JPH0543886A - 極圧添加剤 - Google Patents

極圧添加剤

Info

Publication number
JPH0543886A
JPH0543886A JP20172291A JP20172291A JPH0543886A JP H0543886 A JPH0543886 A JP H0543886A JP 20172291 A JP20172291 A JP 20172291A JP 20172291 A JP20172291 A JP 20172291A JP H0543886 A JPH0543886 A JP H0543886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
acid
extreme pressure
soluble
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP20172291A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3009256B2 (ja
Inventor
Naoaki Hata
直明 端
Takeyuki Yamanashi
豪之 山梨
Einosuke Ito
栄之助 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Adeka Fine Chemical Co Ltd
Original Assignee
Adeka Fine Chemical Co Ltd
Asahi Denka Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Fine Chemical Co Ltd, Asahi Denka Kogyo KK filed Critical Adeka Fine Chemical Co Ltd
Priority to JP20172291A priority Critical patent/JP3009256B2/ja
Publication of JPH0543886A publication Critical patent/JPH0543886A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3009256B2 publication Critical patent/JP3009256B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、優れた性能を有し、安定し
た水溶性を有する極圧添加剤と、該添加剤を含有してな
る水溶性金属加工油を提供することにある。 【構成】 本発明は、 【化1】 RSR’COOH (1) (式中、Rは炭素原子数6〜20個のアルキル基または
シクロアルキル基、R’は炭素原子数1〜3個のアルキ
レン基を表す)で示される酸の水溶性塩からなる極圧添
加剤と、該添加剤を含有しなる水溶性金属加工油に係
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は極圧添加剤に関し、更に
詳しくは水溶性の金属加工油剤に使用される極圧添加剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属加工油剤の性能を向上させる
ための極圧添加剤としては、塩素化パラフィン、塩素化
脂肪酸エステル等の含塩素有機化合物、及び硫化油脂、
硫化オレフィン、ジアルキルポリサルファイド等の硫黄
含有有機化合物が知られている。しかしながら、これら
の化合物は全て水に対してほとんど、あるいは全く不溶
性であり、水溶性金属加工油剤に使用するためには鉱油
に溶解するか、あるいはそのままの形で界面活性剤を利
用してエマルジョンにするという使い方しかできなかっ
た。水溶性あるいは水への易分散性を実現するために、
硫化脂肪酸のアミン塩などの試みもなされている。しか
し、この物質は水に容易に乳化するが、可溶化しにく
く、水溶性金属加工油剤の成分として使用する場合、安
定性に欠け、細菌が繁殖し易く、結果として硫化水素が
発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】米国特許第4,250,046
号明細書には、極圧添加剤としてジ−(2−ヒドロキシ
エチル)ジスルフィドの使用が記載されている。しかし
ながら、この物質はかなり優れた極圧性を有するが、潤
滑性に欠け、バランスのとれた性能を備える水溶性金属
加工油剤を調製するためには不便である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の従
来の製品のもつ問題点を解消すべく、鋭意研究を重ねた
結果、優れた性能を有し、安定した水溶性を有する極圧
添加剤を発明するに至った。
【0005】即ち、本発明は
【化3】RSR'COOH (1) (式中、Rは炭素原子数6〜20個のアルキル基または
シクロアルキル基、R'は炭素原子数1〜3個のアルキ
レン基を表す)で示される酸の水溶性塩からなる極圧添
加剤に係る。
【0006】更に、本発明は
【化4】RSR'COOH (1) (式中、Rは炭素原子数6〜20個のアルキル基または
シクロアルキル基、R'は炭素原子数1〜3個のアルキ
レン基を表す)で示される酸の水溶性塩からなる極圧添
加剤を含有してなる水溶性金属加工油に係る。
【0007】
【作用】上記式(1)で示される酸としては、アルキル
(またはシクロアルキル)チオグリコール酸、アルキル
(またはシクロアルキル)−2−メチルプロピオン酸、ア
ルキル(またはシクロアルキル)チオプロピオン酸、アル
キル(またはシクロアルキル)チオ酪酸などの硫黄原子を
含む有機酸がある。このような酸として、オクチルチオ
グリコール酸、ドデシルチオグリコール酸、オクチルチ
オグリコール酸、オクチルチオプロピオン酸、ラウリル
チオプロピオン酸、オクタデシルチオプロピオン酸、シ
クロヘキシルチオプロピオン酸、オクチルチオ−2−メ
チルプロピオン酸、ラウリルチオ−2−メチルプロピオ
ン酸などが例示される。
【0008】上記式(1)で示される硫黄原子を含む有機
酸は、メルカプト基とカルボキシル基を1個ずつ含む化
合物、すなわちチオグリコール酸、メルカプトプロピオ
ン酸、メルカプト−2−プロピオン酸、メルカプト酪酸
と、適当な分子量、構造を有するオレフィンまたはシク
ロオレフィンとを、過酸化物触媒の存在下で付加して容
易に製造できる。
【0009】本発明の極圧添加剤はこれらの酸の水溶性
塩から構成される。水溶性塩とは、室温での水への溶解
度が少なくとも0.01%、好ましくは少なくとも0.1
%である全ての無機酸、有機酸を意味する。
【0010】上記の酸の水溶性塩は、有機窒素含有化合
物や液体アンモニア、または無機塩類を用いて、式(1)
で示される硫黄原子を含む有機酸を中和する公知の方法
により製造できる。このような中和のための無機塩類と
しては、Na、K、Liなどのアルカリ金属、Ba、C
aなどのアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物あるいは
炭酸塩が挙げられる。
【0011】また、有機窒素含有化合物としては、モノ
アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミ
ン、モノシクロアルキルアミン、ジシクロアルキルアミ
ンなどのモノアミン類、1〜4個のアルキル基で置換さ
れたジアミン類、アルキル基の少なくとも1個が水酸基
やポリオキシエチレン基のような親水性基を有するアル
キルモノアミン、アルキルジアミンなどがある。これら
のうち、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、
ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミ
ン、メチルジエチノールアミン、エチルジエタノールア
ミン、ブチルジエタノールアミン、シクロヘキシルジエ
タノールアミン、N,N,N',N'−チトラキス(2−ヒド
ロキシプロピル)エチレンジアミンなどを用いるのが特
に有利である。
【0012】本発明の極圧添加剤は、目的とする水溶性
金属加工油中に0.01〜20重量%、好ましくは0.1
〜10重量%の濃度で添加される。本発明の極圧添加剤
は水溶性金属加工油中に単独で用いることもできるが、
一般には水溶性金属加工油に使用される他の各種添加剤
と共に用いられる。
【0013】そのような添加剤として代表的なものは、
水溶性金属加工油剤の潤滑効果を高めるための油性剤、
腐食あるいは発錆を防止するための防錆剤、細菌の増殖
あるいは腐食を防止するための殺菌剤、消泡剤などがあ
る。
【0014】このような水溶性金属加工油剤の潤滑効果
を高めるための油性剤としては、オレイン酸、リシノー
ル酸、ステアリン酸、リシノール酸重縮合物などの脂肪
酸のアミン塩、ポリオキシエチレングリコール、ポリオ
キシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコ
ールなどがある。このような油性剤は、目的とする水溶
性金属加工油中に0.1〜30重量%程度の濃度で添加
されるのが好ましい。
【0015】上記腐食あるいは発錆を防止するための防
錆剤としては、ターシャリーブチル安息香酸、カプリル
酸、カプロン酸、カプリン酸、2−エチルヘキシル酸、
イソノナン酸、オレイン酸、リシノレイン酸などの一塩
基性有機酸、あるいはアジピン酸、アゼライン酸、セバ
チン酸、ドデカン二酸などの二塩基性有機酸の水溶性ア
ミン塩などがあり、目的とする水溶性金属加工油中に
0.1〜30重量%程度の濃度で添加されるのが好まし
い。
【0016】また、殺菌剤としては、トリアジン、1,
2−ペンゾイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどがあり、
目的とする水溶性金属加工油中に0.001〜1重量%
程度の濃度で添加されるのが好ましい。
【0017】更に、消泡剤としては、ケロシン、ポリジ
メチルシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンブロックポリオールなどがあり、目的とする水溶
性金属加工油中に0.01〜5重量%程度の濃度で添加
されるのが好ましい。
【0018】本発明の水溶性金属加工油は、本発明の極
圧添加剤あるいはこれと上記他の添加剤と水とから構成
されるのが基本である。水相は50〜99重量%とする
のが好ましい。本発明の水溶性金属加工油を調製する場
合、本発明の水溶性塩、またはその水溶液を他の添加剤
と混合して濃縮物の形で保存し、使用の際に水で上記の
適当な濃度に薄めて用いることができる。
【0019】本発明の水溶性金属加工油は、基油として
鉱油、合成油を使用する必要はないが、所望によっては
基油を用いてもよく、この場合はこれに通常界面活性剤
が配合されてエマルジョン形態となっている。
【0020】
【実施例】
実施例1 ラウリルチオプロピオン酸のトリエタノールアミン塩の
水溶液の極圧特性を四球試験機を用いて測定した。測定
値を水溶液の硫黄含量に対して示したデータは次の通り
で、本発明の極圧添加剤の極圧性能の優れていることが
わかる。
【0021】
【表1】極圧添加剤濃度(%) 硫黄含量(%) 融着荷重(kg) PWI 摩擦係数 0.0 0.0 100 10 0.140 6.6 0.5 135 32 0.127 13.2 1.0 170 70 0.130 26.3 2.0 200 83 0.133
【0022】実施例2 オクチルプロピオン酸(OTPA)のトリエタノールアミ
ン塩30重量部、平均分子量1500のポリエチレング
リコール10重量部、防錆性付与のためのイソノナン酸
のトリエタノールアミン塩20重量部を含む配合物を調
製し、これに水を加えて水40重量%を含む濃縮物を調
製した。このものを水で10倍に希釈して本発明の水溶
性金属加工油を作成した。これについて極圧特性を測定
し、オクチルチオプロピオン酸のトリエタノールアミン
塩を含まない水溶性金属加工油と比較した。結果は下記
の通りで本発明の極圧添加剤の極圧付与効果の優れてい
ることがわかる。
【0023】
【表2】極圧添加剤濃度(%) 硫黄含量(%) 融着荷重(kg) PWI 摩擦係数 0.0 0.0 15 110 0.138 1.9 0.17 51 130 0.127 (硫黄含量はOTPAからのもの)
【0024】実施例3 ラウリルチオグリコール酸(LTGA)のジエタノールア
ミン塩30重量部、平均分子量2000のポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル10重量部、ターシャリーブ
チル安息香酸のトリエタノールアミン塩10重量部を含
む配合物を調製し、これに水を加えて、水50重量%を
含む濃縮物を調製した。このものを水で10倍に希釈し
て本発明の水溶性金属加工油を作成した。これについて
極圧特性を測定し、ラウリルチオグリコール酸のジエタ
ノールアミン塩を含まない水溶性金属加工油と比較し
た。結果は下記の通りで本発明の極圧添加剤の極圧付与
効果の優れていることがわかる。
【0025】
【表3】極圧添加剤濃度(%) 硫黄含量(%) 融着荷重(kg) PWI 摩擦係数 0.0 0.0 20 105 0.135 2.0 0.18 35 125 0.126 (硫黄含量はLTGAからのもの)
【0026】四球試験は、4個の同一径の鋼球をピラミ
ッド型に積み上げ、下の3個を固定し、荷重をかけなが
ら回転させ、点接触部に形成される高圧の摩擦面によ
り、潤滑油剤の性能を評価するものである。融着荷重は
1分間以内に4個の鋼球が融着を起こす最低荷重であ
る。圧力摩擦指数(PWI)は四球試験機を使用した測定
により得られる荷重−摩耗関係図の荷重と摩耗痕径から
珪酸される係数であり、この数字の大きいほど極圧性能
が優れる。
【0027】
【発明の効果】本発明の極圧添加剤は、上記式(1)で示
される酸の水溶性塩からなるものであり、優れた極圧性
能を有し、かつ安定した水溶性をも所持するものであ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は極圧添加剤に関し、更に
詳しくは水溶性の金属加工油剤に使用される極圧添加剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属加工油剤の性能を向上させる
ための極圧添加剤としては、塩素化パラフィン、塩素化
脂肪酸エステル等の含塩素有機化合物、及び硫化油脂、
硫化オレフィン、ジアルキルポリサルファイド等の硫黄
含有有機化合物が知られている。しかしながら、これら
の化合物は全て水に対してほとんど、あるいは全く不溶
性であり、水溶性金属加工油剤に使用するためには鉱油
に溶解するか、あるいはそのままの形で界面活性剤を利
用してエマルジョンにするという使い方しかできなかっ
た。水溶性あるいは水への易分散性を実現するために、
硫化脂肪酸のアミン塩などの試みもなされている。しか
し、この物質は水に容易に乳化するが、可溶化しにく
く、水溶性金属加工油剤の成分として使用する場合、安
定性に欠け、細菌が繁殖し易く、結果として硫化水素が
発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】米国特許第4,25
0,046号明細書には、極圧添加剤としてジー(2−
ヒドロキシエチル)ジスルフィドの使用が記載されてい
る。しかしながら、この物質は水溶性金属加工油剤を調
製するために用いられる他の多くの添加剤との相溶性に
乏しい。また、特開昭63−284294号公報には、
極圧添加剤として3−メルカプトプロピオン酸ジスルフ
ィドの水溶性塩を使用することが記載されている。しか
しながら、この物質はかなり優れた極圧性を有するが、
潤滑性に欠け、バランスのとれた性能を備える水溶性金
属加工油剤を調製するためには不便である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の従
来の製品のもつ問題点を解消すべく、鋭意研究を重ねた
結果、優れた性能を有し、安定した水溶性を有する極圧
添加剤を発明するに至った。
【0005】即ち、本発明は
【化3】 RSR’COOH (1) (式中、Rは炭素原子数6〜20個のアルキル基または
シクロアルキル基、R’は炭素原子数1〜3個のアルキ
レン基を表す)で示される酸の水溶性塩からなる極圧添
加剤に係る。
【0006】更に、本発明は
【化4】 RSR’COOH (1) (式中、Rは炭素原子数6〜20個のアルキル基または
シクロアルキル基、R’は炭素原子数1〜3個のアルキ
レン基を表す)で示される酸の水溶性塩からなる極圧添
加剤を含有してなる水溶性金属加工油に係る。
【0007】
【作用】上記式(1)で示される酸としては、アルキル
(またはシクロアルキル)チオグリコール酸、アルキル
(またはシクロアルキル)−2−メチルプロピオン酸、
アルキル(またはシクロアルキル)チオプロピオン酸、
アルキル(またはシクロアルキル)チオ酪酸などの硫黄
原子を含む有機酸がある。このような酸として、オクチ
ルチオグリコール酸、ドデシルチオグリコール酸、オ
チルチオプロピオン酸、ラウリルチオプロピオン酸、オ
クタデシルチオプロピオン酸、シクロヘキシルチオプロ
ピオン酸、オクチルチオ−2−メチルプロピオン酸、ラ
ウリルチオ−2−メチルプロピオン酸などが例示され
る。
【0008】上記式(1)で示される硫黄原子を含む有
機酸は、メルカプト基とカルボキシル基を1個ずつ含む
化合物、すなわちチオグリコール酸、メルカプトプロピ
オン酸、メルカプト−2−プロピオン酸、メルカプト酪
酸と、適当な分子量、構造を有するオレフィンまたはシ
クロオレフィンとを、過酸化物触媒の存在下で付加して
容易に製造できる。
【0009】本発明の極圧添加剤はこれらの酸の水溶性
塩から構成される。水溶性塩とは、室温での水への溶解
度が少なくとも0.01%、好ましくは少なくとも0.
1%である全ての無機、有機を意味する。
【0010】上記の酸の水溶性塩は、有機窒素含有化合
物や液体アンモニア、または無機塩類を用いて、式
(1)で示される硫黄原子を含む有機酸を中和する公知
の方法により製造できる。このような中和のための無機
塩類としては、Na、K、Liなどのアルカリ金属、B
a、Caなどのアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物あ
るいは炭酸塩が挙げられる。
【0011】また、有機窒素含有化合物としては、モノ
アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミ
ン、モノシクロアルキルアミン、ジシクロアルキルアミ
ンなどのモノアミン類、1〜4個のアルキル基で置換さ
れたジアミン類、アルキル基の少なくとも1個が水酸基
やポリオキシエチレン基のような親水性基を有するアル
キルモノアミン、アルキルジアミンなどがある。これら
のうち、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、
ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミ
ン、メチルジエノールアミン、エチルジエタノールア
ミン、ブチルジエタノールアミン、シクロヘキシルジエ
タノールアミン、N,N,N’,N’−トラキス(2
−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンなどを用いる
のが特に有利である。
【0012】本発明の極圧添加剤は、目的とする水溶性
金属加工油中に0.01〜20重量%、好ましくは0.
1〜10重量%の濃度で添加される。本発明の極圧添加
剤は水溶性金属加工油中に単独で用いることもできる
が、一般には水溶性金属加工油に使用される他の各種添
加剤と共に用いられる。
【0013】そのような添加剤として代表的なものは、
水溶性金属加工油剤の潤滑効果を高めるための油性剤、
腐食あるいは発錆を防止するための防錆剤、細菌の増殖
あるいは腐食を防止するための殺菌剤、消泡剤などがあ
る。
【0014】このような水溶性金属加工油剤の潤滑効果
を高めるための油性剤としては、オレイン酸、リシノー
ル酸、ステアリン酸、リシノール酸重縮合物などの脂肪
酸のアミン塩、ポリオキシエチレングリコール、ポリオ
キシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコ
ールなどがある。このような油性剤は、目的とする水溶
性金属加工油中に0.1〜30重量%程度の濃度で添加
されるのが好ましい。
【0015】上記腐食あるいは発錆を防止するための防
錆剤としては、ターシャリーブチル安息香酸、カプリル
酸、カプロン酸、カプリン酸、2−エチルヘキシル酸、
イソノナン酸、オレイン酸、リシノレイン酸などの一塩
基性有機酸、あるいはアジピン酸、アゼライン酸、セバ
チン酸、ドデカン二酸などの二塩基性有機酸の水溶性ア
ミン塩などがあり、目的とする水溶性金属加工油中に
0.1〜30重量%程度の濃度で添加されるのが好まし
い。
【0016】また、殺菌剤としては、トリアジン、1,
2−ペンイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどがあり、
目的とする水溶性金属加工油中に0.001〜1重量%
程度の濃度で添加されるのが好ましい。
【0017】更に、消泡剤としては、ケロシン、ポリジ
メチルシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンブロックポリオールなどがあり、目的とする水溶
性金属加工油中に0.01〜5重量%程度の濃度で添加
されるのが好ましい。
【0018】本発明の水溶性金属加工油は、本発明の極
圧添加剤あるいはこれと上記他の添加剤と水とから構成
されるのが基本である。水相は50〜99重量%とする
のが好ましい。本発明の水溶性金属加工油を調製する場
合、本発明の水溶性塩、またはその水溶液を他の添加剤
と混合して濃縮物の形で保存し、使用の際に水で上記の
適当な濃度に薄めて用いることができる。
【0019】本発明の水溶性金属加工油は、基油として
鉱油、合成油を使用する必要はないが、所望によっては
基油を用いてもよく、この場合はこれに通常界面活性剤
が配合されてエマルジョン形態となっている。
【0020】
【実施例】 実施例1 ラウリルチオプロピオン酸のトリエタノールアミン塩の
水溶液の極圧特性を四球試験機を用いて測定した。測定
値を水溶液の硫黄含量に対して示したデータは次の通り
で、本発明の極圧添加剤の極圧性能の優れていることが
わかる。
【0021】
【表1】
【0022】実施例2 オクチルプロピオン酸(OTPA)のトリエタノールア
ミン塩30重量部、平均分子量1500のポリエチレン
グリコール10重量部、防錆性付与のためのイソノナン
酸のトリエタノールアミン塩20重量部を含む配合物を
調製し、これに水を加えて水40重量%を含む濃縮物を
調製した。このものを水で10倍に希釈して本発明の水
溶性金属加工油を作成した。これについて極圧特性を測
定し、オクチルチオプロピオン酸のトリエタノールアミ
ン塩を含まない水溶性金属加工油と比較した。結果は下
記の通りで本発明の極圧添加剤の極圧付与効果の優れて
いることがわかる。
【0023】
【表2】
【0024】実施例3 ラウリルチオグリコール酸(LTGA)のジエタノール
アミン塩30重量部、平均分子量2000のポリエチレ
ングリコール脂肪酸エステル10重量部、ターシャリー
ブチル安息香酸のトリエタノールアミン塩10重量部を
含む配合物を調製し、これに水を加えて、水50重量%
を含む濃縮物を調製した。このものを水で10倍に希釈
して本発明の水溶性金属加工油を作成した。これについ
て極圧特性を測定し、ラウリルチオグリコール酸のジエ
タノールアミン塩を含まない水溶性金属加工油と比較し
た。結果は下記の通りで本発明の極圧添加剤の極圧付与
効果の優れていることがわかる。
【0025】
【表3】
【0026】四球試験は、4個の同一径の鋼球をピラミ
ッド型に積み上げ、下の3個を固定し、荷重をかけなが
ら回転させ、点接触部に形成される高圧の摩擦面によ
り、潤滑油剤の性能を評価するものである。融着荷重は
1分間以内に4個の鋼球が融着を起こす最低荷重であ
る。圧力摩擦指数(PWI)は四球試験機を使用した測
定により得られる荷重−摩耗・関係図の荷重と摩耗痕径
から珪酸される係数であり、この数字の大きいほど極圧
性能が優れる。
【0027】
【発明の効果】本発明の極圧添加剤は、上記式(1)で
示される酸の水溶性塩からなるものであり、優れた極圧
性能を有し、かつ安定した水溶性をも所持するものであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 栄之助 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 アデ カ・フアインケミカル株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】RSR'COOH (1) (式中、Rは炭素原子数6〜20個のアルキル基または
    シクロアルキル基、R'は炭素原子数1〜3個のアルキ
    レン基を表す)で示される酸の水溶性塩からなる極圧添
    加剤。
  2. 【請求項2】 【化2】RSR'COOH (1) (式中、Rは炭素原子数6〜20個のアルキル基または
    シクロアルキル基、R'は炭素原子数1〜3個のアルキ
    レン基を表す)で示される酸の水溶性塩からなる極圧添
    加剤を含有してなる水溶性金属加工油。
JP20172291A 1991-08-12 1991-08-12 極圧添加剤 Expired - Fee Related JP3009256B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20172291A JP3009256B2 (ja) 1991-08-12 1991-08-12 極圧添加剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20172291A JP3009256B2 (ja) 1991-08-12 1991-08-12 極圧添加剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0543886A true JPH0543886A (ja) 1993-02-23
JP3009256B2 JP3009256B2 (ja) 2000-02-14

Family

ID=16445851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20172291A Expired - Fee Related JP3009256B2 (ja) 1991-08-12 1991-08-12 極圧添加剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3009256B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3009256B2 (ja) 2000-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4274973A (en) Aqueous water-soluble soap lubricant concentrates and aqueous lubricants containing same
GB2044798A (en) Diethanol disulphide as an extreme pressure and anti-wear additive in water soluble metalworking fluids
KR100665790B1 (ko) 수용성 절삭유 조성물
JP6283552B2 (ja) 水溶性金属加工油および金属加工用クーラント
JPH08231977A (ja) 水溶性金属加工用油剤
JP6009378B2 (ja) 水溶性金属加工油剤および金属加工用クーラント
EP0122317B1 (en) Lubricating compositions containing 5,5'-dithiobis(1,3,4-thiadiazole-2-thiol)
PT87320B (pt) Processo para a preparacao de aditivos soluveis em agua consistindo num sal soluvel em agua de dissulfureto de acido 3-mercapto-propionico com efeito de extrema pressao para fluidos aquosos funcionais, de fluidos funcionais e de composicoes aquosas concentradas que os contem
US4670168A (en) Aqueous metal removal fluid
TW200920839A (en) Water-based metalworking fluid
US3919093A (en) Lubricant compositions containing alkylene oxide polymers and sulfur
US6204228B1 (en) Light-colored sulfur-containing extreme pressure lubricant additives
JPH0543886A (ja) 極圧添加剤
US4601838A (en) Water-soluble chlorinated fatty ester additives
JP2000063863A (ja) 金属加工油組成物
JPH08259978A (ja) 潤滑組成物
JP3975342B2 (ja) 水溶性金属加工油
JP2750510B2 (ja) 耐酸化性に優れたアルミニウム用熱間圧延油およびその製造方法
JP3912443B2 (ja) 水性潤滑油添加剤
RU2228950C2 (ru) Концентрат водоэмульсионной смазочно-охлаждающей жидкости для механической обработки металлов
CN108384622A (zh) 一种抗菌性强的水基金属切削液
JPH10110181A (ja) 水溶性金属塑性加工剤
JPH11323375A (ja) 金属加工油剤組成物
WO2000056845A1 (fr) Composition d'aide au travail du metal, contenant du thiodipropionate de dialkyle, et procede de travail du metal
WO2020012792A1 (ja) 金属加工用水溶性油剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees