JPH0710235Y2 - シャフト炉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、上部からカソード等の原料を装入し、これ
を連続的に溶解して回収するためのシャフト炉に関する
ものである。

「従来の技術」 従来、この種のシャフトとしては、第２図に示すような
銅の溶解炉が知られている。

図中符号１は、基台２上に設置された炉本体であって、
この炉本体１は、円筒状のシェル３の内側の上部に、銅
からなる複数の銅ブロック（金属ブロック）４をシェル
３の内周面に沿って隙間なくボルト５により取り付けた
保護部Ａが形成されるとともに、この保護部Ａの下方
に、SiC（炭化珪素）等からなる耐火レンガ６をシェル
３の内周面に沿って隙間なく配設した耐火レンガ部Ｂが
上記保護部Ａの下端から連続して形成されてなるもので
ある。

炉本体１の上部には、屋根７が取り付けられ、この屋根
７の一側面の開口部がカソード等の原料８を装入する装
入口９となっており、さらに屋根７の上部にはダクト10
が配設されている。

また、炉本体１の下部周面には、複数のバーナ11が周方
向に離間してかつ複数段配設され、さらに炉本体１の底
部には、タップ口12が設けられている。

このようなシャフト炉においては、装入口９から投入さ
れた原料８は、バーナ11からの火炎の熱により炉本体１
内で連続的に溶解され、溶解した銅はタップ口12から回
収される。

ここで、装入口９から投入された原料８は、まず保護部
Ａの投入口９と反対側に位置する部分に配設された銅ブ
ロック４に当たった後、炉本体１内を落下していく。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、上記従来のシャフト炉にあっては、装入
口９から投入された原料８が保護部Ａに当たった後に、
耐火レンガ部Ｂの上部に当り、この部分の耐火レンガ６
が損傷することがあった。また、投入された原料８が既
に炉本体１内に装入されている原料８に当たって跳ね返
り耐火レンガ部Ｂの上部を損傷することがあった。

この損傷を防ぐために、銅ブロック４の縦方向の寸法を
長くし、保護部Ａをもっと下方まで延ばすことも考えら
れるが、この場合には銅ブロック４がより大型になり、
このためその取り扱いが困難となり、設置および補修が
大変になるという欠点がある。

この考案は、上記事情に鑑みなされたもので、その目的
とするところは、耐火レンガ部の上部の耐用寿命を高め
ることができるシャフト炉を提供することにある。

「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するために、この考案のシャフト炉は、
耐火レンガ部の上部の少なくとも一部を、耐火レンガと
同形状に形成された金属ブロック片で構成したことを特
徴とするものである。

「作用」 この考案のシャフト炉においては、原料の投入時の耐火
レンガ部の上部の損傷を減少でき、耐用寿命が高まる。
また、金属ブロック片が耐火レンガと同形状に形成され
ているので、小型であるため取り扱いが容易であり、し
かも耐火レンガの場合と同様の方法によりその設置およ
び補修を行うことができるので、設置コストおよび補修
コストが安価である。

「実施例」 以下、この考案のシャフト炉の一実施例を第１図に基づ
いて説明する。

なお、同図において第２図に示したものと同一構成要素
には同一符号を付してその説明を省略する。

この実施例においては、耐火レンガ部Ｂの上部が、耐火
レンガ６と同形状の銅からなる銅ブロック片（金属ブロ
ック片）20でシェル３の内周面に沿って隙間なく形成さ
れている。

このようなシャフト炉にあっては、耐火レンガ部Ｂの上
部が銅ブロック片20により形成されているので、原料８
の投入時のこの部分の損傷を減少することができ、耐用
寿命を高めることができる。したがって、補修回数を低
減できる。

さらに、銅ブロック片20を耐火レンガ６と同形状に形成
したので、小型であるため取り扱いが容易であり、しか
も耐火レンガ６の場合と同様の方法によりその設置およ
び補修を行うことができるので、設置コストおよび補修
コストが安価であるという利点がある。

加えて、銅ブロック片20が損傷して損傷片が溶湯中の銅
に混入しても、悪影響を及ぼすことがない。

なお、上記実施例では、銅ブロック片20を耐火レンガ部
Ｂの上部に全周に亙って形成したが、損傷を受ける箇所
だけ銅ブロック片20で形成するようにしてもよい。

また、上記実施例において銅ブロック４で形成されて保
護部Ａについても、銅ブロック片20で形成するようにし
てもよい。この場合には、小型であるため取り扱いが容
易であり、しかもボルト等を用いて固定する必要もな
く、耐火レンガ６の場合と同様の方法によりその設置お
よび補修を行うことができるので、設置コストおよび補
修コストが安価になるという利点がある。

また、上記実施例においては、この考案のシャフト炉を
銅の溶解炉に用いた場合を示したが、これに限られるこ
となく、内部に耐火レンガを設けたシャフト炉であれば
どのような用途でもよい。

「考案の効果」 以上説明したように、この考案のシャフト炉は、耐火レ
ンガ部の上部の少なくとも一部を、耐火レンガと同形状
の金属ブロック片で構成したから、原料の投入時のこの
部分の損傷を減少でき、耐用寿命を高めることができる
とともに、取り扱いが容易であり、しかも耐火レンガの
場合と同様の方法によりその設置および補修を行うこと
ができるので、設置コストおよび補修コストが安価であ
る等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のシャフト炉の一実施例を示す縦断面
図であり、第２図は従来例を示す縦断面図である。 １……炉本体、３……シェル、４……銅ブロック（金属
ブロック）、Ａ……保護部、６……耐火レンガ、Ｂ……
耐火レンガ部、９……装入口、20……銅ブロック片（金
属ブロック片）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上部に原料の装入口を有する筒状のシェル
   の内側の上記装入口直下に金属ブロックを筒状に配設し
   た保護部が設けられるとともに、この保護部の下方に耐
   火レンガを筒状に配設した耐火レンガ部が上記保護部の
   下端から連続して設けられたシャフト炉において、 上記耐火レンガ部の上部の少なくとも一部を、上記耐火
   レンガと同形状に形成された金属ブロック片で構成した
   ことを特徴とするシャフト炉。