JPH054013A - 円筒状フイルター - Google Patents

円筒状フイルター

Info

Publication number
JPH054013A
JPH054013A JP3230381A JP23038191A JPH054013A JP H054013 A JPH054013 A JP H054013A JP 3230381 A JP3230381 A JP 3230381A JP 23038191 A JP23038191 A JP 23038191A JP H054013 A JPH054013 A JP H054013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circumferential
dimensional woven
filter
radial
yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3230381A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiji Anahara
明司 穴原
Yoshiharu Yasui
義治 安居
Makoto Tsuzuki
誠 都築
Ryuta Kamiya
隆太 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority to JP3230381A priority Critical patent/JPH054013A/ja
Publication of JPH054013A publication Critical patent/JPH054013A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 形態維持のための補強材が不要で実質的なろ
過面積が大きく、ろ過性能が安定した円筒状フィルター
を提供する。 【構成】 円筒状フィルター1は円筒状に形成された三
次元織物構造体Fの一端が閉塞部材4により閉塞されて
いる。三次元織物構造体Fは円周方向に巻かれた多数本
の繊維からなる周方向糸2と、周方向糸2の層の途中で
折り返すように軸方向と放射方向に連続して蛇行状態に
挿入された多数の半径方向糸3とにより構成されてい
る。半径方向糸3はその折り返し位置が異なるものが円
周方向に所定間隔で配置され、隣接する半径方向糸3の
折り返し位置が軸方向において互いに位相がずれた状態
に配置されている。そして、三次元織物構造体Fの外周
面に糸条27が巻き付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流体中の不純物を捕集す
る円筒状フィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】流体中に存在する不純物を捕集する方法
としてフィルターによるろ過が一般に行われている。ろ
過装置の重要な機能としてろ過効果の優れていることは
言うまでもないが、ろ過効果を高めると一般に通過流体
の流れを妨げる通過抵抗が増大する傾向が強い。従っ
て、これらの相反する現象を共に満足させるために、流
体の通過面積(フィルターのろ過面積)を大きくして対
処する場合が多い。しかし、平面状のフィルターでは、
限られた大きさの流路の中で断面積をあまり変えずにろ
過面積を大きくすることは困難である。
【0003】一定の断面積のろ過装置内で大きなろ過面
積を得るには、フィルターの形状を円筒状とするのがよ
い。従来、円筒状のフィルターを得るには、次の2方法
がある(例えば特開平2−256812)。 (1)多数の透孔が形成された金属製円筒の周面に通常
の平面布(ろ布)を多層に巻き付ける。 (2)多数の透孔が形成された金属製円筒の周面に繊維
束を多層に巻き付ける。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者の平面
布を使用したフィルターの場合は次のような欠点があ
る。流体の圧力により各層の圧着状態が変化して各層
間に隙間ができて浮き上がったり、逆に上層が下層にめ
り込んで過剰に緻密な部分が生じたりして、処理時間の
経過と共にろ過性能が変化する。金属製円筒の開孔率
にもよるが、透孔が形成されていない部分ではろ過が行
われず、有効ろ過面積が減少する。又、外側からろ布を
締めつける機構によってもろ過面積の増加を阻害する要
因が多くなる。ろ布の巻き始め、巻き終わりの継ぎ目
によってろ布の重なり状態が変化し、ろ過効果が安定し
ない。又、繊維束を巻き付けたフィルターの場合は次の
ような欠点がある。繊維束を隙間なくきっちりと巻き
付けないと空隙が生じてろ過効果が得られず、逆にろ過
効果を確実にするためきっちり巻き付けると繊維相互の
間隙が余りにも小さ過ぎて通過抵抗が過大となる。金
属製円筒の開孔率にもよるが、透孔が形成されていない
部分ではろ過が行われず、有効ろ過面積が減少する。
【0005】又、ろ布及び繊維束を使用した両者とも、
高温流体を処理する場合は、芯となる金属製円筒と繊維
の熱膨張率の違いで両者の間隙にずれを生じ、性能が安
定しないという問題がある。
【0006】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は形態維持のための補強材が不要
で実質的なろ過面積が大きく、ろ過性能が安定した円筒
状フィルターを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め請求項1に記載の発明においては、少なくとも周方向
に巻かれた多数本の繊維からなる周方向糸と、周方向糸
の任意の層間を円筒の軸方向及び放射方向に連続して蛇
行状態に挿入された多数の半径方向糸とにより円筒状に
形成した三次元織物構造体の一端を閉塞した。
【0008】又、請求項2に記載の発明においては、前
記半径方向糸の連続する折り返し位置の少なくとも一方
が周方向糸の層の途中となるようにした。又、請求項3
に記載の発明においては、前記三次元織物構造体の外周
面に糸条を巻き付けるようにした。
【0009】
【作用】本発明の円筒状フィルターは円筒状の多孔体に
平面布を巻付けた場合と異なり布の継ぎ目部分における
厚さの変化がなく、しかも、円筒状フィルターを構成す
る各糸間の距離が固定されて繊維の充填密度が安定した
状態に保持されるため、ろ過性能が安定する。又、フィ
ルターを構成する三次元織物自体が形態保持機能を有す
るため、流体の通過に対して変形が少なく、形態維持の
ための補強材が不要なため、ろ過面積は円筒側面全体と
なって実質的なろ過面積が大きくなる。又、立体的に交
錯した繊維に囲まれた空隙に、捕捉された堆積物が蓄積
されるため、長期間にわたりろ過効果が持続される。
【0010】又、半径方向糸が、円筒状の三次元織物の
内外層すなわち周方向糸層の内外層で連続して折り返さ
れると、該糸の周辺に生じ易い空隙が内層から外層まで
貫通することにより、濾過機能が低下する虞がある。し
かし、半径方向糸をその連続する折り返し位置の少なく
とも一方が周方向糸の層の途中となるようにした場合、
すなわち半径方向糸を周方向糸層の内外層で連続して折
り返されることのない状態にした場合は、折り返し位置
の外層側又は内層側の周方向糸が半径方向糸周辺の空隙
を埋めるためそのような不都合が生じなくなる。
【0011】又、三次元織物構造体の外周面に糸条を巻
き付けるようにした場合は、外周面に巻き付ける糸条の
巻付け状態により、フィルターで捕捉可能な微粒子の最
小径を更に小さくすることが可能となる。
【0012】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明を具体化した第1実施例を図
1〜図6に従って説明する。図1,図2に示すように円
筒状フィルター1を構成する三次元織物構造体Fは、円
周方向に多層(図では4層)に巻かれた周方向糸2と、
周方向糸2の内層の内側と外層の外側で折り返すように
軸方向と放射方向に連続して蛇行状態に挿入された多数
(図では16本)の半径方向糸3とから構成されてい
る。半径方向糸3は円周方向に等間隔で挿入され、隣接
する半径方向糸3の折り返し位置が軸方向において互い
に位相がずれた状態に配置されている。隣接する半径方
向糸3が互いに位相のずれた状態で折り返されることに
より、三次元織物構造体Fの厚さ方向における周方向糸
2の結合が高められる。そして、前記三次元織物構造体
Fの一端に閉塞部材4が、他端に排出孔5aを有する支
持部材5がそれぞれ嵌合固定されて円筒状フィルター1
が構成される。三次元織物構造体Fと閉塞部材4及び支
持部材5との接合部からの流体の漏れを防止するため、
三次元織物構造体Fはその外側から板ばね等の締付部材
6により閉塞部材4及び支持部材5に強固に締付け固定
されている。
【0013】周方向糸2及び半径方向糸3の繊維素材は
フィルターの使用目的により適宜選択され、高温度の気
体や液体をろ過する場合には、炭化珪素繊維、アルミナ
繊維、チラノ繊維(珪素、チタン、炭素、酸素から成る
非晶質の耐熱性に極めて優れた繊維、宇部興産の商品
名)等のセラミック繊維やカーボン繊維あるいは金属繊
維等の耐熱性に優れた無機繊維が使用され、耐熱性が要
求されない用途では合成繊維フィラメント(ポリエステ
ル繊維、ポリエチレン繊維、ポリスチレン繊維、ポリプ
ロピレン繊維等)も使用される。
【0014】三次元織物構造体F内では糸相互の交錯・
圧着により、糸は与えられた空間を充填するように外形
が多角形状をなすが、糸を構成する繊維本数が少ない
と、空間を均整に埋め尽くすことができず、ランダムに
空隙を生じ、捕集効果にばらつきがでる虞がある。従っ
て、1本の糸束の構成繊維本数は、少なくとも70本以
上の細い繊維の集合体であることが望ましい。又、1本
の単繊維の直径も100μm以下、望ましくは20μm
以下の細いしなやかな繊維であるほうが空間の充填効果
が大きく好適である。
【0015】又、三次元織物構造体Fの全容積中に繊維
の占める容積比率は、35%以上好ましくは40%以上
である。フィルターを構成する各成分の繊維束(糸)相
互を圧着して、繊維束の交錯点に生ずる空隙を充分に充
填するには、繊維束の外形形状を繊維束周辺の空隙を埋
めるように多角形状に変形させる必要があり、そのため
には繊維相互が緊密に密着されるように前記の含有率と
する必要がある。又、繊維の充填密度は高い方が細かい
粒子を除去することができるが、流体の通過抵抗が増大
するため、両者の兼ね合いで決定することが重要で、そ
れには三次元織物構造体Fの厚みも適切に選ぶ必要があ
る。
【0016】前記の三次元織物構造体Fは本願出願人が
先に提案した三次元織物の製造方法(特開平2−221
440号公報)に準じて製造される。すなわち、図3に
示すようにスプライン軸7,8と一体的に昇降動及び回
転可能に配設された1組の固定盤9,10と、各スプラ
イン軸7,8に対して一体回転可能かつ軸方向に相対移
動可能に支持されるとともに放射状に延びる多数のアー
ム11,12を有する支持体13,14と、各アーム1
1,12の先端にスプライン軸と平行に延びるように固
定されたエアシリンダ15,16と、エアシリンダ1
5,16のピストンロッドの先端に装着され半径方向糸
3が巻かれたボビンBが着脱可能に取り付けられるボビ
ンホルダ17を保持するホルダ保持体18,19と、周
方向糸2が巻かれた周方向糸ボビン20が着脱可能に装
着される適宜の数の周方向糸供給部21(1個のみ図
示)とからなる三次元織機により製織される。
【0017】両固定盤9,10間に円筒状の芯金22を
固定し、各ボビンホルダ17に装着されたボビンBから
繰り出された半径方向糸3の端部を一方の固定盤9に固
定してスプライン軸7,8を中心とした放射状に配置
し、周方向糸ボビン20から繰り出された周方向糸2の
端部を一方の固定盤9に固定した状態に配置し、各ボビ
ンホルダ17を1個おきに上側及び下側のホルダ保持体
18,19に保持した状態から製織が開始される。そし
て、周方向糸2を所定回数巻き付ける操作とスプライン
軸7,8の上昇操作とが交互に所定回(この実施例では
3回)行われた後、各ボビンホルダ17の保持位置の上
下関係が逆の状態に配置される。以下、同様な操作が繰
り返されて所定長さの三次元織物構造体Fが芯金22の
外側に形成された後、三次元織物構造体Fが芯金22か
ら取り外される。
【0018】円筒状フィルター1は1個でも使用される
が、ろ過面積を増大させるため、通常は図4〜図6に示
すように多数本の円筒状フィルター1が1個のハウジン
グ23内に平行に組付けられたフィルター装置24とし
て使用される。ハウジング23は本体部が円筒状に形成
されるとともに入口23a側及び出口23b側がそれぞ
れ縮径となるように形成され、その内部に流体の流れる
方向と直交する状態で一対の円形状の区画板25,26
がその周面がハウジング23の内面に嵌合する状態で固
定配置されている。両区画板25,26の対向する面に
は三次元織物構造体Fの内径と同径の突部25a,26
aが複数個(この実施例では19個)所定間隔をおいて
互いに対向する状態で形成されている。三次元織物構造
体Fは対向する突部25a,26aにその両端が嵌合さ
れるとともに、その外側から締付部材6により強固に締
付け固定されている。入口23a側の区画板25にはハ
ウジング23内に導入された流体を前記三次元織物構造
体Fの外側へ導くため、前記突部25aの周囲と対応す
る箇所に透孔25bが形成されている。又、出口23b
側の区画板26には各突部26aと対応する位置に、三
次元織物構造体Fの内側をハウジング23の出口23b
側に連通させるための透孔26bが形成されている。す
なわち、各三次元織物構造体Fは一端が突部25aによ
り閉塞され、他端が透孔26bを介して開放された状態
で互いに平行、かつ流体の流れる方向に対しても平行に
配置されている。
【0019】次に前記のように構成されたフィルター装
置24の作用を説明する。入口23aからハウジング2
3内に導入された流体は一方の区画板25の透孔25b
を通って各三次元織物構造体Fの外周部に導かれ、三次
元織物構造体Fの側壁を外側から内側へと通過する間に
流体中に含まれる微粒子等がろ過され、清浄になった流
体が他方の区画板26の透孔26bを経て出口23bか
ら排出される。被ろ過流体が前記のように三次元織物構
造体Fの外側から内側へ向かって流れる状態で使用する
方が、内側から外側へ向かって流れる状態で使用するよ
りろ過性能が良い傾向にある。これは、外周側の繊維の
内方向へ向かう圧着力で、織物構造全体の繊維密度が高
くなるためと思われるが用途によっては、ろ過流体を内
側から外側へ向かって流して使用しても差し支えない。
【0020】フィルター装置24のろ過部を構成する三
次元織物構造体Fは芯となる円筒状の多孔体に平面布を
巻付けた場合と異なり、三次元織物構造体Fを構成する
各糸間の距離が固定されて繊維の充填密度が安定した状
態に保持され、しかも継ぎ目がないため、均斉なろ過機
能が得られる。又、三次元織物構造体F自体が形態保持
機能を有するため、流体の通過に対して変形が少なく、
形態維持のための補強材が不要となり、ろ過面積が円筒
側面全体となって実質的なろ過面積が大きくなるととも
に、高温流体を処理する場合に、芯となる金属製円筒と
繊維の熱膨張率の違いで両者の間隙にずれを生じ、ろ過
性能が不安定となるという問題も確実に回避される。
又、三次元織物構造体Fを構成する立体的に交錯した繊
維に囲まれた空隙に、捕捉された堆積物が蓄積されるた
め、長期間にわたりろ過効果が持続される。
【0021】繊維製フィルターによるエアロゾルの捕集
作用には慣性作用、拡散作用、静電気作用がある。すな
わち、慣性作用はエアロゾルが繊維に衝突する際に生ず
る渦流による負圧によってエアロゾルが繊維に付着する
作用、拡散作用はエアロゾルが繊維に衝突すると流速が
小さくなり、繊維の表面に堆積する作用、静電気作用は
繊維に帯電している静電気によりエアロゾルが繊維に吸
着する作用である。このうち、静電気作用は特殊な素材
の繊維の場合に生じ、一般的には慣性作用及び拡散作用
によりエアロゾルが捕集される。従来の織布あるいは不
織布によるフィルターはその構造が二次元的平面である
ため、前記慣性作用と拡散作用を同時に満足させること
が難しい。しかし、三次元織物構造体Fの場合は気体が
側壁の厚さ方向に進む際に、厚さ方向に多層に配列され
た繊維による慣性衝撃の回数が多くなり、慣性作用によ
る捕集効率が向上する。又、慣性衝撃により気体の流速
が急速に低下して拡散作用による捕集効率も向上する。
【0022】円筒状の多孔体に平面布を巻付けたフィル
ターの場合は、使用により一定量以上堆積物が溜まり、
ろ過効果が低下してくると、フィルターを分解して堆積
物を洗浄ろ過し、再使用に供する。平面布の場合はフィ
ルターを分解することによりその表裏両面とも表層を露
出できるため、堆積物の洗浄除去が容易であるが、本発
明の三次元織物構造体Fのように三次元的に繊維が配列
されしかも繊維層が厚い場合は、洗浄により内部の堆積
物を除去することは実質的に不可能である。堆積物の除
去が不可能な場合は、やむを得ず使い捨てにせざるを得
ない。しかし、三次元織物構造体Fを耐熱性繊維で構成
した場合は、使用によりろ過効果がある程度低下した時
点で、被ろ過流体をバイパスしたり、一旦ろ過を中断し
てフィルター装置24をそれが取り付けられている装置
本体から取り外し、乾燥後加熱炉で加熱して堆積物を燃
焼あるいは炭化したうえで、適当な手段(例えば、振動
を付与する)で炭化物を除去することができる。耐熱性
繊維としては通常の物質が燃える1000°C程度の温
度に空気中で耐えられる炭化珪素繊維、アルミナ繊維、
チラノ繊維等のセラミック系繊維や金属繊維等が使用さ
れる。ただし堆積物の燃焼によって酸化されて劣化する
ものは用いられない。又、繊維の剛性が高くて曲げ難く
織物組織に馴染まないものは不適当である。
【0023】前記の場合には堆積物を加熱除去する際
に、フィルター装置24をそれが取り付けられた装置本
体から一旦取り外し、加熱炉で加熱して堆積物を燃焼あ
るいは炭化させる必要がある。そのため、フィルター装
置24の取外し、取付けに要する工数が多い。又、通常
フィルター装置24は狭い場所に配設されているため、
取外し、取付け作業がやり難かったり、煤などの汚濁物
を扱う場合のように衛生面からも好ましくない作業であ
る場合が多いなどの不都合がある。従って、フィルター
装置24を装置本体から取り外さずに堆積物の除去が可
能なことが好ましい。特に、高温の気体や液体のろ過処
理をしているような場合には、フィルター装置24の取
外し・取付け作業に伴う冷却・加熱も不要となり、省エ
ネルギーの面からも能率向上の面からも有利となる。
【0024】このような要求に対し、前記耐熱性繊維で
構成された三次元織物構造体Fの全面あるいは一部に発
熱性線条を織り込むことにより、フィルター装置24を
装置本体から取り外さずに堆積物の除去が可能となる。
すなわち、三次元織物構造体Fを構成する糸の交錯部に
堆積した捕捉物を定期的に燃焼除去するため、予め発熱
性線条を混織しておき、ろ過効果がある程度低下した時
点で被ろ過流体の供給を停止して、発熱性線条を発熱さ
せながら空気流を供給して堆積物を燃焼させる。三次元
織物構造体Fの全面に発熱性線条を織り込んだ場合は、
発熱性線条を発熱させることにより全体の堆積物が燃焼
する。又、三次元織物構造体Fの一部に発熱性線条を織
り込んだ場合は、空気流を発熱性線条のある側から流
し、堆積物の燃焼熱を利用して逐次風下側へ類焼させ
る。
【0025】発熱性線条としてはニクロム線やカンタル
線(二珪化モリブデン(Mo Si2)と容積比で約20%
のガラス相セラミック添加物を主体としたサーメット材
料で、1800°Cまでもの高温度発熱体として使用さ
れるカンタル・ガデリウス株式会社の製品)等、電気抵
抗の大きな金属線条が通電の有無や条件により発熱量を
コントロールできるので好ましいが、特に限定されな
い。そして、これらの発熱性線条を前記耐熱性繊維と引
き揃え状に用いて三次元織物構造体Fの製織に使用して
もよいが、発熱量との関係でこれらの金属線条の直径の
太いものを使用する場合には一部の耐熱性繊維に代えて
周方向糸2として用いたり、三次元織物構造体Fの内層
又は外層に圧着状に配列して用いるのがよい。
【0026】又、三次元織物構造体Fを耐熱性繊維で構
成するとともに、フィルター装置24に組み込まれた三
次元織物構造体Fに対して火炎を放射可能なバーナーノ
ズルをフィルター装置24に装備し、バーナーノズルか
ら火炎を放射して堆積物を燃焼させるようにしてもよ
い。
【0027】(実施例2)次に第2実施例を図7及び図
8に従って説明する。この実施例の三次元織物構造体F
は半径方向糸3が周方向糸2の層の途中で折り返され、
しかもその折り返し位置が異なる半径方向糸3が円周方
向に所定間隔で配置されている点が前記実施例と異なっ
ている。なお、図7では繊維の切断面のハッチングを省
略している。この三次元織物構造体Fは周方向糸2の繊
維が半径方向糸3により種々の厚さに束ねられ、しかも
各層の繊維は円周方向の異なった位置でその一部が重複
するように半径方向糸3により束ねられる。半径方向糸
3はその折り返し部の間に含まれる周方向糸2の層間剥
離を防ぎ、繊維間距離を一定に保つ。
【0028】前記実施例のように半径方向糸3が、円筒
状の三次元織物構造体Fの内外層すなわち周方向糸層の
内外層で連続して折り返されると、該糸の周辺に空隙が
生じ易く、その空隙が内外層を貫通した形になるとろ過
機能が低下(微粒子が当該空隙を通過)する虞がある。
しかし、この実施例の三次元織物構造体Fのように、半
径方向糸3をその連続する折り返し位置の少なくとも一
方が周方向糸2の層の途中となるようにした場合、すな
わち半径方向糸3を周方向糸層の内外層で連続して折り
返されることのない状態にした場合は、そのような不都
合が生じなくなる。
【0029】(実施例3)次に第3実施例を図9及び図
10に従って説明する。この実施例の円筒状フィルター
1は前記第2実施例の三次元織物構造体Fの外周面に糸
条(フィラメント)27が巻き付けられた構造となって
いる。通常のフィルターとしては前記両実施例のような
三次元織物構造体Fでろ過機能は充分であるが、特に小
さな微粒子(例えば、自動車(特にディーゼルエンジ
ン)の排気ガス中に含まれるパーティキュレート)を除
去する場合には、この実施例のように三次元織物構造体
Fの外周に更に重ねてフィラメント27を巻き付けて織
物の空隙を塞ぐ方が良い。フィラメント27は三次元織
物構造体Fの構成繊維と同種のものでも異種のもので
も、機能が目的に合致すれば差し支えない。巻き付ける
層数は目的に応じて増減される。フィラメント27を巻
き付ける芯となる三次元織物構造体Fは、組織が円周方
向にむらがなく、円周方向糸の層がしっかり束ねられて
いるので堅牢なため、外周から多層にフィラメント27
が巻き付けられても、形状保持に問題はない。
【0030】(実施例4)次に第4実施例を図11に従
って説明する。この実施例は多数本の円筒状フィルター
1を1個のハウジング23内に平行に組付けて使用する
フィルター装置24において、ハウジング23の入口2
3a側の構造が変更されている点が前記実施例と異なっ
ている。すなわち、ハウジング23内の入口23aと区
画板25との間の空間に、入口23aからハウジング2
3内に導入された流体を区画板25に形成された各透孔
25bに向かって案内するロート状のフィン28が設け
られている。
【0031】フィルター装置24は円筒状フィルター1
が配置された箇所より入口23a側の径が小さいため、
入口23aと三次元織物構造体Fの配置箇所との間にな
にもない場合は、流体がハウジング23の中央部に配置
された円筒状フィルター1に多く集中しがちであり、堆
積物の量も中央の円筒状フィルター1が最も多い傾向が
ある。ところが、前記のようなフィン28を設けた場合
は、ハウジング23内に導入される流体が中央部の円筒
状フィルター1に集中せずに、全ての円筒状フィルター
1と対応する箇所に均一に流れ、全ての円筒状フィルタ
ー1が有効に機能してろ過効果の持続性が向上する。
【0032】(実施例5)次に第5実施例を図12に従
って説明する。この実施例は周方向糸2が極めて多数本
の繊維から構成されるとともに周方向糸2の層数が1層
で構成されている点が前記各実施例と異なっている。周
方向糸2が極めて多数本(例えば500本以上、好まし
くは1000本以上)の繊維から構成されている場合
は、周方向糸2を多層に巻付けなくても図12に示すよ
うに三次元織物構造体Fが流体中の微粒子を捕集するの
に充分な繊維本数と厚みを持つため、特に重ねて巻き付
ける必要はない。
【0033】又、周方向糸2が多数本の繊維から構成さ
れるとともに実質無撚の糸の場合は、仮に複数層重ねて
周方向糸2を巻き付けても、巻き付けられた繊維は糸間
(層間)の区別ができない程に渾然一体となり、あたか
も多数本の繊維からなるマルチフィラメントを1層巻き
付けたものと同じとなる。
【0034】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、例えば、図13に示すように第1実施例
の三次元織物構造体Fの外周にフィラメント27を巻き
付けた構造を採用してもよい。又、周方向糸2の層数を
変更したり半径方向糸3の挿入密度や折り返し位置を変
えたり、三次元織物構造体Fとして図14〜図17に示
すように周方向糸2及び半径方向糸3の他に三次元織物
構造体Fの軸方向に延びる軸方向糸29をも含む構造と
してもよい。この三次元織物構造体Fも図3に示す三次
元織機を使用して、特開平2−221440号公報に記
載された製織方法に準じて製織される。軸方向糸29を
有する場合は三次元織物構造体Fの形態維持機能が向上
する。又、円筒状フィルター1を多数配置したフィルタ
ー装置24として使用する場合、入口23aからハウジ
ング23内に導入された流体が中央部に集中するのを防
止する方法として第4実施例のようにフィン28を設け
る代わりに、ハウジング23の中央部付近に配置される
三次元織物構造体Fの繊維密度を高めたり、側壁を厚く
するなどして流体の通過抵抗を増し、流れが周辺の円筒
状フィルター1へ向かい易くしてもよい。又、流体が三
次元織物構造体Fの内側から外側へ向かって通過する状
態で使用してもよい。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、円
筒状の多孔体に平面布を巻付けた場合と異なり布の継ぎ
目部分における厚さの変化がなく、しかも、円筒状フィ
ルターを構成する各糸間の距離が固定されて繊維の充填
密度が安定した状態に保持されるため、ろ過性能が安定
する。又、フィルターを構成する三次元織物自体が形態
保持機能を有するため、流体の通過に対して変形が少な
く、形態維持のための補強材が不要となり、ろ過面積は
円筒側面全体となって実質的なろ過面積が大きくなる。
又、立体的に交錯した繊維に囲まれた空隙に、捕捉され
た堆積物が蓄積されるため、長期間にわたりろ過効果が
持続される。
【0036】又、請求項2に記載の発明では前記の効果
に加えて、半径方向糸が周方向糸層の内外層で連続して
折り返されることのない組織のため、三次元織物構造体
の側壁を厚さ方向に貫く連続した空隙が生ずることがな
く、均斉で安定したろ過機能が確保される。
【0037】又、請求項3に記載の発明では前記の効果
に加えて、外周面に巻き付ける糸条の巻付け状態によ
り、フィルターで捕捉可能な微粒子の最小径を調整する
ことが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の円筒状フィルターの概略断面図で
ある。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】三次元織物構造体の製織装置の一部破断概略正
面図である。
【図4】多数の円筒状フィルターを備えたフィルター装
置の概略断面図である。
【図5】同じく概略斜視図である。
【図6】同じく概略斜視図である。
【図7】第2実施例の円筒状フィルターの概略断面図で
ある。
【図8】図7のB−B線断面図である。
【図9】図10のC−C線断面図である。
【図10】第3実施例の円筒状フィルターの概略断面図
である。
【図11】第4実施例のフィルター装置の概略断面図で
ある。
【図12】第5実施例の三次元織物構造体の部分概略断
面図である。
【図13】変更例の円筒状フィルターの概略断面図であ
る。
【図14】変更例の三次元織物構造体の概略断面図であ
る。
【図15】図14のX−X線断面図(半分のみ図示)で
ある。
【図16】図14のY−Y線断面図(半分のみ図示)で
ある。
【図17】図14のZ−Z線断面図(半分のみ図示)で
ある。
【符号の説明】
1…円筒状フィルター、2…周方向糸、3…半径方向
糸、4…閉塞部材、5…支持部材、23…ハウジング、
24…フィルター装置、25,26…区画板、27…糸
条、F…三次元織物構造体。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03D 25/00 7199−3B F01N 3/02 301 A 7910−3G (72)発明者 神谷 隆太 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも周方向に巻かれた多数本の繊
    維からなる周方向糸と、周方向糸の任意の層間を円筒の
    軸方向及び放射方向に連続して蛇行状態に挿入された多
    数の半径方向糸とにより円筒状に形成した三次元織物構
    造体の一端を閉塞した円筒状フィルター。
  2. 【請求項2】 少なくとも周方向に巻かれた多数本の繊
    維からなる周方向糸と、周方向糸の任意の層間を円筒の
    軸方向及び放射方向に連続して蛇行状態に挿入された多
    数の半径方向糸とにより円筒状に形成した三次元織物構
    造体の一端を閉塞し、かつ前記半径方向糸の連続する折
    り返し位置の少なくとも一方が周方向糸の層の途中とな
    っている円筒状フィルター。
  3. 【請求項3】 少なくとも周方向に巻かれた多数本の繊
    維からなる周方向糸と、周方向糸の任意の層間を円筒の
    軸方向及び放射方向に連続して蛇行状態に挿入された多
    数の半径方向糸とにより円筒状に形成した三次元織物構
    造体の一端を閉塞し、かつ前記三次元織物構造体の外周
    面に糸条を巻き付けた円筒状フィルター。
JP3230381A 1991-04-26 1991-09-10 円筒状フイルター Pending JPH054013A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3230381A JPH054013A (ja) 1991-04-26 1991-09-10 円筒状フイルター

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9768191 1991-04-26
JP3-97681 1991-04-26
JP3230381A JPH054013A (ja) 1991-04-26 1991-09-10 円筒状フイルター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH054013A true JPH054013A (ja) 1993-01-14

Family

ID=26438844

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3230381A Pending JPH054013A (ja) 1991-04-26 1991-09-10 円筒状フイルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH054013A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07284618A (ja) * 1995-01-06 1995-10-31 Mitsubishi Chem Corp フィルター
JP2013068109A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Toyo Eng Works Ltd 排気ガス浄化装置
KR101275298B1 (ko) * 2013-04-04 2013-06-17 주식회사 에스비씨환경건설 비점오염원 침투 도랑형 정화장치
CN108619803A (zh) * 2018-07-10 2018-10-09 浙江风云环保科技有限公司 工业废气多效净化装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07284618A (ja) * 1995-01-06 1995-10-31 Mitsubishi Chem Corp フィルター
JP2013068109A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Toyo Eng Works Ltd 排気ガス浄化装置
KR101275298B1 (ko) * 2013-04-04 2013-06-17 주식회사 에스비씨환경건설 비점오염원 침투 도랑형 정화장치
CN108619803A (zh) * 2018-07-10 2018-10-09 浙江风云环保科技有限公司 工业废气多效净化装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0834004B1 (en) Self supporting hot gas filter assembly
US4940476A (en) Soot filter
KR100352581B1 (ko) 전기적재생성디젤미립자필터카트리지및필터
JPH0680291B2 (ja) ロールパックディーゼル微粒子フィルタ
US5171341A (en) Concentric-tube diesel particulate filter
US5258164A (en) Electrically regenerable diesel particulate trap
CA1117443A (en) Stitch knitted filters for high temperature fluids and method of making them
US5248482A (en) Diesel particulate trap of perforated tubes wrapped with cross-wound inorganic yarn to form four-sided filter traps
US5298046A (en) Diesel particulate filter element and filter
US5454845A (en) Heat-resistant filter
EP0005923B1 (en) Filter apparatus and fabric filter bag
JPH06241023A (ja) ディーゼル微粒子フィルタカートリッジ及びディーゼル微粒子フィルタ
EP0358522A2 (en) Regenerable diesel particulate trap
JPH054013A (ja) 円筒状フイルター
JP2001123822A (ja) 排ガス浄化装置
JPH08243330A (ja) ろ過装置
JPH06108823A (ja) 耐熱性筒状フィルタ
JPH06108820A (ja) 耐熱性フィルタ
JP2003505629A (ja) 排出ガス処理装置
JPH04341313A (ja) 平板状三次元織物フィルター
JPH0557122A (ja) フイルター
JPH08243325A (ja) ディーゼルパティキュレートフィルタ
JPH0565818A (ja) エンジン用消音装置
AU1769592A (en) Concentric-tube diesel particulate filter
MXPA96004541A (en) Filter and cartridge for particle filter diesel, regenerable electricame