JPH0545470A - X線イメージセンサ及びx線検査装置 - Google Patents

X線イメージセンサ及びx線検査装置

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JPH0545470A
JPH0545470A JP3200627A JP20062791A JPH0545470A JP H0545470 A JPH0545470 A JP H0545470A JP 3200627 A JP3200627 A JP 3200627A JP 20062791 A JP20062791 A JP 20062791A JP H0545470 A JPH0545470 A JP H0545470A
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filter
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Yasuichi Oomori
康以知 大森
Tetsuo Ootsuchi
哲郎 大土
Hiroshi Tsutsui
博司 筒井
Matsuki Baba
末喜 馬場
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ビームハードニングの影響を除く事が可能な
X線イメージセンサと、被検体の厚さに依存せずに正確
な物質量の測定がなされるX線検査装置を提供する。 【構成】 Kエッジフィルタを装着したX線発生器5
と、複数の単位検出素子1、2から構成されるX線イメ
ージセンサの間に定量目的物である骨部8と軟組織7か
ら構成される被検体を配置する。単位検出素子1、2は
パルス計数方式のCdTe放射線検出器で、各々の検出
器の出力はプリアンプ25、波高弁別回路26、計数回
路27を通じて、高低2段の信号に分離計数される。軟
組織7及びフィルタ4透過後の高エネルギーX線の強度
h1f と、被検体透過後の低エネルギーX線の強度I
l1f は、単位検出素子2で同時に計数され、計算処理部
28で、Ih1f ,Il1f 等から、フィルタの物質量Tf
×ρfを計算し、その実測値との比から、ビームハード
ニングの影響を補正する補正係数を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用X線検査装置、
工業用非破壊検査装置等に用いるX線イメージセンサ及
びX線検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、X線を利用して物質の含有量を測
定する検査装置が注目されている。これは異なるエネル
ギーのX線を被検体に照射し、物質のX線吸収係数が、
物質の違い及びX線のエネルギ−の違いにより異なる現
象を利用するものである。
【0003】例えば2種類の異なるエネルギーのX線を
物質A、Bから構成される被検体に照射した場合、被検
体透過前の高エネルギーX線の強度をIh0、低エネルギ
−X線の強度をIl0、被検体透過後の高エネルギ−X線
の強度をIh1、低エネルギ−X線の強度をIl1、物質A
の高エネルギーX線の質量減弱係数をμha、低エネルギ
−X線の質量減弱係数をμla、物質Bの高エネルギーX
線の質量減弱係数をμ hb、低エネルギ−X線の質量減弱
係数をμlb、物質Aの密度をρa 、厚さをTa、物質B
の密度をρb 、厚さをTbとすると被検体透過後の低エ
ネルギーX線の強度Il1
【0004】
【数1】
【0005】で表される。また被検体透過後の高エネル
ギーX線の強度Ih1は同様に、
【0006】
【数2】
【0007】で表される。(数1)、(数2)より(数
3)の関係が成立する。
【0008】
【数3】
【0009】そして(数3)を利用すれば物質の密度厚
さ積、つまり物質量が求められる。例えば密度測定装置
の一つである骨塩量測定装置では物質Aが人体の軟部組
織であり物質Bが骨部組織である。軟部組織の高エネル
ギーX線の線減弱係数μha、低エネルギーX線の線減弱
係数 μla、骨部の高エネルギーX線の線減弱係数μhb
低エネルギーX線の線減弱係数μlbは固有値であり、高
エネルギーでの被検体透過前のX線強度強度Ih0、低エ
ネルギーでの被検体透過前のX線強度Il0、高エネルギ
ーでの被検体透過後のX線強度Ih1、低エネルギーでの
被検体透過後のX線強度Il1の測定により(数3)から
骨塩量Tb×ρbが計算される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところがX線源から照
射されるX線エネルギーは、単一エネルギーではなくあ
る範囲のエネルギーの分布を有している。
【0011】物質によるX線の吸収は低いエネルギー程
大きく、透過する物質の厚さが厚くなるに従い大きくな
るため、透過する物質の厚さが厚くなるほど低エネルギ
ーの減衰が大きくなり、透過後のX線エネルギー分布の
平均または実効的なエネルギーが高い方へシフトする。
この現象をビームハードニング現象と言う。
【0012】ビームハードニング現象は被検体透過後の
高、低エネルギ−が変化し物質の吸収係数μha、μhb
μla、μlbに影響を及ぼすので、(数3)より求められ
る物質量(Tb×ρb)は真値と異なる。
【0013】本発明は上記問題点に鑑み、ビームハード
ニングの影響を除く事が可能なX線イメージセンサと被
検体の厚さに依存せずに正確な物質量の測定がなされる
X線検査装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載のX線イメージセンサは、多数個配列
した単位検出素子の内で一部の素子のX線入射側に測定
しようとする物質または材料と同じもしくはそれに近い
X線吸収係数を有するフィルタと、その回転機構をを設
けるものである。
【0015】また請求項4記載のX線検査装置は、測定
しようとする物質または材料と同じもしくは近いX線吸
収係数を有し、密度及び厚さが既知のフィルタを回転
し、一部の単位検出素子のX線入射面を覆ったり、開放
したりして、X線イメージセンサを用いてX線とととも
にX線イメージセンサをスキャニングするかまたは被検
体をスキャニングし被検体の測定を行う際に、被検体の
物質量の測定とともにフィルタの物質量の測定を行い、
フィルタの物質量の測定値とフィルタ材料の真の物性値
との違いから補正係数を求めて被検体の物質量の測定値
の補正を行うものである。
【0016】
【作用】本発明のX線イメージセンサでは測定しようと
する物質または材料と同じもしくはそれに近いX線吸収
係数を有するフィルタを一部の単位検出素子のX線入射
面に設け、回転機構によりフィルタがオン、オフする補
正用のモニタが内蔵される。
【0017】また、本発明のX線検査装置においてはフ
ィルタをもちいた測定値の補正により被検体の厚さによ
るビームハードニングの影響が取り除かれて、密度もし
くは材料の正確な測定がなされる。また、サンプリング
毎に補正係数が求められるので一回の測定中にスキャニ
ング方向における被検体の厚さが変化しても厚さの変化
に対応した補正がなされる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0019】図1は、本発明のX線イメージセンサの実
施例を示す断面図である。図1において1および2は単
位検出素子、3はX線の入射方向を示す矢印、4はフィ
ルタ、44は回転機構である。
【0020】X線イメ−ジセンサは複数個の単位検出素
子1がアレイ状に配列した構成をとる。ここで単位検出
素子は例えばパルス計数方式のCdTe放射線検出器で
ある。パルス計数方式では出力パルスの波高弁別ができ
る。一部の単位検出素子2のX線入射方向3側にはフィ
ルタ4が設けられる。フィルタ4のX線吸収係数は測定
しようとする材料もしくは物質のX線吸収係数と同じも
しくはそれに近い材料より構成される。例えば目的物質
が生体組織の骨部の場合はフィルタ4は骨部のX線吸収
係数に近いAl、炭酸カルシウム、燐酸水素カリウム、
ヨウ化カリウム等から構成される。また、その形状は半
円板状である。
【0021】図2は、図1の構成のX線イメージセンサ
を用いたX線検査装置の一実施例を示す断面図である。
図2において、4はフィルタ、44は回転機構、5はX
線発生器、7は軟組織、8は骨部、1、2は単位検出素
子、24はKエッジフィルタ、25はプリアンプ、26
は波高弁別回路、27は計数回路、28は計算処理部、
29はデータ表示部、30は入力部ある。
【0022】以下図2を用いて、物質定量の実施例を説
明する。X線発生器5と単位検出素子1、2から構成さ
れるX線イメージセンサの間に定量目的物である骨部8
と軟組織7から構成される被検体が配置される。X線発
生器5には、Kエッジフィルタ24が装着されている。
Kエッジフィルタ24の材料は例えばNdである。Kエ
ッジフィルタの効果によりX線発生器5からは高、低2
種類の実効エネルギーに分離されたX線が発生する。例
えば管電圧が80kVの時は実効エネルギー70keV
と43keVの2種類のX線が発生する。
【0023】X線イメージセンサは複数個の単位検出素
子1、2により構成される。被検体7は例えば人体であ
り、測定目的物8は骨である。単位検出素子1、2はパ
ルス計数方式のCdTe放射線検出器で、各々の検出器
の出力はプリアンプ25、波高弁別回路26、計数回路
27を通じて、高低2段の信号に分離され計数される。
【0024】被検体透過前の高エネルギーX線の強度I
h0、被検体透過前の低エネルギーX線の強度Il0は予め
測定可能である軟組織7及びフィルタ4透過後の高エネ
ルギーX線の強度Ih1f と、被検体透過後の低エネルギ
ーX線の強度Il1f は、単位検出素子2で同時に計数さ
れる。フィルタ4は例えば厚さ1cmのAlである。A
lの質量減弱係数は、40keVで0.567cm2
g、80keVで0.203cm2/gである。また骨
の質量減弱係数は、40keVで0.567cm2
g、80keVで0.512cm2/gに近い。
【0025】計算処理部9では、Ih1f 及びIl1f から
(数4)に基づいてフィルタの物質量Tf×ρfが計算さ
れる。
【0026】
【数4】
【0027】(数4)において、μlaは低エネルギーに
おける軟組織の質量減弱係数、ρaは軟組織の密度、Ta
は軟組織の厚さ、μlfは低エネルギーにおけるフィルタ
の質量減弱係数、ρf はフィルタの密度、Tfはフィル
タの厚さである。又μhaは低エネルギーにおける軟組織
の質量減弱係数、μhfは低エネルギーにおけるフィルタ
4の質量減弱係数である。
【0028】μha、μla、μhf、μlfは、軟組織7によ
るビームハードニングの影響により真値からはずれ、そ
の結果フィルタ4の物質量Tf×ρfの測定値は真値と異
なる。
【0029】フィルタ4の密度及び厚さは予め分かって
いるので、(数5)からビームハードニングの影響を補
正する為の係数K1が求められる。
【0030】
【数5】
【0031】軟組織7及び骨部8を透過後の高エネルギ
ーX線の強度Ih1b、低エネルギーX線の強度Il1bは単
位検出素子1において同時に計数される。
【0032】計算処理部9において、Ih1b及びIl1b
ら(数3)に基づいて、骨塩量Tb×ρbが計算される。
【0033】単位検出素子2と同様に、μha、μla、μ
hb、μblはビームハードニングの影響を受け、計算値と
真値に差が生じる。そこで単位検出素子2で求めた補正
係数K1を計算値に乗算し補正する。補正後の骨塩量は
ビームハードニングの影響が除かれ真値に近い正確度の
高いものである。
【0034】多チャンネル型の検出器では単位素子間の
感度ばらつきが測定精度を悪化させる。被検体の測定前
に、フィルタ4を全単位検出素子のX線入射面から除い
たX線照射により、各単位検出素子の計数を測定する。
計数のばらつきから各単位検出素子の感度補正ができ
る。例えば全チャンネルの計数の平均値と各単位検出素
子の計数から、各単位検出素子での感度補正係数が求め
られる。被検体の測定時、各単位検出素子の計数に感度
補正係数を乗算すれば単位検出素子間の感度ばらつきが
補正され測定精度が向上する。
【0035】以上述べた実施例では、フィルタ4の材料
をAlで説明したが、炭酸カルシウム、燐酸水素カリウ
ム、ヨウ化カリウム等の骨等価材料であれば良い。
【0036】また、単位検出素子をCdTe放射線検出
器として説明したがこれに限らず、Si,Ge,GaA
s等の他の半導体放射線検出器、シンチレーション検出
器、電離箱検出器等の放射線の検出が可能な検出器であ
れば良い。
【0037】またKエッジフィルタ材料もNdに限らな
い。またX線管の管電圧も80kVに限らない。
【0038】また、放射線の検出方式もパルス計数方式
に限らない。また単位検出素子の形状や配列様式も図で
限定したものに限られないことは言うまでもない。
【0039】また、目的物質を生体組織の骨部として説
明したがこれに限らず、例えばプラスチック中の銅の定
量を行うには、フィルタ2の材料を銅とすれば良い。
【0040】また異なるエネルギーのX線の発生させる
方法としてK吸収端を利用したがこれに限らず、X線の
管電圧を切り替える方法等の2種類以上の異なるエネル
ギーのX線を発生できる方法であれば良い。又X線のエ
ネルギー種類も2種類以上でも良い。またフィルタ4の
定量を行う単位検出素子は多数個でも良い。
【0041】図3は、本発明のX線検査装置の他の実施
例を示す斜視図である。図3において、6はX線イメー
ジセンサ、31はX線イメージセンサボックス、32は
アーム、33はフィルタ駆動系、34はフィルタ駆動方
法、35はX線イメージセンサボックス駆動系、36は
X線イメージセンサボックス駆動方向、37はベッドで
ある。他の符号は図2と同様であり説明は省略する。
【0042】X線発生器5には、Kエッジフィルタ24
が装着されている。Kエッジフィルタ24の材料は例え
ばNdである。Kエッジフィルタの効果によりX線発生
器5からは高、低2種類の実効エネルギーに分離された
X線が発生する。例えば管電圧が80kVの時は実効エ
ネルギー70keVと43keVの2種類のX線が発生
する。X線発生器5とX線イメージセンサ6が配置され
たX線イメージセンサボックス31はアーム32で接続
される。X線イメージセンサボックス31にはフィルタ
4及び回転機構44が装備されている。
【0043】フィルタ4は例えば厚さ1cmのAlであ
る。Alの質量減弱係数は、40keVで0.567c
2/g、80keVで0.203cm2/gである。ま
た、骨の質量減弱係数は、40keVで0.567cm
2/g、80keVで0.512cm2/gに近い。
【0044】フィルタ4は、回転機構44により回転
し、X線イメージセンサ6の一部の上をオン、オフす
る。Xイメージセンサボックス31は、X線イメージセ
ンサボックス駆動系35によりX線発生器と連動してベ
ッド37の長辺に平行なX線イメージセンサ駆動方向3
6に移動する。被検体測定時はX線発生器5とX線イメ
ージセンサボックス31が、X線イメージセンサボック
ス駆動方向36にスキャニングされる。入力部30はキ
ーボード、マウス等で駆動系の駆動、計算処理等を指示
する。
【0045】図4は、本発明のX線検査装置の更に他の
実施例を示す断面図である。図4の符号に関しては、図
2及び図3と同様であり説明は省略する。図4に基づい
て本実施例を説明する。
【0046】X線発生器5には、Kエッジフィルタ24
が装着されている。X線発生器5とアーム32で連結さ
れるX線イメージセンサボックス31には、単位検出素
子1、2から構成されるX線イメージセンサ6と、各単
位検出素子の後段のピリアンプ25、波高弁別回路2
6、及び計数回路27が実装されている。単位検出素子
1、2は例えばCdTeである。X線イメージセンサボ
ックス31はベッド37の内部に装備される。X線イメ
ージセンサボックス31のX線入射側の面には、フィル
タ駆動系33により駆動されるフィルタ4が装備され
る。
【0047】測定前の骨部8及び軟組織7より構成され
る被検体がベッド37上にない時、フィルタ4をフィル
タ移動方向34に、従って紙面の右方向に移動し、X線
イメージセンサ6の全ての単位検出素子のX線入射面か
ら外す。X線発生器5からX線を発生させる。X線発生
器5からは、Kエッジフィルタの効果で高低2種類の実
効エネルギーに分離されたX線が発生する。各々の単位
検出素子に入射したX線の強度はプリアンプ25、波高
弁別回路26を通じて計数回路27で高低2種類のエネ
ルギーに分離され計数される。
【0048】多チャンネル型のX線イメージセンサ6に
は、単位検出素子間の感度ばらつきがある。i番目の単
位検出素子の低エネルギーX線の計数をIli、全単位検
出素子の低エネルギーX線の計数の平均値をIl ave
すると、低エネルギーX線での各単位検出素子における
計数値の平均値からのずれK2liは(数6)で計算され
る。
【0049】
【数6】
【0050】又同様に高エネルギーX線の計数をIhi
全単位検出素子の高エネルギーX線の計数の平均値をI
h aveとすると、高エネルギーX線での各単位検出素子
における計数値の平均値からのずれK2hiは(数7)で
計算される。
【0051】
【数7】
【0052】計算処理部28において、各単位検出素子
毎に高、低エネルギーX線の計数値のずれを(数6)お
よび(数7)で求め、各々の値を保管する。
【0053】次いで、ベッド37に軟組織7と骨部8か
ら成る被検体を設置する。さらに、フィルタ4をフィル
タ駆動装置34で移動させ、軟部組織7のみを透過した
X線が入射する単位検出素子2上に配置する。
【0054】単位検出素子2に入射したX線は、プリア
ンプ25、波高弁別回路26を通じて計数回路27で
高、低エネルギー別に分離され計数される。上記実施例
と同様に、単位検出素子2ではフィルタ4の物質量の定
量がなされる。単位検出素子2の高エネルギーX線の計
数をIh22、低エネルギーX線の計数をIl22 とする。
両計数値は単位検出素子間の感度ばらつきを含有した値
である。これらの計数値に(数8)および(数9)に示
すように先に求めた単位検出素子2での計数値の平均値
からのずれK2hiおよびK2liを乗算し単位検出素子間の
感度ばらつきの影響を補正し高エネルギーの計数値I
h1f低エネルギーの計数値 Il1fとする。
【0055】
【数8】
【0056】
【数9】
【0057】上記実施例と同様にIh1f、Il1f及び
μha、μlf、μhf、μlaを(数4)に代入しフィルタの
物質量Tf×ρfを計算する。(数4)についての詳細な
説明は上記実施例で述べたので省略する。
【0058】ところが上記実施例と同様に、μha
μla、μhf、μlfは軟組織7によるビームハードニング
の影響により真値からはずれ、その結果フィルタ4の物
質量Tf×ρfの測定値は真値と異なる。
【0059】フィルタ4の密度及び厚さは予め分かって
いるので(数5)からビームハードニングの影響を補正
する為の係数K1が求められる。これらの計算は計算処
理部28で実施される。
【0060】一方、軟組織7及び骨部8を透過後の高エ
ネルギーX線の計数値Ih21,低エネルギーX線の計数
値Ih21 は、単位検出素子1において同様に計数され
る。単位検出素子2の場合と同様に、(数10)及び
(数11)に示すように、先に求めた単位検出素子1に
おける計数値と全単位検出素子の平均値とのずれを乗算
する。
【0061】
【数10】
【0062】
【数11】
【0063】Ih1b及びIl1bから、(数3)に基づいて
骨塩量Tb×ρbが計算される。単位検出素子2と同様
に、μha、μla、μhb、μblはビームハードニングの影
響を受け、計算値と真値に差が生じる。そこで(数1
2)に示すように、単位検出素子2で求めた補正係数K
1を計算値に乗算し、骨塩量とする。
【0064】
【数12】
【0065】補正後の骨塩量はビームハードニングの影
響が除かれるので真値に近い正確度の高いものである。
又多チャンネル型の検出器に特有の単位素子間の感度
ばらつきの影響も除かれより高い測定精度が保証され
る。また、フィルタ4を回転し、検出器上でオン、オフ
することにより補正用の単位検出素子のフィルタ有無の
信号のチェックができる。
【0066】所定の関心領域の骨塩量の分布を求めるに
は、X線イメージセンサボックス31をX線イメージセ
ンサボックス駆動系35で移動しスキャニングする。駆
動系は例えばリニアモータである。X線発生器5はアー
ム32でX線イメージセンサボックス31と連結される
のでX線発生器5も連動し、紙面の垂直方向にスキャニ
ングする。
【0067】通常、X線発生器5から発生されるX線の
強度には時間ゆらぎがある。従って単位検出素子1、2
における高エネルギーX線の計数値Ih21、低エネルギ
ーX線の計数値Il21 にゆらぎが生じるので、(数3)
で求めた骨塩量にはX線イメージセンサボックス31の
スキャニング方向のゆらぎが誤差として含まれる。
【0068】スキャニング中フィルタ4が常時単位検出
素子2のX線入射面を覆い単位検出素子1での骨塩量の
測定と同時に単位検出素子2でのフィルタ4の物質量が
(数4)に従って測定される。
【0069】単位検出素子2でも単位検出素子1と同様
にX線発生器5のX線強度のゆらぎが高低両エネルギー
の計数値Ih22、Il22 のゆらぎとなり、得られたフィ
ルタ4の物質量には骨塩量と同一のゆらぎが含まれる。
【0070】フィルタ4の物質量は既知であるので(数
5)の計算により、ゆらぎによる測定値の変動量も求め
られる。(数5)より求められる補正計数K1を、各X
線イメージセンサボックス31のスキャニング方向の各
測定ライン毎に求め、単位検出素子1での骨塩量に補正
計数K1を乗算すれば、X線のゆらぎの影響が補正され
正確度のより高い骨塩量が求められる。
【0071】また、サンプリング毎に補正係数が求めら
れる為、測定中にスキャニング方向に被検体の厚さが変
化する場合においても、厚さの変化に対応した補正がな
されるので骨塩量の正確な分布が測定される。
【0072】以上述べた実施例では、フィルタ4の材料
をAlで説明したが、炭酸カルシウム、燐酸水素カリウ
ム、ヨウ化カリウム等の骨等価材料であれば良い。
【0073】また、単位検出素子をCdTe放射線検出
器として説明したがこれに限らず、Si,Ge,GaA
s等の他の半導体放射線検出器、シンチレーション検出
器、電離箱検出器等の放射線の検出が可能な検出器であ
れば良い。
【0074】またKエッジフィルタ材料もNdに限らな
い。またX線管の管電圧も80kVに限らない。また、
放射線の検出方式もパルス計数方式に鍵らない。また単
位検出素子の形状や配列様式も図で限定したものに限ら
れないことは言うまでもない。
【0075】また、目的物質を生体組織の骨部として説
明したがこれに限らず、例えばプラスチック中の銅の定
量を行うには、フィルタ4の材料を銅とすれば良い。
【0076】また異なるエネルギーのX線の発生させる
方法としてK吸収端を利用したがこれに限らず、X線の
管電圧を切り替える方法等の2種類以上の異なるエネル
ギーのX線を発生できる方法であれば良い。又X線のエ
ネルギー種類も2種類以上でも良い。 またフィルタ4
の定量を行う単位検出素子は多数個でも良い。
【0077】
【発明の効果】以上述べた様に、本発明によれば、X線
のビ−ムハードニングの影響を除かれ、また被検体の厚
さに依存せずに正確な物質量の定量がなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線イメージセンサの一実施例の構成
を示す外観図
【図2】本発明のX線検査装置の一実施例を示す構成図
【図3】本発明のX線検査装置の他の実施例を示す構成
【図4】本発明のX線検査装置の更に他の実施例を示す
構成図
【符号の説明】
1、2 単位検出素子 4 フィルタ 5 X線発生器 6 X線イメージセンサ 7 軟組織 8 骨部 24 Kエッジフィルタ 25 プリアンプ 26 波高弁別回路 27 計数回路 28 計算処理部 29 データ表示部 30 入力部 31 X線イメージセンサボックス 32 アーム 33 フィルタ駆動系 34 フィルタ駆動方向 35 X線イメージセンサボックス駆動系 36 X線イメージセンサボックス駆動方向 44 フィルタ回転機構 37 ベッド
フロントページの続き (72)発明者 馬場 末喜 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1次元に配列された複数個の単位検出素子
    と、その一部の単位検出素子のX線入射側に設けられ、
    測定しようとする物質または材料のX線吸収係数に同じ
    もしくは近いX線吸収係数を有するフィルタと、フィル
    タの回転機構と、回転同期検出部を備えたことを特徴と
    するX線イメージセンサ。
  2. 【請求項2】フィルタ材料が、生体骨組織のX線吸収係
    数と同じもしくは近いX線吸収係数を有する材料からな
    ることを特徴とする請求項1記載のX線イメージセン
    サ。
  3. 【請求項3】X線を発生するX線発生器と、1次元に配
    列された複数個の単位検出素子と、その一部の単位検出
    素子のX線入射側に設けられ、測定しようとする物質ま
    たは材料のX線吸収係数に同じもしくは近いX線吸収係
    数を有するフィルタと、フィルタの回転機構と、回転同
    期検出部と、X線管と同期して被検体を走査する可動部
    と、そのX線イメージセンサの出力について演算処理を
    行う計算処理部と、その演算処理結果を表示するデータ
    表示部を備え、被検体の測定とともにフィルタの物質含
    有量を測定して前記被検体の物質含有量の測定値の補正
    を行うことを特徴とするX線検査装置。
  4. 【請求項4】X線イメージセンサをラインスキャニング
    し被検体の物質含有量を測定する際に、ライン毎に測定
    される物質含有量に対してフィルタの測定による補正を
    行う事を特徴とする請求項3記載のX線検査装置。
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