JPH0541360Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、取鍋，タンデツシユなどの溶融金属
容器の炉底部を熱間で補修する装置に関する。

（従来の技術） 前記の容器に溶銑・溶鋼を入れる際は、高所か
ら投入されるために炉底部が損傷される。この投
入の際に溶銑・溶鋼が当たる場所を特に湯当たり
部と称し、炉底部の中でも特に損傷が大きい。そ
こで、この湯当たり部を中心に炉底部を補修し、
溶融金属容器全体の寿命を延長することが知られ
ている（例えば特公昭60−40796号公報、特公昭
60−40797号公報）。

この補修には結合剤としてピツチなどの炭素質
樹脂を使用した補修材が良好な結果を収めてい
る。炭素質樹脂は炉熱を受けて炭化し、補修材を
耐食性、耐衝撃性に優れた炭素結合組織にする。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、炭素質樹脂を結合剤とした補修材は炉
熱を受けると炭素質樹脂からの揮発分が燃焼し、
黒煙を発生して作業環境を著しく低下させる。ま
た、炭素質樹脂が溶融軟化し、さらに炭化するま
でに時間を要し、迅速な補修ができないという欠
点があつた。

本考案は、炭素質樹脂を結合剤とした補修材を
用いて炉底を補修するにおいて、上記問題を解決
する補修装置を提供することを目的としている。

（問題点を解決するための手段） 本考案の構成を、実施例に対応する図面を用い
て説明すると、本考案は金属製のジヤケツト１の
一端に排煙孔２と、空気又は酸素を前記ジヤケツ
ト１の中に導入するガス供給管３とを設けてなる
ことを特徴とした溶融金属容器炉底部の補修装置
である。

（作用） 炉底５の湯当たり部６に補修材７を投入した
後、補修材７を本考案装置で覆い、ガス供給管３
からジヤケツト１内に空気又は酸素を導入する。
補修材７は炉熱を受けて炭素質樹脂の揮発分が燃
焼するが、空気又は酸素の供給によつて完全燃焼
され、黒煙の発生が大巾に低下する。

また、この燃焼促進でジヤケツト１内が高温に
なり、炭素質樹脂の溶融軟化で補修材７が十分に
流動し、その後、炭素樹脂の炭化が進む結果、補
修材７の充填性が向上し、かつ補修時間が短縮さ
れる。

（実施例） 図は本考案実施例の装置を用いた補修状況を示
す断面図であり、１は補修材７を覆うための金属
製ジヤケツト、３はジヤケツトの一端に設けたガ
ス供給管、２は排煙孔である。ジヤケツト１のサ
イズは特に限定されるものではないが、補修材７
全体を覆うことができるように、湯当たり部６よ
りやや大きくするのが好ましい。また、本装置を
クレーン等で移送するために、取手４を設けてお
くのが好ましい。

ガス供給管３はジヤケツト１内部と連通させる
とともに、図には示していないが基端をエヤーコ
ンプレツサー又は酸素ボンベに接続する。

排煙孔２はジヤケツト１に単に開孔してもよい
が、図のように排煙孔を取り付けると前記の燃焼
がさらに促進される。また、排煙孔２は複数個で
あつてもよい。

ここで補修に使用される補修材７の材質は、ピ
ツチ、フエノール樹脂、フラン樹脂などの炭素質
樹脂を３〜6wt％含有し、残部は耐火骨材を主材
してなるものである。

補修は、炉熱が残存した状態のいわゆる熱間補
修で行う。シユートなどで湯当たり部に補修材７
を投入後、クレーンなどの適宜手段で本考案装置
を移送し、補修材７を覆う。ついでガス供給管３
を通して空気又は酸素をジヤケツト１内に導入す
る。経済性を考えなければ酸素の方が効果的であ
る。また、酸素の割合が多い空気でもよい。

（効果） 本考案装置によると、補修材からの黒煙の発生
を低減して補修における作業環境の改善を図るこ
とができる。そしてまた、補修材の充填が迅速に
行われ、補修作業に要する時間が短縮され、炉の
稼動率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案実施例の断面図を示す。 １……ジヤケツト、２……排煙孔、３……ガス
供給管、４……取手、５……炉底、６……湯当た
り、７……補修材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製のジヤケツト１の一端に、排煙孔２と、
   空気又は酸素を前記ジヤケツト１の中に導入する
   ガス供給管３とを設けてなることを特徴とした溶
   融金属容器炉底部の補修装置。