JPH0543586B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は、箱部分とちようつがい蓋とが関節軸
を介して連結している蓋付き箱（いわゆるシヨル
ダーボツクス）に関するものである。この蓋付き
箱は、タバコ等を、特に薄い錫箔で成る内箱の中
に平面状に配列して収納するために使用される。

［発明の技術的背景］ 蓋付き箱は、通常、比較的堅い厚紙で形成され
ている。そして、タバコは、通常、箱部分の中に
平面状に２段に重なつて入つている。ちようつが
い蓋を閉じると、箱部分は、この箱部分の内側に
作られた縁に沿つて、ちようつがい蓋に覆われ
る。

このような型式の蓋付き箱では、タバコは内箱
の中に包まれている。この内箱は、通常、ガラス
紙で内張りされた錫箔で形成されている。そし
て、この内箱の上側、つまりタバコ上に位置する
内箱の上面は、互いに一部重なつているが接着は
されていない少なくとも２枚の紙片で形成されて
いる。タバコを取り出す時は、タバコの上面、す
なわち、上の段のタバコの上表面が露出するよう
に、この２枚の紙片を片側にめくる。

このような蓋付き箱、すなわち上記のように設
計された内箱をもつ蓋付き箱では、収納されたタ
バコの香りや水分が失われやすい。さらに、ちよ
うつがい蓋を開けた時には、必ず上の段のタバコ
全体が露出する。このように、この内箱は、錫箔
ブロツクの形態で、タバコを充分保管するのには
構造的に不適当である。

［発明の目的］ 本発明の目的は、上述の問題点が解決された、
タバコやタバコに類似のものを収納納するための
蓋付き箱を提供することである。この蓋付き箱
は、特に、使用前後を通じて、内箱がタバコの湿
気と香りを保つように構成されている。同時に、
タバコの取り出し等の取り扱いも簡単である。

［発明の概要］ 上記の目的を達成するために、本発明に係る蓋
付き箱では、タバコ取り出し口を内箱の上方向面
（上面）に設けてある。この取り出し口は、切り
込みによつて形成され、内箱上面のタバコの一端
に面するへり（内箱のへり）まで、広がつてい
る。さらに、この取り出し口は、少なくとも取り
出し口の大きさを有する閉じ蓋に覆われている。

内箱に特徴のある本発明の蓋付き箱において
は、タバコの表面は、しつかり閉じた内箱上面に
よつて覆われる。そして、内箱上面の一部分のみ
に設けられた取り出し口は、閉じ蓋によつて覆わ
れている。この閉じ蓋は、閉じ蓋の縦ふち部分お
よび横ふち部分が、取り出し口の周囲を覆うよう
に、設計され、組み立てられている。この閉じ蓋
は、内箱上面およびタバコを緩く覆うこともでき
るが、内箱上面の取り出し口の周囲と着脱可能に
接着（peal seal）してもよい。タバコを取り出
す時は、タバコの末端が充分露出してタバコが取
り出せるように、この比較的小さい閉じ蓋を開
く。この目的で、内箱の横へり（内箱上面の長方
形の短辺）が閉じ蓋の枢軸となつている。

本発明の他の特徴は、取り出し口とその結果生
成する閉じ蓋の両者の幅が、内箱上面の幅よりも
狭く、さらにこの幅が、取り出し口および閉じ蓋
の先端に向かつて狭くなつていることである。こ
の結果、閉じ蓋は、取り出し口の横部分で、内箱
上面と重なることができる。

また、本発明の別の重要な特徴は、取り出し口
の横へりから、内箱の取り出し口と反対側の横へ
りまで、２本の縦方向分離線が、互いにある距離
をおいて延びていることである。この縦方向分離
線によつて、内箱のほぼ中央に、上記の取り出し
口に加えて他の開閉部分が形成され、上面の全長
にわたる取り出し口が得られる。さらに、この縦
方向分離線に続けて、横方向分離線を設けると、
内箱上面に、両側に開くことのできるサイドタブ
が形成される。

本発明のさらに別の特徴は、内箱の構造的設
計、この内箱の折り曲げ、およびタバコ取り出し
口の形成にある。

［発明の実施例］ 第１図に、本発明に係る蓋付き箱の好ましい実
施例を示した。この蓋付き箱は、箱部分２０とち
ようつがい蓋２１とから成つている。この２者
は、関節２２の軸によつて互いに連結されてい
る。ちようつがい蓋２１を閉じると、ちようつが
い蓋２１は、箱部分２０に設けられたカラー２３
を囲む。このカラー２３は、箱部分２０のへりを
一周するように、箱部分２０の内壁上部に設けら
れている。

箱部分２０の中、特に第２図および第３図に示
したカラー２３に囲まれた中に、包装内容物、本
実施例の場合は内箱２５に包まれたタバコ２４を
納める。こうして得られる直方体の錫箔ブロツク
２６は、第４図のように、３層のタバコ２４を内
包していることが望ましい。このようにすると、
錫箔ブロツク２６もしくは蓋付き箱は、通常の蓋
付き箱やカツプパツクと同じ外形となる。タバコ
２４は、この直方体の蓋付き箱の縦方向、すなわ
ち関節２２の軸と平行に、整列される。

内箱２５は、第２図のように、閉じた状態では
内箱上面２７が完全に閉じられるように、設計さ
れ、形づくられている。

取り出し口２８は、第３図に示したように、内
箱材料の箔に適当な切り込みを設けることによつ
て、この内箱上面２７内、特に、タバコ２４の一
端に面する内箱上面２７の端に、形成する。この
取り出し口２８は、錫箔ブロツク２６の横へり２
９いつぱいに広がつているため、タバコ２４を取
り出すときには、タバコ２４の末端部分が露出す
る。この取り出し口２８は、先細になつている縦
へり３０，３１と、これらの縦へりをつなぐ横へ
り３２によつて形つくられている。また、この取
り出し口２８の横に残存部３３ができるように、
取り出し口２８の幅は、内箱上面２８の幅よりも
狭く、すなわち内箱上面２８の横方向長さよりも
短くする。横側面（内箱上面の長方形の短辺を１
辺とする側面）３９と上記残部３３とは、間隙３
４によつて分離している。

第２図のように、取り出し口２８は、閉じ蓋３
５に覆われることができる。閉じ蓋３５の形状の
ため、あるいは、閉じ蓋３５の取り出し口２８と
の相対的位置関係のため、閉じ蓋３５を閉じる
と、閉じ蓋３５の縦ふち３６と、閉じ蓋３５の横
ふち３７が、取り出し口２８の周囲を覆う。第５
図は、この第２図の状態の蓋付き箱の断面を示し
たものである。

タバコ２４を取り出す時には、この閉じ蓋３５
を開き、さらにこの閉じ蓋３５を、タバコ２４に
対して横断方向に配置されたカラーのへり３８で
折りまげる。そして、これを引つ張ると、第６図
に示したように、錫箔ブロツク２６の片側が箔部
分２０から引き上げられ、タバコ２４の末端が露
出するので、容易にタバコを取り出すことができ
る。このような引き上げ動作を行なうことができ
るのは、閉じ蓋３５やこれに続く横側面３９が、
内箱２５の横方向に隣接する面（後述の角タブ）
に継ぎ合わされていないからである。

第７図に、上記のように設計された錫箔ブロツ
ク２６の内箱２５の展開図を示した。内箱２５
は、内箱２５の幅の１枚の箔４０によつて形成さ
れている。この箔４０では、箔４０の縦方向に縦
側面部分が、連続して延びている。これにしたが
つて、内箱上面２７と、横側面４１と、内箱下面
４２と、横側面３９と、そしてこの横側面３９に
連続している閉じ蓋３５とが、並んでいる。ま
た、縦側面タブ４３が内箱上面２７の横にあり、
同様に、これに対応する縦側面タブ４４も内箱下
面４２の横にある。錫箔ブロツク２６が完成され
た時には、これらの縦側面タブが、縦側面（内箱
の長方形の長辺を１辺とする側面）４５，４６と
なる（第４図）。

また、第７図には、横側面４１に隣接して角タ
ブ４７が示されている。この角タブ４７は、縦側
面タブ４３，４４の延長部分であり、また、これ
らの縦側面タブ４３，４４を接続する接続体であ
る。同様な角タブ４８と４９が、それぞれ、横側
面３９の横、および内箱２５の反対側の端部の横
に位置している。前に述べたように、角タブ４８
は、隣接している横側面３９と接着されず、切り
取り部分５０によつて分離されている。また、角
タブ４８，４９は、これらと重なる横側面３９よ
りも、内箱２５の長軸方向の長さが短い。角タブ
４８，４９は、第４図に示したように、横側面３
９の平面へ折り曲げ、特にタバコ２４の先端へ向
かつて、互いに一部分だけを重ねる。

この内箱２５の大きな特徴は、横側面３９，４
１が、継ぎ目のない連続面であることである。展
開状態の内箱２５は、長い帯状の箔４０を切り離
して次々に製造される。したがつて、横側面３１
に隣接する閉じ蓋３５は、長い帯状の箔４０にお
いて隣接する他の内箱部分の取り出し口２８が切
り込まれると同時に、得られるものである。閉じ
蓋３５は、取り出し口２８よりも、横側面３９の
幅の横長部分５１の分だけ、長く大きい。これ
は、長い帯状の箔４０でつながつている別々の内
箱の角タブ４８と４９の長軸方向の長さを、適宜
選択することによつて達成される。この長方形の
横長部分５１に隣接する閉じ蓋３５の台形部分の
形と大きさは、取り出し口２８に対応している。
閉じ蓋３５を横へり２９に沿つて折り曲げて閉じ
ると、横長部分５１が、内箱上面２７で、横側面
３９の高さを制限する。閉じ蓋３５の横長部分５
１に続く台形部分は、特に、横長部分５１の、内
箱２５の長軸方向の長さに応じて、取り出し口２
８に対して縦方向にずらされている。横長部分５
１の横方向長さが、横側面３９の全幅と同じなの
で、錫箔ブロツク２６は、この端の部分でも、横
長部分５１によつて、広い範囲に渡つてしつかり
閉じられる。内箱上面２７の取り出し口２８部分
と横側面３９との間隙３４は、内箱２５を、閉じ
蓋３５と同じ形をした取り出し口２８の付近で、
切り込み部５２（第７図）が示すように、内箱上
面２７の全幅にわたつて、切り込むことによつて
得る。

第８図乃至第１２図は、内箱２５の他の実施例
を示した図である。その基本的構造は、上記実施
例の場合と同様である。ただし、上記の実施例で
は、閉じ蓋と取り出し口の角が一部丸かつたのに
対して、本実施例では、閉じ蓋３５と取り出し口
２８は三角形である。

本実施例の特徴は、通常閉じている内箱上面
に、上記実施例とは別に分離線を設けることによ
つて、取り出し口２８が拡大されていることであ
る。第８図および第９図に示した例では、取り出
し口２８の縦へり３０，３１の延長部として反対
側の横側面の横へり５５に至る縦方向分離線５
３，５４が設けられ、台形部分５６を形成してい
る。縦方向分離線５３，５４に沿つた切り込みを
入れると、この台形部分５６は、もう一つの開閉
部分として引き上げられ、上の段の中央部分のタ
バコ２４が、全長にわたつて露出する。

台形部分５６は、完全に切り取つて捨てること
もでき（第１０図）、また、閉じ蓋３５と同様に、
折り返して元の位置に戻すこともできる。前者の
場合には、横へり５５の部分で横方向分離線５７
にしたがつて切り取つて、台形部分５６を、内箱
２５から完全に引き離せばよい。

また、図示した実施例では、上記縦方向分離線
５３，５４の端から横へり５５に沿つて外側へ向
かつて、縦へり５８，５９に達するまで、横方向
分離線６０，６１が設けられている（第８図、第
９図、第１０図）。この横方向分離線６０，６１
使用すると、サイドタブ６２，６３を形成するこ
とができる。これらのサイドタブをわきへ開く
と、第１１図のように、上段のタバコ２４の全面
を露出させることができる。サイドタブ６２，６
３は、内箱２５の残りの部分とつながつている。

縦方向分離線５３，５４、および横方向分離線
５７，６０，６１は、いろいろな方法で形成する
ことができるが、第８図、第９図のように、残存
接続点６５を有する切り込み線６４によつて形成
するのが適当である。この残存接続点６５は、適
当な間隔をおいて設ける。図示した典型的な例で
は、縦方向分離線５３，５４と横方向分線５７，
６０，６１が集まる地点には、必ずこの残存接続
点６５を設けてある。したがつて、これらの地点
で、内箱２５の角がめくり上がることはない。

このような内箱２５の展開図を第１２図に示し
た。第７図の場合と異なつて、縦方向分離線５
３，５４、および横方向分離線５７，６０，６１
を形成するために、切り込み線６４と残存接続点
６５とが形成されている。こうして、組み立て準
備が完全に整つた内箱２５を、一枚の箔４０から
得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はちようつがい蓋を閉じた時の蓋付き箱
の斜視図、第２図はちようつがい蓋を開けた時の
内箱を有する上記蓋付き箱の斜視図、第３図はタ
バコを取り出すために内箱を開けた時の上記蓋付
き箱の斜視図、第４図は上記蓋付き箱の内箱に納
められたタバコの末端面を示す図、第５図は第２
図に示した蓋付き箱の縦断面図、第６図は第５図
に示した蓋付き箱のタバコを取り出す状態での縦
断面図、第７図は第１図乃至第６図に示した蓋付
き箱の内箱の展開図、第８図は他の実施例に係る
蓋付き箱の内箱（錫箔ブロツク）の斜視図、第９
図は閉じ蓋を開けた時の第８図に示した蓋付き箱
の内箱（錫箔ブロツク）の斜視図、第１０図は閉
じ蓋を再び閉じた時の第８図および第９図に示し
た蓋付き箱の内箱（錫箔ブロツク）の斜視図、第
１１図は完全に開けた時の第８図および第９図に
示した蓋付き箱の斜視図、第１２図は第８図乃至
第１１図に示した蓋付き箱の内箱の展開図であ
る。 ２０……箱部分、２１……ちようつがい蓋、２
２……関節、２３……カラー、２４……タバコ、
２５……内箱、２６……錫箔ブロツク、２７……
内箱上面、２８……取り出し口、２９……横へ
り、３０，３１……縦へり、３２……横へり、３
３……残部、３４……間隙、３５……閉じ蓋、３
６……縦ふち、３７……横ふち、３８……へり、
３９……横側面、４０……箔、４１……横側面、
４２……内箱下面、４３，４４……サイドタブ、
４５，４６……横側面、４７，４８，４９……角
タブ、５０……切り取り部分、５１……横長部
分、５２……切り込み部、５３，５４……縦方向
分離線、５５……横へり、５６……台形部分、５
７……横方向分離線、５８，５９……縦へり、６
０，６１……横方向分離線、６２，６３……サイ
ドタブ、６４……切り込み線、６５……残存接続
点。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ タバコや類似物を錫箔等の薄い材料より成る
   内箱の中に平面状に配列して収納するために使用
   され、内箱の上面にタバコ等の取り出し口が設け
   られ、この取り出し口は、内箱に切り込みを入れ
   ることによつて、タバコの一端に面する内箱上面
   の端まで広がつて形成され、さらに、この取り出
   し口が、取り出し口の大きさ以上の大きさを有す
   る閉じ蓋に覆われていることを特徴とする内箱と
   箱部分と箱部分に関節軸を介して連結しているち
   ようつがい蓋とを備えている蓋付き箱。 ２ 取り出し口の幅が内箱上面の幅よりも狭く、
   閉じ蓋の縦へりと横へりとが、取り出し口の周囲
   を覆つている特許請求の範囲第１項記載の蓋付き
   箱。 ３ 取り出し口の幅および／または閉じ蓋の幅
   が、取り出し口の先端に向かつて狭くなつている
   特許請求の範囲第１項または第２項記載の蓋付き
   箱。 ４ 閉じ蓋が、内箱材料の箔を切り込むことによ
   つて形成され、取り出し口に対してずれた形状で
   ある特許請求の範囲第１項乃至第３項のいずれか
   １項記載の蓋付き箱。 ５ 閉じ蓋が、内箱の横へりを介して内箱と連結
   しており、閉じ蓋に隣接する内箱の横側面が、こ
   の横側面または横へりに隣接する位置に、内箱上
   面の幅の横長部分を有している特許請求の範囲第
   １項乃至第４項のいずれか１項記載の蓋付き箱。 ６ 閉じ蓋と続いている内箱の横側面が、一枚の
   材料で形成され、閉じ蓋の反対側では内箱下面に
   続いている特許請求の範囲第１項乃至第５項のい
   ずれか１項記載の蓋付き箱。 ７ 内箱の横側面に隣接しているが、内箱の縦方
   向を向いた切り取り部分によつてこの横側面と分
   離されている角タブの、内箱の長軸方向の長さ
   が、この横側面よりも短い特許請求の範囲第１項
   乃至第６項のいずれか１項記載の蓋付き箱。 ８ 内箱上面と横側面と内箱下面とが、展開状態
   の内箱材料において、その長軸方向で隣りあつて
   おり、取り出し口が、内箱の一方の末端（内箱上
   面部分）の切り込み部分に位置し、横長部分を有
   する閉じ蓋と横側面とが、他方の末端部分に位置
   している特許請求の範囲第１項乃至第７項のいず
   れか１項記載の蓋付き箱。 ９ 内箱上面に、取り出し口から発して内箱の長
   軸方向へ向かつて取り出し口の反対方向の横へり
   まで延びる１本以上の縦方向分離線が、設けられ
   ている特許請求の範囲第１項乃至第８項のいずれ
   か１項記載の蓋付き箱。 １０ ２本の縦方向分離線が互いにある間隔をお
   いて、取り出し口の横へりから内箱の横へりまで
   延びている特許請求の範囲第１項乃至第９項のい
   ずれか１項記載の蓋付き箱。 １１ 縦方向分離線が、取り出し口のへりの延長
   線である特許請求の範囲第１項乃至第１０項のい
   ずれか１項記載の蓋付き箱。 １２ 内箱の縦方向の末端、特に縦方向分離線の
   端から、これらの分離線の横に向かつて横方向分
   離線が形成されている特許請求の範囲第１項乃至
   第１１項のいずれか１項記載の蓋付き箱。 １３ 横方向分離線が、内箱の縦へりまで延びて
   いる特許請求の範囲第１項乃至第１２項のいずれ
   か１項記載の蓋付き箱。 １４ 横方向分離線の１本が、内箱のほぼ中央に
   位置する台形部分の１辺であり、縦方向分離線に
   よつて制限されている特許請求の範囲第１項乃至
   第１３項のいずれか１項記載の蓋付き箱。 １５ 縦方向分離線および横方向分離線が、切り
   込み線によつて形成され、これらの分離線の間に
   残存接続点が残されている特許請求の範囲第１項
   乃至第１４項のいずれか１項記載の蓋付き箱。 １６ 残存接続点が、縦方向分離線と横方向分離
   線とが集結する地点に形成されている特許請求の
   範囲第１項乃至第１５項のいずれか１項記載の蓋
   付き箱。