JPH0546433Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、複数の系統出力端子及びハンドピー
スを備えてなる電気手術器に関する。

［従来の技術］ 高周波電力によつて発生する発熱により、例え
ば生体組織を切開・凝固させる装置、所謂電気手
術器は、近年における外科手術において有意であ
る。

従来の電気手術器は、高周波電力を出力する電
源ユニツト及び該電源ユニツトから供給される高
周波電力を生体組織に熱として供給するためのハ
ンドピースを含んでいる。すなわち、前記電源ユ
ニツトにおいて発生した高周波電力は、前記ハン
ドピースに出力され、該ハンドピースにおいて
は、供給された高周波電力が熱に変換され、所望
の生体組織の切開・凝固に用いられる。

前記電源ユニツトとハンドピースの間の接続
は、該ハンドピースの手搬に伴ない引き回し可能
なコードの一端に設けられた入力端子と、電源ユ
ニツト上に設けられた系統出力端子との接続によ
り行われている。

また、前記電源ユニツトとしては、それぞれ異
なる仕様、例えば、異なる出力電力の複数種類の
高周波電力を出力可能な電源ユニツトが知られて
いる。このような電源ユニツトには、高周波電力
の出力仕様に対応するように、複数の系統出力端
子が設けられている。

このような、それぞれ異なる仕様の高周波電力
を出力する複数の系統出力端子を備えた電源ユニ
ツトを含む電気手術器においては、前記入力端子
の着脱接続により、所望のハンドピースに所望の
仕様の高周波電力を供給して、生体組織を切開・
凝固等を行うことが可能である。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、このような構成を有する従来の
電気手術器においては、複数のハンドピースが電
源ユニツトに接続されている場合に、ハンドピー
スを操作する操作者にとつて、現在操作している
ハンドピースがいずれの系統出力端子に接続され
ているかを瞬時に判断することが困難であるとい
う問題点があつた。例えば、前記ハンドピースへ
の高周波電力の供給に係るコードが引き回しに必
要な一定の長さを有しているため、複数のコード
の交錯が生じている場合に、現在操作しているハ
ンドピースがいずれの系統出力端子に接続されて
いるかを、瞬時に視認することは困難であつた。

このような場合において、操作者による接続状
態の誤認が生じ易く、操作者の意図する仕様とは
異なつた仕様の高周波電力により、生体組織の切
開・凝固等が行われてしまい、不測の事態が発生
する可能性がある。

本考案は、このような問題点を解決することを
課題としてなされたものであり、ハンドピースと
系統出力端子との接続対応を瞬時に判断すること
が可能であり、従つてより正確な操作が可能な電
気手術器を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 前記目的を達成するために、本考案は、入力端
子がいずれの系統出力端子に接続されているかを
表示する表示部を、ハンドピースに設けたことを
特徴とする。

更に、入力端子が他の入力端子との識別のため
の系統表示部を含むことを特徴とする。

更に、前記表示部及び系統表示部は、それぞれ
ハンドピース及び入力端子に装着されたマークバ
ンドであつてもよい。このマークバンドのうち、
入力端子に装着されたマークバンドは、それぞれ
入力端子を識別可能なようにマークが施されたマ
ークバンドであり、また、ハンドピースに装着さ
れたマークバンドは、対応する入力端子に装着さ
れたマークバンドと同一のマークが施されたマー
クバンドである。

同様に、前記表示部が、ハンドピースに着脱可
能に装着されたクリツプであつても良い。このク
リツプには、対応する入力端子が接続されている
系統出力端子を表示する識別記号が描かれてい
る。

また、前記表示部が、対応する入力端子が接続
されている系統出力端子に対応して、識別可能に
発光する発光手段であつても良い。

更に、前記表示部が、系統出力端子の個数に応
じた個数の発光ダイオードであつても良い。

前記表示部が、対応する入力端子がいずれの系
統出力端子に接続されているかを自動表示するよ
うにしても良い。

また、系統出力端子の個数及び発光ダイオード
の表示部１個当りの個数が２個であり、１個の表
示部内において発光ダイオードの逆極性で並列接
続され、この発光ダイオードはコード及び入力端
子を介して系統出力端子に接続され、更に前記電
源ユニツトが、２個の系統出力端子に異なる極性
の表示電圧を供給する表示電源を含むようにして
も構わない。

［作用］ 本考案の電気手術器においては、入力端子がい
ずれの系統出力端子に接続されているかが、該入
力端子に対応するハンドピースに設けられた表示
部により表示される。従つて、複数のハンドピー
スがそれぞれ対応する入力端子により複数の系統
出力端子に接続されている場合にも、この複数の
ハンドピースの内任意の１個がいずれの系統出力
端子対応する高周波電力を取込んでいるかが瞬時
に判断される。

更に、請求項(2)記載の電気手術器においては、
それぞれの入力端子が識別される。

請求項(3)記載の電気手術器においては、前述の
ハンドピースの接続に係る判断が、マークバンド
により、同様の請求項(4)記載の電気手術器におい
ては、この判断がクリツプにより行われる。

請求項(5)記載の電気手術器においては、前記ハ
ンドピースの接続に係る判断が発光手段により行
われる。

請求項(6)記載の電気手術器においては、更に、
前記ハンドピースの接続に係る判断が発光ダイオ
ードにより行われる。

請求項(7)記載の電気手術器においては、前記表
示部による表示が自動表示により行われる。

請求項(8)記載の電気手術器においては、前記表
示電源から前記発光ダイオードに供給される表示
電圧により発光ダイオードが発光する。このとき
発光する発光ダイオードは、２個逆極性に並列接
続された発光ダイオードのうち、前記表示電圧の
極性により発光可能な１個の発光ダイオードであ
り、従つて、１個の表示部内においていずれの発
光ダイオードが発光しているかにより前記ハンド
ピースの接続に係る判断が行われる。

［実施例］ 本考案の好適な実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図には、本考案の第１実施例に係る電気手
術器の構成が示されている。この図は、第１実施
例に含まれるハンドピースの構成を示す切欠き側
面図である。

この実施例においては、電源ユニツトから供給
される高周波電力を熱に変換して、例えば生体組
織に供給するハンドピース１０の一端からは、コ
ード１２が引き出され、該コード１２の一端に
は、電源ユニツト上に設けられた系統出力端子に
着脱可能に接続された入力端子１４が設けられて
いる。

すなわち、前記入力端子１４が接続された系統
出力端子には、対応する仕様の高周波電力が電源
ユニツトから出力され、これら系統出力端子、入
力端子１４、及びコード１２を介してこの高周波
電力が前記ハンドピース１０に供給されると、該
ハンドピース１０は供給された高周波電力を熱に
変換して出力する。この熱は、前記ハンドピース
１０を操作する操作者の操作に応じて、例えば生
体組織に供給され、該生体組織に切開・凝固作用
を及ぼす。

更に、この実施例においては、本考案の特徴と
するところのマークバンド１６及び１８が設けら
れている。このうち、マークバンド１６は、前記
ハンドピース１０の表面に装着され、他のマーク
バンド１８は、入力端子１４の表面に装着されて
いる。更に、このマークバンド１６及び１８は、
それぞれ同一の模様（図においては斜線で示され
ている）を有している。

第２図には、本実施例における複数のハンドピ
ースの装着状態が示されている。

例えば、複数種類（図においては２種類）の仕
様の高周波電力を出力する電源ユニツト２０上に
は、同個数（２個）の系統出力端子（図において
は入力端子１４により隠されている）が設けられ
ている。更に、前記電源ユニツトには、前記系統
出力端子に対応するように、２個の操作パネル２
２が設けられている。

すなわち、前記操作パネル２２により、それぞ
れの系統出力端子に対する高周波電力の出力が操
作される。このように操作された高周波電力は、
それぞれ対応する系統出力端子から出力される。
前記２個の出力端子には、それぞれ入力端子１４
−１及び１４−２が接続されている。また、この
入力端子１４−１及び１４−２には、それぞれ斜
線及び黒塗りの模様を有するマークバンド１８−
１及び１８−２が装着されている。更に、前記入
力端子１４−１及び１４−２に対応するハンドピ
ース１０−１及び１０−２には、それぞれ対応す
る入力端子１４−１及び１４−２に装着されたマ
ークバンド１８−１及び１８−２と同一の模様を
有するマークバンド１６−１及び１６−２が装着
されている。

このように、本実施例によれば、コード１２−
１及びコード１２−２が交錯し容易にはいずれの
ハンドピース１０がいずれの入力端子１０に対応
するかが視認できない場合にも、マークバンド１
６及び１８への模様により、ハンドピース１０と
入力端子１４との対応状態を判断することが可能
である。従つて、ハンドピース１０の誤操作が減
少し、手術の正確性の向上などの効果が得られ
る。

第３図には、本考案の第２実施例に係る電気手
術器の構成が示されている。

この実施例においては、第３図ａに示されるよ
うに、ハンドピース２４の表面に括れ部２６が形
成されている。

前記括れ部２６には、本考案の特徴に係るクリ
ツプ２８が装着される。このクリツプ２８には、
例えば第３図ｂに示されるようにハンドピース２
４がいずれの系統出力端子に接続されているかを
示す識別記号、例えば数字（図においては数字
「１」）が描かれている。

前記クリツプ２８は、例えば樹脂で形成され、
括れ部２６についての着脱が容易に可能である。
従つて、ハンドピース２４の接続をある系統出力
端子から他の系統出力端子に変更した場合にも、
同時にこのクリツプ２８を交換することにより、
常にハンドピース２４と系統出力端子とを対応づ
けることが可能であり、いずれの系統出力端子に
ハンドピース２４が接続されているかを容易に判
断することが可能である。

第４図には、本考案の第３の実施例に係る電気
手術器の構成が示されている。

第４図ａは、この実施例に係る電気手術器のハ
ンドピース３０を、本考案の特徴に係る発光ダイ
オード３２−１及び３２−２が設けられた面から
描いた側面図である。

この実施例においては、前記発光ダイオード３
２に係る回路構成は、例えば第４図ｂに示される
ようなものである。

第４図ｂにおいては、前記発光ダイオード３２
−１及び３２−２は、逆極性に並列接続されてい
る。更に、この逆極性に並列接続されたダイオー
ド３２−１及び３２−２は、前記入力端子１４に
接続されている。この入力端子１４は、前記電源
ユニツト２０上に設けられた系統出力端子３４に
接続され、更にこの系統出力端子３４は、前記発
光ダイオード３２に表示電圧を供給する表示電源
３６に接続されている。

この表示電源３６は、前記電源ユニツト２０に
内蔵され、また前記２個の系統出力端子３４−１
及び３４−２にそれぞれ逆の極性の表示電圧を供
給するように接続されている。

すなわち、前記表示電源３６から出力される表
示電圧は、それぞれの入力端子１４−１及び１４
−２について逆極性である。従つて、前述のよう
に２個が逆極性に並列接続された発光ダイオード
３２のうち、対応する入力端子１４を介して表示
電源３６から供給される表示電圧の極性と一致す
るもののみが発光する。例えば、系統出力端子３
４−１に接続された入力端子１４−１に対応する
ハンドピース３０−１に含まれる発光ダイオード
３２−１及び３２−２のうち、、表示電源３６か
ら供給される極性に一致する発光ダイオード、す
なわち３２−１のみが発光する。逆に、入力端子
１４−２に対応する発光ダイオード３２−１及び
３２−２には、電気表示電源３６から供給される
表示電圧の極性に応じて１個、すなわち発光ダイ
オード３２−２のみが発光する。この実施例にお
いても、前述の第１及び第２実施例と同様の効果
を得ることができる。加えて、この第３実施例に
おいては、ハンドピース３０が対応する入力端子
１４によりいずれの系統出力端子３４に接続され
ているかが、発光ダイオード３２により自動的に
表示される。従つて、この実施例においては、ハ
ンドピース３０の接続時における系統出力端子３
４との対応が、手間を掛けることなく容易に判断
可能である。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案によれば、ハンドピ
ースが対応する入力端子により接続された系統出
力端子が、いずれの系統出力端子であるかを容易
に判断することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第１実施例に係る電気手術
器の構成を示す切欠き側面図、第２図は、この実
施例における装着図状態を示す切欠き斜視図、第
３図は、本考案の第２実施例の構成を示す構成図
であつて、第３図ａは、クリツプ装着前のハンド
ピースの構成を示す構成図、第３図ｂは、クリツ
プの構成を示す構成図、第３図ｃは、クリツプ装
着後のハンドピースの構成を示す構成図、第４図
は、本考案の第３実施例に係る電気手術器の構成
を示す構成図であり、第４図ａは、この実施例の
側面図、第４図ｂは、この実施例の回路構成を示
す回路構成図である。 １０，２４，３０……ハンドピース、１２……
コード、１４……入力端子、１６，１８……マー
クバンド、２０……電源ユニツト、２８……クリ
ツプ、３２……発光ダイオード、３４……系統出
力端子、３６……表示電源。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) それぞれ異なる仕様の高周波電力を出力する
   複数の系統出力端子を備えた電源ユニツトと、 前記複数の系統出力端子のうち一個に着脱可
   能に接続された入力端子を一端に設けたケーブ
   ルにより、前記高周波電力を取込む手搬可能な
   所定個数のハンドピースと、 を有する電気手術器において、 前記ハンドピースが、前記入力端子がいずれ
   の系統出力端子に接続されているかを表示する
   表示部を含むことを特徴とする電気手術器。 (2) 請求項(1)記載の電気手術器において、 前記入力端子が、他の入力端子との識別のた
   めの系統表示部を含むことを特徴とする電気手
   術器。 (3) 請求項(2)記載の電気手術器において、 前記表示部及び系統表示部は、それぞれ前記
   ハンドピース及び入力端子に装着されたマーク
   バンドであつて、前記入力端子に装着されたマ
   ークバンドには、それぞれの入力端子を識別可
   能なようにマークが施され、前記ハンドピース
   には、対応する入力端子に装着されているマー
   クバンドと同一のマークが施されたマークバン
   ドが装着されることを特徴とする電気手術器。 (4) 請求項(1)又は(2)記載の電気手術器において、 前記表示部が、前記ハンドピースに着脱可能
   に装着されたクリツプであつて、このクリツプ
   には、対応する入力端子が接続されている系統
   出力端子を表示する識別記号が描かれているこ
   とを特徴とする電気手術器。 (5) 請求項(1)又は(2)記載の電気手術器において、 前記表示部が、対応する入力端子が接続され
   ている系統出力端子に対応して、識別可能に発
   光する発光手段であることを特徴とする電気手
   術器。 (6) 請求項(5)記載の電気手術器において、 前記表示部が、前記系統出力端子の個数に応
   じた個数の発光ダイオードであることを特徴と
   する電気手術器。 (7) 請求項(1)、(2)、(5)又は(6)記載の電気手術器に
   おいて、 前記表示部が、対応する入力端子がいずれの
   系統出力端子に接続されているかを自動表示す
   ることを特徴とする電気手術器。 (8) 請求項(6)記載の電気手術器において、 前記系統出力端子の個数及び前記発光ダイオ
   ードの表示部１個あたりの個数がそれぞれ２個
   であり、１個の表示部内においてこの発光ダイ
   オードが逆極性で並列接続され、この発光ダイ
   オードは前記コード及び入力端子を介して系統
   出力端子に接続され、 前記電源ユニツトが、前記２個の系統出力端
   子に異なる極性の表示電圧を供給する表示電源
   を含むことを特徴とする電気手術器。