JPH0543064Y2

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Publication number: JPH0543064Y2
Application number: JP1987197486U
Authority: JP
Priority date: 1987-12-28
Filing date: 1987-12-28
Publication date: 1993-10-29
Anticipated expiration: 2002-12-28
Also published as: JPH01102131U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、溶融炉に関する。

〔従来の技術〕

製鉄所の高炉から多量に副生する高温溶融状ス
ラグは、これを水で急冷破砕して水砕スラグに加
工したものが高炉セメント、セメント混合材、地
盤改良材、コンクリート骨材等に利用されてい
る。また、これを広大な敷地に放流し、冷却して
スラグ砕石（徐冷スラグ）に加工したものが路盤
材、骨材、埋立資材等のほかにロツクウール原料
として利用されている。

従来のロツクウール製造は、スラグ砕石に必要
に応じて成分調整材を添加して、電気炉、キュポ
ラ等の溶融炉で再溶融し、溶融物を遠心力及び／
又は圧力空気、スチーム等の流体圧力で繊維化す
る方法が採られている。最近では省エネルギーの
観点から高炉からの高温溶融スラグを鍋車等で運
搬したのち、直接電気炉等の溶融炉に投入し、溶
融炉で成分調整及び温度調整してから繊維化する
方法が注目されている。この方法では溶融スラグ
の持つ顕熱をそのまま利用することができるの
で、従来の製造方法に比べて多大のエネルギーを
節約することができる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、いずれの製造方法においてもロツク
ウール製品の種類の切り換え、生産量の調整や設
備の保守点検のために、電気炉等の溶融炉から製
綿機に供給される溶融物の排出流量を変更する必
要が生じる。排出流量の調整は、溶融炉の出湯口
に着脱自在に取付けたノズルを所望の内径のノズ
ルと交換することによつて、出湯口の開口度を変
えることによつてできる。しかし、操業中のノズ
ルの交換は危険が伴い、しかも、交換のためには
出湯口を冷却する必要があり、時間を要すると
か、ノズルの固着に手間取り、作業性を低下させ
る等の問題があつた。

本考案は、かかる従来の問題を解決せんとする
もので、溶融炉からの溶融物の排出流量を簡便に
変更可能な出湯口を備えた溶融炉を提供すること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記問題点を解決するために、溶融炉
に設けた出湯口に、栓又は閉塞マツドにより開閉
自在とした複数の出湯用ノズルを設け、必要出湯
量に応じて、最適ノズルを選択して使用するよう
に構成したことを特徴とする。

〔実施例〕以下、図面に示す本考案の実施例を説明する。

第１図は、電気炉で構成された本考案の実施例
になる溶融炉１に、溶融スラグを主原料として装
入し、高温溶融物を一定量ずつ排出してロツクウ
ールを製造する装置を概略的に示すものである。
高炉（図示せず）からの高温溶融スラグは、鍋車
２により溶融炉１へ運搬され、溶融炉１の上壁部
に設けられたロート状の注入装置３を介して所定
量ずつ間欠的に溶融炉１内に装入される。そして
成分調整材供給管７によつて珪石などが添加さ
れ、溶融炉１内で所定温度（1400〜1600℃）に加
熱溶融したのち、溶融炉１の側壁下部に設けた出
湯口４から一定量ずつ連続的に製綿機５に供給さ
れ、ロツクウールが製造される。なお、上記出湯
口４から製綿機５に供給される溶融スラグは、漸
次変化する溶融炉１内の溶融スラグの量に対応し
て徐々に溶融炉１を傾動させることによつて常時
一定量が製綿機５に連続的に供給され、ロツクウ
ールの品質、歩留りが保てるようになつている。
なお、溶融スラグの量は溶融炉１の下面に配置さ
れたロードセル６によつて測定される。第１図中
符号８は溶融炉１を傾動させるための油圧シリン
ダ装置、９は溶融炉１を支持するローラ部であ
る。

第２図は溶融炉１の断面を示すものであり、出
湯口４は耐熱レンガ層１０で内張りされた溶融炉
１の側壁下部に設けられている。この出湯口４に
は、溶融スラグの高熱に耐え得るように耐熱性材
料（例えば銅）で所定形状に形成されたノズル部
材１１が取付けられている。このノズル部材１１
には、第３図〜第６図に詳細を示すように、吐出
穴径の異なる二つの出湯用ノズル１２，１３が設
けられている。また、内部に水冷用の中空部１４
が設けられており、ノズル部材１１全体を水冷し
て保護している。各出湯用ノズル１２，１３は栓
又は閉塞マツド１５によつて閉じられている。

上記構成の溶融炉１において、内部の溶融物を
排出する時には、出湯用ノズル１２又は１３を、
その栓又は閉塞マツド１５を取り外すことによつ
て開く。これにより、内部の溶融物がその出湯用
ノズル１２又は１３を通して排出される。また、
必要に応じ、溶融炉１を傾斜させる。ここで、出
湯用ノズル１２又は１３から排出される溶融物
は、溶融物の粘性や温度によつてその排出量が異
なる他、出湯用ノズルの径によつても排出量が異
なる。そこで、必要出湯量に応じて、出湯用ノズ
ル１２又は１３を選択して、或いは両方のノズル
を開くことにより、所望量の溶融物を排出させる
ことができる。また、生産量の調整の製品の種類
によつて排出量を変更する場合には、不要な側の
出湯用ノズルを栓又は閉塞マツドによつて閉じ、
他方の出湯ノズルを開くことにより、簡単に切り
換えを行うことができる。かくして、従来のよう
にノズル全体を交換する必要がない。

なお、上記実施例では、ノズル部材１１に２個
の出湯用ノズル１２，１３を設けたが，出湯用ノ
ズルの数は２個に限らず、３個以上であつてもよ
い。また、複数の出湯用ノズルの径は必ずしも異
ならせる必要はなく、同じ径の出湯用ノズルを複
数個設けておき、開くノズル数を変えることによ
り、排出流量を変える構成としてもよい。

上記実施例は、本考案を、高炉からの溶融スラ
グからロツクウールを製造する装置に使用する溶
融炉に適用したものであるが、本考案はこれに限
らず、任意の溶融炉に適用可能であり、例えば、
鉄や銅などの溶融炉にも適用できることは勿論で
あり、また、溶融炉として電気炉に限らず他の一
般の溶融炉にも適用できる。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案の溶融炉は、出
湯口に、栓又は閉塞マツドにより開閉自在とした
複数の出湯用ノズルを設けているので、これらの
出湯用ノズルを所望の出湯量に応じて選択し、使
用することにより、所望出湯量を簡便に得ること
ができ、従来のようにノズル自体を交換する場合
に比べて、その取扱いが容易となり、且つ作業時
間を短縮することができるという効果を有してい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例による溶融炉１を備え
たロツクウール製造装置の概略側面図、第２図は
その溶融炉１を、一部を断面で示す全体図、第３
図は溶融炉１の出湯口４に取付けたノズル部材１
１を溶融炉内面側から見た図、第４図、第５図、
第６図はそれぞれ第３図の−矢視断面図、
−矢視断面図、−矢視断面図である。１……溶融炉、４……出湯口、１１……ノズル
部材、１２，１３……出湯用ノズル、１４……中
空部、１５……栓又は閉塞マツド。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

出湯口に、栓又は閉塞マツドにより開閉自在と
した複数の出湯用ノズルを設けたことを特徴とす
る溶融炉。