JPH0543532A - オキシムの製造方法 - Google Patents

オキシムの製造方法

Info

Publication number
JPH0543532A
JPH0543532A JP1792592A JP1792592A JPH0543532A JP H0543532 A JPH0543532 A JP H0543532A JP 1792592 A JP1792592 A JP 1792592A JP 1792592 A JP1792592 A JP 1792592A JP H0543532 A JPH0543532 A JP H0543532A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
oxime
ketone
aldehyde
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1792592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3263965B2 (ja
Inventor
Tamotsu Kanda
有 神田
Takeshi Matsuoka
毅 松岡
Haruo Habu
春夫 土生
Tsutomu Yonemori
勉 米盛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Kasei Corp filed Critical Mitsubishi Kasei Corp
Priority to JP01792592A priority Critical patent/JP3263965B2/ja
Publication of JPH0543532A publication Critical patent/JPH0543532A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3263965B2 publication Critical patent/JP3263965B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】ヒドロキシルアミン塩水溶液相と、ケトンまた
はアルデヒドの相をカチオン交換膜で仕切り、ヒドロキ
シルアミン塩水溶液相中のヒドロキシルアミンを前記膜
を通じて、ケトンまたはアルデヒドの相へ拡散移動さ
せ、ケトンまたはアルデヒドの相中でオキシムを生成さ
せることを特徴とするオキシムの製造方法。 【効果】本方法により、塩の副生なしにオキシムを得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオキシムの製造方法に関
する。詳しくは、ケトンまたはアルデヒドとヒドロキシ
ルアミン塩とから対応するオキシムを製造するに際し、
硫安などの無機塩の副生を伴わない新規なオキシムの製
法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、シクロヘキサノンオキシムはナ
イロン原料であるカプロラクタムを製造するための中間
原料として工業的に有用なものであり、通常、各々の方
法で合成されたシクロヘキサノンとヒドロキシルアミン
とを反応させることにより生産されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法においては、ヒドロキシルアミンの安定性の面からヒ
ドロキシルアミンを硫酸塩、塩酸塩などの無機酸塩とし
て用いる必要があり、これを反応系でアンモニアなどの
アルカリにより中和しなければならない。その結果、目
的とするシクロヘキサノンオキシムと共に、多量の硫安
などの無機塩が不可避的に副生する。そのため、従来よ
り、硫安などの無機塩の副生がないシクロヘキサノンオ
キシムの製造方法が要望されており、いくつかの方法が
提案されているが、未だ十分と言える方法は見い出され
ていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記実情に
鑑み、ヒドロキシルアミン塩とケトンまたはアルデヒド
からオキシムを生成する反応において、硫安の生成を抑
制することを目的として検討した結果、ヒドロキシルア
ミン塩水溶液とケトンまたはアルデヒドをカチオン交換
膜により仕切ることによりケトン、またはアルデヒドの
相に、ヒドロキシルアミンがアンモニウムイオンとして
イオン交換により拡散・移動し、その後、ケトンまたは
アルデヒドの相でオキシムが生成することを発見し、本
発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、ヒドロキシル
アミン塩水溶液相と、ケトンまたはアルデヒドの相をカ
チオン交換膜で仕切り、ヒドロキシルアミン塩水溶液相
中のヒドロキシルアミンを前記膜を通じて、ケトンまた
はアルデヒドの相へ拡散移動させ、ケトンまたはアルデ
ヒドの相中でオキシムを生成させることを特徴とするオ
キシムの製造方法に存する。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明で用
いるヒドロキシアルアミン塩としては、硫酸塩、塩酸
塩、リン酸塩、ギ酸塩などが挙げられ、通常、硫酸塩が
一般的である。また、このヒドロキシルアミン塩の水溶
液濃度としては、通常、5〜60重量%、好ましくは1
0〜50重量%である。該範囲より低濃度では効率的な
反応は期待できず、逆に該範囲より高濃度の場合には、
ヒドロキシルアミンが析出するので好ましくない。
【0007】一方、本発明で対象とするケトンとして
は、脂肪族、脂環式又は芳香族化合物のいずれでもよ
く、例えば、シクロヘキサノン、シクロドデカノン、ア
セトン、ジメチルアセトン、アセトフェノン、ベンゾフ
ェノンなどが挙げられる。また、アルデヒド類として
は、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、ブチルアルデヒド、カプロンアルデヒド、ベンズア
ルデヒド、アニスアルデヒドなどが挙げられる。これら
のケトン及びアルデヒドの中で、工業的にはカプロラク
タムの原料となるシクロヘキサノンが代表的に挙げられ
る。ケトンまたはアルデヒドの相の使用量は反応方式に
よっても異なるが、ヒドロキシルアミン塩水溶液相に対
して通常0.1〜10容量倍、好ましくは0.5〜5容
量倍である。
【0008】本発明で用いるカチオン交換膜としては、
合成樹脂よりなる膜をベースとし、これにカチオン交換
基が導入されたものであり、従来よりイオン交換膜とし
て公知のものである。カチオン交換基としては、強酸型
イオン交換基を有するもので、スルホン酸基が一般的で
あり、本発明では遊離酸型として使用する。交換膜の交
換容量は特に限定されないが、通常0.1〜10meq
/g・dry resin、好ましくは0.5〜3me
q/g・dry resinである。交換膜を形成する
ベース樹脂としては、通常、アクリロニトリル−ビニル
クロライド共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重
合体・変性四フッ化エチレン重合体などが挙げられる。
また、カチオン交換膜の膜厚は、通常0.05〜3m
m、好ましくは0.2〜2mm程度である。これらのカ
チオン交換膜は市販されているものをそのまま用いるこ
とができる。反応温度は、通常10〜100℃、好まし
くは20〜80℃である。また、反応時間は接触してい
るカチオン交換膜の面積、交換容量により、通常0.5
〜数百時間の広範囲から適当に選択される。更に、反応
圧力は常圧で差し支えないが、必要に応じてヒドロキシ
ルアミン塩水溶液相を加圧系としてもよい。
【0009】本発明における反応では、ヒドロキシルア
ミン塩水溶液相と、ケトンまたはアルデヒドの相をカチ
オン交換膜で仕切ることにより、ヒドロキシルアミン塩
水溶液相よりケトンまたはアルデヒドの相ヘヒドロキシ
ルアミンがアンモニウムイオンとして選択的にカチオン
交換膜内に拡散移動し、ケトンまたはアルデヒドの相で
反応し、対応するオキシム類が生成すると同時にヒドロ
キシルアミン塩水溶液相で酸が遊離する。
【0010】反応方式としては、基本的には、イオン交
換膜で2つに区切られた空間を有する反応器を用い、一
方にヒドロキシルアミン塩水溶液、他方にケトンまたは
アルデヒドの液体を仕込み、回分式あるいは連続式で各
相を循環、抜き出しするものである。また、メッシュ状
のサポート材により補強されたイオン交換膜により仕切
られた複数個の部屋を有する反応器を用いた流通操作方
式を採用することもできる。
【0011】反応終了後は、ケトンまたはアルデヒド相
側のオキシムを含有する混合物より、蒸留晶析あるいは
抽出によりオキシムを容易に分離回収することができ
る。また、分離後のケトンまたはアルデヒドは反応系に
リサイクルして用いることができる。更に、ケトンまた
はアルデヒド相に微量の酸が混入した場合は、中和など
により酸を処理した後、オキシムを回収すればよい。
【0012】一方、ヒドロキシルアミン塩水溶液相で遊
離した酸は、中和することなく回収、再使用することが
好ましい。即ち、酸を単離することなく、遊離の酸、例
えば硫酸の濃度が高くなったヒドロキシルアミン塩水溶
液を回収し、これを溶媒として、更に要すれば濃硫酸と
混合したものを溶媒として、一酸化窒素と水素を反応さ
せて原料のヒドロキシルアミン塩を製造することができ
る。以上の説明からも示されているように、本発明を用
いたオキシムの製造を工業的に実施する場合、例えば、
図1に示すプロセスを採用すればよい。
【0013】反応器1をイオン交換膜2で区切り、一方
の1aに導管3よりヒドロキシルアミン塩水溶液を供給
し、他方の1bに導管4よりケトンまたはアルデヒドを
供給する。そして、ヒドロキシルアミン塩水溶液側(水
相側)1aでは遊離の酸が生成し、該遊離の酸と未反応
のヒドロキシルアミン塩を含む水溶液の一部を導管5を
通じてヒドロキシルアミン塩の合成系6に戻す。ヒドロ
キシルアミン塩の合成法としては、懸濁状の白金担持触
媒の存在下、硫酸などの鉱酸の希釈水溶液中において一
酸化窒素を水素で接触還元する方法が例示される。該反
応は、通常、常圧から加圧下で40〜80℃の温度で実
施される。該合成系で製造されたヒドロキシルアミン塩
は、導管3より反応器の水相側1aに供給すればよい。
【0014】一方、ケトンまたはアルデヒド側(油相
側)1bではオキシムが生成するので、該オキシムと未
反応のケトンまたはアルデヒドの混合液の一部を導管7
より抜き出し、分離系8にてオキシムを導管9より回収
する。分離系8の具体的分離手段としては、減圧蒸留法
が例示される。また、油相中に混入してくる微量の酸な
どを除くために、蒸留を行なう前に好ましくは少量のア
ルカリで中和しておく(図示せず)。オキシムを分離回
収後の残存ケトンまたはアルデヒドは、導管4を通じて
反応器の油相側1bに循環させる。また、この際、生成
回収したオキシムに相当するケトンまたはアルデヒドを
導管10より新規に供給すればよい。
【0015】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。 実施例1 200mlのガラス製容器の中央をスルホン酸型イオン
交換膜(H+型、アクリロニトリル−ビニルクロライド
共重合型ポリマー、膜面積33cm2、膜厚0.6m
m、交換容量2.7meq/g・dry resin)
で仕切り、一方に5.0Nヒドロキシルアミン硫酸塩水
溶液85mlを仕込み、他方にシクロヘキサノンを7
0.4g仕込み、25℃で各相を撹拌しながら5時間放
置した。その後、各相の液をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、表−1に示すように、シクロヘキサノ
ン相(油相)に0.018molのシクロヘキサノンオ
キシムの生成が確認された(仕込みのヒドロキシルアミ
ン当量に対するオキシムの生成モル収率は4.2%)。
また、その他の副生物の生成は認められなかった。一
方、ヒドロキシルアミン硫酸水溶液相(水素)では、生
成オキシムとほぼ当量の遊離硫酸が確認された。
【0016】実施例2〜4 実施例1において反応温度またはイオン交換膜の膜厚を
変更した以外は、実施例1と同様に行なった結果を表−
1に示す。また、シクロヘキサノンオキシム以外の副生
物の生成はいずれも認められなかった。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、ヒドロキシルアミン塩
水溶液相とケトンまたはアルデヒドの相とを単にカチオ
ン交換膜で仕切って液相下保持するだけで、ケトンまた
はアルデヒド相内で目的とするオキシム類が得られる。
この理由は、ヒドロキシルアミン塩水溶液相からヒドロ
キシルアンモニウムイオンがイオン交換により選択的に
膜内を通過し、ケトンまたはアルデヒド相に拡散するた
めであるが、このような現象がカチオン交換膜によって
もたらされることは全く予想外の驚くべきことである。
この結果、本発明においては、反応により副生(遊離)
する酸はヒドロキシルアミン塩水溶液相にそのまま残留
するので、この酸は中和することなく、酸のまま回収し
再使用することができる。従って、本発明では副生塩の
生成をゼロとすることが可能である。一方、生成したオ
キシムは、酸塩ではなく遊離の状態で得られるので中和
による塩の副生を伴うことなく分離、回収することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオキシムの製造プロセスの一例を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 : 反応器 1a : 反応器(水相側) 1b : 反応器(油相側) 2 : イオン交換膜 3、4、5、7、9、10:導管 6 : ヒドロキシルアミン塩合成系 8 : オキシム分離系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米盛 勉 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化成株式会社黒崎工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシルアミン塩水溶液相と、ケ
    トンまたはアルデヒドの相をカチオン交換膜で仕切り、
    ヒドロキシルアミン塩水溶液相中のヒドロキシルアミン
    を前記膜を通じて、ケトンまたはアルデヒドの相へ拡散
    移動させ、ケトンまたはアルデヒドの相中でオキシムを
    生成させることを特徴とするオキシムの製造方法。
  2. 【請求項2】 生成したオキシムを含むケトンまたは
    アルデヒドの相を反応器のケトンまたはアルデヒド相側
    (1b)から抜き出し、オキシムを分離回収した後、残
    存液を反応器のケトンまたはアルデヒド相側(1b)に
    循環する請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 ヒドロキシルアミン塩水溶液を反応器
    のヒドロキシルアミン塩水溶液相側(1a)から抜き出
    し、ヒドロキシルアミン塩合成系に供給し、該合成系か
    らの反応液を反応器のヒドロキシルアミン塩水溶液相側
    (1a)に循環する請求項1の方法。
JP01792592A 1991-02-13 1992-02-03 オキシムの製造方法 Expired - Fee Related JP3263965B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01792592A JP3263965B2 (ja) 1991-02-13 1992-02-03 オキシムの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-20130 1991-02-13
JP2013091 1991-02-13
JP01792592A JP3263965B2 (ja) 1991-02-13 1992-02-03 オキシムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0543532A true JPH0543532A (ja) 1993-02-23
JP3263965B2 JP3263965B2 (ja) 2002-03-11

Family

ID=26354514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01792592A Expired - Fee Related JP3263965B2 (ja) 1991-02-13 1992-02-03 オキシムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3263965B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100433876B1 (ko) * 1998-12-24 2004-06-04 프랙스에어 테크놀로지, 인코포레이티드 종래의 카프로락탐 합성 방법을 이용한 히드록실아민설페이트의 제조 방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100433876B1 (ko) * 1998-12-24 2004-06-04 프랙스에어 테크놀로지, 인코포레이티드 종래의 카프로락탐 합성 방법을 이용한 히드록실아민설페이트의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3263965B2 (ja) 2002-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hutchins et al. Tetrabutylammonium cyanoborohydride. New, exceptionally selective reducing reagent
CN110678443A (zh) 制造甲磺酸的方法
EP0686623A1 (en) Process for producing methyl methacrylate
JP3775832B2 (ja) ビスフェノールaの製造方法
CN112739675A (zh) 回收高品质3-甲基-丁-3-烯-1-醇的方法
JPH0543532A (ja) オキシムの製造方法
JP3394981B2 (ja) フリーヒドロキシルアミン水溶液の製造方法
US5254734A (en) Method for preparing an oxime
JP2006514644A (ja) トリオキサンの製造方法
US4916233A (en) Method for production of 4-methyl-5-(2-aminoethyl)-thiomethyl)-imidazole
EP1318141A1 (en) Process for treating an aqueous medium containing phosphate, cyclohexanone and cyclohexanone oxime
JPH068260B2 (ja) ビスフェノールaの製造方法
US4365090A (en) Process for production of acrylamide
US5847216A (en) Preparation of selegiline
JP2001199978A (ja) トリオキサンの製造方法
US3077383A (en) Process for the production of hydrazine hydrate
US3907883A (en) Process for production of 1,12-dodecanedioic acid
JP3789504B2 (ja) ε−カプロラクタムの製造方法
JPH0225457A (ja) オキシム類の製法
US3527753A (en) Process for preparing a mixture of isohydrazones and azines
JPH0798785B2 (ja) オキシム類の製造法
US3197505A (en) Process for the preparation of cyclohexanoneoxime from the oxidation products of cyclohexane
JPH0853393A (ja) メタクリル酸メチルの連続製造方法
JPS58120507A (ja) ヒドラジンの連続的製造方法
US3542844A (en) Process for removing sodium bicarbonate from a reaction product containing adiponitrile

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees