JPH0542086B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、プラスチツク樹脂を被覆した電
線・ケーブルの製造に使用される押出装置におい
て、電線・ケーブルの色替えを簡単にできるよう
にした押出装置に関する。

［従来の技術］ 電線・ケーブルの製造に使用されるプラスチツ
ク樹脂等の押出被覆装置は、ホツパーから供給さ
れるコンパウンドをら旋状のスクリユーに供給
し、コンパウンドがスクリユーの回転により前進
され、シリンダ内部の熱とコンパウンド自体の摩
擦熱とによつて次第に軟化され、クロスヘツドに
送られ、ここで直角方向から移送される導体芯線
または絶縁芯線の口金を通して継目なしに被覆す
るようになつている。

［発明が解決しようとする問題点］ ところで、このようなプラスチツク樹脂等の非
圧縮性の樹脂を切替えて押出しするときに、切替
え時には圧力上昇を起こし押出機を破損する虞れ
があるので、樹脂を送り出す源、つまり押出機を
一旦停止させるため、次のような不都合があつ
た。押出機を停止させるため、切替え開始に時
間がかかる。押出機を停止あるいは起動させて
も、スクリユー回転は瞬時には定常回転にならな
い。スクリユー回転の非定常回転が長いとそれ
だけで全体の樹脂切替え時間が長くかかつてしま
う。

このように、樹脂の切替えに多くの時間を必要
とし、また、屑として多くの樹脂が無駄になつて
しまつていた。

この発明はこのような点に鑑みてなされたもの
で、色変えのときの樹脂の切替時間を大幅に短縮
させることができ、また、段取の短縮と合まつて
屑の発生を低減させる押出装置を提供することを
目的とする。

［問題を解決するための手段および作用］ この発明では、プラスチツク樹脂を連続的に押
出して色替えした電線・ケーブルを被覆する押出
装置において、二つの押出機からのプラスチツク
樹脂の流路を切り替えるための切替バルブと、押
出機と上記切替バルブの間に圧力開放機構をそれ
ぞれ設置し、色替えするとき、上記圧力開放機構
を作動させるとともにプラスチツク樹脂の流路を
切り替える切替バルブを作動し、圧力上昇を緩和
して押出し被覆を行うようにしたことを特徴とす
る押出装置である。

押出樹脂の流路中に圧力開放機構を配設し、樹
脂の切替時における圧力上昇を緩和させ、これに
よりスムーズに色変えした電線・ケーブルを連続
して製造することが可能となる。

［実施例］ 以下、図面を参照してこの発明の押出装置の原
理を説明する。第１図は、押出機先端の切替バル
ブ部分を示す。即ち、押出機１より混練されたプ
ラスチツク樹脂３は、例えば、球状体にＬ字状の
流路２ａを形成した切替えバルブ２を介し、流路
Ａへと流れていくようになつている。押出機１と
切替えバルブ２との間には、Ｌ字状の分岐管６が
接続されていて、この接続部にはピストン５が挿
入され、このピストン５の他端にはシリンダ４に
接続されて左右に移動するように形成されてい
る。したがつて、ピストン５がピストン４により
押された第１図の状態においては、プラスチツク
樹脂３を分岐管６の流路Ｃへ流れるのを防止して
いる。この状態からプラスチツク樹脂３を流路Ｂ
へ流す場合、まず、シリンダ４を引くと、これに
伴いピストン５は左へ移動して流路Ｃを開き、プ
ラスチツク樹脂３がピストン部に入り樹脂圧が開
放される状態になる。このとき切替えバルブ２を
90度右回転させると、切替えバルブ２は破線で示
す流路Ｂへ接続する状態になり、プラスチツク樹
脂３は流路Ｂへ方向を変える。そして、ピストン
５を閉じるとプラスチツク樹脂３は全て流路Ｂへ
と流れることになる。

このように、ピストン５によつて樹脂圧力を緩
和することによつて運転時そのままの状態を保つ
たままで切替えを行なうことができる。

第２図は、この発明の一実施例を示す切替えバ
ルブ部分を示す。上記第１図に示す例では、１つ
の押出機１のプラスチツク樹脂を流路Ａあるいは
流路Ｂへ切替えて押出場合であるが、この実施例
の場合には２つの押出機１１，２１からの異なる
色のプラスチツク樹脂を流路Ｅあるいは流路Ｆに
それぞれ交換して押出す場合である。即ち、切替
えバルブ２０は、例えば球状体に斜設された２本
の流路２０ａ，２０ｂを有し、押出機１１からの
プラスチツク樹脂３ａを流路Ｅに接続して押出す
とともに、押出機２１のプラスチツク樹脂３ｂを
流路Ｆに接続して押出すようになつている。そし
て、この例の場合、第１図のものと同様に押出機
１１と切替えバルブ２０間には分岐管１６が、押
出機２１と切替えバルブ２０間には分岐管２６が
それぞれ設置され、シリンダ１４，２４に連結し
たピストン１５，２５が挿入されて形成された圧
力開放機構がそれぞれ設けられている。

従つて、この例の場合の第１図のものと同様に
切替え前にそれぞれのピストン１５，２５で樹脂
圧力を開放した後、切替えバルブ２０を90度右回
転させると、押出機１１はＦ流路に接続し、押出
機２１はＥ流路に接続するように切替わる。例え
ば、押出機１１では赤色プラスチツク樹脂を押出
し、押出機２１では青色プラスチツク樹脂を押出
していて、流路Ｅが図示しないクロスヘツドへ導
かれているとすると、ケーブルは赤色ケーブルが
生産されている。ここで、それぞれのピストン１
５，２５を開放し、切替えてバルブ２０を90度右
回転させて樹脂圧力を一旦開放してピストン１
５，２５を閉じると、今度はクロスヘツドには青
色の樹脂が導かれ、青色ケーブルが瞬時に生産さ
れることになる。逆に流路Ｆでは青色ケーブルか
ら赤色ケーブルを製造することになる。

［発明の効果］ 以上説明したように、この説明の押出装置によ
れば、運転を停止することなくプラスチツク樹脂
の流れの方向の変更および交換を瞬時に行なうこ
とができるので、切替時間を含む段取時間を大幅
に短縮することができるとともに、切替時に発生
する屑量の大幅低減が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の原理を説明するための押出
装置の側断面図、第２図は、一実施例を示す押出
装置の側断面図である。 １，１１，２１……押出機、２，２０……切替
えバルブ、３，３ａ，３ｂ……プラスチツク樹
脂、４，１４，２４……シリンダ（圧力開放機
構）、５，１５，２５……ピストン（圧力開放機
構）、６，１６，２６……分岐管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プラスチツク樹脂を連続的に押出して色替え
   した電線・ケーブルを被覆する押出装置におい
   て、 二つの押出機からのプラスチツク樹脂の流路を
   切り替えるための切替バルブと、押出機と上記切
   替バルブの間に圧力開放機構をそれぞれ設置し、
   色替えするとき、上記圧力開放機構を作動させる
   とともにプラスチツク樹脂の流路を切り替える切
   替バルブを作動し、圧力上昇を緩和して押出し被
   覆を行うようにしたことを特徴とする押出装置。