JPH0544867B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば偏平形陰極線管においてキー
ストーン歪を補正するのに適用して好適な画像歪
補正回路に関する。

〔従来の技術〕

陰極線管として、電子銃の中心軸に対して比較
的小さな角度で傾斜して螢光面が配されている偏
平形陰極線管が知られている。第３図及び第４図
はこのような偏平形陰極線管の一例を示す平面図
及び断面図であり、スクリーンパネル１上に形成
された螢光面２が電子銃３の中心軸Ｃに対して所
定の小さな角度で傾斜しており、この螢光面２に
表示される画像をフロントパネル４側より見るこ
とができるようになつている。

このような偏平形陰極線管では、画面の上下で
電子ビームのランデイングする距離が違うため、
画面の上部で広がる画像歪、いわゆるキーストー
ン歪を生じる。第５図の実線はこのキーストーン
歪を生じている画像を示し、一方、同図の破線は
歪のない画像を示している。そこで、従来このキ
ーストーン歪を補正するために、第６図に示すよ
うに、水平偏向回路の電源を電源変調アンプによ
り変調し、画面の上と下で水平偏向量を変えて補
正することが知られている。同図において、５は
水平出力トランジスタ、６はダンパーダイオー
ド、７は共振用コンデンサである。トランジスタ
５のコレクタは水平偏向コイル８及びＳ字補正用
コンデンサ９を介して接地される。また、トラン
ジスタ５のコネクタはチヨークコイル１０を介し
て電源変調アンプ１１の出力端子に接続される。
この電源変調アンプ１１は、例えばSEPP型（シ
ングルエンドプツシユプル型）に構成され、その
高圧側の電源端子１１Ｈには直流電圧＋B₁（例え
ば＋18V）が印加され、その低圧側の電源端子１
１Ｌは接地される。そして、端子１２より第７図
Ａに示すように垂直周期１Ｖの鋸歯状波信号Ss
が供給され、電源はこの信号Ssで変調される。
尚、信号Ssは完全な鋸歯波状ではなく、垂直周
期のパラボラ波が重畳されてなるものであり、キ
ーストーン歪のノンリニア変化が考慮されてい
る。結局、電源変調アンプ１２の出力側には、第
７図Ｂに示すように直流電圧＋B₁と接地電圧
（0V）との間ででe₁（例えば8V）からe₂（例えば
17V）まで垂直周期で変化する鋸歯状の電圧E₀が
得られる。

第６図例は以上のように構成され、画面下部程
水平偏向量が大とされるので、キーストーン歪が
補正される。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このように、第６図例によればキーストーン歪
が補正される。しかし、この第６図例において電
源変調アンプ１１の低圧側の電源端子１１Ｌは接
地されている。従つて、電源変調アンプ１１の出
力電圧E₀がe₁からe₂まで変化するとき、電圧e₁以
下は無駄な電力となり、アンプ１１内で消費され
熱となり、そして、この熱がアンプ１１の破損の
原因となり得る問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上述問題点を解決するため、電源変調
アンプ１１の低圧側の電源端子１１Ｌに、このア
ンプ１１の出力電圧E₀の最低電圧e₁より低く、か
つ接地電圧より高い電圧＋B₂が他の負荷１４の
電源回路１３より供給されるものである。

〔作用〕

以上の構成において、電源変調アンプ１１の出
力電圧E₀の最低電圧e₁以下の無駄な電力は他の負
荷１４に供給され、この他の負荷１４で消費され
る。従つて、省電力可が図られ、しかも、電源変
調アンプ１１の加熱による破損の問題もなくな
る。

〔実施例〕

以下、第１図を参照しながら本発明の一実施例
について説明しよう。この第１図において、上述
第６図と対応する部分には同一部号を付し、その
詳細説明は省略する。

本例においては、電源変調アンプ１１の低圧側
の電源端子１１Ｌに、電源回路１３より直流電圧
＋B₂（例えば＋5V）が供給される。この直流電圧
＋B₂は他の負荷１４にも電源として供給される。
この直流電圧＋B₂は、電源変調アンプ１１の出
力電圧E₀の最低電圧e₁より低く、かつ接地電圧よ
り高い電圧である。因みに、電源変調アンプ１１
の高圧側の電源端子１１Ｈに供給される直流電圧
＋B₁は、出力電圧E₀の最高電圧e₂より高い電圧
である。

本例においてその他は第６図と同様に構成さ
れ、電源変調アンプ１１の出力側には、第７図Ｂ
に示すようにe₁からe₂まで垂直周期で変化する鋸
歯状の電圧E₀が得られ、キーストーン歪が同様
に補正される。

第２図は、電源変調アンプ１１の具体回路例で
あり、第１図と対応する部分には同一符号を付し
て示している。同図において、端子１２に供給さ
れる鋸歯状波信号Ssはnpn形トランジスタ１５の
ベースに供給され、このトランジスタ１５のエミ
ツタは抵抗器１６を介して接地され、そのコレク
タは直流電圧＋B₃（例えば＋5V）が供給される電
源端子１７に接続される。また、トランジスタ１
５のエミツタは抵抗器１８を介してnpn形トラン
ジスタ１９のエミツタに接続され、このトランジ
スタ１９のコレクタは抵抗器２０を介して電源端
子１１Ｈに接続される。また、トランジスタ１９
のコレクタに得られる信号はpnp形トランジスタ
２１のベースに供給され、このトランジスタ２１
のコレクタは電源端子１１Ｌに接続され、そのエ
ミツタはSEPP型の出力段を構成するpnp決トラ
ンジスタ２２のベースに接続される。また、電源
端子１１Ｈはブースト用のダイオード２３、抵抗
器２４、ダイオード２５及び２６の直列回路を介
してトランジスタ２２のベースに接続される。抵
抗器２４及びダイオード２５の接続点はSEPP型
の出力段を構成するnpn形トランジスタ２７のベ
ースに接続される。トランジスタ２７のコレクタ
は電源端子１１Ｈに接続され、そのエミツタは抵
抗器２８及び２９の直列回路を介してトランジス
タ２２のエミツタに接続され、このトランジスタ
２２のコレクタは電源端子１１Ｌに接続される。
また、抵抗器２８及び２９の接続点Ｐより出力端
子１１ａが導出され、この出力端子１１ａに出力
電圧E₀が得られる。また、ダイオード２３及び
抵抗器２４の接続点はコンデンサ３０を介して接
続点Ｐに接続される。また、接続点Ｐは半固定抵
抗器３１及び抵抗器３２の直列回路を介して接地
され、この抵抗器３１及び３２の接続点はトラン
ジスタ１９のベースに接続される。尚、電源端子
１１Ｈに供給される直流電圧＋B₁は、例えば電
源回路１３より得られる直流電圧＋B₂が高圧発
生回路３３に供給され、この高圧発生回路３３よ
りダイオード３４を介して供給される。

本例は以上のように構成され、電源変調アンプ
１１の低圧側の電源端子１１Ｌに供給される電圧
＋B₂が、第７図Ｂに示すように、アンプ１１の
出力電圧E₀の最低電圧e₁より低く、かつ接地電圧
より高い電圧であり、他の負荷１４の電源回路１
３より供給されるので、出力電圧E₀の最低電圧e₁
以下の無駄な電力は他の負荷１４に供給され、こ
の他の負荷１４で消費される。従つて、アンプ１
１内で無駄に電力が消費らえないので省電力化が
図られ、しかも、アンプ１１の加熱による破損の
問題もなくなる。例えば、＋B₁＝＋18V、＋B₂＝
＋5V、そしてe₁＝8V、e₂＝＋17Vであるとき、
5V×60ｍＡ程度の電力が節約された。

尚、上述実施例はキーストーン歪を補正する例
につき述べたものであるが、端子１２に供給する
信号を適当に選ぶことによりピン歪等も同様に補
正することができる。

〔発明の効果〕

以上述べた本発明によれば、電源変調アンプの
出力電圧の最低電圧以下の無駄な電力は他の負荷
に供給され消費される。従つて、電源変調アンプ
で無駄に電力が消費されないので省電力化が図ら
れ、しかも、電源変調アンプの加熱による破損の
問題もなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す構成図、第２
図は電源変調アンプの具体例を示す接続図、第３
図及び第４図は夫々偏平形陰極線管の平面図及び
断面図、第５図はキーストーン歪の説明のための
図、第６図は従来例を示す構成図、第７図はその
説明のための波形図である。 ５は水平出力トランジスタ、８は水平偏向コイ
ル、１１は電源変調アンプ、１１Ｈ及び１１Ｌは
夫夫高圧側及び低圧側の電源端子、１３は電源回
路、１４は負荷である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水平偏向回路の電源を電源変調アンプにより
   変調して画像歪を補正する画像歪補正回路におい
   て、上記電源変調アンプの高圧側の電源端子には
   上記電源変調アンプの出力最大電圧より高い電圧
   が供給され、上記電源変調アンプの低圧側の電源
   端子には上記電源変調アンプの出力最低電圧より
   低く、かつ接地電圧より高い電圧が他の負荷の電
   源回路より供給されることを特徴とする画像歪補
   正回路。