅倍率を従来の陰極線管装置のそれと比較して示す図で
ある。
【図5】他の実施例の構成を示す図である。
【図6】従来の陰極線管装置の構成を示す図である。
【図7】従来の陰極線管装置における充填部材の熱膨張
による陰極線管の管軸方向前方への押出しを説明するた
めの図である。
【図8】従来の改良された陰極線管装置の構成を示す図
である。
【図9】さらに異なる従来の改良された陰極線管装置の
構成を示す図である。
【符号の説明】
1…陰極線管 2…蛍光体スクリーン 3…シャドウマスク 4…パネル 5…ファンネル 7…電子銃 8…ネック 9…偏向ヨーク 10…静コンバーゼンスおよび色純度調整用磁石 13…フィルターガラス 30…外装箱 31a ,31b ,31c …充填部材 32a 〜32d …開孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武川 勉 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 東芝電 子エンジニアリング株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネルおよびこのパネルに接合された漏
    斗状のファンネルおよびこのファンネルに連設されたネ
    ックからなる管体を有する陰極線管と上記管体の外側に
    装着された偏向ヨークを含む外装部品とを充填部材を介
    して外装箱内に保持してなる陰極線管装置において、 上記充填部材は上記ファンネルおよび上記偏向ヨーク近
    傍を空間部として上記陰極線管の管軸方向に離間した2
    か所以上の位置に充填されていることを特徴とする陰極
    線管装置。
JP20274191A 1991-08-13 1991-08-13 陰極線管装置 Expired - Fee Related JP3213018B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20274191A JP3213018B2 (ja) 1991-08-13 1991-08-13 陰極線管装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20274191A JP3213018B2 (ja) 1991-08-13 1991-08-13 陰極線管装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0547321A true JPH0547321A (ja) 1993-02-26
JP3213018B2 JP3213018B2 (ja) 2001-09-25

Family

ID=16462395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20274191A Expired - Fee Related JP3213018B2 (ja) 1991-08-13 1991-08-13 陰極線管装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3213018B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009011118A1 (ja) * 2007-07-18 2009-01-22 Nippon Polyurethane Industry Co., Ltd. ポリウレタン積層体、及びその製造方法、並びにそれを用いたシール材料、制振緩衝材料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009011118A1 (ja) * 2007-07-18 2009-01-22 Nippon Polyurethane Industry Co., Ltd. ポリウレタン積層体、及びその製造方法、並びにそれを用いたシール材料、制振緩衝材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP3213018B2 (ja) 2001-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS597731Y2 (ja) 陰極線管装置
KR0130023B1 (ko) 칼라 수상관
JPH0547321A (ja) 陰極線管装置
KR100348683B1 (ko) 컬러음극선관
JP4037364B2 (ja) ディテンショニングマスク支持フレームを有する陰極線管
KR100331820B1 (ko) 평면 음극선관
US6603251B1 (en) Shadow mask for flat cathode ray tube
KR100217134B1 (ko) 칼라브라운관의 진동흡수체
KR100229313B1 (ko) 플랫 탠션마스크의 진동 감쇠장치
JP2003346677A (ja) 陰極線管用マスクフレーム
JP2713960B2 (ja) 陰極線管装置
US6100629A (en) Panel assembly for cathode ray tube with vibration damping member
KR100524864B1 (ko) 컬러 음극선관
KR100335116B1 (ko) 평면 음극선관의 섀도우마스크 고정장치
KR920005768Y1 (ko) 칼라 음극선관용 스터드 핀
KR100350624B1 (ko) 컬러음극선관
KR100241601B1 (ko) 음극선관의 섀도우마스크
KR100228172B1 (ko) 내장형 평면 스크린
KR100213775B1 (ko) 칼라브라운관 진동흡수 마스크 구조체
JPS61203538A (ja) カラ−ブラウン管
KR100705817B1 (ko) 평면 음극선관의 하울링 저감장치
KR20010000990A (ko) 칼라음극선관의 진동 감쇠장치
JPS5812241A (ja) 陰極線管構体
KR19990074508A (ko) 칼라 브라운관의 마스크구조
JPS62229732A (ja) カラ−受像管の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees