JPH0545623Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、流体注入用ホースに係わり、更に
詳しくは岩盤等の亀裂間にセメントミルク等の流
体を一定圧力により注入させる流体注入用ホース
に関するものである。

〔従来技術〕

従来、坑内の岩盤や、ダム工事における岩盤の
亀裂から湧水を防止させたり、補強を目的として
岩盤の亀裂部にセメントミルク等を注入する工法
が知られている。

上記のような工法は、例えば第３図に示すよう
に、地盤Ｇに一定の長さでボーリングを行い、こ
のボーリング孔１にセメントミルク注入用鋼管２
を複数本接続して挿入し、セメントミルクＳを注
入する。またこの時、注入用鋼管２とボーリング
孔１の内壁面１ａとの間隙からセメントミルクＳ
が流出してしまうため、注入用鋼管２の先端に注
入用鋼管２とボーリング孔１の内壁面１ａとの間
隙を閉鎖するエアーパツカー３（逆流防止用ダイ
アフラム）を設け、セメントミルクＳの注入時に
エアーバツク３を膨出させるべく注入用鋼管２と
は別系統から空気を供給させるようにしている。

以上のように、従来のボーリング孔１にセメン
トミルクＳを注入する場合には、注入用鋼管２と
は別系統のエアー供給ホース４及び信号線５を挿
入していたため、作業性が極めて悪く、また構造
も複雑になり、更にエアー供給ホース４及び信号
線５が注入用鋼管２内に露出しているために故障
等の原因となる他、セメントミルクの注入圧力が
一定でない為、注入圧力が高くなると、ボーリン
グ孔内壁面の亀裂を生成させ作業に支障を来して
いた。

〔考案の目的〕

この考案は、かかる従来の問題点に着目して案
出されたもので、その目的とするところはエアー
チユーブと信号線とを流体注入用ホースの製造時
に一体的に埋設することで、複数の流体と電気信
号とを実質的に一本のホースにより行うことが出
来、電気信号による流体の供給制御が可能になる
と共に、取り扱いが容易であり、更に構造もコン
パクトになつて作業性も向上させることが出来る
流体注入用ホースを提供するものである。

〔考案の構成〕

この考案は上記目的を達成するため、ホース本
体の外管内部に、少なくとも一本以上のエアーチ
ユーブと信号線とを一体的に組付けた補助線をホ
ース本体の製造時に一体的に埋設して構成したこ
とにより、複数の流体と電気信号とを実質的に一
本のホースにより行うことが出来、流体の供給時
に電気信号による流体の供給制御が可能になる
上、取り扱いが容易であり、更に構造もコンパク
トになつて作業性も向上させることが出来るよう
にしたことを要旨とするものである。

〔考案の実施例〕

以下添付図面に基いて、この考案の実施例を説
明する。

第１図及び第２図はこの考案を実施した流体注
入用ホース１１の先端側面図と、一部縦断正面図
を示し、この流体注入用ホース１１は、内管１
２、補強層１３及び外管１４により構成されてい
る。

前記流体注入用ホース１１のホース本体１１ａ
の外管１４の内部には、少なくとも一本以上のエ
アーチユーブ１５と信号線１６とを一体的に組付
けた補助線１７が、前記ホース本体１１ａの製造
時に一体的に埋設されている。

前記エアーチユーブ１５は、図示しない注入用
ホース１１の先端に設けられたエアーバツクと接
続され、このエアーバツクは、セメントミルクの
注入時に注入用ホース１１と図示しないボーリン
グ孔の内壁面との間隙を閉鎖するものである。即
ち、セメントミルクの注入時にエアーバツクを膨
出させるべくエアーチユーブ１５から空気を供給
させて、注入用ホース１１とボーリング孔の内壁
面との間隙を閉鎖させる。

また、信号線１６は図示しないボーリング孔の
先端部の圧力を検出するために、注入用ホース１
１の先端に設けられた図示しない圧力検出センサ
ーに接続されている。

また、エアーチユーブ１５と信号線１６とを一
体的に組付けた補助線１７は、外管１４の成形時
に、補強層１３の外周面にスパイラル状或いはス
トレート状に配設し、外管１４の加硫成形時に一
体的に埋設させる。

以上のように、注入用ホース１１にエアーチユ
ーブ１５と信号線１６とを一体的に組付けた補助
線１７を一体的に埋設することで、ボーリング孔
内へのセメントミルクの注入時に、同時エアーバ
ツクへ圧縮空気を供給することが出来、また電気
信号により常時ボーリング孔の先端部の圧力を検
出することが出来るので供給する流体の制御も可
能でとなる。

従つて、各々の作業を個別に行う必要がないこ
とから作業性を著しく向上させることが出来るの
である。

〔考案の効果〕

この考案は、上記のようにホース本体の外管内
部に、少なくとも一本以上のエアーチユーブと信
号線とを一体的に組付けた補助線をホース本体の
製造時に一体的に埋設して構成した為、複数の流
体と電気信号とを実質的に一本のホースにより行
うことが出来、流体の供給時に電気信号による流
体の供給制御が可能になると共に取り扱いが容易
であり、更に構造もコンパクトになつて作業性も
向上させることが出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を実施した流体注入用ホース
の先端側面図、第２図は第１図の一部縦断正面
図、第３図は従来の流体注入用ホースの実施状態
を示す説明図である。 １１……流体注入用ホース、１１ａ……ホース
本体、１２……内管、１３……補強層、１４……
外管、１５……エアーチユーブ、１６……信号
線、１７……補助線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内管、補強層及び外管より構成される流体注入
   用ホースにおいて、前記ホース本体の外管内部
   に、少なくとも一本以上のエアーチユーブと信号
   線とを一体的に組付けた補助線をホース本体の製
   造時に一体的に埋設して構成したことを特徴とす
   る流体注入用ホース。