JPH0545388Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自動反転撹拌機の改良に関し、さら
に詳しくは自動制御によつてシロツプの煮詰め、
原料の混合撹拌及び撹拌製品の釜反転による繰出
しを自動的に行うことのできる自動反転撹拌機に
関する。

（従来の技術） 従来、例えばおこし菓子などの製造においては
水飴、砂糖など調味料でなるシロツプに蒸したも
ち米、うるち、粟や炒つた豆、ごまなどの原料を
煮詰混合釜にて適宜の温度に加熱混合撹拌して撹
拌製品を先ず製造し、それを適宜加工処理してお
こしを製造するものである。

そして従来は上記のような撹拌製品の製造装置
としては釜反転式の攪拌機が広く使用されてい
た。即ちこれは、まず仕込釜で溶解したシロツプ
を手鍋にて定量すくい取り釜内へ投入し、そして
投入後、撹拌羽根を釜内へ降下させて回転させ撹
拌しながら下方バーナーの加熱によつてシロツプ
を煮詰め、所定の温度に煮詰つたらバーナー火熱
を絞り、おこし類（原料）を投入し、撹拌羽根で
混合撹拌する。そして混合撹拌が完了したら撹拌
羽根を止めて上昇させ釜を反転させて撹拌製品を
取り出すものである。

（考案が解決しようとする問題点） ところが上記従来の釜反転式攪拌機では、シロ
ツプは手鍋で定量すくい取つて釜内へ投入する原
始的なものであるため、シロツプの計量むらがあ
ると共にシロツプ煮詰め時の火加減調節もガスコ
ツクの勘にたよつた手動調節であつてたいへん面
倒で、かつ適正な火加減制御が望めなかつた。

それに従来は撹拌羽根の回転停止はクラツチレ
バーの手動操作、撹拌羽根の昇降動及び釜の反転
はエヤハンドバルブの手動操作、そしてバーナー
火力調整もガスコツク手動操作であつて、主要作
動部の操作がすべて手動によるものであるため、
作業性が悪く生産効率が劣ると共に作用感度が劣
化して機能の確実性の面で問題があり、製品に緻
密な悪影響をもたらすおそれがあつた。

（問題点を解決するための手段） この考案は上記問題点を解決するためになされ
たものであつて、次のように構成してある。

即ちこの考案の自動反転撹拌機は、反転可能な
釜内への撹拌羽根の昇降動及び釜内での回転を行
わせる機構と釜加熱のためのバーナーとを備えた
反転式撹拌機において、シロツプ定量供給装置
と、シロツプ煮詰のためのバーナーを自動制御す
る非接触式温度センサーとを設けて各制御器を介
して自動制御系を構成し、シロツプの煮詰め、原
料の混合撹拌及び撹拌製品の釜反転による繰出し
を自動的に行うことを特徴とするものである。

次にこの考案を以下実施例について図面を参照
しながら詳しく説明する。

〔実施例〕

先ず２は、機枠１の下部に枢軸３によつて後方
へ反転可能に枢着された釜である。また水平な支
軸５に屈曲部を枢着した一方のリンク６の先端部
が釜２に固着されると共に同他方のリンク７の先
端部が、フレーム１上方にクレビス８ａ取付けさ
れた操作シリンダー８のピストンロツド９先端部
に枢支連結されていて、上記操作シリンダー８の
操作で釜２は起立、後方反転を行うようになつて
いる。なお４は軸承である。次に１０は、下端に
撹拌羽根１１を有する撹拌翼軸で、撹拌翼軸１０
は機枠１に沿つて垂直に昇降動できるよう設けら
れている。そして機枠１上部に垂直に設けられた
操作シリンダー１３のピストンロツド１４先端部
が連結杆１２を介して撹拌翼軸１０下部に連結さ
れている。また機枠１上面にはモーター１７が設
けられ伝動機構１８を介して撹拌翼軸１０に連結
されている。なお１５は撹拌翼軸１０の案内杆、
１６は同ガイドである。そして撹拌羽根１１は、
モーター１７駆動によつて釜１内での回転及び停
止が行えるようになつている。次に１９は、セン
サー２０を備えた定量タンク１９ａの上方及び下
方に自動バルブ２２及び自動バルブ２３を夫々有
するシロツプ定量供給装置で釜２の上方に設けら
れ、供給ホース２１はポンプを介してシロツプ供
給源（図示せず）に接続されている。また２４
は、釜２内シロツプの煮詰温度を検出する例えば
熱放射式センサーなどの非接触式温度センサーで
該非接触式温度センサー２４は、シロツプ煮詰め
のためのバーナー２５の電磁弁２６に関連接続さ
れ自動制御できるようになつている。そしてこの
考案は、上述構成において、主制御器２７、回転
制御器２８、昇降制御器２９、シロツプ制御器３
０、加熱制御器３１及び釜反転制御器３２を夫々
介して第３図に示すように自動制御系を構成し、
シロツプの煮詰め、原料の混合撹拌及び撹拌製品
の釜反転による繰出しを自動的に行うようにして
なるものである。

〔実施例の作用の説明〕

先ず主制御器２７の自動スイツチを押す（初回
のみ）と、操作シリンダー１３の作動で撹拌羽根
１１は釜２内に降下し、モーター１７駆動で回転
する。それと同時にシロツプ定量供給装置１９の
定量タンク１９ａへシロツプが供給されて定量に
なつたらセンサー２０により自動的に停止する。
そこで供給ボタンを押すことにより定量のシロツ
プが釜２内へ供給される。そしてシロツプはバー
ナー２５加熱により煮詰められるが、煮詰温度は
非接触式温度センサー２４が常に検出しており、
設定温度に達するとブザー及び表示ランプが知ら
せると共に電磁弁２６も自動制御され火力が自動
的に落ちる。それから原料（おこし種）を釜２内
に供給し定時間撹拌する。そして撹拌混合された
製品はボタンを１回押すことにより、撹拌羽根の
回転停止→上昇→釜の反転（製品繰出し）→釜の
復帰→撹拌羽根の降下を順次自動的に行い、最初
の状態に戻る。そして２回目からすべて自動的に
行われる。

なお通常釜は２〜３連を使用するため、動作は
必ず重複しないようにコントロールされている。

（考案の効果） この考案ではシロツプ定量供給装置と、シロツ
プ煮詰のためのバーナーを自動制御する非接触式
温度センサーとを設けて各制御器を介して自動制
御系を構成したから、自動制御によつてシロツプ
の煮詰め、原料の混合撹拌及び撹拌製品の釜反転
による繰出しを自動的に行うことができる。そし
てシロツプの計量むらがなく適正な自動供給が行
えると共にシロツプ煮詰め時の火加減調節も狂い
なく適正に行え確実な煮詰めが行えるなどの卓抜
した効果がある。

また主要作動部の操作がすべて自動制御で自動
的に行えるから、面倒な手間がなくて作業性が良
く、かつ機能の確実性に優れ製品に緻密な悪影響
をもたらすことなくて優良な製品の製造に著しく
寄与できるなどの優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案自動反転撹拌機の実施例を示す
ものであつて、第１図は正面図、第２図は側面
図、第３図は自動制御系の系統ブロツク図であ
る。 １……機枠、２……釜、３……枢軸、４……軸
承、５……支軸、６，７……リンク、８……操作
シリンダー、８ａ……クレビス、９……ピストン
ロツド、１０……撹拌翼軸、１１……撹拌羽根、
１２……連結杆、１３……操作シリンダー、１４
……ピストンロツド、１５……案内杆、１６……
ガイド、１７……モーター、１８……伝動機構、
１９……シロツプ定量供給装置、１９ａ……定量
タンク、２０……センサー、２１……供給ホー
ス、２２，２３……自動バルブ、２４……非接触
式温度センサー、２５……バーナー、２６……電
磁弁、２７……主制御器、２８……回転制御器、
２９……昇降制御器、３０……シロツプ制御器、
３１……加熱制御器、３２……釜反転制御器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 反転可能な釜内への撹拌羽根の昇降動及び釜内
   での回転を行わせる機構と釜加熱のためのバーナ
   ーとを備えた反転式撹拌機において、シロツプ定
   量供給装置と、シロツプ煮詰のためのバーナーを
   自動制御する非接触式温度センサーとを設けて各
   制御器を介して自動制御系を構成し、シロツプの
   煮詰め、原料の混合撹拌及び撹拌製品の釜反転に
   よる繰出しを自動的に行うことを特徴とする自動
   反転撹拌機。