JPH0540986Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は溶融樹脂加圧成型装置におけるゲー
トピン駆動機構に係り、その目的はマニーホール
ド管に熱伸縮が生じても油圧シリンダを常に正常
に作動させることができてゲートピンの上下移動
を常に正常に行なわしめることができ、しかも油
圧シリンダへの配管が容易であり、加えてゲート
口が確実に開口した状態で溶融樹脂を供給するこ
とができて溶融樹脂供給経路の継続部から溶融樹
脂が漏れ出る虞がない溶融樹脂加圧成型装置にお
けるゲートピン駆動機構を提供することにある。

（考案の背景） 合成樹脂成型品はその経済性、自由な賦形性及
び軽量性の理由から自動車、家電をはじめあらゆ
る分野において大量に使用されている。

これらの合成樹脂成型品は射出成形によつて製
造されていたが、この考案者らが創出した上型と
下型とを有する金型装置を備えた溶融樹脂加圧成
型装置によつて成形する方法も採用されるように
なつてきている。

この溶融樹脂加圧成型装置は、マニーホールド
管にゲートパイプを接続し、このゲートパイプ内
にゲートピンを配入してこのゲートピンで金型の
所定位置に設けられたゲート口を開閉するように
なし、このゲートピンのゲート口からの離脱によ
つて、前記マニーホールド管とゲートパイプ内を
通送された溶融樹脂をゲート口から上型と下型と
からなる金型装置内に供給し加圧成型して合成樹
脂成型品を得るようにしたものである。

ところで、前記射出成形における溶融樹脂供給
構造として特開昭55−132226号公報に開示された
ものがある。

これは、第２図に示すように、マニーホールド
管ＡにゲートパイプＢが接続され、このゲートパ
イプＢ内にゲートピンＣが配入されていて、この
ゲートピンＣの上下移動によつて金型Ｄの所定位
置に設けられたゲート口ｃが開閉されるように構
成されており、マニーホールド管Ａとゲートパイ
プＢ内を通送された溶融樹脂がこのゲートピンＣ
のゲート口ｄからの離脱によつてゲート口ｃから
金型Ｄ内に供給されるようになつている。

前記ゲートピンＣを上下移動させる油圧シリン
ダＥは、マニーホールド管Ａの下方に配置された
基盤Ｆ上に取設されていて、この油圧シリンダＥ
に油を送る配管Ｇ，Ｇは前記基盤Ｆ内に配設され
ている。

この油圧シリンダＥの駆動によつて前記ゲート
ピンＣが上下移動されてゲート口ｄが開閉される
ように構成されている。

ところが、上記のように油圧シリンダＥが基盤
Ｆ上に取設されているものにおいては、マニーホ
ールド管Ａに熱伸縮が生じるとゲートピンＣとゲ
ートパイプＢの位置関係がずれてしまい、油圧シ
リンダＥによるゲートピンＣの上下移動に支障が
生じるといつた問題がある。

更に、油圧シリンダＥに油を送る配管Ｇ、Ｇを
前記基盤Ｆ内に配設する構造であるので、この配
管配設作業が困難であるといつた問題点があつ
た。

加えて、ゲート口ｄがゲートピンＣによつて閉
鎖されている状態で溶融樹脂が更に供給される
と、溶融樹脂供給経路の接続部より溶融樹脂が漏
れ出る虞があるといつた問題点があつた。

一方、上記のものは射出成形用のものであつ
て、この考案者等が創出した溶融樹脂加圧成型装
置に適用できるものではなかつた。

（従来の技術） 射出成形における溶融樹脂供給構造として特開
昭59−31129号公報に開示されたものがある。

これは、第３図に示すように、冷却キヤビテイ
プレートＭのウエルＮ内に着座させた加熱ノズル
Ｊと、キヤビテイＯに通じる冷却キヤビテイプレ
ートＭのゲートＰと、第一の表面から加熱ノズル
Ｊを貫通して延在してゲートＰと整列する加熱ノ
ズルＪのボアＫと、加熱ノズルＪのこのボアＫ内
で往復運動される細長いバルブピンＱと、バルブ
ピンＱを開放位置と閉止位置との間で駆動するバ
ルブピン作動機構Ｒと、溶融樹脂を成形装置から
ゲートＰへ運ぶため、マニーホールドプレートＩ
を通つて延在するとともに、加熱ノズルＪのボア
Ｋ内のバルブピンＱを囲む溶融樹脂通路とを有す
るバルブゲートを設けた射出成形装置において、
バルブピンブツシングＨがマニーホールドプレー
トＩと加熱ノズルＪとの間に配置される主体部分
を有し、この主体部分が第一及び第二の対抗する
表面並びに外周面を有し、その第一の表面部分を
マニーホールドプレートＩに、また第二の表面の
少なくとも一部分を加熱ノズルＪの第一の表面に
当接させ、バルブピンブツシングＨの主体部分が
溶融樹脂を加熱ノズルＪ並びに第一の表面から第
二の表面へ貫通して延在するバルブピンボアＫへ
運ぶ溶融樹脂通路の部分を形成する溶融樹脂ダク
トＬを有してなるものであつた。

また、射出成形における溶融樹脂供給構造とし
て特開昭59−179324号公報に開示されたものがあ
る。

これは、第４図に示すように、キヤビテイｅに
至るキヤビテイプレートｆを貫通し溶融材料入口
からゲートｑまで延在する溶融材料通路ｇと、被
駆動端部ｈ及び先端部ｉを有する細長のバルブピ
ンｊと、バツクプレートｋ内に着座したシリンダ
ｌ内を往復動するピストンｍとを備え、前記シリ
ンダｌは、液圧流体供給口ｎから前記ピストンｍ
の両側までシリンダｌを貫通する少なくとも第一
及び第二液圧流体ダクトｏ，ｐを有し、前記バル
ブピンｊの被駆動端に連結され液圧により駆動さ
れる前記ピストンｍは開放位置と前記先端部ｉが
ゲートｑに着座する閉止位置との間でピストンｍ
を作動するバルブ開閉式射出成型装置において、
前記第一及び第二液圧流体ダクトｏ，ｐにバツク
プレートｋ又はバツクプレートｋに隣接して位置
するトツププレートｒを貫通する液圧流体供給ラ
インｓに接続可能な入口接続手段ｔを設けてなる
ものであつた。

（考案の解決課題） ところが、特開昭59−31129号公報に開示され
た技術にあつては、バルブピン作動機構Ｒを介し
てバルブピンＱを往復動させてゲートＰを開閉さ
せる構造となつているが、バルブピンＱの位置
（ゲートＰを開口した状態の位置に位置している
のかゲートＰを閉止した状態の位置に位置してい
るのか）が分からないために、ゲートＰを閉止し
た状態のままで溶融樹脂を供給配入してしまう虞
があり、バルブピンブツシングＨと加熱ノズルＪ
との接続部から溶融樹脂が洩れてしまう可能性が
あつた。

また、特開昭59−179324号公報に開示された技
術にあつても前記特開昭59−31129号公報に開示
された技術と同様に、バルブピンｊの位置（ゲー
トｑ）を開口した状態の位置に位置しているのか
ゲートｑを閉止した状態の位置に位置しているの
か）が分からないために、ゲートｑを閉止した状
態のままで溶融樹脂を供給配入してしまう虞があ
り、ノズルｕとブツシユシールｖとの接続部から
溶融樹脂が洩れてしまう可能性があつた。

そこでこの考案者らは、上記従来の実情に鑑
み、上記課題を解決することができ、マニーホー
ルド管に熱伸縮が生じても油圧シリンダを常に正
常に作動させることができてゲートピンの上下移
動を常に正常に行なわしめることができ、しかも
油圧シリンダへの配管が容易であり、加えてゲー
ト口が確実に開口した状態で溶融樹脂を供給する
ことができて溶融樹脂供給経路の接続部から溶融
樹脂が漏れ出る虞がない溶融樹脂加圧成型装置に
おけるゲートピン駆動機構について鋭意研究を続
けた。

（課題を解決するための手段） すなわち、この考案はマニーホールド管にゲー
トパイプを接続し、このゲートパイプ内にゲート
ピンを配入してこのゲートピンで金型の所定位置
に設けられたゲート口を開閉するようになし、こ
のゲートピンのゲート口からの離脱によつて、前
記マニーホールド管とゲートパイプ内を通送され
た溶融樹脂をゲート口から上型と下型とからなる
金型装置内に供給して加圧成型するようにした溶
融樹脂加圧成型装置において、前記マニーホール
ド管の先端下面に前記ゲートピンを上下移動させ
る油圧シリンダが取設され、前記ゲートピンが油
圧シリンダの中心部上下方向に貫通して上下移動
駆動されるように配され、この油圧シリンダの下
端に前記ゲートピンが下方側に充分に移動して前
記ゲート口を完全に開口した状態のときにのみ作
動され、溶融樹脂供給駆動源と連結しているリミ
ツトスイツチが配設されてなるものである。

上記構成の溶融樹脂加圧成型装置におけるゲー
トピン駆動機構を提供することにより、上記解決
課題を悉く解消できるものの創出に成功した。

（実施例） 以下、この考案に係る溶融樹脂加圧成型装置に
おけるゲートピン駆動機構の一実施例を第１図に
基づいて説明する。

この溶融樹脂加圧成型装置は、第１図に示す下
型１と上型（図示せず）とを有する金型装置が備
えられており、前記下型１の所定位置にゲート部
２が設けられている。

このゲート部２は下型１の所定箇所に設けられ
た貫通孔１ａにゲートスプール３が嵌設されてい
る。

このゲートスプール３には下端にゲート口３ａ
が設けられ、このゲート口３ａから下型１の内底
面位置までテーパ孔３ｂが形成されている。

ゲートスプール３のゲート口３ａは、このゲー
トスプール３の下方に配置されたゲートパイプ４
内に配装されたゲートピン５の先端傾斜面５ａで
開閉されるようになつている。

このゲートパイプ４はその下端が嵌合によりマ
ニーホールド管６の先端部上部に連通接続されて
いる。

前記ゲートピン５を上下移動させる油圧シリン
ダ７はマニーホールド管６の先端部下面に取付ブ
ロツク８を介して取設されており、ゲートピン５
はこの油圧シリンダ７の中心部を上下に貫通して
上下移動駆動されるように配入されている。

図中９はゲートピン５の上下移動をガイドする
ピンガイドであつて、マニーホールド管６の先端
部下側に取着されており、１０はピンジヨイント
であつて、ゲートピン５の下端部を油圧シリンダ
７の中心部に上下に貫通して設けられた貫通孔７
ａ内に配された筒状体１１に連結している。

油圧シリンダ７の下部にはゲートピン５下端に
連結された筒状体１１の下端部に対向する操作腕
部１２ａを有するリミツトスイツチ１２が配設さ
れ、ゲートピン５が下方側に充分に移動して前記
ゲート口３ａを完全に開口した状態でこのリミツ
トスイツチ１２が作動され、このリミツトスイツ
チ１２に連結された溶融樹脂供給駆動源（図示せ
ず）が駆動して溶融樹脂がゲートパイプ４に供給
配入されるように構成されてれいる。

前記マニーホールド管６は溶融樹脂供給配管基
部１３にピラー管１４を介して連通連結されてい
る。

尚、図中１５，１５はゲートパイプ４の外周部
にこの外周部を取り巻くようにして配されたヒー
タである。

上記構成により、溶融樹脂は溶融樹脂供給配管
基部１３からピラー管１４を介してマニーホール
ド管６に送られ、このマニーホールド管６からゲ
ートパイプ４に送り込まれる。

その後に、油圧シリンダ７の駆動によつてゲー
トピン５が下向きに移動され、このゲートピン５
のゲート口３ａからの離脱によつてゲート口３ａ
が開口され、溶融樹脂がゲートパイプ４からゲー
ト口３ａを通つてゲートスプール３のテーパ孔３
ｂより金型装置内に供給される。

上記のように、油圧シリンダ７の下部にゲート
ピン５下端に連結された筒状体１１の下端部に対
向する操作腕部１２ａを有するリミツトスイツチ
１２が配設され、ゲートピン５が下方側に充分に
移動して前記ゲート口３ａを完全に開口した状態
のときにのみこのリミツトスイツチ１２が作動さ
れ、このリミツトスイツチ１２に連結された溶融
樹脂供給駆動源（図示せず）が駆動して溶融樹脂
がゲートパイプ４に供給配入されるので、溶融樹
脂の供給が効率的になされ、供給経路における接
続部から溶融樹脂が漏れ出る虞がない。

更に、油圧シリンダ７はマニーホールド管６の
先端部下面に取付ブロツク８を介して取設されて
いるので、マニーホールド管６に熱伸縮が生じて
もマニーホールド管６と一体に移動するので、ゲ
ートパイプ４に対するゲートピン５の位置がずれ
ることがなく、ゲートピン５の上下移動は常に正
常に行なわれ、油圧シリンダは常に正常に作動さ
れる。

加えて、油圧シリンダ７はマニーホールド管６
の先端部下面に取付ブロツク８を介して取設され
ていて、油圧シリンダ７の周囲は空間であるの
で、この油圧シリンダ７に対する配管作業を容易
に行なうことができる。

（考案の効果） この考案は、マニーホールド管にゲートパイプ
を接続し、このゲートパイプ内にゲートピンを配
入してこのゲートピンで金型の所定位置に設けら
れたゲート口を開閉するようになし、このゲート
ピンのゲート口からの離脱によつて、前記マニー
ホールド管とゲートパイプ内を通送された溶融樹
脂をゲート口から上型と下型とからなる金型装置
内に供給して加圧成型するようにした溶融樹脂加
圧成型装置において、前記マニーホールド管の先
端下面に前記ゲートピンを上下移動させる油圧シ
リンダが取設され、前記ゲートピンが油圧シリン
ダの中心部上下方向に貫通して上下移動駆動され
るように配され、この油圧シリンダの下端に前記
ゲートピンが下方側に充分に移動して前記ゲート
口を完全に開口した状態のときにのみ作動され、
溶融樹脂供給駆動源と連結しているリミツトスイ
ツチが配設されてなるものであるから、以下に述
べる効果を奏する。

すなわち、前記ゲートピンが油圧シリンダの中
心部上下方向に貫通して上下移動駆動されるよう
に配され、この油圧シリンダの下端にゲートピン
が下方移動してゲート口を完全に開口した状態の
ときにのみ作動され、溶融樹脂供給駆動源と連結
しているリミツトスイツチが配設されてなるもの
であるから、ゲートピンが下方側に充分に移動し
て前記ゲート口を完全に開口した状態のときにの
みリミツトスイツチが作動され、このリミツトス
イツチに連結された溶融樹脂供給駆動源が駆動し
て溶融樹脂がゲートパイプ内に供給配入されるの
で、従来のようにゲート口を閉止した状態のまま
で溶融樹脂を供給することがなく、溶融樹脂の供
給が効率的になされ、供給経路における接続部か
ら溶融樹脂が漏れ出る虞がない。

更に、油圧シリンダはマニーホールド管の先端
部下面に取設されているので、マニーホールド管
に熱伸縮が生じてもマニーホールド管と一体に移
動するので、ゲートパイプに対するゲートピンの
位置がずれることがなく、ゲートピンの上下移動
は常に正常に行なわれ、油圧シリンダは常に正常
に作動される。

加えて、油圧シリンダはマニーホールド管の先
端部下面に取設されていて、油圧シリンダの周囲
は空間であるので、この油圧シリンダに対する配
管作業を容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るゲートピン駆動機構の
一実施例のものを備えた溶融樹脂加圧成型装置の
要部の一部断面正面図、第２図は従来例の断面図
第３図は従来の他例の断面図、第４図は従来の他
例の断面図である。 １……下型、３ａ……ゲート口、４……ゲート
パイプ、５……ゲートピン、６……マニーホール
ド管、７……油圧シリンダ、１２……リミツトス
イツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マニーホールド管にゲートパイプを接続し、こ
   のゲートパイプ内にゲートピンを配入してこのゲ
   ートピンで金型の所定位置に設けられたゲート口
   を開閉するようになし、このゲートピンのゲート
   口からの離脱によつて、前記マニーホールド管と
   ゲートパイプ内を通送された溶融樹脂をゲート口
   から上型と下型とからなる金型装置内に供給して
   加圧成型するようにした溶融樹脂加圧成型装置に
   おいて、前記マニーホールド管の先端下面に前記
   ゲートピンを上下移動させる油圧シリンダが取設
   され、前記ゲートピンが油圧シリンダの中心部上
   下方向に貫通して上下移動駆動されるように配さ
   れ、この油圧シリンダの下端に前記ゲートピンが
   下方側に充分に移動して前記ゲート口を完全に開
   口した状態のときにのみ作動され、溶融樹脂供給
   駆動源と連結しているリミツトスイツチが配設さ
   れてなる溶融樹脂加圧成型装置におけるゲートピ
   ン駆動機構。