JPH054312A - 制振複合体及びその製造方法 - Google Patents
制振複合体及びその製造方法Info
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- JPH054312A JPH054312A JP3035809A JP3580991A JPH054312A JP H054312 A JPH054312 A JP H054312A JP 3035809 A JP3035809 A JP 3035809A JP 3580991 A JP3580991 A JP 3580991A JP H054312 A JPH054312 A JP H054312A
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- vibration
- carbon fiber
- damping composite
- vibration damping
- polymer resin
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 安定した制振効果が得られる制振複合体と、
この制振複合体を、生産能率良く得ることができる製造
方法を提供する。 【構成】 この制振複合体100は、圧電セラミックス
粉末を含有する高分子樹脂シート20中に、カーボン繊
維不織布層10を設けてある。
この制振複合体を、生産能率良く得ることができる製造
方法を提供する。 【構成】 この制振複合体100は、圧電セラミックス
粉末を含有する高分子樹脂シート20中に、カーボン繊
維不織布層10を設けてある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として振動体より発
生する振動を抑制する制振複合体に関し、詳細には圧電
セラミックス粉末を含有する高分子樹脂シート中に、カ
ーボン繊維不織布層が設けられている制振複合体及びそ
の製造方法に関する。
生する振動を抑制する制振複合体に関し、詳細には圧電
セラミックス粉末を含有する高分子樹脂シート中に、カ
ーボン繊維不織布層が設けられている制振複合体及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、振動体より発生する振動エネ
ルギーを電気エネルギーに変換し、さらにこれを熱エネ
ルギーに変換してエネルギーを消費することにより制振
する制振複合体においては、この振動エネルギーを電気
エネルギーに変換する媒体としての圧電体に、電気エネ
ルギーを熱エネルギーに変換する媒体としての外部抵抗
体を接続したものが一部において採用されている。
ルギーを電気エネルギーに変換し、さらにこれを熱エネ
ルギーに変換してエネルギーを消費することにより制振
する制振複合体においては、この振動エネルギーを電気
エネルギーに変換する媒体としての圧電体に、電気エネ
ルギーを熱エネルギーに変換する媒体としての外部抵抗
体を接続したものが一部において採用されている。
【0003】ところがこの場合だと、外部抵抗体をいち
いち圧電体に接続しなければならず面倒であり、またこ
の圧電体に接続された外部抵抗体は、圧電体より突出し
ていることが多く、この突出により振動体への取付けが
邪魔されたりして、その利用分野に制限があるという欠
点があった。
いち圧電体に接続しなければならず面倒であり、またこ
の圧電体に接続された外部抵抗体は、圧電体より突出し
ていることが多く、この突出により振動体への取付けが
邪魔されたりして、その利用分野に制限があるという欠
点があった。
【0004】このような実状において、外部抵抗体を使
用せずに、圧電体中にカーボン粉末等が混合されたもの
(特公昭61−46498号公報に掲載)が提案されて
いる。
用せずに、圧電体中にカーボン粉末等が混合されたもの
(特公昭61−46498号公報に掲載)が提案されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
圧電体中にカーボン粉末等が混合された従来のものにつ
いては、外部抵抗体を設けることにより生じる前記の欠
点は解消されるものの以下の欠点があった。
圧電体中にカーボン粉末等が混合された従来のものにつ
いては、外部抵抗体を設けることにより生じる前記の欠
点は解消されるものの以下の欠点があった。
【0006】カーボン粉末等を圧電体中に均一に混合
させるのが難しく、このため製造された制振複合体毎の
抵抗値にバラツキが生じ易く、安定した制振効果を得難
い。
させるのが難しく、このため製造された制振複合体毎の
抵抗値にバラツキが生じ易く、安定した制振効果を得難
い。
【0007】このカーボン粉末等を混合するという長
く作業時間(30分〜60分程度)のかかる工程を必要
とするので、生産能率が良くない。
く作業時間(30分〜60分程度)のかかる工程を必要
とするので、生産能率が良くない。
【0008】そこで案出されたのが本発明であり、その
目的とするところは、製造された制振複合体毎の抵抗値
が殆ど一定しており、安定した制振効果が得られる制振
複合体を提供することにある。そして本発明のもう1つ
の目的はこの制振複合体を、生産能率良く得ることがで
きる製造方法を提供することにある。
目的とするところは、製造された制振複合体毎の抵抗値
が殆ど一定しており、安定した制振効果が得られる制振
複合体を提供することにある。そして本発明のもう1つ
の目的はこの制振複合体を、生産能率良く得ることがで
きる製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の採った手段について実施例に対応する図面
に用いた符号を付して以下に説明する。
めに本発明の採った手段について実施例に対応する図面
に用いた符号を付して以下に説明する。
【0010】即ち、本発明の請求項1に係る制振複合体
の構成は、図1又は図2に示す如く、「圧電セラミック
ス粉末を含有する高分子樹脂シート20中に、カーボン
繊維不織布層10が設けられていることを特徴とする制
振複合体100」を内容とする。
の構成は、図1又は図2に示す如く、「圧電セラミック
ス粉末を含有する高分子樹脂シート20中に、カーボン
繊維不織布層10が設けられていることを特徴とする制
振複合体100」を内容とする。
【0011】次に、請求項2に係る制振複合体の構成
は、図1又は図2に示す如く、「高分子樹脂は、可撓性
を有するエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1
記載の制振複合体100」を内容とする。
は、図1又は図2に示す如く、「高分子樹脂は、可撓性
を有するエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1
記載の制振複合体100」を内容とする。
【0012】次に、請求項3に係る制振複合体の製造方
法の構成は、「カーボン繊維不織布に、圧電セラミック
ス粉末を含有する液状の高分子樹脂化合物を塗布し、こ
れを熱プレス機により成形固化させることを特徴とする
制振複合体の製造方法100」を内容とする。
法の構成は、「カーボン繊維不織布に、圧電セラミック
ス粉末を含有する液状の高分子樹脂化合物を塗布し、こ
れを熱プレス機により成形固化させることを特徴とする
制振複合体の製造方法100」を内容とする。
【0013】そして、請求項4に係る制振複合体の製造
方法の構成は、「成形型中にカーボン繊維不織布を配置
し、この成形型中に圧電セラミックス粉末を含有する液
状の高分子樹脂化合物を注入し、これを加熱機により加
熱固化させることを特徴とする制振複合体の製造方法1
00」を内容とする。
方法の構成は、「成形型中にカーボン繊維不織布を配置
し、この成形型中に圧電セラミックス粉末を含有する液
状の高分子樹脂化合物を注入し、これを加熱機により加
熱固化させることを特徴とする制振複合体の製造方法1
00」を内容とする。
【0014】
【発明の作用】上記の手段により、請求項1に係る制振
複合体100については、外部から振動エネルギーが加
えられたときに、圧電セラミックス粉末を含有する高分
子樹脂シート20により、この振動エネルギーが電気エ
ネルギーに変換される。そしてこの電気エネルギーは、
カーボン繊維不織布層10により熱エネルギーに変換さ
れる。
複合体100については、外部から振動エネルギーが加
えられたときに、圧電セラミックス粉末を含有する高分
子樹脂シート20により、この振動エネルギーが電気エ
ネルギーに変換される。そしてこの電気エネルギーは、
カーボン繊維不織布層10により熱エネルギーに変換さ
れる。
【0015】このとき、カーボン繊維不織布層10は、
導電性を有する繊維同士が交絡していて、これが抵抗体
として作用し、これに導電された電気エネルギーは熱エ
ネルギーとして消費される。
導電性を有する繊維同士が交絡していて、これが抵抗体
として作用し、これに導電された電気エネルギーは熱エ
ネルギーとして消費される。
【0016】そして、この抵抗値は、カーボン繊維の太
さや、カーボン繊維不織布層10の密度等を変えること
により調整することができる。カーボン繊維は、不織布
層10中において常に一定の構造で配設されているの
で、このカーボン繊維による抵抗値も一定なものとな
り、従って電気エネルギーから熱エネルギーへの変換も
一定の条件下に行われ、制振効果も安定する。
さや、カーボン繊維不織布層10の密度等を変えること
により調整することができる。カーボン繊維は、不織布
層10中において常に一定の構造で配設されているの
で、このカーボン繊維による抵抗値も一定なものとな
り、従って電気エネルギーから熱エネルギーへの変換も
一定の条件下に行われ、制振効果も安定する。
【0017】次に、請求項2に係る制振複合体100に
ついては、高分子樹脂シート20が可撓性を有するの
で、請求項1に係る制振複合体の作用に加え、外力によ
り折れたりすることがない。そしてこの制振複合体10
0は、エポキシ樹脂より成るため耐熱性に優れ、従っ
て、高温な振動体に貼付等して使用しても、高分子樹脂
シート20が熱により融けたりしない。
ついては、高分子樹脂シート20が可撓性を有するの
で、請求項1に係る制振複合体の作用に加え、外力によ
り折れたりすることがない。そしてこの制振複合体10
0は、エポキシ樹脂より成るため耐熱性に優れ、従っ
て、高温な振動体に貼付等して使用しても、高分子樹脂
シート20が熱により融けたりしない。
【0018】次に、請求項3に係る制振複合体の製造方
法については、圧電セラミックス粉末を含有する液状の
高分子樹脂化合物を、図3に示すカーボン繊維不織布1
1に塗布するだけで、抵抗体として作用するカーボン繊
維不織布層10を設けることができる。このため、カー
ボン粉末を使用した場合のように、これを混合するとい
う工程が不要と成る。
法については、圧電セラミックス粉末を含有する液状の
高分子樹脂化合物を、図3に示すカーボン繊維不織布1
1に塗布するだけで、抵抗体として作用するカーボン繊
維不織布層10を設けることができる。このため、カー
ボン粉末を使用した場合のように、これを混合するとい
う工程が不要と成る。
【0019】そして、請求項4に係る制振複合体の製造
方法については、カーボン繊維不織布11を配置した成
形型に、圧電セラミックス粉末を含有する液状の高分子
樹脂化合物を注入することにより、カーボン繊維不織布
層20を設けることができる。このため、カーボン粉末
を使用した場合のように、これを混合するという工程が
不要と成る。
方法については、カーボン繊維不織布11を配置した成
形型に、圧電セラミックス粉末を含有する液状の高分子
樹脂化合物を注入することにより、カーボン繊維不織布
層20を設けることができる。このため、カーボン粉末
を使用した場合のように、これを混合するという工程が
不要と成る。
【0020】また、前記成形型は、用途に応じた形状の
ものを予め選択して使用することにより所望の制振複合
体が得られる。
ものを予め選択して使用することにより所望の制振複合
体が得られる。
【0021】
【実施例】以下図面について本発明に係る実施例を詳細
に説明するが、これは代表的なものを示したものであ
り、本実施例により本発明が限定されるものではない。
まず、図1及び図2又は図3に示す如く、請求項1又は
請求項2に係る制振複合体100は、エポキシ樹脂(油
化シェルエポキシ株式会社のエピコート807)と、硬
化剤(イハラケミカル株式会社のエラスマ1000)と
を主成分とする可撓性を有する高分子樹脂シート20中
に、カーボン繊維不織布11(日本板硝子株式会社のド
ナカーボンペーパーS−256)より成るカーボン繊維
不織布層10を設けてある。
に説明するが、これは代表的なものを示したものであ
り、本実施例により本発明が限定されるものではない。
まず、図1及び図2又は図3に示す如く、請求項1又は
請求項2に係る制振複合体100は、エポキシ樹脂(油
化シェルエポキシ株式会社のエピコート807)と、硬
化剤(イハラケミカル株式会社のエラスマ1000)と
を主成分とする可撓性を有する高分子樹脂シート20中
に、カーボン繊維不織布11(日本板硝子株式会社のド
ナカーボンペーパーS−256)より成るカーボン繊維
不織布層10を設けてある。
【0022】そして、この高分子樹脂シート20には、
ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)粉末より成る圧電セラ
ミックスを含有させてある。
ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)粉末より成る圧電セラ
ミックスを含有させてある。
【0023】上記の実施例において、制振複合体100
の抵抗値を調整するために、カーボン繊維不織布層10
に金属繊維やその他の合成繊維等を含有させても良く、
さらにカーボン繊維の太さや、同不織布層10の密度を
変えても良い。また、不織布層10は、一枚の不織布1
1により構成されていても良いし、或いはこれが複数重
ねて構成されていても良い。
の抵抗値を調整するために、カーボン繊維不織布層10
に金属繊維やその他の合成繊維等を含有させても良く、
さらにカーボン繊維の太さや、同不織布層10の密度を
変えても良い。また、不織布層10は、一枚の不織布1
1により構成されていても良いし、或いはこれが複数重
ねて構成されていても良い。
【0024】次に、高分子樹脂シート20は、上記のエ
ポキシ樹脂以外に、フェノール系樹脂等の熱硬化性樹
脂、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、或いは合成ゴム、天然
ゴム等により形成されたものでも良い。さらに、この高
分子樹脂シート20には、ポリカーボネート、ポリアセ
タール、ポリアミド等により形成される所謂エンジニア
リングプラスチック(スーパーエンジニアリングプラス
チックを含む)を採用しても良い。また、高分子樹脂シ
ート20自身に圧電性を付与するには、これをフッ素樹
脂等により形成させれば良い。
ポキシ樹脂以外に、フェノール系樹脂等の熱硬化性樹
脂、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、或いは合成ゴム、天然
ゴム等により形成されたものでも良い。さらに、この高
分子樹脂シート20には、ポリカーボネート、ポリアセ
タール、ポリアミド等により形成される所謂エンジニア
リングプラスチック(スーパーエンジニアリングプラス
チックを含む)を採用しても良い。また、高分子樹脂シ
ート20自身に圧電性を付与するには、これをフッ素樹
脂等により形成させれば良い。
【0025】次に、圧電セラミックス粉末は、上記のP
ZT以外に、チタン酸バリウム(BT)、ジルコン酸チ
タン酸ランタン酸鉛(PLZT)等を採用しても良く、
またこれらを組み合わせたものであっても良い。
ZT以外に、チタン酸バリウム(BT)、ジルコン酸チ
タン酸ランタン酸鉛(PLZT)等を採用しても良く、
またこれらを組み合わせたものであっても良い。
【0026】なお、本発明に係る制振複合体において
は、これを複数重ねて使用しても良く、これにより制振
効果をさらに高めることができる。
は、これを複数重ねて使用しても良く、これにより制振
効果をさらに高めることができる。
【0027】次に、請求項3に係る制振複合体の製造方
法については、まず、エポキシ樹脂と硬化剤とを主成分
とする混合液中に、PZT粉末を混合攪拌する。このと
きの粘度は10000〜20000CPS程度である。
次に、この混合液を、カーボン繊維不織布11の両面
に、ロールコーティング法やナイフコーティング法等に
より塗布する。次に、この塗布面に熱プレス機の加熱さ
れたプレス板を当接させて成形固化し、制振複合体10
0を製造するのである。このときのプレス板の表面温度
は180〜200℃程度である。
法については、まず、エポキシ樹脂と硬化剤とを主成分
とする混合液中に、PZT粉末を混合攪拌する。このと
きの粘度は10000〜20000CPS程度である。
次に、この混合液を、カーボン繊維不織布11の両面
に、ロールコーティング法やナイフコーティング法等に
より塗布する。次に、この塗布面に熱プレス機の加熱さ
れたプレス板を当接させて成形固化し、制振複合体10
0を製造するのである。このときのプレス板の表面温度
は180〜200℃程度である。
【0028】そして、請求項4に係る制振複合体の製造
方法については、まず、エポキシ樹脂と硬化剤とを主成
分とする混合液中にPZT粉末を混合攪拌する。この混
合液を、予めカーボン繊維不織布11を配置した成形型
中に注入すると共に、この注入した高分子樹脂液中に生
じた気泡を脱泡する。そして、これを熱風乾燥機中にて
加熱すると共に固化する。このときの熱風乾燥機中の雰
囲気温度は180〜200℃である。
方法については、まず、エポキシ樹脂と硬化剤とを主成
分とする混合液中にPZT粉末を混合攪拌する。この混
合液を、予めカーボン繊維不織布11を配置した成形型
中に注入すると共に、この注入した高分子樹脂液中に生
じた気泡を脱泡する。そして、これを熱風乾燥機中にて
加熱すると共に固化する。このときの熱風乾燥機中の雰
囲気温度は180〜200℃である。
【0029】このようにして得られた本発明に係る制振
複合体について、その制振効果を評価するために以下の
測定を行ったところ図4に示すグラフが得られた。
複合体について、その制振効果を評価するために以下の
測定を行ったところ図4に示すグラフが得られた。
【0030】また、この測定においては、比較のため
に、PZT粉末を含有するエポキシ樹脂液中にカーボン
粉末が混練されたものを加熱成形して得られた従来の制
振複合体についても行ったところ、図5に示すグラフが
得られた。
に、PZT粉末を含有するエポキシ樹脂液中にカーボン
粉末が混練されたものを加熱成形して得られた従来の制
振複合体についても行ったところ、図5に示すグラフが
得られた。
【0031】このとき、測定装置には図6に示す如く、
電子測器株式会社製の電磁加振検出装置(MT−1、A
202)を使用し、測定する実施例及び従来例の各サン
プルは136mm×15mm×1mmの大きさのものを
採用すると共に、この片面に厚さ1mmの鉄板を接着剤
等により接着させ、これにより測定した。
電子測器株式会社製の電磁加振検出装置(MT−1、A
202)を使用し、測定する実施例及び従来例の各サン
プルは136mm×15mm×1mmの大きさのものを
採用すると共に、この片面に厚さ1mmの鉄板を接着剤
等により接着させ、これにより測定した。
【0032】また、図中の損失係数ηは、η=2D/
8.68×2×3.14×f0より求めた。但し、式中
のDは減衰度(1秒間に何dB減衰したかを表すもの)
であり、f0は共振周波数である。
8.68×2×3.14×f0より求めた。但し、式中
のDは減衰度(1秒間に何dB減衰したかを表すもの)
であり、f0は共振周波数である。
【0033】この図4に示すグラフより明らかなよう
に、本実施例に係る制振複合体については、サンプル
(N=3)を替えて測定してもその結果はほぼ一定値を
示し、グラフ上においては殆ど近い位置にプロットする
ことができた。つまり、本実施例に係る制振複合体の制
振効果は、安定しているのである。
に、本実施例に係る制振複合体については、サンプル
(N=3)を替えて測定してもその結果はほぼ一定値を
示し、グラフ上においては殆ど近い位置にプロットする
ことができた。つまり、本実施例に係る制振複合体の制
振効果は、安定しているのである。
【0034】これに比べて、図5より明らかなように、
カーボン粉末を樹脂中に混練した従来例に係る制振複合
体については、サンプル(N=3)を替える毎にその測
定値に大きな差異を生じ、グラフ上においては、プロッ
トした位置に大きなバラツキがある。つまり、制振効果
は、不安定なのである。
カーボン粉末を樹脂中に混練した従来例に係る制振複合
体については、サンプル(N=3)を替える毎にその測
定値に大きな差異を生じ、グラフ上においては、プロッ
トした位置に大きなバラツキがある。つまり、制振効果
は、不安定なのである。
【0035】このように、本発明に係る制振複合体は、
外部抵抗体を使用せずに振動体に接着剤等により貼付等
するだけで、この振動体の振動を抑制することができる
ので、その利用範囲は広く、例えば精密機器、音響機
器、住宅の床や壁、自動車内のフロア等における制振に
有効である。
外部抵抗体を使用せずに振動体に接着剤等により貼付等
するだけで、この振動体の振動を抑制することができる
ので、その利用範囲は広く、例えば精密機器、音響機
器、住宅の床や壁、自動車内のフロア等における制振に
有効である。
【0036】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る制振複
合体及びその製造方法を採用すると以下の効果を奏す
る。まず、請求項1に係る制振複合体においては、高分
子樹脂シート中にカーボン繊維不織布層が抵抗体として
設けられており、これは、この制振複合体中で常に均一
に一定の状態で配設されている。従って、その抵抗値
は、均一に混合することが困難なカーボン粉末等を使用
した従来のものと比べて一定している。このため、安定
した制振効果が得られる。
合体及びその製造方法を採用すると以下の効果を奏す
る。まず、請求項1に係る制振複合体においては、高分
子樹脂シート中にカーボン繊維不織布層が抵抗体として
設けられており、これは、この制振複合体中で常に均一
に一定の状態で配設されている。従って、その抵抗値
は、均一に混合することが困難なカーボン粉末等を使用
した従来のものと比べて一定している。このため、安定
した制振効果が得られる。
【0037】次に、請求項2に係る制振複合体において
は、高分子樹脂シートは可撓性を有するエポキシ樹脂に
より構成してあるので、請求項1における効果に加え、
同制振複合体自身が外力により折れたりせず、衝撃等に
強い。また耐熱性に優れるので、この制振複合体を、高
温な振動体に貼付等して使用しても高分子樹脂シートが
融けたりすることなく安心である。
は、高分子樹脂シートは可撓性を有するエポキシ樹脂に
より構成してあるので、請求項1における効果に加え、
同制振複合体自身が外力により折れたりせず、衝撃等に
強い。また耐熱性に優れるので、この制振複合体を、高
温な振動体に貼付等して使用しても高分子樹脂シートが
融けたりすることなく安心である。
【0038】次に、請求項3に係る制振複合体の製造方
法においては、混合に長く時間のかかるカーボン粉末等
を使用しないので、この混合の工程が不要と成り、生産
能率が良い。
法においては、混合に長く時間のかかるカーボン粉末等
を使用しないので、この混合の工程が不要と成り、生産
能率が良い。
【0039】そして、請求項4に係る制振複合体の製造
方法においては、請求項3における効果に加え、予め成
形型の形状等を選択することにより、用途に応じた制振
複合体を製造することができる。
方法においては、請求項3における効果に加え、予め成
形型の形状等を選択することにより、用途に応じた制振
複合体を製造することができる。
【図1】本発明に係る制振複合体の斜視図である。
【図2】図1における一部断面図である。
【図3】図1におけるカーボン繊維不織布の斜視図であ
る。
る。
【図4】本実施例に係る制振複合体の損失係数等を示す
グラフである。
グラフである。
【図5】従来例に係る制振複合体の損失係数等を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図6】電磁加振装置の正面図である。
10 カーボン繊維不織布層
20 高分子樹脂シート
100 本発明に係る制振複合体
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
F16F 15/02 Q 9138−3J
H01L 41/193
Claims (4)
- 【請求項1】 圧電セラミックス粉末を含有する高分子
樹脂シート中に、カーボン繊維不織布層が設けられてい
ることを特徴とする制振複合体。 - 【請求項2】 高分子樹脂は、可撓性を有するエポキシ
樹脂であることを特徴とする請求項1記載の制振複合
体。 - 【請求項3】 カーボン繊維不織布に、圧電セラミック
ス粉末を含有する液状の高分子樹脂化合物を塗布し、こ
れを熱プレス機により成形固化させることを特徴とする
制振複合体の製造方法。 - 【請求項4】 成形型中にカーボン繊維不織布を配置
し、この成形型中に圧電セラミックス粉末を含有する液
状の高分子樹脂化合物を注入し、これを加熱機により加
熱固化させることを特徴とする制振複合体の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3035809A JP2799910B2 (ja) | 1991-03-01 | 1991-03-01 | 制振複合体及びその製造方法 |
US07/798,282 US5281470A (en) | 1991-03-01 | 1991-11-25 | Vibration damper |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3035809A JP2799910B2 (ja) | 1991-03-01 | 1991-03-01 | 制振複合体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH054312A true JPH054312A (ja) | 1993-01-14 |
JP2799910B2 JP2799910B2 (ja) | 1998-09-21 |
Family
ID=12452258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3035809A Expired - Lifetime JP2799910B2 (ja) | 1991-03-01 | 1991-03-01 | 制振複合体及びその製造方法 |
Country Status (1)
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---|---|
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