JPH0546643U - 容器運搬用キャリー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のキャリーを安定した状態で段積みする
ことができる格納性、及びキャリー自身の易運搬性に優
れた容器積載用キャリーを提供する。 【構成】 容器積載面上の各コーナー部にキャリー定置
用の凹部又は開口が設けられ、この凹部又は開口の各々
に別のキャリーのキャスターを定置させることにより多
数のキャリーを安定に段積みすることのできる容器積載
用キャリー。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は容器等の運搬用キャリーに関する。更に詳細には、多数のキャリーを 安定して段積することが出来るため、格納時にスペースを取らず、しかも多数の キャリーを段積み状態のまま容易に移動、運搬させることができるキャリー自身 の収納性、運搬性に優れた容器等の運搬用キャリーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来容器等の運搬に使用される運搬具としてはハンドカー、キャリー、その他 数多くの種類のものが提案され又使用されている。 しかしながら、これら従来の運搬具は、容器等の積込、積みおろし時の作業性 、運搬時の易行動性、積載安定性等に重点を置いて改良提案されたものが多く、 運搬具使用後の運搬具自体の格納簡便性、格納スペースの経済性、又運搬具自体 の易搬送性等に着目した運搬具の改良、改善提案は少なかった。

【０００３】

【考案が解決すべき課題】

従って本考案の目的は、容器等を積載運搬するためのキャリーであって、多数 のキャリーの格納時又は多数のキャリーを一度に移動運搬する場合において、こ れらキャリーを多段に安定して段積みすることが出来るため格納に便利で、しか も多数のキャリーを一度に必要とする場所に容易に搬送することのできるキャリ ー自身の収納性、運搬性に優れたハンデーキャリーを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば、容器積載面を有する四辺形状の支持板、該支持板の周辺部に 形成されたガイド側板及び支持板のコーナー部下面側にそれぞれ設けられたキャ スターとから成る容器運搬用キャリーにおいて、前記支持板の積載面側にはキャ スター定置用凹部又は開口が、各キャスターの設置位置に対応する部分にそれぞ れ設けられ、該キャスター定置用凹部又は開口に、別のキャリーのキャスターを それぞれ定置させて該別のキャリーを搭載することにより複数のキャリーを安定 した状態で段積みできることを特徴とする格納性に優れた容器運搬用キャリーが 提供される。

【０００５】 又本考案によれば、上記キャリーに設けられたキャスターの少くとも１個がス トッパー付きキャスターであり、該キャリーのガイド側板の一部が該ストッパー 付キャスターの取付位置に対応する部分で切欠かれていることを特徴とする容器 運搬用キャリーが提供される。

【０００６】 又上記キャリー支持板中央部にキャリーを把持運搬するための開口が形成され ていることを特徴とする運搬用キャリーが提供される。

【０００７】 更に本考案によれば、上記キャリー支持板の容器積載面にキャスター定置用凹 部又は開口にキャスターを誘導するための誘導用溝が形成されている容器運搬用 キャリーが提供される。

【０００８】 更に又、上記キャリー支持板の底部に、自動運搬車のフォークを挿入するため の溝部が該底部側面より対向側面に向けて形成されている容器運搬用キャリーが 提供される。

【０００９】

【作用】

本考案の容器運搬用キャリーには、支持板の容器積載面側の各コーナー部にキ ャスターを嵌合状に定置させる凹部又は開口が設けられていることが特徴であっ て、キャリーを段積状に積載するに際し、搭載するキャリーのキャスターの車輪 を、被搭載キャリーの各コーナー部に設けられた凹部又は開口に嵌合状に定置さ せることにより搭載キャリーの積載状態を安定させ、順次複数のキャリーを安定 かつ安全に段積みできるようにしたものである。

【００１０】 これにより、多数のキャリーをコンパクトに段積状で格納することが出来るだ けでなく、多数のキャリーを必要とする際には、この段積みしたキャリーを、そ のまま一度に必要な場所に自由に移送することができる。

【００１１】 又本考案のキャリーに設けられるキャスターは少くとも１個はストッパー付キ ャスターであることが好ましく、この場合は、段積時に、被積載キャリーのスト ッパーをロックすることにより、該キャリーを安定した状態に定置することが出 来、更に他のキャリーを被搭載キャリー上に乗せ、各キャスターの車輪を被搭載 キャリーのキャスター定置用凹部又は開口に定置した後に該搭載キャスターのス トッパーをロックすることにより段積み状態の一層の安定化を達成できる。

【００１２】 又上述の態様のキャリーの場合には、各段積したキャリーのストッパーのロッ ク状態が外部より容易に判別出来るように、キャリーのガイド側板が該ストッパ ー付キャスターの取付位置に対応する部分で一部切欠かれた構造をしていること が好ましい。

【００１３】 又、支持板の中央部にキャリーを把持するための開口部を把持に適当な間隔を へだてて並列に２ヶ所設けておくと、キャリーをバランスよく把持運搬でき、キ ャリー段積時等に便利である。開口の形状は手でにぎるのに都合のよい形状であ ればよく、特に形状を問わないが、通常矩形開口を並列に穿ったものが好適であ る。

【００１４】 更に、本考案のキャリーにおいては、その支持板の容器積載面上に、前方及び 後方のキャスター定置用凹部又は開口を結ぶキャスター車輪誘導用溝を左右各々 の凹部又は開口に対応して設けておくと、キャスターを段積みするに際し、先ず 搭載すべきキャリーを持ちあげ、次に該キャリヤーの前方キャスターの２つの車 輪を各々容器積載面上に形成された溝部の適当な位置に着置させ、該溝に沿って キャスター車輪を移動させて確実容易に各凹部にキャスターを嵌入定置させるこ とができ便利である。

【００１５】 更に、支持板の底面側にフォークリフト等のフォーク挿入溝を設けておけば段 積みした複数のキャリーをフォークリフト等の運搬車により一度に運搬すること が出来て便利である。

【００１６】

【実施例】

本考案のキャリーの好適態様を更に具体的に説明する。 本考案においてキャリーを構成する支持板１は、正方形又は長方形に形成され 上面側は容器の積載面となっている。 該支持板は４つのコーナ角部を有するが、各コーナー角部の先端が一部丸めら れたもの等も当然本考案の四角形支持板に包含される。

【００１７】 支持板１にはその周辺側面に、載置した容器が運搬時等に動いたりずれたりす るのを防止するためのガイド板２が設けられている。 又支持板の底面側コーナー部にはキャスター３が各々取付けられて、支持板上 に容器を積載して自由に移送できる構造となっている。

【００１８】 支持板の容器積載面側には、そのコーナー部附近の各キャスター取付位置に対 応した部分にそれぞれキャスターの車輪を定置するキャスター定置用凹部又は開 口４が設けられている。

【００１９】 このキャスター定置用凹部又は開口の形状構造はキャスターの車輪が適正に定 置できる形状構造であればよく特に限定されるものではないが、車輪が凹部又は 開口周部に嵌合状に定置されるのに都合のよいような形状、大きさたとえば凹部 の場合は車輪とほぼ同一の形状をした凹型、半だ円型、逆梯形台形等の形状のも のが好ましく、開口は、キャスター車輪の直径よりは開口の長さが短く、開口の 巾はキャスター車輪巾よりやや広い巾のものが設けられる。

【００２０】 又該凹部にはその底部附近に水抜用の小孔を設けておくと、凹部に雨水等が帯 溜せずキャスターの車輪をぬらすことがなく好都合である。

【００２１】 本考案において支持板、ガイド側板等を構成する材質は、支持板、ガイド側板 等の機能を達成できる強度その他の性質を有するものであれば特に制限はなく、 金属、プラスチック、木材及びそれらを適宜組合せたもの等任意のものが使用で きるが、軽量かつ成形加工が容易な点よりプラスチックの使用が好ましい。 支持板をプラスチックで構成する場合、ガイド側板と支持板を一体に形成する ことも、又別途作製して組合せることも任意である。

【００２２】 又、支持板の強度を補強するためのリブを該支持板側面及び／又は底面等に設 置してもよい、又支持板の軽量化をはかるため支持板の構成部分の一部を空洞化 したり、支持板面の一部に開口部を設けることも、支持板としての強度その他の 機能をそこなわない限り任意である。

【００２３】 支持板にはすでに述べたように、中央部にキャリー把持用の開口６が、又前後 のキャリヤー定置用凹部又は開口の間には左右にそれぞれキャリー車輪誘導用溝 ７が設けられていることが好ましい。更に支持板の底面側にフォークリフト等の フォーク挿入溝８を設けてあると便利である。

【００２４】 又ガイド側板２には前述したストッパー付キャスターのロック状態判別用切欠 きを設けておくと便利である。

【００２５】 本考案のキャリーに取付けられるキャスター３は、それ自体公知のものを使用 することができるが、各キャスターは、その車輪がキャスター定置用凹部に対応 した位置を取ることができるように支持板コーナー部に取付けられていることが 必要である。

【００２６】 通常キャスターは搬送時の機動性を考慮して支持板等への取付部と車輪支持部 との間にピボットを設け、車輪を該ピボットを軸に自由に回転できる構造のもの が用いられるが、本考案においては、このようなキャスターのうち、該ピボット と車輪の軸とが同一垂直線上に位置せず若干ずれて配置された構造を有するもの が好適に使用される。

【００２７】 この態様のキャスターをキャリーに取付けた場合は、キャリーを定置して、容 器等を積載する場合は、該キャスターの車輪がピボットより外側、すなわち、車 輪がガイド側板をはみ出すように位置させてキャリーの積載時の安定性を増加さ すことができ、キャリーを段積みする場合には、車輪をピボットより内側に向け てキャスター定置用凹部に定置させるとコンパクトな状態の段積みが可能である ため好都合である。

【００２８】 以下本考案に係るキャリーの具体例を図面に基き説明する。 本考案のキャリーの１態様を示す斜線図図１において、１は上面が容器積載面 となっている支持板であり、２はガイド側板を示す。 支持板底面コーナー部には４個のキャスター３が各々設けられ、その内図から 直接見えない位置にあるキャスターがストッパー付きキャスターである。

【００２９】 支持板の容器積載面側にはコーナー部の各々キャスター取付位置に対応した凹 部４が設けられ、該凹部には水抜用の孔１０が各々穿かれている。左右各々の前 方凹部と後方凹部の間にはキャスターを凹部へ誘導移行させるための溝７を設け ている。

【００３０】 又支持板中央部には、開口６が併行状に２個所設けられキャスターを手により 把持できる構造となっている。

【００３１】 更にストッパー付キャスター取付位置に対応するガイド側板は外部よりストッ パーのロックの状態を判別するのに便利なようにその一部が切欠かれている（符 号５）。８はフォークレフト等のフォークを挿入する溝である。

【００３２】 図１のキャリーを段積みする場合においては、先ず最下層となるキャリーのス トッパーをロックし、次に積搭すべき第２のキャスターを持ち上げ２つの前輪キ ャスターを溝７内の適当な位置に各々着置させる。次に後輪側キャスターを浮か せたまま、前輪キャスターを溝に沿って移動させ、前方にある各々の凹部に嵌合 状に定置させる。

【００３３】 次に後輪側キャスターを相当する凹部に定置する。ストッパー付キャスターの ストッパーをロックする。 以下、同様の操作をくりかえしてキャスターの段積を行う。 勿論、後輪キャスター側を先に溝部に着置させて同様の操作をすることができ る。

【００３４】 このようにして段積みされたキャスターは、最底層のキャリーのキャスターロ ックを外して自由に移動させることも、又そのままの状態でフォーク溝８にフォ ークを挿入してフォークリフト等により運搬することもできる。

【００３５】 図２は、本考案の他の態様を示す図であって、この態様においては、キャリー の軽量化をはかるため支持板の一部に空洞孔を設けたものである。 図においては４ヶの空洞孔が設けられている。

【００３６】 図３は本考案のキャリーに設けられたキャスター定置用凹部及び開口の形状を 例示した部分断面図略図である。

【００３７】 図４は本考案のキャリー支持板１の下面側（裏面側）に補強用リブ１１が設け られた態様のものを示すキャリー支持板裏面略図である。

【００３８】

【考案の効果】

本考案は上述したように構成され、作用するものである故に、多数のキャリー を安定して段積でき、キャリーを収納する場合に、スペースを取らずコンパクト に収納できる利点を有する。 又段積みした多数のキャリーを一度に自由に運搬移動させることができる等の 利点をも有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の容器運搬用キャリーの一例を示す斜視
図である。

【図２】本考案の容器運搬用キャリーの他の一例を示す
平面図。

【図３】本考案の容器運搬用キャリーに設けられたキャ
スター定置用凹部又は開口の形状を例示した部分断面略
図。

【図４】本考案のキャリー支持板に補強用リブが設けら
れた態様のものを示すキャリヤー支持板裏面略図。

【符号の説明】

１ 支持板 ２ ガイド側板 ３ キャスター ４ キャスター定置用凹部又は開口 ５ ガイド側板切欠き部分 ６ キャリー把持用開口 ７ キャリー誘導用溝 ８ フォーク挿入用溝 ９ 開口 １０ 水抜用孔 １１ 支持板補強用リブ １２ キャスター固定座

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器積載面を有する四辺形状の支持板、 該支持板の周辺部に形成されたガイド側板及び支持板の
   コーナー部下面側にそれぞれ設けられたキャスターとか
   ら成る容器運搬用キャリーにおいて、 前記支持板の積載面側にはキャスター定置用凹部又は開
   口が、各キャスターの設置位置に対応する部分にそれぞ
   れ設けられ、該キャスター定置用凹部又は開口に、別の
   キャリーのキャスターをそれぞれ定置させて該別のキャ
   リーを搭載することにより複数のキャリーを安定した状
   態で段積みできることを特徴とする格納性に優れた容器
   運搬用キャリー。
2. 【請求項２】 前記キャスターの少くとも１個がストッ
   パー付キャスターであり、前記ガイド側板の一部が該ス
   トッパー付キャスターの取付位置に対応する部分で切欠
   かれていることを特徴とする請求項１記載の容器運搬用
   キャリー。
3. 【請求項３】 前記支持板中央部にキャリーを把持運搬
   するための開口が形成されていることを特徴とする請求
   項１乃至２記載の容器運搬用キャリー。
4. 【請求項４】 前記支持板の容器積載面に、キャスター
   定置用凹部又は開口にキャスターを誘導するための誘導
   用溝が形成されている請求項１乃至３記載の容器運搬用
   キャリー。
5. 【請求項５】 前記支持板の底部に、自動運搬車のフォ
   ークを挿入するための溝部が、該底部側面より対向側面
   に向けて形成されていることを特徴とする請求項１乃至
   ４記載の容器運搬用キャリー。