JPH0542863Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は内部に釦、針、安全ピン等のような小
物を収納しておくことができると共に、飾つて置
く場合に安定性に富み、かつ、芸術性の高い優雅
な発泡こけし人形に関する。

＜従来の技術＞ 従来のこけし人形は材質は木からなり、その表
面に着物等の図柄を彩色していたものであるが、
平面的な感じの人形しかできず、又、たとえ、彩
色に変えて和紙等を貼着しても、これ又、平面的
感じの域を出ることができなかつたものである。

＜考案が解決しようとする課題＞ 本考案は上記実情に鑑みなされたものであつ
て、材質を発泡スチロール状の合成樹脂体とする
と共に、単純な形状とし、これに容易に切込みを
入れて和紙等の輪郭を詰込み貼着することによ
り、きわめて単純にでき、かつ、立体的で芸術性
が高く、優雅で、しかも合成樹脂体の中空部に挿
嵌するようにした、小物収納室を有する筒状部
に、針等の小物等を収納しておくことができると
共に、該筒状部を前記中空部に出し入れの際、針
等が外部にこぼれ落ちないので危険性がなく、か
つ、机上に散らばらないものであり、更に飾つて
置く場合に強く合成樹脂体を握つたり、他の物に
ぶつかつたとしても潰れる虞なく、しかも、きわ
めて安定性に富む発泡こけし人形を提供せんとす
るものである。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、胴体部を円柱形状、又は截頭円錐形
状に形成し、首部を半球形状、又は円錐形状に形
成した発泡スチロール状の合成樹脂体の表面に、
着物等の図柄を書込み、又は印刷し、又は紙、ト
レーシングペーパーのような半透明紙等に着物等
の図柄を書込み、又は印刷したものを合成樹脂体
の表面に被覆貼着し、該図柄に沿つて、合成樹脂
体の表面に切込みを施し、該図柄よりもやや大き
い形状の無地、模様入り和紙等を前記図柄上に貼
着し、かつ、該和紙等の輪郭を切込みに詰込み貼
着し、上面に設けた小物挿入口と連通する小物収
納室を有する筒状部を、鍔状底部上に形成した台
の前記筒状部を、前記合成樹脂体の底部より内部
上方に向けて設けた中空部に挿嵌してなるもので
ある。

＜作用＞ 上記構成としたことにより、合成樹脂体の表面
に貼着した和紙等の輪郭を、その表面の切込みに
詰込むことができるし、前記合成樹脂体に設けた
中空部に装着できるようにした筒状部に小物収納
室を設け、これに針、釦等の小物を収納しておく
ことができる。

＜実施例＞ 以下、添付図面により本考案の第１実施例を説
明すれば次の通りである。

１は胴体部２を円柱形状、又は截頭円錐形状と
なし、首部３を半球形状、又は円錐形状に形成し
た発泡スチロール状の合成樹脂体〔第１図Ａ，
Ｂ，Ｃ，Ｄ〕で、これを作成するには一例として
所定の形状を内部に形成した合せ型に樹脂を入
れ、これを発泡して作るものである。

４は第２，３，４図に示すように上記発泡スチ
ロール状の合成樹脂体１の表面に鉛筆、ボールペ
ン等で適宜に書込んだ着物等の図柄であつて、こ
のように直接書込んでもよいし、又は紙、トレー
シングペーパーのような半透明紙等５に着物等の
図柄４を展開した状態で書込み、又は印刷したも
のを合成樹脂体１の表面に被覆して、一例として
その両端の合せ目に小さなセロフアンテープを貼
着して止めるものである。

しかして、上記の場合、胴体部２が円柱形状の
場合には、紙、半透明紙等５の外形は第５図に示
すように四角形とし、又、截頭円錐形状の場合に
は第６図に示すように略扇形とすればよいもので
ある。又、首部が半球形状のものは直接書込み、
円錐形状のものは扇形とすればよいもので、紙、
半透明紙等５の外形は胴体部２、首部３に被覆し
たときに合致する形状とするものである。

６は着物等の図柄４にカツター等のような刃物
を用いて、前記合成樹脂体１の表面に入れた切込
み、７は着物等の図柄４よりもやや大きい形状の
無地、模様入り和紙等であり、該和紙等７を前記
着物等の図柄４上に貼着し、かつ、該和紙等７の
輪郭７ａをへら等を用い、前記切込み６に第１
１，１２図のように詰込み貼着するものである。

又、１４は第８図に示すように合成樹脂、金
属、木等よりなる台で、鍔状底部１３上に形成し
た筒状部１２の上面に設けた小物挿入口１０と連
通する小物収納室１１を有するもので、該筒状部
１２を合成樹脂体１の底部より内部上方に向けて
設けた中空部１５に第９，１０図のように挿嵌
し、本考案の発泡こけし人形ができる。

しかして、前記台１３の小物収納室１１には、
たとえば釦、針、安全ピン、小鋏み、小さい糸巻
き、爪切り、耳かき等の小物１６を、筒状部１２
の上面の小物挿入口１０より入れて収納し、該台
１３を前記のように合成樹脂体１に装着するもの
である。

なお、第９，１０図に示された頭部９は、発泡
スチロール状の合成樹脂体１に適宜に頭髪、顔等
を施し、図示はしていないが、その下部中心に取
付けた挿入棒を、合成樹脂体１の首部の中心に穿
設した縦孔に挿入して取付ける。

又、第１２図に示すものは本考案の第２実施例
であつて、胴体部２、又は首部３と和紙等７の間
に部分的に置いたウレタン、綿等８であり、たと
えば、帯のお太鼓部分を膨らませるようなとき
に、この部分にウレタン、綿等８を置くことによ
り、該部分を膨らませることができる。

＜考案の効果＞ 本考案は上述したように胴体部２を円柱形状、
又は截頭円錐形状となし、首部３を半球形状、又
は円錐形状に形成した発泡スチロール状の合成樹
脂体１の表面に、着物等の図柄４を施すと共に、
該図柄４に沿つて合成樹脂体１の表面に切込み６
を施し、該図柄４よりもやや大きい形状の無地、
模様入り和紙等７を前記図柄４上に貼着し、か
つ、該和紙等７の輪郭７ａを切込み６に詰込み貼
着してなるもので、土台となる発泡スチロール状
の合成樹脂体１は比較的に単純な形状をしている
ので、これの表面に着物等の図柄４を施すことが
簡単にできると共に、比較的に軟らかいため、前
記着物等の図柄４に沿つて切込み６を施すことも
容易である。さらに、和紙等７の輪郭７ａをへら
等を用いて切込み６に詰込む際に、該切込み６部
分の周囲は多少押し潰されるから、これ又容易に
詰込むことができる。したがつて、技術を要しな
いで簡単に、ソフトな感じで、かつ、立体的芸術
性の高い、優雅な発泡こけし人形が構成できる。

しかも、本考案においては必要に応じてウレタ
ン、綿等を用いて部分、部分を膨らますことも可
能であるから、より一層、優雅な発泡こけし人形
が得られる。

更に本考案においては、台１４の小物収納室１
１を有する比較的に長い長さを有する筒状部１２
に、合成樹脂体１の中空部１５をほぼ塞ぐように
して、該筒状部１２の小物収納室１１に釦、針等
の小物１６を入れておくことができる為、筒状部
１２を前記中空部１５に出し入れの際、針の小物
１６を入れてあつても、該針の小物１６が外部に
落ちないから危険性が全くないし、机上に散らば
らないので、きわめて便利である。

又、合成樹脂体１の中空部１５に台１４の筒状
部１２を装着したことにより、本考案を飾つて置
く場合に、筒状部１２が比較的に長い長さを有す
るから、重りの役目をなして、安定性良く置くこ
とができ、しかも、筒状部１２が中空部１５の補
強となるから、合成樹脂体１を強く握つたり、他
の物にぶつかつたとしても潰れる虞がない効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例であり、第１図より第１
２図までは第１実施例を示すもので、第１図Ａは
胴体部を円柱形状となし、首部は半球形状とし、
かつ、底部より内部に向けて中空部を設けた発泡
スチロール状の合成樹脂体の正面図、第１図Ｂは
胴体部を円柱形状となし、首部は円錐形状とした
同正面図、第１図Ｃは胴体部を截頭円錐形状とな
し、首部は半球形状とした同正面図、第１図Ｄは
胴体部を截頭円錐形状となし、首部は円錐形状と
した同正面図、第２図は第１図Ａに示す合成樹脂
体の表面に着物等の図柄を施した場合の正面図、
第３図は同背面図、第４図は第１図Ｄに示す合成
樹脂体の表面に着物等の図柄を施した場合の正面
図、第５図は四角形の紙、半透明紙等に着物等の
図柄を展開した状態で施した場合の正面図、第６
図は略扇形の紙、半透明紙等に着物等の図柄を展
開した状態で施した場合の正面図、第７図は和紙
等の一例を示す拡大正面図、第８図は台の拡大斜
視図、第９図は本考案の一部縦断正面図、第１０
図は同斜視図、第１１図は第２図、第１０図のａ
−ａ線における一部拡大横断平面図、第１２図は
第２実施例の同一部拡大横断平面図である。 １……発泡スチロール状の合成樹脂体、２……
胴体部、３……首部、４……着物等の図柄、６…
…切込み、７……無地、模様入り和紙等、７ａ…
…和紙等７の輪郭、８……ウレタン、綿等、１０
……小物挿入口、１１……小物収納室、１２……
筒状部、１３……鍔状底部、１４……台、１５…
…中空部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 胴体部を円柱形状、又は截頭円錐形状とな
   し、首部を半球形状、又は円錐形状に形成した
   発泡スチロール状の合成樹脂体の表面に、着物
   等の図柄を施すと共に、該図柄に沿つて、合成
   樹脂体の表面に切込みを施し、該図柄よりもや
   や大きい形状の無地、模様入り和紙等を前記図
   柄上に貼着し、かつ、該和紙等の輪郭を切込み
   に詰込み貼着し、上面に設けた小物挿入口と連
   通する小物収納室を有する比較的に長い長さを
   もつ筒状部を、鍔状底部上に形成した合成樹
   脂、金属、木等よりなる台の前記筒状部を、合
   成樹脂体の底部より内部上方に向けて設けた中
   空部に挿嵌し、該中空部をほぼ塞ぐようにして
   なる発泡こけし人形。 ２ 胴体部、又は首部と和紙等の間にウレタン、
   綿等を部分的に置いてなる実用新案登録請求の
   範囲第１項の記載の発泡こけし人形。