JPH054616B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ペンレコーダに関するものであり、
詳しくは、ペンアツプ機構の改良に関するもので
ある。

（従来の技術） 一般にペンレコーダには、記録ペンを記録紙か
らアツプさせた状態でホールドしておくペンアツ
プ機構が設けられている。

複数の記録ペンを有するマルチペンレコーダに
おけるこのようなペンアツプ機構としては、例え
ばすべての記録ペンを同時にアツプさせるように
構成したり、記録ペンとキヤリツジを連結するペ
ンアームの下部にペンアームも持ち上げるための
ペンアツプバーを設けておいてこれらペンアツプ
バーを選択的にアツプダウンさせることが行われ
ている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、前者の構成によれば、構造的には簡略
化できるので安価になるが、ペンダウン時には記
録が不要なチヤンネルの記録ペンも同時にダウン
して記録紙に記録を行うことから、無駄な記録に
よつて記録紙が汚れたり、インクを消費してしま
うことになる。そこで、このような不都合を解決
するために、記録が不要な記録ペンを選択的に取
り外すことが行われているが、操作性が悪い。

一方、後者の構成によれば、各記録ペン毎に個
別にアツプダウンできることから記録が不要な記
録ペンを選択的に取り外さなくてもよく優れた操
作性が得られるが、部品点数が増加して構造は複
雑になり、コストが高くなつてしまう。

本発明は、これらの点に着目したものであり、
その目的は、比較的簡単な構成で記録ペンを選択
的にアツプさせてホールドできるペンレコーダを
提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、 サーボ機構に従つて駆動される記録ペンにより
測定値を記録するペンレコーダにおいて、 サーボ機構に選択的に測定信号またはペンアツ
プ位置信号を加える切換スイツチと、 この切換スイツチに加えられる測定信号の値を
表示する表示器と、 ペンアツプ位置信号に従つて移動到達する記録
ペンが乗り上げるように形成された傾斜面を有
し、有効記録範囲外に配置されたペンアツプブロ
ツク、 を設けたことを特徴とする。

（実施例） 以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説
明する。

第１図は本発明の一実施例の回路構成を示すブ
ロツク図、第２図は第１図の機械的な構成を示す
構成説明図であり、マルチペンレコーダにおける
１ペン系統のみを示している。これら図面におい
て、１は測定信号の入力端子であり、Ａ／Ｄ変換
器２に接続されている。３はペンアツプ位置信号
の入力端子であり、デジタル信号が入力される。
４は切換スイツチであり、一方の固定接点ａには
Ａ／Ｄ変換器２の出力端子が接続され、他方の固
定接点ｂにはペンアツプ位置データの入力端子３
が接続され、可動接点ｃは記録ペン６を移動させ
るサーボ機構５の入力端子に接続されている。７
は切換スイツチ４の固定接点ａに加えられる測定
信号の値を表示する表示器である。８は記録ペン
６が着脱可能でかつヒンジを介して回転可能に取
り付けられるキヤリツジであり、このキヤリツジ
８は両側板１０，１１間に取り付けられた案内軸
９に移動可能に嵌装されている。１２は外周の一
部に記録紙１３が巻き付けられるプラテンローラ
ーであり、両側板１０，１１間に回転可能に取り
付けられている。１４は有効記録範囲Ａ外に位置
する側板１１に配置されたペンアツプブロツクで
あり、ペンアツプ位置データに従つて移動到達す
る記録ペン６が乗り上げるように傾斜面１５が形
成されている。なお、切換スイツチ４としては、
手動操作される機械的なスイツチを用いてもよい
し、ソフトウエアによつて操作されるスイツチを
用いてもよい。

このような構成において、ペンアツプ位置デー
タとしては、第２図のペンアツプ位置Ｂに対応す
る位置データが加えられている。

通常の記録状態では、切換スイツチ４の可動接
点ｃは固定接点ａ側に接続されている。この状態
では記録ペン６はペンチツプが所定のペン圧でプ
ラテンローラー１２上の記録紙１３に押圧される
いわゆるペンダウン状態になつている。記録ペン
６はサーボ機構により測定信号の値に応じた位置
に移動させられ、記録紙１３上には測定信号の値
が連続的に記録されることになる。なお、測定信
号の値は表示器７の表示からも読み取ることがで
きる。

これに対し、記録ペン６をペンアツプさせる場
合には、切換スイツチ４の可動接点ｃを固定接点
ｂ側に接続する。これにより、記録ペン６はサー
ボ機構によりペンアツプ位置データの値に応じた
位置Ｂに高速移動させられる。ここで、ペンアツ
プブロツク１４には前述のように所定の位置に到
達した記録ペン６が乗り上げるように傾斜面１５
が形成されているので、第３図の２点鎖線に示す
ように記録ペン６はキヤリツジ８に対して回転し
ながら傾斜面１５を乗り上がり、ペンチツプは記
録紙１３から離れることになる。なお、このよう
なペンアツプ状態における測定信号の値はペンダ
ウン状態と同様に表示器７の表示から読み取るこ
とができ、ペンアツプにより測定動作が阻害され
ることはない。

このように構成することにより、必要に応じて
切換スイツチ４を切り換え操作することによつて
記録ペン６をキヤリツジ８の記録紙幅方向の動き
を利用して選択的にアツプダウンさせることがで
き、ペンアツプのためのモータやソレノイドなど
の独立した動力源は不要であり、低コスト化が図
れる。そして、ペンアツプ状態では記録ペン６は
ペンアツプブロツク１４上で静止しているので、
キヤリツジ８と案内軸９の間での動的摩耗を軽減
でき、記録ペン６の交換などの作業もやりやすく
なる。また、ペンアツプブロツク１４は、記録紙
１３が巻き付けられているスプロケツトホイール
の外周の一部と対向するように形成されているの
で、記録紙押えとしても機能することになる。ま
た、切換スイツチ４としてソフトウエアにより制
御されるスイツチを用いることにより、レコーダ
本体を汎用通信バスや外部接点信号などで制御す
る場合にも別途部品などを追加することなく切換
スイツチをこれらの外部制御信号で制御すること
ができる。

なお、上記実施例では、測定信号がＡ／Ｄ変換
器２でデジタル信号に変換されるデジタル処理構
成の例を示したが、例えば第４図に示すように
Ａ／Ｄ変換器を通すことなくアンプやアツテネー
タなどのアナログ処理ブロツク１６で処理される
構成にも有効である。この場合、ペンアツプ位置
信号の入力端子３にはアナログ信号を加えるよう
にする。なお、表示器７としては機械的なメータ
を用いてもよい。

また、上記実施例ではマルチペンレコーダの１
ペン系統のみを示したが、基本的には１ペン型の
ペンレコーダにも適用できるものである。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、比較的
簡単な構成で記録ペンを選択的にアツプさせてホ
ールドできるペンレコーダが実現でき、実用上の
効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の回路構成を示すブ
ロツク図、第２図は第１図の機械的な構成を示す
構成説明図、第３図は第２図の要部の拡大構成説
明図、第４図は他の実施例を示すブロツク図であ
る。 １……測定信号入力端子、２……Ａ／Ｄ変換
器、３……ペンアツプ位置信号入力端子、４……
切換スイツチ、５……サーボ機構、６……記録ペ
ン、７……表示器、８……キヤリツジ、９……案
内軸、１０，１１……側板、１２……プラテンロ
ーラー、１３……記録紙、１４……ペンアツプブ
ロツク、１５……傾斜面、１６……アナログ処理
ブロツク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ サーボ機構に従つて駆動される記録ペンによ
   り測定値を記録するペンレコーダにおいて、 サーボ機構に選択的に測定信号またはペンアツ
   プ位置信号を加える切換スイツチと、 この切換スイツチに加えられる測定信号の値を
   表示する表示器と、 ペンアツプ位置信号に従つて移動到達する記録
   ペンが乗り上げるように形成された傾斜面を有
   し、有効記録範囲外に配置されたペンアツプブロ
   ツク、 を設けたことを特徴とするペンレコーダ。