JPH0545198B2

JPH0545198B2 -

Info

Publication number: JPH0545198B2
Application number: JP61099510A
Authority: JP
Inventors: Kenesu Jaatsuen Robaato; Furanshisu Uiruson Jon
Original assignee: Westinghouse Electric Corp
Current assignee: CBS Corp
Priority date: 1985-05-02
Filing date: 1986-05-01
Publication date: 1993-07-08
Also published as: ES8800482A1; JPS61254889A; US4671924A; ES554616A0

Description

【発明の詳細な説明】発明の背景発明の分野本発明は、原子炉用の燃料集合体に関し、特
に、押さえ装置のコイルばねの代りにユニークな
板ばね構造を用いた燃料集合体の改良型上部ノズ
ルに関するものである。

先行技術の説明従来の構成による燃料集合体は、その長さに沿
つて隔てられた複数の格子により１つの組織化さ
れた配列に保持された多数の燃料棒を備えてい
る。格子は、複数の制御棒案内シンブルに取着さ
れている。燃料集合体の両端の上部ノズル及び下
部ノズルは、燃料棒の両端の上方及び下方に延び
る制御棒案内シンブル取着されている。案内シン
ブルは、燃料集合体の上端において、上部ノズル
に設けられた開口内に取着されている。従来の燃
料集合体も、炉心によつて招来された熱膨張その
他による燃料集合体の長さ変化を許容しながら、
冷却材流の上向きの力により燃料集合体が上昇し
て原子炉の上部炉心と損傷性の接触をするのを防
止するために、燃料集合体押さえ装置を用いてい
た。米国特許第3770583号（再発行特許第31583
号）及び第3814667号明細書に示されているよう
に、これ等の押さえ装置も案内シンブルを囲むコ
イルばねを使用していた。

より詳しくは、米国特許第3814667号明細書記
載の燃料集合体の上部ノズルは、上側押さえ板
と、下側アダプタ板（上記特許では上部端板と呼
ばれている）と、案内シンブル（上記特許では案
内管と呼ばれている）の上部延長部分として用い
られるアライメント・ポストの回りに同軸的に上
部端板及び下部端板の間に配設された複数のコイ
ルばねとを備えている。アライメント・ポスト
は、上側押さえ板を通つて延びており、下側アダ
プタ板の下面にある締着ナツトによつて下側アダ
プタ板及び案内シンブルの上端に連結されてい
る。上側押さえ板は、アライメント・ポスト上に
摺動可能に取り付けてあり、コイルばねは、前記
のように、上側押さえ板と下側アダプタ板との間
に圧縮状態で介挿されている。各アライメント・
ポストの上端にある半径方向に拡大された肩部
は、アライメント・ポスト上に押さえ板を保持し
ている。

米国特許第3814667号明細書による上部ノズル
においては、所要の押さえ力を与えて燃料集合体
の上昇に抗すると共に、燃料集合体の熱的な成長
を吸収するのにコイルばねを用いているため、
種々の特有の問題を生ずる。

第１に、コイルばねは、所要の押さえ力が小さ
い場合においても、相当に大きな高さを本来必要
とする。押さえばねに必要な余分な高さのため
に、燃料集合体において使用できる燃料棒の長さ
が減少する。燃料棒の長さによつて定まる炉心の
反応領域の長さを最大とし得ないことによつて、
燃料サイクルコストが増加し、1ft当りのKW出
力が増加し、またピーキング係数が増大する。

第２に、コイルばねは、冷却材流によつて生じ
る振動を受ける。加圧水型原子炉の炉心入口にお
ける流れの不均等な分布や炉心横断方向の温度差
によつて、炉心を横切る半径方向の冷却材流量に
不均等な分布が生じるので、隣接した燃料集合体
からの横行流が発生する。そのため、燃料集合体
の出口で半径方向に圧力勾配を生じ、これが、燃
料集合体の燃料棒の上方に横行流を発生させる。
前述の米国特許第3770583号及び第3814667号明細
書におけるコイル押さえばねはこの横行流を受
け、流れによつて生じる振動による疲労のため破
損することがあつた。

そのため、上述の米国特許に開示された形式の
燃料集合体上部ノズルにおいて、炉心の反応領域
の高さが最適でないことと押さえばねの疲労との
前記の問題を、上部ノズルの全体構造の最小の変
更によつて解消することを目的とした、適切な押
さえ力を得るための新規な解決策の必要性があ
る。

発明の概要本発明は、前記の必要性を満たすように構成し
た改良型の上部ノズル構造を提供するものであ
る。即ち、本発明による改良型上部ノズルは、燃
料集合体の熱膨張を吸収しながらその持ち上がり
を防止するのに必要な押さえ力を得るために、コ
イルばねの代りに板ばねを使用する。板ばねが本
質的に撓みもしくは変形の少ない装置であり、炉
心環境によつて定まるばねの大きさの制限下に、
燃料集合体と上部炉心板との間に生じうる間〓の
大きさの全範囲に亘つて必要な押さえ力を一般に
は供与しないという前述した米国特許の論議とは
反対に、本発明を生んだ新しい知見は、ユニーク
な構成において適用された板ばねがコイルばねの
使用に附随する諸問題を回避し得ることに存す
る。

特に、コイルばねは、板ばねに比べてより大き
な軸方向の高さを本来必要とし、冷却材流によつ
て生じる振動の影響を受けるのに対し、板ばねの
場合には、そうした不具合はない。コイルばねの
代わりに板ばねを使用することにより節減された
垂直高さの量は、燃料集合体の押さえ力条件に依
存する。所定の変形範囲のコイルばねの場合、比
較的ばね長の短い小径のワイヤによつて低押さえ
力の要求に答えられるのに対し、高押さえ力の要
求があるとワイヤはより大径になり、同じ変形範
囲及び応力を維持するのにより長いばね長を要す
る。板ばねの高さは、コイルばねとは異なり、そ
れが出す押さえ力に比例しない。板ばねの高さ
は、押さえ力条件に対して比較的に安定してお
り、より大きな押さえ力に対しては単により多く
の板ばねが必要とされるに過ぎない。このことを
証明するために、押さえ力を小さい値に設計した
燃料集合体においてコイルばねの代りに板ばねを
使用することによる垂直方向の高さの節減は、約
5.1cm（2in）であるが、押さえ力が大きな値に設
計した燃料集合体の場合には、前記の節減は、約
11.4cm（４1/2in）となる。コイルばねの代りに
板ばねを使用することによつて得られ、炉心の反
応領域の長さを長くする上部ノズルの長さの短縮
による利点を数値によつて示すと、炉心の長さが
約7.6cm（3in）増大すると、燃料サイクルコスト
は約0.5％節減され、これは、1ft当りのKW数に
して約２％の節減となる。

従つて、上述した本発明の知見に基づいて形成
された場合、上部ノズルと、該上部ノズルを取り
付ける上端部を有する複数の案内シンブルとを備
え、前記上部ノズルは、上側押え板と下側アダプ
タ板とを有しており、前記案内シンブルの前記上
端部は、前記下側アダプタ板を貫いて延び、該下
側アダプタ板を固定的に取り付けていると共に、
前記上側押さえ板を貫いて延び、前記下側アダプ
タ板に対し接近又は離間する方向に前記案内シン
ブルの前記上端部に沿つて相対運動するように該
上側押さえ板を摺動可能に取り付けており、前記
上部ノズルは更に、前記下側アダプタ板から離間
する方向への前記案内シンブルの前記上端部に沿
つた前記上側押さえ板の相対運動の上限を規定す
る上限規定手段を有する、燃料集合体は固定され
た前記下側アダプタ板の上方に離間した関係で、
可動の前記上側押さえ板を可撓的に支持するよう
に、前記上側押さえ板と前記下側アダプタ板との
間に介挿された、複数の板ばね装置を有し、該板
ばね装置は、前記上側押さえ板及び前記下側アダ
プタ板の向かい合つた外周部に沿つて配設され、
該上側押さえ板及び該下側アダプタ板のそれぞれ
の外周上の所定位置において、前記上側押さえ板
及び前記下側アダプタ板と係合して、該上側押さ
え板を上向きに偏向させることにより、押さえ力
を前記下側アダプタ板を介して前記燃料集合体に
加えると共に、各板ばね装置は、両端に下端部及
び上端部を有し、該下端部で前記下側アダプタ板
の前記外周上の所定位置の１つに取り付けられる
と共に、前記上側押さえ板には、前記外周上の所
定位置において下面に形成された溝の形態の複数
の案内手段が画成されていて、該案内手段に前記
板ばね装置の前記上端部が可動に連結されている
ことを特徴とするものである。

より具体的には、上側押え板と下側アダプタ板と
は、互いに向かい合つて垂直方向に整列された複
数の隅角部をそれぞれの外周部に備えている。ま
た、改良型上部ノズルには、２つの異なつた実施
例による板ばね装置が用いられている。

好適な実施例によれば、各板ばね装置は、その
下端部がアダプタ板の外周部にある隅角部の１つ
の近傍においてアダプタ板に取着されていると共
に、その上端部が押さえ板の外周部にある隅角部
の次の１つの近傍において押さえ板に可動的に取
着されている。上側押さえ板は、その外周部にあ
る隅角部付近に画成された複数の案内手段を有し
ており、これ等の案内手段内には、板ばね装置の
それぞれの上端部が移動可能に連結されている。
複数の板ばね装置は、アダプタ板と押さえ板との
外周部の回りに１列に配設されており、押さえ板
の１つの隅角部の近傍において案内手段に移動可
能に連結された各板ばね装置の上端部が、１列に
配設された板ばね装置のうち次の板ばね装置の下
端部の上方の位置にあり、この板ばね装置の下端
部が、押さえ板の前記１つの隅角部の下方に整列
されたアダプタ板の１つの隅角部の付近に取着さ
れるようになつている。１例の板ばね装置は、ア
ダプタ板と押さえ板とのそれぞれの外周部に設け
られた複数の整列隅角部の内、連続する各対の隅
角部の間に延びる１つの板ばね装置を含んでい
る。

別の実施例によれば、改良型上部ノズルは、１
対の板ばね装置を含み、各板ばね装置が、向かい
合つて隔てられた上端部と、これ等の上端部の間
に配設された下端部とを備えている。各板ばね装
置は、その下端部が、アダプタ板の外周部にある
向かい合つた１対の隅角部のうち１つの隅角部付
近においてアダプタ板に取着されていると共に、
その上端部が、アダプタ板の前記１つの隅角部の
両側に配設された押さえ板の外周部の両方の隅角
部近傍において押さえ板に可動的に連結されてい
る。

この別の実施例による各板ばね装置は、第１実
施例における板ばね装置のほぼ直線形状の代り
に、ほぼＬ字状の形状を備えているが、どちらの
板ばね装置の実施例も、特定の用途に依存して、
１つ以上の別個の板ばねを有することができる。

本発明の前記の利点及び他の利点は、本発明の
好適な実施例が図示され記載されている図面に関
する以下の詳細な説明を読むことにより当業者に
とつて一層明らかとなろう。

発明の詳細な説明以下の説明において、同一符号は、各図におい
て同一又は類似の部分を表わすものとする。ま
た、以下の説明において、「前方」、「後方」、「左
側」、「右側」、「左方」又は「右方」等の用語は、
単に説明の都合上用いられており、本発明を制限
する意味に解釈すべきではない。

一般的な説明図面、特に第１図には、原子炉の燃料集合体
が、垂直方向に短縮された形態で、全体的に符号
２０により示されている。燃料集合体２０は、基
本的には、原子炉（図示しない）の炉心領域にお
いて下部炉心板上に燃料集合体を支持するための
下端構造、即ち下部ノズル２２と、該下部ノズル
２２から上方に突き出て長手方向に延びる多数の
案内管、即ち案内シンブル２４とを備えている。
燃料集合体２０は、その他、案内シンブル２４に
沿つて軸方向に隔てられた複数の横向きの格子２
６と、該格子２６により横方向に隔てられ支持さ
れた長い燃料棒２８の組織化された配列とを備え
ている。また、燃料集合体２０は、中心部に配設
された計装管３０と、以下に説明するように本発
明に従つて幾つかの改良点を組み込んだ、案内シ
ンブル２４の上端部に取着された上端構造、即ち
上部ノズル３２とを備えている。各構成要素をこ
のように配列して、燃料集合体２０は、その構成
要素を損傷させることなく取り扱うことの可能な
一体的なユニツトを形成している。

前述したように、燃料集合体２０内の列状の燃
料棒２８は、燃料集合体２０の長さに沿つて離間
した格子２６により互いに隔てられた関係に保持
されている。各燃料棒２８は、燃料ペレツト（図
示しない）を含み、両端が上部端栓３４及び下部
端栓３６により閉止されている。核分裂物質から
なる燃料ペレツトは、原子炉の反応出力の発生源
となる。水又はほう酸含有水のような液体減速・
冷却材は、燃料集合体２０中に発生した熱を取り
出して有用な仕事を行うために、燃料集合体２０
の案内シンブル２４を通り且つ燃料棒２８に沿つ
て上方に圧送される。

多数の制御棒（図示しない）は、核分裂過程を
制御するために、燃料集合体２０中の所定位置に
配設された案内シンブル２４内において往復運動
することができる。制御棒は、燃料集合体２０の
上部から案内シンブル２４内に挿入されるので、
改良型上部ノズル３２を形成する各構成要素の配
列は、上部ノズル３２上方からの案内シンブル２
４内への制御棒の運動に適合していなければなら
ない。

板ばねを使用する改良型上部ノズル第１図〜第６図を参照すると、本発明による改
良型上部ノズル３２において使用される複数の板
ばね装置３８の好ましい配列が図示されている。
板ばね装置３８は、従来の技術によるコイルばね
に関連した問題点を無くし、第１２図に示すよう
に、結果的に燃料集合体２０中に一層長い燃料棒
２８を組み込み得るようになつている。

本発明の改良点を組み込んだ上部ノズル３２
は、案内シンブル２４の上端部４０上に通常のよ
うに取り付けてあり、上側押さえ板４２と下側ア
ダプタ板４４とを備えている。アライメント・ポ
ストの形態の案内シンブル２４の上端部４０は、
上側押さえ板４２にある複数の通路４６を貫いて
延びると共に、下側アダプタ板４４にある複数の
開口４７に嵌合し、下側アダプタ板４４の下面５
０に位置した締着ナツト４８によつて、下側アダ
プタ板４４に結合されている。上側押さえ板４２
は、案内シンブル２４の上端部４０に摺動自在に
装着されており、該上端部４０には半径方向に拡
大されたナツト５２がねじ止めされている。これ
等のナツト５２（上限規定手段）は、下側アダプ
タ板４４から離間する方向への案内シンブル２４
の上端部４０に沿つた押さえ板４２の相対運動の
上限を規定もしくは画定している。上側押さえ板
４２は、ハブ５４と、これ等のハブ間に延在し互
いに連結する連結部５６とを配列した構造から成
つている。各ハブ５４には１つの通路４６が貫通
形成されている。更に、上側押さえ板４２及び下
側アダプタ板４４の各々は、長方形の断面を有
し、それぞれの外周部に形成された複数（好まし
くは４個）の隅角部は、互いに向かい合い、垂直
方向に互いに整列している。従つて、要約する
と、案内シンブル２４の上端部４０は、下側アダ
プタ板４４を貫いて延び、この下側アダプタ板を
固定的に取り付けていると共に、下側アダプタ板
４４に対し接近又は離間する方向に相対運動する
ように、上側側押さえ板４２を貫いて延びて、こ
の上側押さえ板を摺動可能に取り付けている。

本発明の好適な実施例は、第１図〜第３図に示
した１列の配列で、下側アダプタ板４４と上側押
さえ板４２との間に介在された複数の板ばね装置
３８に係るもので、この配列によつて、可動の上
側押さえ板４２が、固定の下側アダプタ板４４の
上方に離間した関係で可撓的に支持される。板ば
ね装置３８は、上側押さえ板４２及び下側アダプ
タ板４４のそれぞれの外周部に沿つて配設され、
その隅角部（外周上の所定位置）５８，６０のう
ち所定のものの近傍で、上側押さえ板４２と下側
アダプタ板４４とに係合している。この配列にお
いて、板ばね装置３８は上側押さえ板４２を上方
に、上部炉心板（図示しない）に向かつて、これ
と接触するように付勢することにより、下側アダ
プタ板４４を介して燃料集合体２０に押さえ力を
加えている。

各板ばね装置３８は、第３図に示すように、大
体直線状の傾斜した形状を有し、反対の位置にあ
る下端部６２と上端部６４とを備えている。第３
図に示した板ばね装置３８を形成する対の板ばね
は、単なる一例であり、２つより多い板ばねを要
する場合も、１つの板ばねで足りる場合もありう
る。板ばね装置３８の下端部６２は残りの部分に
対して若干曲げられ、また、下端部６２に開口６
６が形成してあるため、第２図及び第３図に示す
ように、下側アダプタ板４４の外周部にある隅角
部６０の１つの近傍における、ボルト６８による
下側アダプタ板４４への板ばね装置３８の取り付
けが容易になる。

各板ばね装置３８の上端部６４との結合のた
め、上側押さえ板４２の外周部の隅角部５８の近
傍には、複数の案内手段が画成されている。各案
内手段は、フランジ７４の下面７２に形成された
溝７０の形態を有する。フランジ７４は、各隅角
部５８の近傍において、上側押さえ板４２上に形
成されている。板ばね装置３８の上端部６４は、
半円筒状の断面形状を有し、板ばね装置３８を上
側押さえ板４２に可動に結合するように、溝７０
中に嵌合している。

板ばね装置３８が傾斜した形状であるため、各
板ばね装置３８の上端部６４は、該板ばね装置３
８の下端部６２が近傍に固着されている下側アダ
プタ板４４の１つの隅角部６０の上方に整列され
た隅角部５８の１つの後にある、上側押さえ板４
２の外周部上の隅角部５８の次の１つの近傍で、
上側押さえ板４２に組み合つている。従つて、板
ばね装置３８の好適な実施例の１列の配列におい
て、各板ばね装置３８は、上側押さえ板４２及び
下側アダプタ板４４の外周部にある整列された対
の連続する隅角部５８，６０間で、４辺を有する
ほぼ矩形状の上側押さえ板４２及び下側アダプタ
板４４の１辺に沿つて延びている。

第７図〜第１１図には、板ばね装置の別の実施
例が図示されている。この実施例によれば、固定
の下側アダプタ板４４の上方に可動の上側押さえ
板４２を可撓的に支持するように、１対の板ばね
装置７６が上側押さえ板４２と下側アダプタ板４
４との間に介在されている。前記の実施例と同様
に、板ばね装置７６は、上側押さえ板４２と下側
アダプタ板４４とのそれぞれの外周部に沿つて配
設してあり、これ等の外周部にある隅角部５８，
６０のうち所定のものに隣接して上側押さえ板４
２と下側アダプタ板４４とに係合している。各板
ばね装置７６は、そのＬ字形の形状により、４辺
を有するほぼ矩形の上側押さえ板４２及び下側ア
ダプタ板４４の２つの隣接した辺と同延になつて
いる。

この場合にも、上側押さえ板４２は、その隅角
部５８の所定のものの近くに画定された案内手段
を備えている。この場合、案内手段は、対角線方
向に対峙する各対の隅角部５８にあるフランジ８
０の下面に形成された溝７８の形態を取つてい
る。各板ばね装置７６は、ほぼＬ字形の形状のた
め、両端に離れた１対の上端部８２と、該上端部
８２間の下端部８４とを備えている。１つ以上の
別個の板ばねから形成しうる各板ばね装置７６
は、その中心の下端部８４に画成された開口８６
を有し、この下端部８４で、アダプタ板４４の向
かい合つた１対の隅角部６０の１つの近傍におい
て、下側アダプタ板４４にボルト８８により固着
されている。各板ばね装置７６の上端部８２は、
板ばね装置７６の下端部８４が固着されたアダプ
タ板４４上の１つの隅角部６０の両側に位置する
上側押さえ板４２の両隅角部５８の近傍におい
て、上側押さえ板４２の溝（案内手段）７８に可
動的に組み合わされている。

この別の実施例の板ばね装置７６は、前記の実
施例による板ばね装置３８よりも対称な形状を備
えている。しかし、板ばね装置３８は、その直径
方向に対峙する４つの隅角部のうち２つの隅角部
のみにおいて、上側押さえ板４２及び下側アダプ
タ板４４と係合するが、板ばね装置７６は、４つ
の隅角部の各々において押さえ板４２及びアダプ
タ板４４と係合する。

第１２Ａ図及び第１２Ｂ図には、軸方向の全高
が同一の２つの燃料集合体９０，２０が略示され
ている。しかし、本発明の好適な実施例による板
ばね装置３８を備えた改良型上部ノズルを有する
燃料集合体２０は、コイルばね９４を備えた先行
技術の上部ノズルを有する第１２Ａ図の燃料集合
体９０に比べて、燃料棒９２の高さが増大してい
る。この差異は、同一の押さえ力を得るために、
先行技術によるコイルばね９４が板ばね装置３８
に比べて大きな軸方向の高さをもつことによるも
のである。

本発明をその特定の実施例について以上に説明
したが、本発明は、前述した実施例以外にも種々
変更して実施できるため、前述した特定の構成
は、単なる例示に過ぎず、本発明を限定するもの
ではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の原理に従つて構成された改
良型上部ノズルを有する燃料集合体の一部切欠き
側面図、第２図は、上部ノズルに用いられている
板ばねの好ましい構成を示す、第１図の２−２線
に沿つて見た拡大平面図、第３図は、本発明の改
良型上部ノズルを一部破断して示す、第２図の３
−３線に沿つて見た拡大側面図、第４図は、第２
図の改良型上部ノズルから取り出された上側押さ
え板の平面図、第５図は、第４図の押さえ板を一
部断面で示す、第４図の５−５線に沿つて見た側
面図、第６図は、第４図の押さえ板を一部断面で
示す、第４図の６−６線に沿つて見た別の側面
図、第７図は、第２図と同様の改良型上部ノズル
に用いられている板ばねの別の変形例を示す拡大
平面図、第８図は、本発明の改良型上部ノズルの
別の実施例を一部破断して示す、第７図の８−８
線に沿つて見た拡大側面図、第９図は、第７図の
改良型上部ノズルから取り出された上側押さえ板
の平面図、第１０図は、第９図の押さえ板を、第
９図の１０−１０線に沿つて示す側面図、第１１
図は、上側押さえ板を、第９図の１１−１１線に
沿つて示す別の側面図、第１２Ａ図及び第１２Ｂ
図は、同一の軸方向高さを有する２つの燃料集合
体について、一方の燃料集合体は先行技術による
コイルばねを有し、他方の燃料集合体は、本発明
による板ばねを有することにより、板ばねがコイ
ルばねに比べて高さの高い燃料棒の使用を可能と
しながら同一の押さえ力を与えることを説明する
概要図である。２０…燃料集合体、２４…案内シンブル、３２
…上部ノズル、３８，７６…板ばね装置、４０…
案内シンブルの上端部、４２…上側押さえ板、４
４…下側アダプタ板、５２…上限規定手段（ナツ
ト）、５８…上側押さえ板にある隅角部（所定位
置）、６０…下側アダプタ板にある隅角部（所定
位置）、６２…板ばね装置３８の下端部、６４…
板ばね装置３８の上端部、７０…案内手段（溝）、
７２…下面、７８…案内手段（溝）、８２…板ば
ね装置７６の上端部、８４…板ばね装置７６の下
端部。

Claims

【特許請求の範囲】

１上部ノズル３２と、該上部ノズル３２を取り
付ける上端部４０を有する複数の案内シンブル２
４とを備え、前記上部ノズル３２は、上側押え板
４２と下側アダプタ板４４とを有しており、前記
案内シンブル２４の前記上端部４０は、前記下側
アダプタ板４４を貫いて延び、該下側アダプタ板
４４を固定的に取り付けていると共に、前記上側
押さえ板４２を貫いて延び、前記下側アダプタ板
４４に対し接近又は離間する方向に前記案内シン
ブルの前記上端部４０に沿つて相対運動するよう
に該上側押さえ板４２を摺動可能に取り付けてお
り、前記上部ノズル３２は更に、前記下側アダプ
タ板４４から離間する方向への前記案内シンブル
の前記上端部４０に沿つた前記上側押さえ板４２
の相対運動の上限を規定する上限規定手段５２を
有する、燃料集合体２０において、固定された前
記下側アダプタ板４４の上方に離間した関係で、
可動の前記上側押さえ板４２を可撓的に支持する
ように、前記上側押さえ板４２と前記下側アダプ
タ板４４との間に介挿された、複数の板ばね装置
３８，７６を有し、該板ばね装置３８，７６は、
前記上側押さえ板４２及び前記下側アダプタ板４
４の向かい合つた外周部に沿つて配設され、該上
側押さえ板４２及び該下側アダプタ板４４のそれ
ぞれの外周上の所定位置において、前記上側押さ
え板４２及び前記下側アダプタ板４４と係合し
て、該上側押さえ板４２を上向きに偏向させるこ
とにより、押さえ力を前記下側アダプタ板４４を
介して前記燃料集合体２０に加えると共に、各板
ばね装置３８，７６は、両端に下端部６２，８４
及び上端部６４，８２を有し、該下端部６２，８
４で前記下側アダプタ板４４の前記外周上の所定
位置の１つに取り付けられると共に、前記上側押
さえ板４２には、前記外周上の所定位置において
前記上側押さえ板４２の下面に形成された溝の形
態の複数の案内手段７０，７８が画成されてい
て、該案内手段７０，７８に前記板ばね装置３
８，７６の前記上端部６４，８２が可動に連結さ
れていることを特徴とする燃料集合体。