JPH0541950Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は自動車シート、特にシートクツシヨン
前起し可能でシートバツク可倒式とし、かつヘツ
ドレスト分離タイプのシートにおけるヘツドレス
ト格納構造に関するものである。

［従来技術］ バン型車等において、後部シートのシートクツ
シヨンを前起しし、シートバツクを前起しして水
平位置とし、車両後部の荷物収納スペースを拡大
するようになしたものがある。この場合、シート
バツクの上端にヘツドレストが取付けてあるとシ
ートバツクを前倒しした時にヘツドレストがその
前方で起立するシートクツシヨンと干渉するた
め、ヘツドレストをシートバツクより分離できる
ようにしている。

この分離されたヘツドレストを車内に放置した
のでは汚れや破損が生じるため、このヘツドレス
トを格納する手段として起立せしめたシートクツ
シヨンが利用されている。

即ち、第５図に示すようにシートクツシヨン
（図示略）内に設けたフレーム１１１の後端（シ
ートクツシヨン起立時には上端となる）にヘツド
レスト収納用のブラケツト５を溶接等で固定する
とともに、これに樹脂のサポート６を挿置した
り、あるいは第６図に示すようにフレーム１１１
にその上にまたがるようにして樹脂のサポート７
をねじ締め等で固定し、これ等サポート６，７
に、シートクツシヨンを前起ししてシートバツク
を前倒しするときにシートバツクから取はずした
ヘツドレストを差込んでいる。

［本考案が解決しようとする課題］ ところが従来手段では、ヘツドレスト格納専用
の部材５，６，７をフレーム１１１に設ける必要
がある他に、シートクツシヨンの表皮やクツシヨ
ン材にはサポート上面をシート表面に露出せしめ
るための穴を形成しなければならず、工数が増
し、またその分、コスト高となつた。

そこで本考案は、更に簡易で、シートクツシヨ
ンの見栄えを損ねず、シートクツシヨンに穴を設
ける必要がない低コストのヘツドレスト格納構造
を提供することを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は前起しのシートクツシヨンの裏面にこ
れを覆うように設けたロアボードに、ヘツドレス
トステーを差込み孔を形成するとともに、ロアボ
ードの内面にヘツドレストステー差込み孔から差
込まれたヘツドレストステーを保持するブラケツ
トを設けたものである。

［作用効果］ シートクツシヨンを前起しして後、シートバツ
クを前倒しするに先立ち、ヘツドレストをシート
バツクから取はずして上記ロアボードの差込み孔
からブラケツトに差込むことで、ヘツドレストは
シートクツシヨンに格納される。

しかして本考案では、従来のようにフレームに
サポートを取付けたり、シートクツシヨンにサポ
ート設置用の孔を形成する必要がなく、工数およ
びコスト低減に貢献する。またロアボードのヘツ
ドレストステー差込み孔は、シートの通常使用時
にはシートクツシヨン裏面にあるから、外観を損
ねることはない。

［実施例］ 第１図ないし第３図に示すシートクツシヨン１
（起立状態を示す）において、第１図、第２図に
示すようにシートクツシヨン本体１１の裏面には
これを覆うように、樹脂板よりなる浅い容器状の
ロアボード１２が取付けてある。ロアボード１２
の後部（シートクツシヨン起立状態では上部）に
は段部１２１が形成してあり、段部１２１の２個
所にヘツドレストステー差込み孔１２２が穿設し
てある。またロアボード１２の内面側には、第２
図、第３図に示すように各上記差込み孔３の直下
位置に、ブラケツト４がビス等で固定してある。
このブラケツト４はロアボード１２との間に、上
記差込み孔１２１に差込まれたヘツドレストステ
ーの先端が挿入されてヘツドレストを安定に保持
する挿入孔４０を形成する。

なお、シートクツシヨン本体１１内にはフレー
ム１１１やクツシヨン材１１２等が埋設されてお
り、またロアボード１２の前端（起立状態では下
端）にはシートクツシヨン１を車両用フロアに対
して回動起立させるための図略のヒンジが設けら
れている。またシートバツク２の上端（前倒し状
態で前端）には着脱可能にヘツドレスト３が取付
けてある。

しかして本考案のシートにおいて、先ず第１
図、第２図に示すようにシートクツシヨン１を図
略のヒンジにより回動して起立せしめる。次にシ
ートバツク上端のヘツドレストを取はずす。そし
て第４図に示すようにヘツドレスト３のステー３
１をロアボード１２の上端に形成した差込み孔１
２２からブラケツト４（第２図、第３図）の挿入
孔４０に上方から挿入することによりヘツドレス
ト３をシートクツシヨン１に格納保持せしめる。
続いてシートバツク２を前倒しして前端がロアボ
ード１２に接する状態で水平に維持せしめる。

このように本考案によれば、シートクツシヨン
前起し、シートバツク前倒し時に、シートクツシ
ヨンのロアボードに形成した差込み孔へシートバ
ツクに取付けたヘツドレストを移転せしめること
ができるもので、シートクツシヨンが備えるロア
ボードを利用した簡易かつ低コストで、かつ見栄
えを損ねることのないヘツドレスト格納構造を提
供する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の実施例を示すも
ので、第１図は前起し状態でのシートクツシヨン
裏面側の斜視図、第２図は第１図の−線断面
図、第３図は第２図の要部拡大分解斜視図、第４
図はシートクツシヨン前起し、シートバツク前倒
しでヘツドレストがシートクツシヨンに取付けら
れ状態を示す図、第５図および第６図はそれぞれ
従来のシートクツシヨンのヘツドレスト取付部を
示す図である。 １……シートクツシヨン、１１１……フレー
ム、１２……ロアボード、１２２……ヘツドレス
トステー差込み孔、２……シートバツク、３……
ヘツドレスト、４……ブラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨン前起し、シートバツク可倒式
   で、かつシートバツクからヘツドレストを分離で
   きる自動車シートにおいて、シートクツシヨンの
   裏面にこれを覆うように取付けたロアボードにヘ
   ツドレストステー差込み孔を設けるとともに、ロ
   アボードの内面側に上記差込み孔から差込まれた
   ヘツドレストステーを保持するブラケツトを設
   け、ヘツドレストをロアボードに固定可能とした
   自動車シートのヘツドレスト格納構造。