JPH0546715Y2 - - Google Patents

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JPH0546715Y2
JPH0546715Y2 JP2956591U JP2956591U JPH0546715Y2 JP H0546715 Y2 JPH0546715 Y2 JP H0546715Y2 JP 2956591 U JP2956591 U JP 2956591U JP 2956591 U JP2956591 U JP 2956591U JP H0546715 Y2 JPH0546715 Y2 JP H0546715Y2
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tile
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本考案は静電気低帯電性
タイルカーペツトに関するものであり、更に詳し
く述べるならば、静電気の帯電が少なく、施工が
容易で、美観と足踏感のすぐれたタイルカーペツ
トに関するものである。本考案のタイルカーペツ
トは、コンピユーターや通信機などの電子機器を
設置する室内の床材、および壁材として有用なも
ので、前記電子機器の静電気帯電による誤作動を
防止することができる。
【0002】
【従来の技術】 従来、オフイスや住宅の床敷材
料として、所謂ビニールタイルと呼ばれるプラス
チツク材料タイルが用いられていた。このビニー
ルタイルは硬く、冷く、足踏感が悪く、かつ疲れ
やすいなどの問題点の他に、電気伝導性が不良
で、そのため静電気を帯電する傾向があり、かつ
美観が不十分であつた。このために、ビニールタ
イルに代わつて繊維材料により形成された上表層
を有する長尺カーペツトが用いられるようになつ
た。しかし、このような長尺カーペツトも、静電
気の帯電性が高く、かつ、運搬・搬入・施工が面
倒であり、しかも、局部的汚損があつたとき、こ
の局部だけの交換が難かしく、しかも局部的補修
ができたとしてもそれは、著しく美観を損うなど
の問題点がある。
【0003】 上記のような諸問題点を解消する床敷
材料として、近年種々の形状、例えば正方形、長
方形、菱形などのタイルカーペツトが使用される
ようになつてきた。このようなタイルカーペツト
は、運搬、搬入、施工が容易であり、かつ美観を
損なうことなく局部的交換が可能で、しかも、各
種色彩のタイルカーペツトを組合せて所望の模様
を形成することができるなどの長所を有してい
る。このような従来のタイルカーペツトは、繊維
材料から形成された上表層と、その裏面に設けら
れたバツキング層とからなり、このバツキング層
が、ビチユーメン又はアタクチツクポリプロピレ
ンなどのような常温で熱可塑性による永久変形を
生じ易い粘着性材料の層と、その裏面に貼布され
た紙等の裏面層とからなるものであり、施工の際
には裏面層を粘着性材料層から剥離し、粘着材料
層を床面に粘着させるか、或は、裏面層を剥がす
ことなく、これを床面に接着剤等により接着して
いる。
【0004】 上記のようなタイルカーペツトは、粘
着性材料層が常温で変形が容易であるので、これ
を床面に沿つて変形させ、床面にフイツトさせる
ことができるという長所を有している。しかしな
がら、ビチユーメンやアタクチツクポリプロピレ
ンは、温度や圧力の上昇とともにその流動性も上
昇する。従つて、高温の季節や場所において、或
は多数の人によつて踏まれる場所などにおいて
は、従来のタイルカーペツトは、そのバツキング
層が流動変形して、実用性を失い、美観を損うな
どの問題を生じている。またビチユーメンはその
ベタツキ性により壁面や床を黒く汚損する欠点が
あつた。しかも、従来のタイルカーペツトにおい
ては、静電気帯電の問題が解決されていない。
【0005】 上記の問題点のために、従来のタイル
カーペツトを、コンピユーターや通信機などの電
子機器を収容している室内床材又は壁材として使
用すると、その静電気帯電により電子機器の誤作
動を誘発することがあり、このため上記のような
電子機器収容室内におけるタイルカーペツトの使
用を著しく制約している。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】 従来のタイル
カーペツトの問題点、すなわち静電気帯電を低
減、又は解消し、電子機器収容室内にも危険なし
に使用可能なタイルカーペツトを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本考案の静電気
低帯電性タイルカーペツトは、繊維材料を主構成
材料として形成された繊維上表層と、この繊維上
表層の裏面側に、天然又は合成ゴム、或いは合成
樹脂を主構成材料として形成された裏打層とを含
む積層体であつて、所定の四角形形状と寸法とに
形成されているタイルカーペツトにおいて、 前記四角形積層体の3以上の側面上に、合成樹
脂、或いは合成又は天然ゴムからなる母材と、こ
の母材中に分散している導電性物質の粉末、フレ
ーク又は繊維とから形成されており、102〜1010
Ω・cmの体積固有抵抗率を有し、かつ互に連続し
ている導電性側面被覆層が形成されていることを
特徴とするものである。
【0008】
【作用】 本考案の静電気低帯電性タイルカーペ
ツトは、前述のように、所定形状および寸法を有
する四角形形状を有し、互に積層された繊維上表
層と、裏打層と、この四角形積層体の少なくとも
3個の側面上に形成された導電性側面被覆層とを
有するものである。
【0009】 これら繊維上表層と裏打層のいづれか
一方、又は両方に1010Ω・cm以下、又は102〜1010
Ω・cmの体積固有抵抗率、或は1011Ω以下又は
103〜1011Ωの表面抵抗を有する層が含まれてい
てもよい。
【0010】 繊維上表層は、繊維材料を主構成材料
として形成されたものであつて、その構成や形状
に格別の限定はなく、織物、編物、不織布、又
は、これらの複合体のいづれであつてもよく、ま
た、繊維以外の付加材料を含んでいてもよい。
【0011】 繊維上表層を形成する繊維の種類にも
格別の限定はなく、綿、麻、羊毛などの天然繊維
や、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ナイロン6、ナイロン66、アクリル重合体な
どの合成重合体から形成された合成繊維、酢酸セ
ルロースなどの半合成繊維、その他既知の繊維な
どの1種以上を用いて形成されていてもよく、更
に、ガラス繊維、カーボン繊維や金属繊維が混用
されていてもよい。これらの繊維は、綿状、又は
糸(スパンヤーン又はマルチフイラメントヤー
ン)、テープヤーン、スプリツトヤーン、或は、
円形又は異形断面を有するモノフイラメント、偏
平モノフイラメントなどのいづれの形状で用いら
れていてもよい。
【0012】 繊維上表層が、1010Ω・cm以下、又
は、102〜1010Ω・cmの体積固有抵抗率、或は1011
Ω以下又は103〜1011Ωの表面抵抗を有すること
を必要とする場合には、繊維材料として導電性繊
維、例えば、カーボンフアイバー、金属繊維、例
えばステンレススチールフアイバーを単独で用い
るか、或は、他の繊維と混用してもよく、或は、
繊維中に、導電性物質、例えば、カーボンブラツ
ク、導電性金属粉又は導電性化合物粉末、例え
ば、ハロゲン化銅粉末、などを混合した導電性繊
維を用いてもよく、或は、上記導電性物質を含む
導電性塗料を繊維基布層に含浸、又は塗布しても
よい。
【0013】 繊維上表層は、タイルカーペツトの上
表面層を形成する。このときは、繊維上表層は、
繊維基布と、その上表面上に形成された繊維パイ
ル層とからなる立毛(パイル)布帛であることが
好ましい。繊維パイル層は、ループパイル、又は
カツトパイルのいづれにより構成されていてもよ
い。
【0014】 立毛布帛からなる繊維上表層が102
1010Ω・cmの体積固有抵抗率を有することが必要
な場合は、繊維パイル層を前述のような導電性繊
維により構成するか、或は、混用することが望ま
しい。このとき、導電性繊維よりなるパイルは、
基布中の根元部分において、他のパイルと接続
し、或は、接触しているので、基布層全体を導電
性とすることができる。また根元部分で後記のよ
うなプレコート層に連通・接触することも出来
る。
【0015】 また、繊維上表層を形成するために立
毛布帛を用いる場合、繊維パイルの脱落を防止す
るために、パイル布帛の裏面に接着剤を塗布し、
プレコート層を形成してもよい。この場合、プレ
コート層は、導電性を有していることが好まし
い。このような導電性を有するプレコート層は、
例えば、PVC,EVA、ポリウレタン、ポリアク
リル、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂又
はクロルスルホン化ポリエチレン、ポリウレタ
ン、ブチルゴム、イソプレンゴム等に導電性物質
の液状物、粉末状物、繊維状物、例えば、カーボ
ンブラツク、グラフアイト、各種導電性金属を混
入して得られる接着剤を用いることによつて形成
することができる。
【0016】 前述のように、繊維上表層が基布とパ
イル層とからなり、かつ、高導電性を有すること
を必要とする場合、その少なくとも一つが所望の
体積固有抵抗率を有することが必要となり、ま
た、繊維上表層が基布と、パイル層と、プレコー
ト層とからなる場合、その少なくとも一つが所望
の体積固有抵抗率を有することが必要となる。
【0017】 繊維上表層の裏面には、その寸法安定
性、形状安定性、施工性の向上の目的で裏打層が
形成される。この裏打層は、天然又は合成ゴム、
或は、合成樹脂から形成されるものであるが、寸
法安定性向上の目的のためには、裏打層中に、繊
維基布が含まれていてもよい。この裏打用繊維基
布は、前述と同様に織物、編物、不織布のいづれ
であつてもよい。
【0018】 裏打層を形成する合成ゴムは、SBR、
クロルスルホン化ポリエチレンゴム、ポリウレタ
ンゴム、ポリブチルゴム、ポリイソプレンゴムな
どから選ぶことができる。また、合成樹脂は、ポ
リ塩化ビニール(PVC)、ポリウレタン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、アイソタクチツクポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリアクリル酸エス
テル、ポリエステル、ポリアミドなどから選ぶこ
とができる。また、裏打層は、ビチユーメン、ア
タクチツクポリプロピレンなどを含んでいてもよ
い。最も好ましい合成樹脂は、PVCでありこれ
は可塑剤、充填剤、着色剤、安定剤、および/又
は、その他の変性剤を含んでいてもよい。これら
裏打層を形成する材料は、40℃以下の温度では、
熱可塑性による永久変形を生じないものであるこ
とが好ましい。下記に各種タイルカーペツト材料
の体積固有抵抗率を例示する。
【0019】材料 体積固有抵抗率(Ω・cm) 天然アスフアルト 1015〜1017 加硫天然ゴム 1015〜1017 ブチルゴム 1015〜1016 SBR 1012 ポリイソプレン 1015 エチレン−プロピレンゴム 1015〜1016 ネオプレン 1010〜1012 クロルスルフオン化ポリエチレンゴム
1014 ウレタンゴム 1014〜1015 ポリエチレンテレフタレート 1019 ナイロン6 1012〜1015 ナイロン66 1013〜1014 ポリプロピレン 1016 ポリ塩化ビニル 1016〜1017 ノーメツクスペーパー 1016 木綿 107〜1012 カーボンブラツク、グラフアイト
100〜10-3 ステンレススチール 10-4〜10-6
【0020】 裏打層が、高導電性、すなわち1010
Ω・cmより小さな、或は102〜1010Ω・cmの体積
固有抵抗率を有することを必要とするときは、天
然又は合成ゴム、或は、合成樹脂からなるマトリ
ツクス(母材)中に、液状、粉末状、又は、繊維
状の、少なくとも1種の導電性物質、例えば、カ
ーボンブラツク、金属(例えばAl,Au,Ag,
Pt,Cu,Cr,Ni,Zn,Ti,Ph,Sn,Pdやこれ
らの化合物又はNi−Cr合金など)、或は導電性化
合物(例えば酸化インジウム)、を混合すればよ
い。導電性物質の混合量は、その物質の導電性、
形状、および所望の導電性の程度を勘案して定め
られるが、裏打層に通電性を付与するためには、
少なくとも5%(重量)であることが好ましく、
10〜70%(重量)であることがより好ましい。勿
論、導電性物質の混合量は70%以下に限定される
ものではなく、裏打層が所望の性状(強度、屈曲
性、外観など)を有している限り、70%より多く
なつてもよい。
【0021】 裏打層が基布を含む場合、この基布が
前記の導電性繊維を含むものであつてもよく、或
は、導電性物質を含浸していてもよい。
【0022】 本考案のタイルカーペツトの積層体に
おいて、繊維上表層と裏打層との両者、又は、い
づれか一方が102〜1010Ω・cmの体積固有抵抗率
を有することが好ましい。
【0023】 後者の場合、他の一方が、1010Ω・cm
より小さな、例えば102Ω・cm以下の体積固有抵
抗率を有していてもよい。しかし、導電性積層体
全体として、詳述すれば繊維上表層表面と裏打層
裏面(後述する基台層を有する場合を含む)との
間に於いて、102〜1010Ω・cm、好ましくは103
109Ω・cm、更に好ましくは104〜108Ω・cmの体
積固有抵抗率を有する少なくとも1層が存在する
ことが好ましい。
【0024】 本考案のタイルカーペツトの裏打層
は、裏打上部層とその裏面部に形成された基台層
を含むものであつてもよい。この場合、基台層
は、タイルカーペツト積層体に変形抵抗性を与
え、かつタイルカーペツトの施工性を向上させる
のに有効である。
【0025】 基台層は、繊維材料よりなる基布によ
り形成されていてもよく、或は、天然ゴム、合成
ゴム、或は、合成樹脂よりなるものであつてもよ
い。しかし基台層は、裏打上部層の裏面側に接着
された繊維材料により形成された中間基布層と、
その裏面に形成された熱可塑性合成樹脂、又は、
ゴムにより形成された重合体層と、その裏面側に
形成された、繊維材料により形成された裏面基布
層とからなるものであることが好ましい。また基
台層も導電性材料の使用により1010〜102Ω・cm
の体積固有抵抗率を有していることが好ましい。
【0026】 上記の基台層において、中間および裏
面基布層は、タイルカーペツトに適当な変形抵抗
性と硬さとを与え、その施工性を高める上に有効
である。これらの基布は織物、編物、不織布およ
びこれらの複合体のいづれであつてもよいが、不
織布が最も好ましい。
【0027】 これらの基布を形成する繊維の種類に
も格別の限定はなく、ガラス、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリプロピレン、芳香族ポリアミド、
レーヨン繊維などのいづれであつてもよいが、ガ
ラス繊維およびポリエステル繊維が好ましい。中
間基布層および裏面基布層を構成する不織布の目
付、および厚さにも格別の限定はないが一般に、
中間基布層を構成する不織布の目付は10〜
200g/m2、であることが好ましく、50〜150g/
m2であることが更に好ましい。
【0028】 また、裏面基布層を構成する不織布の
目付は10〜100g/m2であることが好ましく、20
〜70g/m2であることが更に好ましい。また、中
間および裏面基布層は、導電性繊維を含んでいて
もよく、および/又は導電性物質を含浸していて
もよい。
【0029】 中間および裏面基布層は、適宜の重合
体材料により含浸され、これにより適度の硬さと
剛直性を有していることが好ましい。
【0030】 本考案のタイルカーペツトは四角形、
例えば正方形、長方形又は菱形などに形成された
もので、その4個の側面の少なくとも3側面に、
好ましくは全側面に、互に連続した導電性側面被
覆層が形成されている。
【0031】 一般にタイルカーペツトは、一辺の長
さが40〜50cm×40〜50cmの正方形の形状を有する
ことが好ましい。
【0032】 図1には、本考案の四角形タイルカー
ペツトの一例の断面が説明的に示されている。図
1において、タイルカーペツト1は基布2とパイ
ル層3とからなる繊維上表層4と、裏打層5とが
一体に積層されていて、この積層体の少なくとも
3側面には、導電性側面被覆層6が形成されてい
る。
【0033】 本考案の四角形タイルカーペツトは、
その少なくとも3個の側面上に、互に連続するよ
うに形成された導電性側面被覆層を有しているか
ら、多数のタイルカーペツトを配列敷設すると
き、この導電性側面被覆層の少なくとも一側面を
互に接触連結することにより、カーペツト配列体
内に互に連通した導電性連通路(ネツトワーク)
を形成することができる。これによつて、カーペ
ツト配列体内に局部的に発生した静電気を連続し
ている導電性連通路(ネツトワーク)に散らし
て、その電位を低下させることができる。勿論、
この導電性通路をアースしてもよいが、この導電
性連通路(ネツトワーク)はそれ自身が電荷を受
容しこれを逃散させるため、特にアースを設ける
必要がない。
【0034】 本考案の四角形タイルカーペツトは、
少なくとも3個の互に連続した導電性側面被覆層
を有するもので、例えば、図2〜3に示されてい
るような正方形のタイルカーペツト7において、
図2に示されているように、互に隣接する三辺の
側面に導電性側面被覆層8がコ字形に互に連続し
て形成されていてもよく、また、図3に示されて
いるように、四辺のすべての側面に導電性側面被
覆層8がロ字形に互に連続して形成されていても
よい。
【0035】 本考案のタイルカーペツトの使用に当
り、図2〜3に示されている態様のいづれか一種
のみを用いてもよいし、これら2種を混合して用
いてもよい。いづれの場合でも、配列敷設された
カーペツト配列体内に連続した導電性連通路(ネ
ツトワーク)が形成され、それによつてカーペツ
ト配列体内に局部的に発生した静電気をこの連続
した導電性連通路(ネツトワーク)に逃散させる
ことが可能となる。このとき互に連通している導
電性連通路は、カーペツト配列体内に局部的に発
生した静電気に対してアース機能を有する。
【0036】 本考案のタイルカーペツトにおいて、
導電性側面被覆層は合成樹脂、例えばポリ塩化ビ
ニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、アイソタクチツクポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリアクリル酸エステル、ポリエステル
およびポリアミドなどの樹脂、並びに天然および
合成ゴム、例えばSBR、クロルスルホン化ポリ
エチレンゴム、ポリウレタンゴム、ポリブチルゴ
ムおよびポリイソプレンゴムなどから選ばれた少
なくとも1種からなる母材と、この母材内に分散
している導電性物質の粉末、フレーク、又は繊維
とを含んで形成されている。
【0037】 導電性物質としては、金属(例えば
Al,Au,Ag,Pt,Cu,Cr,Ni,Zn,Ti,Ph,
Sn,Pd)、これら金属の2種以上の合金例えば
Cr−Ni合金、カーボン、および導電性化合物、
例えば酸化インジウムなどから選択することがで
きる。
【0038】 導電性側面被覆層に含まれる導電性物
質の量は、その物質の導電性、形状、および所望
の導電性の程度を勘案して定められるが、一般に
は、導電性側面被覆層全重量に対し、導電性物質
の含有率が、10〜70%であることが好ましい。一
般に導電性側面被覆層の厚さには格別の限定はな
いが、0.001〜1.0mmの厚さを有することが好まし
く、また、その導電性は102〜1010Ω・cmの体積
固有抵抗率を有するものであつて、103〜1011Ω
の表面抵抗を有することが好ましく、この体積固
有抵抗率は103〜109Ω・cmであることがより好ま
しく、104〜108Ω・cmであることが更に好まし
い。また、表面抵抗の値は104〜1010Ωであるこ
とがより好ましく、105〜109Ωであることが更に
好ましい。
【0039】 導電性側面被覆層の体積固有抵抗率が
102Ω・cmより小さいときは、得られるタイルカ
ーペツトの導電性が過大となつて、場合によつて
は漏電を生ずる危険がある。但し、この危険の程
度は、繊維上表層および/又は裏打層を過度に導
電性にした場合よりも低く、このため、導電性側
面被覆層の導電性の許容上限は、繊維上表層や裏
打層のそれよりも高くすることができる。また、
タイルカーペツトの導電性が1010Ω・cmより大き
いときは、得られるタイルカーペツトの導電性が
不十分でタイルカーペツトの静電気帯電が大きく
なり、場合によつては、このタイルカーペツト上
に設置された電子機器に誤動作を発生させる危険
がある。
【0040】 本考案の四角形タイルカーペツトにお
いて、繊維上表層および裏打層のいづれか、又は
両方に電気絶縁性の層が含まれていても、このタ
イルカーペツトの少なくとも3側面に導電性側面
被覆層が形成さているので、それが互に接触連結
されるようにタイルカーペツトを配列敷設するこ
とにより、静電気帯電の少ないカーペツト配列体
が構成される。
【0041】 本考案のタイルカーペツトを製造する
方法の一例を説明する。 先ず裏打層の基台層を形成するために裏面基布層
を形成する布帛、例えば、目付50g/m2のポリエ
ステル繊維からなる不織布上に、重合体層を形成
するための重合体材料、例えばポリ塩化ビニー
ル、DOP(可塑剤)、充填剤、顔料などからなる
ペーストを例えば目付2400g/m2になるように塗
布する。このとき、ペーストの一部分は、基布中
に浸透することが好ましく、これによつて重合体
層と裏面基布層とは一体に強固に結着される。こ
の重合体層の上に、中間基布層を形成する布帛、
例えばポリエステル繊維からなる目付80g/m2
不織布を重ねる。更にその上に裏打上部層を形成
するための重合体材料、例えばポリ塩化ビニル、
可塑剤、充填剤等を含むペーストを、例えば目付
1600g/m2になるように塗布する。この裏打層形
成重合体材料中に、前述のような導電性材料を、
例えば10〜40重量%含有させてもよい。
【0042】 この裏打層の上に、繊維上表層を形成
する布帛、例えば、目付120g/m2の、20重量%
の導電性繊維、例えばカーボン繊維を混用したポ
リエステル繊維不織布を基布とし、この基布に、
100%ナイロン66マルチフイラメントヤーン97重
量%と、100%メタル繊維フイラメントヤーン3
重量%とをタフテイングにより植毛し、これによ
つて得られた目付1.5Kg/m2のカツトパイルカー
ペツトを積層する。この際裏打層を形成する重合
体ペーストの1部分は、繊維上表層を形成するカ
ーペツトと、中間基布層を形成する不織布中に浸
透し、また、重合体層を形成する重合体材料ペー
ストの一部分は、中間基布層を形成する不織布中
に浸透する。
【0043】 このようにして得られた積層体に対
し、重合体材料の固化工程、例えば、ポリ塩化ビ
ニールに対しては、180℃におけるゲル化工程を
所望時間、例えば10分間施す。これによつて、各
積層された層は、互に結着される。裏面基布層の
裏面に重合体が浸透滲出している場合、或は、裏
面に重合体を薄く塗布し、これに、所望模様のエ
ンボス加工を施してもよい。次に得られた積層体
を所望形状および寸法、例えば50cm×50cmの正方
形に切断し、タイルカーペツト前駆体とする。
【0044】 上表層を形成する繊維材料が立毛布帛
である場合は、立毛繊維の脱落を防止するため
に、その根元部分に対し、基布との接着のための
接着剤処理を施してもよい。接着剤の種類にはそ
れが使用目的に有効である限り格別の限定はな
い。一般には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
および/又はポリ塩化ビニルを主体とする接着剤
が用いられている。接着剤の使用量は、できるだ
け少ないことが望ましく、一般に300〜1300g/
m2であり、500〜1000g/m2であることが好まし
い。賦与された接着剤は、パイル布帛裏面に均一
に分布していてもよいが、パイル布帛の組織に応
じて不均一に分布していてもよい。また、接着剤
は、パイルの根元部分のみに不連続に賦与されて
いてもよい。更に接着剤は発泡した状態で賦与さ
れこれによつて賦与重量を低下させてもよい。ま
た、接着剤中には導電性物質が混合されているこ
とが好ましい。
【0045】 次に、前述のタイルカーペツト前駆体
の側面の少なくとも3つに、互に連続している導
電性側面被覆層を形成する。このために、予じ
め、母材、例えばポリ塩化ビニル樹脂中に、導電
性物質、例えばカーボン繊維、或はアルミニウム
粉又はフレークを分散させて製造した、厚さ0.3
〜0.5mmのフイルムを準備しておき、これを所望
の巾に切断して、タイルカーペツト前駆体の所望
の側面に、接着剤により、又は使用せずに、互に
連続するように貼着する。
【0046】 或は、母材と導電性物質と、これらの
溶剤とを含有する導電性塗料を、タイルカーペツ
ト前駆体の所望の側面に、任意の塗布方法、例え
ばスプレー、はけ塗りなどの塗工方法により互に
連続するように塗布し、この塗布層を乾燥して導
電性側面被覆層を形成する。
【0047】
【実施例】 以下に、本考案を実施例によつて説
明する。
【0048】実施例 下記構成のナイロンパイルカーペツトを繊維上表
層形成用に用いた。 基布:ポリエステル繊維不織布 パイル:ナイロン繊維、長さ:8mm 目付:750g/m2
【0049】 上記ナイロンパイルカーペツトの裏面
上に、約20重量%のカーボンブラツクを含むポリ
塩化ビニール樹脂を、厚さ1mmに被覆して導電中
間層を形成しその裏面に、厚さ2mmの発泡ポリ塩
化ビニール層を貼着して裏打ち層を形成し、その
裏面に厚さ0.1mmのPVCフイルムを貼着して敷物
を作つた。
【0050】 この敷物を、50cm×50cmの正方形に切
断して多数のタイルカーペツト単位前駆体を作成
した。(試料1)。
【0051】 また上記と同様にして、但し中間層を
導電性としないで、タイルカーペツト単位前駆体
を製造した(試料2)。
【0052】 これらのタイルカーペツト単位前駆体
(試料1,2)の四側面に体積固有抵抗率106Ω・
cmを示す導電性塗料を厚み約0.3mmに塗布被覆し
て(実験No.1,3)、又は被覆せずに(実験No.2,
4)タイルカーペツトを得た。
【0053】 これらのタイルカーペツト単位を互に
それらの側面が接触連結するように床面上に配列
敷設した。 このように施工されたカーペツト配列体上におい
て、各単位上の人体帯電圧を測定した結果は表1
に示す通りであつた。 ■■■ 亀の甲 [0001] ■■■
【0054】 本考案の試料1−実験No.1および試料
2−実験No.3は、極めて好ましい結果を示した
が、静電気に対する配慮を全くしていない試料2
−実験No.4は、極めて不良であり、導電中間層を
有する試料1−実験No.2に於いても、積層体の断
面方向で導電連通が阻害されており静電気帯電の
問題が若干残つた。それに較べ、本考案のタイル
カーペツト(試料1−実験No.1)に於いては積層
体の断面方向で導電連通しており、好ましい結果
が得られた。また積層体の断面方向で部分的に導
電層が形成されている場合(試料1)、側面の導
電被覆層がこれらの連通を極めて効果的に達成
し、更にすぐれた結果を与えることが判明した。
【0055】 尚、正方形タイルカーペツトの3側面
のみに上記と同様の導電性側面被覆層を形成した
場合も、これらが互に接触連結するように配列敷
設したところ、上記とほぼ同様の良好な結果が得
られた。
【0056】
【考案の効果】 本考案のタイルカーペツトは、
その3又は4側面に互に連続するように形成され
ている導電性側面被覆層を有し、このようなタイ
ルカーペツトをその導電性側面被覆層が互に接触
連結するように配列敷設することにより、カーペ
ツト配列体内に導電性連通路(ネツトワーク)が
形成され、カーペツト配列体内に局部的に発生し
た静電気をこの導電性連通路に逃散させ、それに
よつてカーペツト配列体内における局部的帯電蓄
積を防止することができる。このようにして形成
された導電性連通路(ネツトワーク)は、カーペ
ツト配列体の外観を損ねることなく、またその施
工性を損ねることもない。
【0057】 従つて、本考案のタイルカーペツト
は、コンピユーターや通信機などの電子機器を収
容する室の床、および壁の形成材料として好適で
あり、これによりこれら電子機器の静電気帯電に
よる誤作動や漏電を防止することができる。ま
た、これにより人体帯電も防止され、好ましい居
住環境を形成することができる。
【0058】 また、タイルカーペツトの繊維上表層
および裏打層の全体又は一部分を導電性にした帯
電防止性タイルカーペツトを製造するには、これ
らの導電性層の製造に特別の工程を付加する必要
があり、かつその効果に比較して、製造コストの
増大がかなり著しく、従つて製品がかなり高価な
ものになる。しかし、本考案において、導電性側
面被覆層を形成することにより、かなり安価に、
かつ十分な効果をもつてしかも、容易にかつ随
時、所要性能を有する所望の数の静電気低帯電性
タイルカーペツトを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の静電気低帯電性タイルカーペツ
トの一実施態様の断面説明図である。
【図2】本考案のタイルカーペツトの導電性側面
被覆層の配置の一例を示す説明図である。
【図3】本考案のタイルカーペツトの導電性側面
被覆層の配置の他の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1,7……タイルカーペツト 2……基布層 3……パイル層 4……繊維上表層 5……裏打層 6,8……導電性側面被覆層。

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維材料を主構成材料として形成
    された繊維上表層と、この繊維上表層の裏面側
    に、天然又は合成ゴム、或いは合成樹脂を主構成
    材料として形成された裏打層とを含む積層体であ
    つて、所定の四角形形状と寸法とに形成されてい
    るタイルカーペツトにおいて、 前記四角形積層体の3以上の側面上に、合成樹
    脂、或いは合成又は天然ゴムからなる母材と、こ
    の母材中に分散している導電性物質の粉末、フレ
    ーク又は繊維とから形成されており、102〜1010
    Ω・cmの体積固有抵抗率を有し、かつ互に連続し
    ている導電性側面被覆層が形成されている、静電
    気低帯電性タイルカーペツト。
  2. 【請求項2】 前記導電性側面被覆層の導電性物
    質が金属、合金、炭素質材料および導電性化合物
    から選ばれる、請求項1に記載のタイルカーペツ
    ト。
  3. 【請求項3】 前記導電性側面被覆層が、前記四
    角形積層体の全側面上に形成されている、請求項
    1に記載のタイルカーペツト。
  4. 【請求項4】 前記繊維上表層が繊維材料のみか
    ら形成されている、請求項1に記載のタイルカー
    ペツト。
  5. 【請求項5】 前記繊維上表層が繊維基布と、そ
    の表面上に形成された繊維パイル層とからなるパ
    イル布帛により構成されている、請求項4に記載
    のタイルカーペツト。
  6. 【請求項6】 前記繊維上表層がその下面に形成
    されたプレコート層を有している、請求項1に記
    載のタイルカーペツト。
  7. 【請求項7】 前記繊維上表層および裏打層の少
    なくとも一方が1010Ω・cm以下の体積固有抵抗率
    を有する導電層を有している、請求項1に記載の
    タイルカーペツト。
  8. 【請求項8】 前記裏打層が少なくとも一層の繊
    維基布を含んでいる、請求項1に記載のタイルカ
    ーペツト。
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