JPH0540177A - 光フアイバー式線状検出装置 - Google Patents

光フアイバー式線状検出装置

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JPH0540177A
JPH0540177A JP22208191A JP22208191A JPH0540177A JP H0540177 A JPH0540177 A JP H0540177A JP 22208191 A JP22208191 A JP 22208191A JP 22208191 A JP22208191 A JP 22208191A JP H0540177 A JPH0540177 A JP H0540177A
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圭一 橋場
Hiroshi Kawakami
裕志 川神
Teruaki Tsutsui
輝明 筒井
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 石英系光ファイバーを使用してγ線線量と温
度を測定できる、光ファイバー式線状検出装置を提供す
る。 【構成】 パルス駆動回路1より電流を送り、所定の強
度のレーザー光を発生させるレーザー光源2と、このレ
ーザー光を光合分波器6を介して入力する光ファイバー
を選択する光スイッチ3と参照用として使用される光フ
ァイバー4と、測定用として使用される光ファイバー5
と、入力されたレーザー光の後方散乱光を分光する光合
分波器6と、分光されたレーザー光からそれぞれの成分
を分離する干渉フィルタ7aおよび7bと、レーザー光
を受光するAPD(アバランシェ・フォトダイオード)
8aおよび8bと、APDで光電変換された電流からノ
イズを除去する高速平均化処理装置9と、ノイズを除去
された電流を処理するデータ処理装置10と、処理され
た結果を表示する表示装置11と、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバー式線状検出
装置に関し、特に、少なくとも光ファイバー線に沿った
γ線線量を測定する光ファイバー式線状検出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のγ線線量を測定する装置としてア
ラニン線量計がある。このアラニン線量計はアミノグレ
イに含まれるアラニンが、γ線の照射によってアラニン
ラジカルを生じる。このアラニンラジカルの量はγ線の
吸収線量に比例することから、電子スピン共鳴装置で測
定することによってγ線線量を測定することができるも
のである。
【0003】しかし、この装置はセンサが局部的に設定
されることが一般的であり、また、別途電子スピン共鳴
装置で測定しなければならないので、ある長さあるいは
広さの領域をリアルタイム測定することができない。
【0004】センサがある長さの領域をカバーする線状
検出装置として、図4に示されるものがある。この検出
装置は、長さ方向に布設された光ファイバー14に、測
定する物理量に応じて損失を発生するセンサ15a,1
5b,15cを設定し、この光ファイバー14およびセ
ンサ15a,15b,15cを集中的にOTDR(Optic
al Time Domain Reflectometer) 16によって管理して
測定するものである。
【0005】この装置では、OTDR16から光ファイ
バー14に光を入力すると、センサ15a,15b,1
5cが物理量に応じた損失を発生して光を散乱させる。
OTDR16は散乱光と入力光との時間差を検出して長
さ方向の損失を検出する。
【0006】しかし、この装置では光ファイバーの長さ
方向に対してセンサが直列に接続されて損失が加算され
るため、OTDRに比較的近くに設定されたセンサで大
きな損失が発生すると、そのセンサより後方で生じた損
失が検出できなくなる。
【0007】光ファイバーを使用して長さ方向の温度の
測定を行う装置として、図5に示されるものがある。こ
の装置はパルス駆動回路1によって駆動されて光ファイ
バー4aにレーザー光を入力するレーザー光源2,レー
ザー光が温度の影響によって発生する後方散乱光を分光
する光合分波器6,分光された光の成分をストークス光
とアンチストークス光に分離する干渉フィルタ7aおよ
び7b,分離された後方散乱光を受光する受光器(AP
D)8aおよび8b,光電変換された電気信号からノイ
ズを除去する高速平均化処理装置9,ノイズが除去され
た電気信号を処理するデータ処理装置10,データ処理
結果を表示する表示装置11より構成される。
【0008】この装置は、パルス駆動回路1からの電流
をレーザー光源2の発光強度に変換して光ファイバー4
aに入力する。入力されたレーザー光は温度の影響を受
けて後方散乱光を発生するので、後方散乱光であるラマ
ン散乱光を光合分波器6で分光し、干渉フィルタ7aお
よび7bでストークス光とアンチストークス光の2成分
に分け、APD8aおよび8bによって受光して電気信
号に変換し、高速平均化処理装置9でノイズを除去し、
データ処理装置10によってストークス光とアンチスト
ークス光の強度比を求めることから光ファイバーの長さ
方向の距離に対する温度を測定する。
【0009】今日一般的に使用されている石英系光ファ
イバーは、図6に示されるように、γ線の照射線量に応
じたγ線誘起損失を生ずる。図示されるように石英系光
ファイバーは線量率1000R/hrと100R/hr
でそれぞれ100時間照射された2つの測定結果から判
るように、波長依存性を有しながらも線量に応じて損失
が増加する。従って光ファイバーを使用した温度測定装
置は、γ線照射がないところで正確な温度検出を行うこ
とができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
石英系光ファイバーを使用した温度検出装置は、γ線環
境下で使用すると、損失の温度依存性にγ線線量の依存
性が付加するため正確な温度検出を行うことができな
い。
【0011】従って、本発明の目的はある長さの領域に
わたってγ線の照射線量をリアルタイムで検出できる光
ファイバー式線状検出装置を提供することにある。本発
明の他の目的は、γ線の照射線量の検出に加えてγ線環
境下においても正確に温度検出することができる光ファ
イバー式線状検出装置を提供することにある。
【0012】
【発明を解決するための手段】本発明は長さ方向のγ線
線量のリアルタイムの検出と、γ線環境下における正確
な温度の検出を可能にするため、2つの物理量が測定さ
れる環境に布設された2本の光ファイバー伝送路と、こ
れら光ファイバー伝送路に光信号を入力する光入力回路
と、2つの物理量に応じて特性変化を生じた後方散乱光
を受ける受光回路と、後方散乱光に基づいて2つの物理
量を測定する測定手段と、ひとつの光ファイバーに所定
の強度の光信号を光入力回路によって連続的に入力し
て、γ線誘起損失を発生させないようにして光信号を伝
送させ、他の光ファイバーに所定の強度の光信号を光入
力回路によって非連続的に入力して、γ線の照射に応じ
たγ線誘起損失を発生させて光信号を伝送させ、2本の
光ファイバー伝送路に生じた後方散乱光を受光回路に受
光させた後、2本の光ファイバー伝送路の損失差からγ
線線量を検出し、所定の強度の光信号が連続的に入力さ
れる光ファイバーを選択して、布設された環境の温度測
定を測定手段に実行させる制御回路を有する光ファイバ
ー式線状検出装置を提供する。
【0013】
【作用】本発明の光ファイバー式線状検出装置は、1つ
の光ファイバーにある一定以上のパワーの光を連続的に
入射することによって、1つの光ファイバーのγ線誘起
損失を零にする。もう1つの光ファイバーはγ線線量に
応じた損失を発生するように光信号を入射する。従っ
て、両者の損失の減算処理によってγ線線量を検出する
ことができる。併せて、γ線誘起損失の零の光ファイバ
ーを使用して温度を検出すると、γ線環境下でも正確な
温度検出が行える。
【0014】
【実施例】以下、本発明の光ファイバー式線状検出装置
を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例を示し、制
御回路13からの信号によってパルス駆動回路1より駆
動電流が供給され、所定の強度のレーザー光を発生させ
るレーザー光源2と、このレーザー光を光合分波器6を
介して入力することにより光ファイバー4,5に選択し
て光を入力する光スイッチ3と、入力されたレーザー光
がγ線と温度の影響を受けて発生した後方散乱光のラマ
ン散乱光について、光合分波器6で分光してストークス
光とアンチストークス光に分離する干渉フィルタ7aお
よび7b,この分離されたストークス光とアンチストー
クス光を受光するAPD(アバランシェ・フォトダイオ
ード)8aおよび8bと、APDで光電変換された電気
信号からノイズを除去する高速平均化処理装置9と、ノ
イズを除去された電気信号を制御回路13からの信号に
よって処理するデータ処理装置10と、処理された結果
を表示する表示装置11より構成されている。
【0015】図2は前述した2本の光ファイバーを使用
してγ線線量を測定する本発明の原理を示すものであ
り、これら光ファイバーは参照用光ファイバー4および
測定用光ファイバー5として使用され、それぞれ両端に
レーザー光源2aおよび2bおよびパワーメーター12
aおよび12bが接続されている。本発明の原理を以下
に述べる。参照用光ファイバー4にはレーザー光源2a
によって所定の強度で連続的にレーザー光が入力されて
いる。測定用光ファイバー5には非連続的に、例えば測
定を行う所定の時間だけレーザー光源2bから光が入力
されるようになっている。例えば、1mWのレーザー光
が連続的に入力されると参照用光ファイバー4には光プ
リーチ効果と呼ばれる現象によって、γ線環境下におい
ても損失の発生が抑制される。この参照用光ファイバー
4と測定用光ファイバー5の光強度をそれぞれに接続さ
れたパワーメーター12aおよび12bによって測定す
る。この光強度の差を求めれば、光ファイバー5に生じ
たγ線誘起損失を求めることができる。γ線誘起損失が
検出されると図3(後述)からγ線誘起損失の照射線量
が検出される。
【0016】前述の測定の原理に基づいて、本発明の光
ファイバー式線状検出装置の作用を以下に述べる。制御
回路13からの信号によってパルス駆動回路1より送ら
れた駆動電流は、所定の強度のレーザー光をレーザー光
源2によって発生させる、このレーザー光は光合分波器
6を介して、光スイッチ3によって参照用もしくは測定
用の光ファイバー4,5に入力される。光スイッチ3は
参照用光ファイバー4に常時レーザー光を入力するよう
に設定され、測定用光ファイバー5には測定時だけ入力
される。
【0017】参照用光ファイバー4には連続的に入力さ
れるレーザー光によって光プリーチ効果が生じて損失の
発生が抑制された状態になっている。測定時にはレーザ
ー光源2から入力されたレーザー光が両方の光ファイバ
ーに入力されるように制御回路13から信号を送り、光
スイッチ3を切り替える。測定用光ファイバー5に入力
されたレーザー光はγ線の照射によって後方散乱光であ
るラマン散乱光を生じるので、このラマン散乱光を光合
分波器6で分光し、干渉フィルタ7aおよび7bでスト
ークス光とアンチストークス光の2成分に分離してAP
D8aおよび8bで受光する。受光された光信号はラン
ダムなノイズを含むので高速平均化処理装置9でノイズ
を除去し、データ処理装置10へ送られる。データ処理
装置10は制御回路13の信号によってストークス光と
アンチストークス光の強度比を測定する。参照用光ファ
イバー4からはγ線を除く温度等の影響によるラマン散
乱光を受光して同じような測定が行われる。このように
して両光ファイバー4,5の損失が求まると、両損失の
差が求められる。この損失差によってγ線線量が検出さ
れる。
【0018】図3は今日一般的に使用されている石英系
光ファイバーにγ線を照射した時の照射線量とγ線誘起
損失の関係を示す。照射されるγ線の線量率は100R
/hrと1000R/hr,波長は850nmである。図3
によると、総線量に対するγ線誘起損失の発生につい
て、線量率の違いによる影響が見られないことが示され
ている。この現象は線量率1000R/hr以下の場合
に言えることを確認している。即ち、γ線誘起損失をも
とにγ線線量を検出することが可能になり、γ線誘起損
失から求まったγ線線量を表示装置11で表示する。
【0019】次に、温度の測定を参照用光ファイバー4
を使用して行う。参照用光ファイバー4は前述のように
連続的なレーザー光の入力による光プリーチ効果によっ
てγ線誘起損失の発生を抑制しているので、γ線環境下
でもその影響を受けずに温度の測定を行うことができ
る。
【0020】測定時には制御回路の信号によってパルス
駆動回路1から駆動電流を送り、レーザー光源2から発
せられたレーザー光が、制御回路の信号によって光スイ
ッチ3を参照用光ファイバー4に選択させてレーザー光
が入力されるように切り替える。入力されたレーザー光
は温度に応じた後方散乱光であるラマン散乱光を生じる
ので、このラマン散乱光を光合分波器6で分光し、干渉
フィルタ7aおよび7bでストークス光とアンチストー
クス光の2成分に分離してAPD8aおよび8bで受光
する。受光された光信号はランダムなノイズを含むので
高速平均化処理装置9でノイズを除去し、制御回路の信
号によってデータ処理装置でストークス光とアンチスト
ークス光の強度比を測定して損失を求め、その損失によ
って温度を算出し、表示装置11で表示する。
【0021】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の光ファイバ
ー式線状検出装置によると、2本の光ファイバー伝送路
と、この光ファイバー伝送路に光を入力する光入力回路
と、γ線,温度変化等によって生じた後方散乱光を受光
する受光回路と、後方散乱光に基づいてγ線線量,温度
を測定する測定手段と、ひとつの光ファイバーに所定の
強度の光信号を光入力手段によって連続的に入力して、
γ線誘起損失のない状態にして光信号を伝送させ、他の
光ファイバーに所定の強度の光信号を光入力手段によっ
て非連続的に入力して、γ線の照射に応じたγ線誘起損
失を発生させて光信号を伝送させ、2本の光ファイバー
伝送路に生じた後方散乱光を受光回路に受光させた後、
測定手段に両光ファイバー伝送路の損失差からγ線線量
を求めさせ、かつ、所定の強度の光信号が連続的に入力
される光ファイバーを選択して温度を測定させる制御回
路を有するようにしたため、γ線線量を長さ方向でリア
ルタイムで測定することができ、かつ、γ線環境下でも
正確に温度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例を示し、光ファイバー
式線状検出装置の全体図を示すものである。
【図2】図2は本発明の原理を示すための、光ファイバ
ー式線状検出装置の光ファイバーの部分を抜粋した図で
ある。
【図3】図3は石英系光ファイバーに照射されるγ線線
量とγ線誘起損失の変化を示した図である。
【図4】図4は従来の光ファイバー線状検出装置で、O
TDRを使用した装置の全体図である。
【図5】図5は従来の光ファイバー線状検出装置で、温
度測定装置の全体図である。
【図6】図6は石英系光ファイバーにγ線を照射したと
きの、波長とγ線誘起損失を示すグラフである。
【符号の説明】
1 パルス駆動回路 2 レーザー光
源 3 光スイッチ 4 参照用光フ
ァイバー 4a 光ファイバー 5 測定用光フ
ァイバー 6 光合分波器 7a 干渉フィル
タ 7b 干渉フィルタ 8a 受光器(A
PD) 8b 受光器(APD) 9 高速平均化
処理装置 10 データ処理装置 11 表示装置 12a パワーメーター 12b パワーメー
ター 13 制御回路 14 光ファイバ
ー 15a センサ 15b センサ 15c センサ 16 OTDR

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともγ線照射量が測定される環境
    に布設された、第1および第2の2本の光ファイバーケ
    ーブルと、 前記第1および第2の光ファイバーケーブルに信号光を
    入力する光入力手段と、 前記第1および第2の光ファイバーケーブルから前記信
    号光の後方散乱光を受光する受光手段と、 前記後方散乱光に基づいて少なくともγ線照射量を測定
    する測定手段と、 前記光入力手段から前記第1の光ファイバーケーブルに
    第1の所定の強度の信号光を連続的に入力させることに
    より、γ線誘起損失を発生させない状態で前記第1の光
    ファイバーケーブルに前記信号光を伝送させ、前記第2
    の光ファイバーケーブルに第2の所定の強度の信号光を
    非連続的に入力させることにより、γ線照射量に応じた
    損失を発生させた状態で、前記第2の光ファイバーケー
    ブルに前記信号光を伝送させる制御手段より構成され、 前記制御手段が前記測定手段を制御して、前記第1およ
    び第2の光ファイバーケーブルの後方散乱光によって算
    出される第1および第2の損失の差からγ線照射量を検
    出させることを特徴とする光ファイバー式線状検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段が、前記測定手段を制御し
    て前記第1の光ファイバーケーブルの前記後方散乱光か
    ら算出される前記第1の損失から温度を検出させる請求
    項第1項記載の光ファイバー式線状検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100588332B1 (ko) * 2005-12-16 2006-06-12 현대원자력 주식회사 전자식 방사선피폭 개인선량계
CN109708846A (zh) * 2019-02-01 2019-05-03 西北核技术研究所 空间用光纤激光器功率特性及纤芯温度受辐射影响的分析方法
KR102338529B1 (ko) * 2020-07-29 2021-12-14 한국원자력연구원 방사선량 측정 장치 및 방법

Cited By (4)

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