JPH0539230A - 2,6−又は2,7−ジイソプロピルナフタレンの分離方法 - Google Patents
2,6−又は2,7−ジイソプロピルナフタレンの分離方法Info
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- JPH0539230A JPH0539230A JP19760891A JP19760891A JPH0539230A JP H0539230 A JPH0539230 A JP H0539230A JP 19760891 A JP19760891 A JP 19760891A JP 19760891 A JP19760891 A JP 19760891A JP H0539230 A JPH0539230 A JP H0539230A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【構成】ジイソプロピルナフタレンの各種異性体を含む
原料混合物を2,7-異性体を選択的に吸着するゼオライト
Pからなる第1吸着剤で処理する工程と、2,6-異性体を
選択的に吸着するゼオライトQからなる第2吸着剤で処
理する工程よりなり、前記ゼオライトPはLi、K、N
a、Ba、Pb等の金属イオンでイオン交換されたY型ゼ
オライトで、かつ追加イオン種としてSr、Cu、Zn、
Zr、Ge、Se等を含むものであるか又はこれらの混合
物であり、ゼオライトQはNa、Ba、Pb、Se等の金属
イオンでイオン交換されたY型ゼオライトであるか又は
これらの混合物であり、これらはいずれも比表面積径が
1.5mm以下の大きさを有する球状又はヌードル状に成型
されている。そして用いる脱着剤の少なくとも一方はメ
タ体が60〜75%、パラ体が20〜30%、オルソ体が2〜10
%の含有率である純度99%以上のジエチルベンゼンであ
る。 【効果】高純度で分離回収することができる。
原料混合物を2,7-異性体を選択的に吸着するゼオライト
Pからなる第1吸着剤で処理する工程と、2,6-異性体を
選択的に吸着するゼオライトQからなる第2吸着剤で処
理する工程よりなり、前記ゼオライトPはLi、K、N
a、Ba、Pb等の金属イオンでイオン交換されたY型ゼ
オライトで、かつ追加イオン種としてSr、Cu、Zn、
Zr、Ge、Se等を含むものであるか又はこれらの混合
物であり、ゼオライトQはNa、Ba、Pb、Se等の金属
イオンでイオン交換されたY型ゼオライトであるか又は
これらの混合物であり、これらはいずれも比表面積径が
1.5mm以下の大きさを有する球状又はヌードル状に成型
されている。そして用いる脱着剤の少なくとも一方はメ
タ体が60〜75%、パラ体が20〜30%、オルソ体が2〜10
%の含有率である純度99%以上のジエチルベンゼンであ
る。 【効果】高純度で分離回収することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジイソプロピルナフタ
レン異性体混合物から2,6-又は2,7-異性体をそれぞれ高
純度で分離する方法に関するものである。
レン異性体混合物から2,6-又は2,7-異性体をそれぞれ高
純度で分離する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2,6-ナフタレンジカルボン酸及び2,7-ナ
フタレンジカルボン酸から得られるポリエステルは、特
開昭58−162630号公報に記載されている様に液晶ポリマ
ーと呼ばれ、液体結晶化度が高く、全体のバランスのと
れた強い機械的性質を示す重合体であるため、電子、電
気、医療、食品などの分野での需要が拡大すると期待さ
れている。このため、ポリエステル原料としての2,6-及
び2,7-ナフタレンジカルボン酸を工業的に有利に製造す
る方法の確立が望まれている。
フタレンジカルボン酸から得られるポリエステルは、特
開昭58−162630号公報に記載されている様に液晶ポリマ
ーと呼ばれ、液体結晶化度が高く、全体のバランスのと
れた強い機械的性質を示す重合体であるため、電子、電
気、医療、食品などの分野での需要が拡大すると期待さ
れている。このため、ポリエステル原料としての2,6-及
び2,7-ナフタレンジカルボン酸を工業的に有利に製造す
る方法の確立が望まれている。
【0003】2,6-及び2,7-ナフタレンジカルボン酸は、
ナフタレンをプロピレンによりアルキル化として得られ
る2,6-及び2,7-ジイソプロピルナフタレンをそれぞれ酸
化することにより、製造することができる。
ナフタレンをプロピレンによりアルキル化として得られ
る2,6-及び2,7-ジイソプロピルナフタレンをそれぞれ酸
化することにより、製造することができる。
【0004】しかしながら、ナフタレンをプロピレンに
よってアルキル化して得られるイソプロピル化生成物中
のジイソプロピルナフタレン留分は、2,6-及び2,7-異性
体の他に各種の異性体を含む異性体混合物であるため、
そのままでは2,6-及び2,7-ナフタレンジカルボン酸原料
として用いることはできず、そのジイソプロピルナフタ
レン異性体混合物から、2,6-異性体及び2,7-異性体をそ
れぞれ高純度で分離することが必要である。
よってアルキル化して得られるイソプロピル化生成物中
のジイソプロピルナフタレン留分は、2,6-及び2,7-異性
体の他に各種の異性体を含む異性体混合物であるため、
そのままでは2,6-及び2,7-ナフタレンジカルボン酸原料
として用いることはできず、そのジイソプロピルナフタ
レン異性体混合物から、2,6-異性体及び2,7-異性体をそ
れぞれ高純度で分離することが必要である。
【0005】従来、このようなジイソプロピルナフタレ
ン異性体混合物から2,6-異性体及び2,7-異性体をそれぞ
れ高純度で分離する工業的技術は確立されていなかっ
た。
ン異性体混合物から2,6-異性体及び2,7-異性体をそれぞ
れ高純度で分離する工業的技術は確立されていなかっ
た。
【0006】そこで、本発明者らはゼオライトを用いて
2,6-及び2,7-ジイソプロピルナフタレンを2段階で吸着
分離することにより、2,6-異性体及び2,7-異性体を高純
度で分離することができる分離方法を提案した(特開平
1−199921号公報、特開平2−172930号公報等)。
2,6-及び2,7-ジイソプロピルナフタレンを2段階で吸着
分離することにより、2,6-異性体及び2,7-異性体を高純
度で分離することができる分離方法を提案した(特開平
1−199921号公報、特開平2−172930号公報等)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した分離方法は、
高純度に分離でき極めて好ましい方法であるが、さらに
吸着剤、脱着剤の性能を大幅に向上することにより、高
純度の製品をより収率高くかつ経済的に得る方法の開発
が強く望まれていた。
高純度に分離でき極めて好ましい方法であるが、さらに
吸着剤、脱着剤の性能を大幅に向上することにより、高
純度の製品をより収率高くかつ経済的に得る方法の開発
が強く望まれていた。
【0008】本発明は、以上の点にかんがみてなされた
もので、2,6-及び2,7-異性体を高純度でかつ安価に分離
し得る工業的に有利な方法を提供することを目的とす
る。
もので、2,6-及び2,7-異性体を高純度でかつ安価に分離
し得る工業的に有利な方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、吸着分離で使用す
るゼオライトに微量添加成分としてSr等の金属を加え
ることにより、分離効率を向上すること、最適な吸着剤
の粒径は形状と関係し、それは従来と異なるものである
こと、最適な脱着剤は特定組成の純−ジエチルベンゼン
であること等を見出し、本発明を完成させた。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、吸着分離で使用す
るゼオライトに微量添加成分としてSr等の金属を加え
ることにより、分離効率を向上すること、最適な吸着剤
の粒径は形状と関係し、それは従来と異なるものである
こと、最適な脱着剤は特定組成の純−ジエチルベンゼン
であること等を見出し、本発明を完成させた。
【0010】すなわち、本発明の2,6-又は2,7-ジイソプ
ロピルナフタレンの分離方法は、ジイソプロピルナフタ
レンの各種異性体を含む原料混合物を2,7-異性体を選択
的に吸着するゼオライトPからなる第1吸着剤で処理し
て2,7-異性体を吸着し、2,7-異性体吸着残液を分離した
後、該第1吸着剤を2,7-異性体脱着剤で処理して2,7-異
性体と脱着剤の混合物をうる2,7-異性体分離工程と、2,
6-異性体を選択的に吸着するゼオライトQからなる第2
吸着剤で処理して2,6-異性体を吸着し、2,6-異性体吸着
残液を分離した後、該第2吸着剤を2,6-異性体脱着剤で
処理して2,6-異性体と脱着剤の混合物である2,6-異性体
吸着脱着液をうる2,6-異性体分離工程よりなり、前記ゼ
オライトPがLi、K、Na、Ba及びPbから選ばれた1
種又は2種以上の金属イオンでイオン交換されたY型ゼ
オライトで、かつ追加イオン種としてSr、Cu、Zn、
Zr、Ge及びSeから選ばれた1種又は2種以上を含む
ものであるか又はこれらの混合物であり、ゼオライトQ
がNa、Ba、Pb及びSrから選ばれた1種又は2種以上
の金属イオンでイオン交換されたY型ゼオライトである
か又はこれらの混合物を用いること、前記ゼオライトP
及び前記ゼオライトQが、いずれも比表面積径が1.5mm
以下の大きさを有する球状又はヌードル状に成型されて
いること又は前記脱着剤、2,7-異性体脱着剤及び2,6-異
性体脱着剤の少なくとも一方がメタ体が60〜75%、パラ
体が20〜30%、オルソ体が2〜10%の含有率である純度
99%以上のジエチルベンゼンであることを特徴として構
成されている。
ロピルナフタレンの分離方法は、ジイソプロピルナフタ
レンの各種異性体を含む原料混合物を2,7-異性体を選択
的に吸着するゼオライトPからなる第1吸着剤で処理し
て2,7-異性体を吸着し、2,7-異性体吸着残液を分離した
後、該第1吸着剤を2,7-異性体脱着剤で処理して2,7-異
性体と脱着剤の混合物をうる2,7-異性体分離工程と、2,
6-異性体を選択的に吸着するゼオライトQからなる第2
吸着剤で処理して2,6-異性体を吸着し、2,6-異性体吸着
残液を分離した後、該第2吸着剤を2,6-異性体脱着剤で
処理して2,6-異性体と脱着剤の混合物である2,6-異性体
吸着脱着液をうる2,6-異性体分離工程よりなり、前記ゼ
オライトPがLi、K、Na、Ba及びPbから選ばれた1
種又は2種以上の金属イオンでイオン交換されたY型ゼ
オライトで、かつ追加イオン種としてSr、Cu、Zn、
Zr、Ge及びSeから選ばれた1種又は2種以上を含む
ものであるか又はこれらの混合物であり、ゼオライトQ
がNa、Ba、Pb及びSrから選ばれた1種又は2種以上
の金属イオンでイオン交換されたY型ゼオライトである
か又はこれらの混合物を用いること、前記ゼオライトP
及び前記ゼオライトQが、いずれも比表面積径が1.5mm
以下の大きさを有する球状又はヌードル状に成型されて
いること又は前記脱着剤、2,7-異性体脱着剤及び2,6-異
性体脱着剤の少なくとも一方がメタ体が60〜75%、パラ
体が20〜30%、オルソ体が2〜10%の含有率である純度
99%以上のジエチルベンゼンであることを特徴として構
成されている。
【0011】ジイソプロピルナフタレンの各種異性体を
含む原料混合物は、ナフタレンをプロピレンによりイソ
プロピル化し、得られた生成物から、ジイソプロピルナ
フタレン留分を分離することによって得ることができ
る。イソプロピル化の原料となるナフタレンは石油系、
石炭系油等から製造されるいかなる種類の物であっても
よい。ただし、イソプロピル化触媒に対して触媒毒とな
るような成分、例えば、硫黄化合物、窒素化合物等を含
む場合は、従来よく知られている精製技術、水素化精
製、活性白土処理などの方法により、これらの化合物を
除去することが好ましい。
含む原料混合物は、ナフタレンをプロピレンによりイソ
プロピル化し、得られた生成物から、ジイソプロピルナ
フタレン留分を分離することによって得ることができ
る。イソプロピル化の原料となるナフタレンは石油系、
石炭系油等から製造されるいかなる種類の物であっても
よい。ただし、イソプロピル化触媒に対して触媒毒とな
るような成分、例えば、硫黄化合物、窒素化合物等を含
む場合は、従来よく知られている精製技術、水素化精
製、活性白土処理などの方法により、これらの化合物を
除去することが好ましい。
【0012】イソプロピル化反応は、従来良く知られて
いる反応であり、従来公知の方法に従って液相又は気相
反応として実施される。触媒としては、シリカ・アルミ
ナ、結晶性アルミノシリケート、シリカ・マグネシア、
アルミナ・ボリア、固体リン酸等の固体酸触媒や、塩化
アルミニウム、弗化水素、リン酸等のフリーデルクラフ
ト触媒が用いられる。このイソプロピル化反応において
は、ナフタレン環に付いたイソプロピル基は、前記の如
きアルキル化反応触媒の存在下にトランスアルキル化反
応により容易に他のナフタレン環に転位する。従って、
このイソプロピル化反応はトランスアルキル化反応を通
して可逆反応とみなされ、ナフタレンとイソプロピルナ
フタレン類との間には平衡組成が存在する。ジイソプロ
ピルナフタレンの生成量は反応におけるナフタレンとプ
ロピレンの比、温度、触媒の種類と量などに依存する。
いる反応であり、従来公知の方法に従って液相又は気相
反応として実施される。触媒としては、シリカ・アルミ
ナ、結晶性アルミノシリケート、シリカ・マグネシア、
アルミナ・ボリア、固体リン酸等の固体酸触媒や、塩化
アルミニウム、弗化水素、リン酸等のフリーデルクラフ
ト触媒が用いられる。このイソプロピル化反応において
は、ナフタレン環に付いたイソプロピル基は、前記の如
きアルキル化反応触媒の存在下にトランスアルキル化反
応により容易に他のナフタレン環に転位する。従って、
このイソプロピル化反応はトランスアルキル化反応を通
して可逆反応とみなされ、ナフタレンとイソプロピルナ
フタレン類との間には平衡組成が存在する。ジイソプロ
ピルナフタレンの生成量は反応におけるナフタレンとプ
ロピレンの比、温度、触媒の種類と量などに依存する。
【0013】次に、イソプロピル化反応工程で得られた
イソプロピル化生成物は、これを蒸留処理に付してジイ
ソプロピルナフタレン留分を分離する。この蒸留処理に
より、一般には、ナフタレンとモノイソプロピルナフタ
レンからなる低沸点留分と、ジイソプロピルナフタレン
留分と、トリイソプロピルナフタレン以上のポリイソプ
ロピルナフタレンからなる高沸点留分とに分離される。
モノイソプロピルナフタレンはこれをプロピレンでイソ
プロピル化することによりジイソプロピルナフタレンと
することができ、また、トリイソプロピルナフタレン以
上のポリイソプロピルナフタレンは、これをナフタレン
との間でトランスアルキル化することにより、ジイソプ
ロピルナフタレンとすることができる。
イソプロピル化生成物は、これを蒸留処理に付してジイ
ソプロピルナフタレン留分を分離する。この蒸留処理に
より、一般には、ナフタレンとモノイソプロピルナフタ
レンからなる低沸点留分と、ジイソプロピルナフタレン
留分と、トリイソプロピルナフタレン以上のポリイソプ
ロピルナフタレンからなる高沸点留分とに分離される。
モノイソプロピルナフタレンはこれをプロピレンでイソ
プロピル化することによりジイソプロピルナフタレンと
することができ、また、トリイソプロピルナフタレン以
上のポリイソプロピルナフタレンは、これをナフタレン
との間でトランスアルキル化することにより、ジイソプ
ロピルナフタレンとすることができる。
【0014】また、本発明のジイソプロピルナフタレン
の各種異性体を含む原料混合物は、上述したナフタレン
のイソプロピル化生成物を蒸留処理して得られるジイソ
プロピルナフタレン留分をそのまま使用して得る他、こ
のジイソプロピルナフタレン留分を異性化処理して得ら
れる異性化生成物も使用することができる。この異性化
生成物は、2,6-及び2,7-異性体を約80重量%含み、その
中の2,6-異性体と2,7-異性体の割合は、ほぼ1:1の割
合である。従って、この異性化生成物は、本発明の原料
として好適のものである。ジイソプロピルナフタレン留
分の異性化は、上述したイソプロピル化工程で示したの
と同様の触媒及び反応条件を用いて実施することができ
る。
の各種異性体を含む原料混合物は、上述したナフタレン
のイソプロピル化生成物を蒸留処理して得られるジイソ
プロピルナフタレン留分をそのまま使用して得る他、こ
のジイソプロピルナフタレン留分を異性化処理して得ら
れる異性化生成物も使用することができる。この異性化
生成物は、2,6-及び2,7-異性体を約80重量%含み、その
中の2,6-異性体と2,7-異性体の割合は、ほぼ1:1の割
合である。従って、この異性化生成物は、本発明の原料
として好適のものである。ジイソプロピルナフタレン留
分の異性化は、上述したイソプロピル化工程で示したの
と同様の触媒及び反応条件を用いて実施することができ
る。
【0015】第1吸着剤として使用されるゼオライトP
には、ホージャサイト型の金属置換Y型ゼオライトが用
いられる。置換金属イオン種としてはLi、K、Na、B
a又はPbが使用され、さらにSr、Cu、Zn、Zr、Ge
又はSeが追加イオン種として使用される。上記の両金
属イオン種は、いずれも2種以上であってもよく、さら
にこれらを担持したゼオライトPも2種以上の混合物で
あってもよい。
には、ホージャサイト型の金属置換Y型ゼオライトが用
いられる。置換金属イオン種としてはLi、K、Na、B
a又はPbが使用され、さらにSr、Cu、Zn、Zr、Ge
又はSeが追加イオン種として使用される。上記の両金
属イオン種は、いずれも2種以上であってもよく、さら
にこれらを担持したゼオライトPも2種以上の混合物で
あってもよい。
【0016】第2吸着剤として使用されるゼオライトQ
もホージャサイト型の金属置換Y型ゼオライトが用いら
れ、置換金属イオン種としてはNa、Ba、Pb又はSrが
使用される。上記の金属イオン種は2種以上であっても
よく、また該金属イオンを担持したゼオライトQも2種
以上の混合物であってもよい。
もホージャサイト型の金属置換Y型ゼオライトが用いら
れ、置換金属イオン種としてはNa、Ba、Pb又はSrが
使用される。上記の金属イオン種は2種以上であっても
よく、また該金属イオンを担持したゼオライトQも2種
以上の混合物であってもよい。
【0017】上述したゼオライトPとゼオライトQは、
いずれも工業的には球状又はヌードル状に成型されて使
用するのが好ましい。球状又はヌードル状に成型された
吸着剤は適当な機械的強度及び耐粉化性を有することが
必要であるので、通常Y型ゼオライトに対し重量で20%
以下、好ましくは10%以下のアルミナ、粘土などのバイ
ンダーが添加されることが多いが、バインダーの添加な
しで成型されてもよい。吸着剤粒子の大きさは、一般的
に、小さい程分離すべき物質の吸着並びに脱着速度が速
くなり望ましいが、反面、吸着剤を充填した層の通液圧
力損失が増すので最適点があり、工業的には比表面積径
として1.5mm以下が適当であり、0.7mm以下が好ましい。
一方、比表面積径の下限は0.05mm以上であり、0.1mm以
上が好ましい。
いずれも工業的には球状又はヌードル状に成型されて使
用するのが好ましい。球状又はヌードル状に成型された
吸着剤は適当な機械的強度及び耐粉化性を有することが
必要であるので、通常Y型ゼオライトに対し重量で20%
以下、好ましくは10%以下のアルミナ、粘土などのバイ
ンダーが添加されることが多いが、バインダーの添加な
しで成型されてもよい。吸着剤粒子の大きさは、一般的
に、小さい程分離すべき物質の吸着並びに脱着速度が速
くなり望ましいが、反面、吸着剤を充填した層の通液圧
力損失が増すので最適点があり、工業的には比表面積径
として1.5mm以下が適当であり、0.7mm以下が好ましい。
一方、比表面積径の下限は0.05mm以上であり、0.1mm以
上が好ましい。
【0018】ジイソプロピルナフタレン異性体混合物を
ゼオライト吸着剤で吸着処理した時に、ゼオライト吸着
剤に対するジイソプロピルナフタレン異性体の2,7-(2,6
-)異性体を基準とした吸着力の強さは、相対分離係数β
(2,7(2,6-)/i)で表され、次の式で示される。
ゼオライト吸着剤で吸着処理した時に、ゼオライト吸着
剤に対するジイソプロピルナフタレン異性体の2,7-(2,6
-)異性体を基準とした吸着力の強さは、相対分離係数β
(2,7(2,6-)/i)で表され、次の式で示される。
【0019】
【化1】
【0020】ここで、K(2,7(2,6-))及びK(i)は、そ
れぞれ2,7-(2,6-)異性体の固液平衡定数及び異性体iの
固液平衡定数を示し、次の式で定義される。
れぞれ2,7-(2,6-)異性体の固液平衡定数及び異性体iの
固液平衡定数を示し、次の式で定義される。
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】前記相対分離係数β(2,7(2,6-)/i) の値が
1より小さい異性体は、2,7-(2,6-)異性体よりも吸着さ
れやすいことを示し、逆に1より大きい異性体は2,7-
(2,6-)異性体よりも吸着されにくいことを示す。
1より小さい異性体は、2,7-(2,6-)異性体よりも吸着さ
れやすいことを示し、逆に1より大きい異性体は2,7-
(2,6-)異性体よりも吸着されにくいことを示す。
【0024】2,7-異性体の吸着に使用されるゼオライト
Pに対する1,7-異性体の相対分離係数β(2,7/1,7)の値
はほぼ1であり、他の異性体の相対分離係数β(2,7/i)
は1より大きな値を示す。従って、ゼオライトPを第1
吸着剤を用いることにより、ジイソプロピルナフタレン
異性体混合物から、2,7-及び1,7-異性体を選択的に吸着
分離することが可能である。第1吸着剤においては、2,
7-及び1,7-異性体以外の異性体の相対分離係数β(2,7/
i)が2以上を示すゼオライト吸着剤の使用が好まし
い。
Pに対する1,7-異性体の相対分離係数β(2,7/1,7)の値
はほぼ1であり、他の異性体の相対分離係数β(2,7/i)
は1より大きな値を示す。従って、ゼオライトPを第1
吸着剤を用いることにより、ジイソプロピルナフタレン
異性体混合物から、2,7-及び1,7-異性体を選択的に吸着
分離することが可能である。第1吸着剤においては、2,
7-及び1,7-異性体以外の異性体の相対分離係数β(2,7/
i)が2以上を示すゼオライト吸着剤の使用が好まし
い。
【0025】また、2,6-異性体の吸着に使用されるゼオ
ライトQに対する他の異性体の相対分離係数β(2,6/i)
は2,7-及び1,7-異性体を除いて1より大きな値を示す。
従って、ゼオライトQを吸着剤を用いることにより、ジ
イソプロピルナフタレン異性体混合物から、2,6-、2,7-
及び1,7-異性体を選択的に吸着分離することが可能であ
る。第2吸着剤においては、2,6-異性体以外の大部分の
異性体の相対分離係数β(2,6/i)が2以上を示すゼオラ
イト吸着剤の使用が好ましい。
ライトQに対する他の異性体の相対分離係数β(2,6/i)
は2,7-及び1,7-異性体を除いて1より大きな値を示す。
従って、ゼオライトQを吸着剤を用いることにより、ジ
イソプロピルナフタレン異性体混合物から、2,6-、2,7-
及び1,7-異性体を選択的に吸着分離することが可能であ
る。第2吸着剤においては、2,6-異性体以外の大部分の
異性体の相対分離係数β(2,6/i)が2以上を示すゼオラ
イト吸着剤の使用が好ましい。
【0026】本発明で用いる2,7-異性体脱着剤は、第1
吸着剤に吸着されている物質を脱着する能力のある物質
であればよく、また、2,6-異性体脱着剤は、第2吸着剤
に吸着されている物質を脱着する能力のある物質であれ
ばよい。このような物質としては、芳香族系脱着剤があ
り、次の一般式で表されるアルキルベンゼン類が適当で
ある。
吸着剤に吸着されている物質を脱着する能力のある物質
であればよく、また、2,6-異性体脱着剤は、第2吸着剤
に吸着されている物質を脱着する能力のある物質であれ
ばよい。このような物質としては、芳香族系脱着剤があ
り、次の一般式で表されるアルキルベンゼン類が適当で
ある。
【0027】
【化4】
【0028】(式中、R及びR'はメチル基、エチル
基、n-プロピル基又はイソプロピル基を表し、nは0又
は1である。)
基、n-プロピル基又はイソプロピル基を表し、nは0又
は1である。)
【0029】特に、高純度の2,7-及び2,6-異性体を得る
ことができるので、ジエチルベンゼンが好ましい。一般
に、ジエチルベンゼンはそのエチル基の位置によりパラ
体、メタ体、オルソ体があり、通常はそれらの混合物と
して得られる。パラジエチルベンゼンは、前記Y型ゼオ
ライトをベースとする吸着剤において脱着力が強く、吸
着剤に吸着された2,7-又は2,6-異性体を脱着する代わり
に、吸着剤に強く吸着して残存し、その後必要となる2,
7-又は2,6-異性体の吸着の妨げになる。この点、パラジ
エチルベンゼンより脱着力の弱いメタ及びオルソジエチ
ルベンゼンは良いが、吸着された2,7-又は2,6-異性体の
脱着力が不十分である。これらについて研究を重ねた結
果、総合的に吸着、脱着のバランスのとれた吸着分離プ
ロセスにはパラジエチルベンゼンが20〜30%、メタジエ
チルベンゼンが60〜75%、オルソジエチルベンゼンが2
〜10%を含む混合ジエチルベンゼンが適当であることが
判った。さらに、ジエチルベンゼン以外の不純物として
酸素、窒素、硫黄、塩素などの化合物は好ましくなく、
その他の高低沸点不純物を除き、純度99%以上の混合ジ
エチルベンゼンが望ましいことが判った。
ことができるので、ジエチルベンゼンが好ましい。一般
に、ジエチルベンゼンはそのエチル基の位置によりパラ
体、メタ体、オルソ体があり、通常はそれらの混合物と
して得られる。パラジエチルベンゼンは、前記Y型ゼオ
ライトをベースとする吸着剤において脱着力が強く、吸
着剤に吸着された2,7-又は2,6-異性体を脱着する代わり
に、吸着剤に強く吸着して残存し、その後必要となる2,
7-又は2,6-異性体の吸着の妨げになる。この点、パラジ
エチルベンゼンより脱着力の弱いメタ及びオルソジエチ
ルベンゼンは良いが、吸着された2,7-又は2,6-異性体の
脱着力が不十分である。これらについて研究を重ねた結
果、総合的に吸着、脱着のバランスのとれた吸着分離プ
ロセスにはパラジエチルベンゼンが20〜30%、メタジエ
チルベンゼンが60〜75%、オルソジエチルベンゼンが2
〜10%を含む混合ジエチルベンゼンが適当であることが
判った。さらに、ジエチルベンゼン以外の不純物として
酸素、窒素、硫黄、塩素などの化合物は好ましくなく、
その他の高低沸点不純物を除き、純度99%以上の混合ジ
エチルベンゼンが望ましいことが判った。
【0030】本発明による吸着分離は、クロマトグラフ
ィー法による吸着分離技術により実施され、固定床、移
動床によっても実施可能であるが、好ましくは向流式擬
似移動床方式で実施される。擬似移動床方式による吸着
分離技術は、既に確立された技術であり、キシレン異性
体混合物の吸着分離に適されており、例えば、特公昭42
−15681号公報、特公昭50−10547号公報等に記載されて
いる。
ィー法による吸着分離技術により実施され、固定床、移
動床によっても実施可能であるが、好ましくは向流式擬
似移動床方式で実施される。擬似移動床方式による吸着
分離技術は、既に確立された技術であり、キシレン異性
体混合物の吸着分離に適されており、例えば、特公昭42
−15681号公報、特公昭50−10547号公報等に記載されて
いる。
【0031】次に、この向流式擬似移動床方式による吸
着分離技術について詳述する。この吸着分離技術では、
基本的操作として、脱着操作、濃縮操作、吸着操作及び
脱着剤回収操作からなる4つの操作を同時かつ連続的に
行う。図1に擬似移動床による吸着分離装置の模式図を
示す。この図において、1〜16はゼオライト吸着剤の入
った吸着室であり、相互に連結されている。17は脱着剤
供給ライン、18はエキストラクト抜出ライン、19は原料
供給ライン、20はラフィネート抜出ライン、21はリサイ
クルラインを示す。図面に示した吸着室1〜16と各ライ
ン17〜21の配置状態では、吸着室1〜3で脱着操作、吸
着室4〜8で濃縮操作、吸着室9〜13で吸着操作、吸着
室13〜16で脱着剤回収操作がそれぞれ行われている。
着分離技術について詳述する。この吸着分離技術では、
基本的操作として、脱着操作、濃縮操作、吸着操作及び
脱着剤回収操作からなる4つの操作を同時かつ連続的に
行う。図1に擬似移動床による吸着分離装置の模式図を
示す。この図において、1〜16はゼオライト吸着剤の入
った吸着室であり、相互に連結されている。17は脱着剤
供給ライン、18はエキストラクト抜出ライン、19は原料
供給ライン、20はラフィネート抜出ライン、21はリサイ
クルラインを示す。図面に示した吸着室1〜16と各ライ
ン17〜21の配置状態では、吸着室1〜3で脱着操作、吸
着室4〜8で濃縮操作、吸着室9〜13で吸着操作、吸着
室13〜16で脱着剤回収操作がそれぞれ行われている。
【0032】このような擬似移動床では、一定時間間隔
ごとにバルブ操作により、各供給及び抜出ラインを液流
れ方向に吸着室1室分だけそれぞれ移動させる。従っ
て、次の吸着室の配置状態では、吸着室2〜4で脱着操
作、吸着室5〜9で濃縮操作、吸着室10〜14で吸着操
作、吸着室15〜1で脱着剤回収操作がそれぞれ行われる
ようになる。このような操作を順次連続的に行うことに
よって、ジイソプロピルナフタレン異性体混合物の擬似
移動床による吸着分離処理が達成される。上記の吸着、
濃縮、脱着及び脱着剤回収の4操作帯域における液流量
と吸着剤の移動量比がある一定範囲内に制御することが
収率高く、純度の高い製品を得るため必要であることは
特願昭63−328473号、同昭63−328474号、同昭63−3284
75号において請求された通りである。
ごとにバルブ操作により、各供給及び抜出ラインを液流
れ方向に吸着室1室分だけそれぞれ移動させる。従っ
て、次の吸着室の配置状態では、吸着室2〜4で脱着操
作、吸着室5〜9で濃縮操作、吸着室10〜14で吸着操
作、吸着室15〜1で脱着剤回収操作がそれぞれ行われる
ようになる。このような操作を順次連続的に行うことに
よって、ジイソプロピルナフタレン異性体混合物の擬似
移動床による吸着分離処理が達成される。上記の吸着、
濃縮、脱着及び脱着剤回収の4操作帯域における液流量
と吸着剤の移動量比がある一定範囲内に制御することが
収率高く、純度の高い製品を得るため必要であることは
特願昭63−328473号、同昭63−328474号、同昭63−3284
75号において請求された通りである。
【0033】本発明では、原料混合物、2,7-異性体吸着
残液、2,7-異性体吸着脱着液、2,6-異性体吸着残液及び
2,6-異性体吸着脱着液の少なくとも1以上に蒸留処理を
施し、1,7-異性体及び/又は1,3-異性体を蒸発により2,
7-異性体及び/又は2,6-異性体から分離する。例えば、
最初の原料混合物に蒸留処理を施して1,7-異性体及び1,
3-異性体を分離しても、2,7-異性体が含まれる2,7-異性
体吸着脱着液に蒸留処理を施して1,7-異性体を2,7-異性
体から分離してもよい。
残液、2,7-異性体吸着脱着液、2,6-異性体吸着残液及び
2,6-異性体吸着脱着液の少なくとも1以上に蒸留処理を
施し、1,7-異性体及び/又は1,3-異性体を蒸発により2,
7-異性体及び/又は2,6-異性体から分離する。例えば、
最初の原料混合物に蒸留処理を施して1,7-異性体及び1,
3-異性体を分離しても、2,7-異性体が含まれる2,7-異性
体吸着脱着液に蒸留処理を施して1,7-異性体を2,7-異性
体から分離してもよい。
【0034】次に、本発明のプロセスのフローシートの
例を図2に示す。図2において、31は蒸留塔、32は2,7-
異性体吸着分離装置、38は2,6-異性体吸着分離装置を示
す。
例を図2に示す。図2において、31は蒸留塔、32は2,7-
異性体吸着分離装置、38は2,6-異性体吸着分離装置を示
す。
【0035】ジイソプロピルナフタレンの各種異性体を
含む原料混合物は、ライン33を通って蒸留塔31に導入さ
れ、ここで、各種異性体のうち、1,7-異性体と1,3-異性
体が塔頂物として分離され、2,7-異性体及び2,6-異性体
を含む残りの異性体混合物はライン35を通って2,7-異性
体吸着分離装置32へ導入される。
含む原料混合物は、ライン33を通って蒸留塔31に導入さ
れ、ここで、各種異性体のうち、1,7-異性体と1,3-異性
体が塔頂物として分離され、2,7-異性体及び2,6-異性体
を含む残りの異性体混合物はライン35を通って2,7-異性
体吸着分離装置32へ導入される。
【0036】2,7-異性体吸着分離装置32では、2,7-異性
体は2,7-異性体吸着剤に吸着されライン36を通って抜き
出された後、2,7-異性体脱着剤で脱着され回収される。
一方、2,7-異性体以外の異性体混合物は残液としてライ
ン37を通って2,6-異性体吸着分離装置38に送られる。2,
6-異性体吸着分離装置38では、2,6-異性体は2,6-異性体
吸着剤に吸着されライン39を通って抜き出された後、2,
6-異性体脱着剤で脱着され回収される。一方、2,6-異性
体以外の異性体混合物は残液としてライン40を通って抜
き出される。
体は2,7-異性体吸着剤に吸着されライン36を通って抜き
出された後、2,7-異性体脱着剤で脱着され回収される。
一方、2,7-異性体以外の異性体混合物は残液としてライ
ン37を通って2,6-異性体吸着分離装置38に送られる。2,
6-異性体吸着分離装置38では、2,6-異性体は2,6-異性体
吸着剤に吸着されライン39を通って抜き出された後、2,
6-異性体脱着剤で脱着され回収される。一方、2,6-異性
体以外の異性体混合物は残液としてライン40を通って抜
き出される。
【0037】また、本発明のプロセスのフローシートの
別例を図3に示す。
別例を図3に示す。
【0038】ジイソプロピルナフタレンの各種異性体を
含む原料混合物は、ライン33を通って2,7-異性体吸着分
離装置32に導入され、ここで2,7-異性体及び1,7-異性体
は2,7-異性体吸着剤に吸着された後ライン36を通って蒸
留塔31に導入され、2,7-異性体脱着剤で2,7-異性体吸着
剤から分離された後蒸留により2,7-異性体と1,7-異性体
とに分離される。そして、2,7-異性体はライン35と通し
て抜き出され、1,7-異性体はライン34を通して抜き出さ
れる。2,7-異性体吸着分離装置32の残液は、ライン37と
通って2,6-異性体吸着分離装置38へ導入される。この2,
6-異性体吸着分離装置38では、2,6-異性体が2,6-異性体
吸着剤に吸着され他の異性体から分離され、その後ライ
ン39を通って抜き出され2,6-異性体脱着剤で2,6-異性体
吸着剤から分離される。他の異性体はライン40を通って
抜き出される。
含む原料混合物は、ライン33を通って2,7-異性体吸着分
離装置32に導入され、ここで2,7-異性体及び1,7-異性体
は2,7-異性体吸着剤に吸着された後ライン36を通って蒸
留塔31に導入され、2,7-異性体脱着剤で2,7-異性体吸着
剤から分離された後蒸留により2,7-異性体と1,7-異性体
とに分離される。そして、2,7-異性体はライン35と通し
て抜き出され、1,7-異性体はライン34を通して抜き出さ
れる。2,7-異性体吸着分離装置32の残液は、ライン37と
通って2,6-異性体吸着分離装置38へ導入される。この2,
6-異性体吸着分離装置38では、2,6-異性体が2,6-異性体
吸着剤に吸着され他の異性体から分離され、その後ライ
ン39を通って抜き出され2,6-異性体脱着剤で2,6-異性体
吸着剤から分離される。他の異性体はライン40を通って
抜き出される。
【0039】但し、本発明は上述の2例に限定されるも
のではない。
のではない。
【0040】本発明により得られる2,6-及び2,7-ジイソ
プロピルナフタレンは、ポリエステル原料となる2,6-及
び2,7-ナフタレンジカルボン酸の出発原料として利用さ
れる他、各種溶剤等として利用される。
プロピルナフタレンは、ポリエステル原料となる2,6-及
び2,7-ナフタレンジカルボン酸の出発原料として利用さ
れる他、各種溶剤等として利用される。
【0041】
【作用】本発明の分離方法においては、原料混合物には
ジイソプロピルナフタレン2,6-異性体と2,7-異性体の他
に1,3-異性体、1,7-異性体、1,4-異性体、1,6-異性体、
1,5-異性体、2,3-異性体等からなる異性体混合物を含む
ものである。本発明者らの研究によれば、これらの異性
体のうち、とくに2,7-異性体に強く吸着挙動を示すゼオ
ライト吸着剤Pと、これに有効な脱着挙動を示す脱着
剤、同様に特に2,6-異性体に強く吸着挙動を示すゼオラ
イト吸着剤Qと、これに有効な脱着挙動を示す脱着剤を
見出すとともに、2,7-及び2,6-異性体以外の異性体はそ
れぞれと2,7-及び2,6-異性体との大きい沸点差を利用し
て上述の吸着分離段階の前及び又は後に、蒸留処理を組
合せることにより2,6-及び又は2,7-異性体を高純度で分
離しうることを見出した。
ジイソプロピルナフタレン2,6-異性体と2,7-異性体の他
に1,3-異性体、1,7-異性体、1,4-異性体、1,6-異性体、
1,5-異性体、2,3-異性体等からなる異性体混合物を含む
ものである。本発明者らの研究によれば、これらの異性
体のうち、とくに2,7-異性体に強く吸着挙動を示すゼオ
ライト吸着剤Pと、これに有効な脱着挙動を示す脱着
剤、同様に特に2,6-異性体に強く吸着挙動を示すゼオラ
イト吸着剤Qと、これに有効な脱着挙動を示す脱着剤を
見出すとともに、2,7-及び2,6-異性体以外の異性体はそ
れぞれと2,7-及び2,6-異性体との大きい沸点差を利用し
て上述の吸着分離段階の前及び又は後に、蒸留処理を組
合せることにより2,6-及び又は2,7-異性体を高純度で分
離しうることを見出した。
【0042】
【実施例】次に、本発明の実施例によりさらに詳細に説
明する。 実施例1 (I) 蒸留工程 ナフタレンをプロピレンによりイソプロピル化して得ら
れた表1の組成のジイソプロピルナフタレン混合物を原
料混合物とし、この原料混合物約1.5lを、内径20mm、高
さ1800mmのマクマホンパッキングを充填した回分式蒸留
塔により蒸留処理とした。蒸留時の圧力は50mmHg、還流
比20とした。この結果、ジイソプロピルナフタレン混合
物より、1,3-及び1,7-異性体が除去された表2の組成の
異性体混合物が約0.85l得られた。
明する。 実施例1 (I) 蒸留工程 ナフタレンをプロピレンによりイソプロピル化して得ら
れた表1の組成のジイソプロピルナフタレン混合物を原
料混合物とし、この原料混合物約1.5lを、内径20mm、高
さ1800mmのマクマホンパッキングを充填した回分式蒸留
塔により蒸留処理とした。蒸留時の圧力は50mmHg、還流
比20とした。この結果、ジイソプロピルナフタレン混合
物より、1,3-及び1,7-異性体が除去された表2の組成の
異性体混合物が約0.85l得られた。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】(II)2,7-異性体分離工程 表2に示す組成のジイソプロピルナフタレン異性体混合
物を吸着分離した。2,7-異性体吸着剤は、Na型Y型ゼ
オライト(SiO2/Al2O3モル比:4.6、粒度:40〜80
メッシュ、比表面積径?)を所定の金属でイオン交換し
たものを用いた。イオン交換は以下に示す方法で実施し
た。
物を吸着分離した。2,7-異性体吸着剤は、Na型Y型ゼ
オライト(SiO2/Al2O3モル比:4.6、粒度:40〜80
メッシュ、比表面積径?)を所定の金属でイオン交換し
たものを用いた。イオン交換は以下に示す方法で実施し
た。
【0046】イオン交換;1種の金属イオンで置換する
場合は、Na型Y型ゼオライト約10gに該金属塩化物又
は硝化物水溶液(0.5mol/l)を約100g加え、温度90〜10
0度℃で2時間放置した。上記の操作を3度繰り返した
後乾燥し、その後温度400℃で3時間焼成した。2種以
上の金属イオンで置換する場合は、それぞれの金属イオ
ンを含む塩化物又は硝化物水溶液を加え処理した。例え
ばカリウムとバリウムで置換する場合はNa型Y型ゼオ
ライト約10gにKNO3(1.0mol/l)、BaCl2(0.5mol/
l)の水溶液を約10g加え、以後上述の1種の金属イオン
置換と同様の処理を行った。2,7-異性体脱着剤は、混合
ジエチルベンゼン(ジエチルのパラ体24%、メタ体65
%、オルソ体5%を含有)を用いた。
場合は、Na型Y型ゼオライト約10gに該金属塩化物又
は硝化物水溶液(0.5mol/l)を約100g加え、温度90〜10
0度℃で2時間放置した。上記の操作を3度繰り返した
後乾燥し、その後温度400℃で3時間焼成した。2種以
上の金属イオンで置換する場合は、それぞれの金属イオ
ンを含む塩化物又は硝化物水溶液を加え処理した。例え
ばカリウムとバリウムで置換する場合はNa型Y型ゼオ
ライト約10gにKNO3(1.0mol/l)、BaCl2(0.5mol/
l)の水溶液を約10g加え、以後上述の1種の金属イオン
置換と同様の処理を行った。2,7-異性体脱着剤は、混合
ジエチルベンゼン(ジエチルのパラ体24%、メタ体65
%、オルソ体5%を含有)を用いた。
【0047】2,7-異性体の吸着及び脱着は、以下に示す
方法で行った。 吸着分離実験;内容積30ccのオートクレーブ内に吸着剤
約4g、原料油約6.5g、脱着剤として混合ジエチルベン
ゼン(ジエチルのパラ体24%、メタ体65%、オルソ体5
%を含有)約1.5g仕込み、攪拌しながら温度を一定に
し、120分保った。濾過により吸着剤と原料残液を分離
し、吸着剤中の吸着物は吸着剤をイソオクタンで洗浄
後、トルエン溶媒を用いてソックスレー抽出により脱着
させた。原料残液(液相)及び吸着物(吸着相)の組成
をガスクロマトグラフィーにより分析し、その相対分離
係数を算出し、その結果を表3に示す。
方法で行った。 吸着分離実験;内容積30ccのオートクレーブ内に吸着剤
約4g、原料油約6.5g、脱着剤として混合ジエチルベン
ゼン(ジエチルのパラ体24%、メタ体65%、オルソ体5
%を含有)約1.5g仕込み、攪拌しながら温度を一定に
し、120分保った。濾過により吸着剤と原料残液を分離
し、吸着剤中の吸着物は吸着剤をイソオクタンで洗浄
後、トルエン溶媒を用いてソックスレー抽出により脱着
させた。原料残液(液相)及び吸着物(吸着相)の組成
をガスクロマトグラフィーにより分析し、その相対分離
係数を算出し、その結果を表3に示す。
【0048】原料残液(液相)及び吸着物(吸着相)の
組成を、ガスクロマトグラフィーにより分析し、その相
対分離係数を算出し、その結果を表3に示す。この結果
より、追加イオンとしてSrを含んだ吸着剤は、K単独
のものと比較して異性体間の相対分離係数が大きく優れ
ていることが分かる。
組成を、ガスクロマトグラフィーにより分析し、その相
対分離係数を算出し、その結果を表3に示す。この結果
より、追加イオンとしてSrを含んだ吸着剤は、K単独
のものと比較して異性体間の相対分離係数が大きく優れ
ていることが分かる。
【0049】
【表3】
【0050】第1吸着剤として表1の吸着剤No.1を用
い、原料として表2に示したジイソプロピルナフタレン
異性体20重量部に対して、脱着剤として表4に示した各
種脱着剤を80重量部加えたものを用い、上記と同様にし
て吸着分離実験を行った。
い、原料として表2に示したジイソプロピルナフタレン
異性体20重量部に対して、脱着剤として表4に示した各
種脱着剤を80重量部加えたものを用い、上記と同様にし
て吸着分離実験を行った。
【0051】2,7-異性体を基準とした相対分離係数βを
算出した結果を表4に示す。この結果より、2,7-異性体
に吸着力が最も近似する異性体のβ値ができるだけ大き
く、かつ、脱着剤のβ値は、2,7-異性体と2,7-異性体と
吸着力が最も近似する異性体とのβ値の間にあるので、
特定組成の純−ジエチルベンゼンが好ましい。
算出した結果を表4に示す。この結果より、2,7-異性体
に吸着力が最も近似する異性体のβ値ができるだけ大き
く、かつ、脱着剤のβ値は、2,7-異性体と2,7-異性体と
吸着力が最も近似する異性体とのβ値の間にあるので、
特定組成の純−ジエチルベンゼンが好ましい。
【0052】
【表4】
【0053】(III) 2,6-異性体分離工程 第2吸着剤として、前記で用いたNa−Y型ゼオライト
を用い、2,6-異性体脱着剤として表5に示す脱着剤をジ
イソプロピルナフタレン異性体20重量部に対して80重量
部を用いた他は、2,7-異性体分離工程と同様に行った。
を用い、2,6-異性体脱着剤として表5に示す脱着剤をジ
イソプロピルナフタレン異性体20重量部に対して80重量
部を用いた他は、2,7-異性体分離工程と同様に行った。
【0054】2,6-異性体を基準とした相対分離係数βを
算出した結果を表5に示す。この結果より、2,6-異性体
に吸着力が最も近似する異性体のβ値ができるだけ大き
く、かつ、脱着剤のβ値は、2,6-異性体と2,6-異性体と
吸着力が最も近似する異性体とのβ値の間にあるので、
特定組成の純−ジエチルベンゼンが好ましい。
算出した結果を表5に示す。この結果より、2,6-異性体
に吸着力が最も近似する異性体のβ値ができるだけ大き
く、かつ、脱着剤のβ値は、2,6-異性体と2,6-異性体と
吸着力が最も近似する異性体とのβ値の間にあるので、
特定組成の純−ジエチルベンゼンが好ましい。
【0055】
【表5】
【0056】実施例2 実施例1の表2に示した原料から2,7-ジイソプロピルナ
フタレンの吸着分離を図1に示した擬似移動床式連続吸
着分離装置を用いて実施した。第1吸着剤として、実施
例1に示したカリウム−ストロンチウム置換Y型ゼオラ
イト吸着剤を用い、2,7-異性体脱着剤として、純−ジエ
チルベンゼン(メタ体67%、パラ体26%、オルソ体6
%、純度99%以上)を用いた。
フタレンの吸着分離を図1に示した擬似移動床式連続吸
着分離装置を用いて実施した。第1吸着剤として、実施
例1に示したカリウム−ストロンチウム置換Y型ゼオラ
イト吸着剤を用い、2,7-異性体脱着剤として、純−ジエ
チルベンゼン(メタ体67%、パラ体26%、オルソ体6
%、純度99%以上)を用いた。
【0057】第1吸着剤を内容積70mlのカラム吸着室1
〜16に充填し、ライン19から原料を、ライン17より2,7-
異性体脱着剤をそれぞれ供給し、ライン18よりエクスト
ラクト及びライン20からラフィネートをそれぞれ抜き出
した。そして、表6に示す様に、原料及び脱着剤供給
量、エクストラクト、ラフィネート抜き出し量を変え
て、各操作帯域の流量を変化させた。また、原料及び脱
着剤の各供給ライン及びエクストラクト及びラフィネー
トの各抜き出しラインは液流れ方向に吸着室1個分だ
け、一定時間経過毎に同時に移動させた。この際の各帯
域の吸着剤流量(S)は818cc/hrであった。なお、吸脱着
温度は175℃に保持した。
〜16に充填し、ライン19から原料を、ライン17より2,7-
異性体脱着剤をそれぞれ供給し、ライン18よりエクスト
ラクト及びライン20からラフィネートをそれぞれ抜き出
した。そして、表6に示す様に、原料及び脱着剤供給
量、エクストラクト、ラフィネート抜き出し量を変え
て、各操作帯域の流量を変化させた。また、原料及び脱
着剤の各供給ライン及びエクストラクト及びラフィネー
トの各抜き出しラインは液流れ方向に吸着室1個分だ
け、一定時間経過毎に同時に移動させた。この際の各帯
域の吸着剤流量(S)は818cc/hrであった。なお、吸脱着
温度は175℃に保持した。
【0058】表6に各実施でのエクストラクト中の2,7-
ジイソプロピルナフタレンの純度及び回収率を示す。
ジイソプロピルナフタレンの純度及び回収率を示す。
【0059】
【表6】
【0060】上記で得られたラフィネートから2,7-異性
体脱着剤を蒸留により除去し、表7に組成を示したジイ
ソプロピルナフタレン混合物を得た。表7のジイソプロ
ピルナフタレン混合物からの2,6-ジイソプロピルナフタ
レンの分離を図1に示した擬似移動床式連続吸着分離装
置を用いて実施した。分離操作においては、第2吸着剤
として比表面積径が0.5mmのNa−Y型ゼオライト吸着剤
そして2,6-異性体脱着剤として純−ジエチルベンゼンを
用いた。
体脱着剤を蒸留により除去し、表7に組成を示したジイ
ソプロピルナフタレン混合物を得た。表7のジイソプロ
ピルナフタレン混合物からの2,6-ジイソプロピルナフタ
レンの分離を図1に示した擬似移動床式連続吸着分離装
置を用いて実施した。分離操作においては、第2吸着剤
として比表面積径が0.5mmのNa−Y型ゼオライト吸着剤
そして2,6-異性体脱着剤として純−ジエチルベンゼンを
用いた。
【0061】第2吸着剤を内容積70mlのカラム吸着室1
〜16に充填し、ライン19から原料を25ml/hrで供給し、
ライン17より2,6-異性体脱着剤を80ml/hrで供給した。
ライン18よりエクストラクトを70ml/hrで抜き出し、ラ
イン20からラフィネートを35ml/hrで抜き出した。この
時480秒間隔で原料及び2,6-異性体脱着剤の各供給ライ
ン及びエキストラクト及びラフィネートの各抜出しライ
ンを同時に液流れ方向に吸着室一室分だけそれぞれ移動
させた。2,6-ジイソプロピルナフタレンはエクストラク
トから得られ、その2,6-ジイソプロピルナフタレン濃度
は脱着剤フリーベースで99.2wt%、回収率は94wt%であ
った。
〜16に充填し、ライン19から原料を25ml/hrで供給し、
ライン17より2,6-異性体脱着剤を80ml/hrで供給した。
ライン18よりエクストラクトを70ml/hrで抜き出し、ラ
イン20からラフィネートを35ml/hrで抜き出した。この
時480秒間隔で原料及び2,6-異性体脱着剤の各供給ライ
ン及びエキストラクト及びラフィネートの各抜出しライ
ンを同時に液流れ方向に吸着室一室分だけそれぞれ移動
させた。2,6-ジイソプロピルナフタレンはエクストラク
トから得られ、その2,6-ジイソプロピルナフタレン濃度
は脱着剤フリーベースで99.2wt%、回収率は94wt%であ
った。
【0062】
【表7】
【0063】比較例 実施例2の2,6-異性体分離工程で用いたものと同一の原
料及び2,6-異性体脱着剤を用い、比表面積径が2.0mmの
Na−Y型ゼオライトを第2吸着剤として用い、実施例
2の2,6-異性体分離工程と同一条件で図1に示す擬似移
動床式連続吸着分離装置により実施した。2,6-ジイソプ
ロピルナフタレンは、エクストラクトから得られ、その
2,6-−ジイソプロピルナフタレン濃度は2,6-異性体脱着
剤フリーベースで97重量%、回収率は50重量%であっ
た。
料及び2,6-異性体脱着剤を用い、比表面積径が2.0mmの
Na−Y型ゼオライトを第2吸着剤として用い、実施例
2の2,6-異性体分離工程と同一条件で図1に示す擬似移
動床式連続吸着分離装置により実施した。2,6-ジイソプ
ロピルナフタレンは、エクストラクトから得られ、その
2,6-−ジイソプロピルナフタレン濃度は2,6-異性体脱着
剤フリーベースで97重量%、回収率は50重量%であっ
た。
【0064】
【発明の効果】本発明は、ジイソプロピルナフタレン異
性体混合物から2,6-ジイソプロピルナフタレン及び2,7-
ジイソプロピルナフタレンを高純度で分離回収すること
ができる。
性体混合物から2,6-ジイソプロピルナフタレン及び2,7-
ジイソプロピルナフタレンを高純度で分離回収すること
ができる。
【図1】本発明の2,7-及び2,6-ジイソプロピルナフタレ
ンの分離方法を実施するための擬似移動床による吸着分
離装置の模式図である。
ンの分離方法を実施するための擬似移動床による吸着分
離装置の模式図である。
【図2】本発明の2,7-及び2,6-ジイソプロピルナフタレ
ンの分離方法の一実施例を示すフローシートである。
ンの分離方法の一実施例を示すフローシートである。
【図3】本発明の2,7-及び2,6-ジイソプロピルナフタレ
ンの分離方法の他の実施例を示すフローシートである。
ンの分離方法の他の実施例を示すフローシートである。
1〜16…吸着室 17…脱着剤供給ライン 18…エクストラクト抜出しライン 19…原料混合物供給ライン 20…ラフィネート抜出ライン 21…リサイクルライン 22…リサイクルポンプ 31…蒸留塔 32…2,7-異性体吸着分離装置 38…2,6-異性体吸着分離装置
フロントページの続き (72)発明者 谷口 博昭 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 白戸 義美 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 志村 光則 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 ジイソプロピルナフタレンの各種異性体
を含む原料混合物を2,7-異性体を選択的に吸着するゼオ
ライトPからなる第1吸着剤で処理して2,7-異性体を吸
着し、2,7-異性体吸着残液を分離した後、該第1吸着剤
を2,7-異性体脱着剤で処理して2,7-異性体と脱着剤の混
合物をうる2,7-異性体分離工程と、2,6-異性体を選択的
に吸着するゼオライトQからなる第2吸着剤で処理して
2,6-異性体を吸着し、2,6-異性体吸着残液を分離した
後、該第2吸着剤を2,6-異性体脱着剤で処理して2,6-異
性体と脱着剤の混合物である2,6-異性体吸着脱着液をう
る2,6-異性体分離工程よりなり、前記ゼオライトPがL
i、K、Na、Ba及びPbから選ばれた1種又は2種以上
の金属イオンでイオン交換されたY型ゼオライトで、か
つ追加イオン種としてSr、Cu、Zn、Zr、Ge及びSe
から選ばれた1種又は2種以上を含むものであるか又は
これらの混合物であり、ゼオライトQがNa、Ba、Pb
及びSrから選ばれた1種又は2種以上の金属イオンで
イオン交換されたY型ゼオライトであるか又はこれらの
混合物である2,6-又は2,7-ジイソプロピルナフタレンの
分離方法。 - 【請求項2】 前記ゼオライトP及び前記ゼオライトQ
の金属イオン交換率が、いずれも交換可能総カチオンモ
ル数の80%以上であることを特徴とする請求項1に記載
の2,6-又は2,7-ジイソプロピルナフタレンの分離方法。 - 【請求項3】 ジイソプロピルナフタレンの各種異性体
を含む原料混合物を2,7-異性体を選択的に吸着するゼオ
ライトPからなる第1吸着剤で処理して2,7-異性体を吸
着し、2,7-異性体吸着残液を分離した後、該第1吸着剤
を2,7-異性体脱着剤で処理して2,7-異性体と脱着剤の混
合物をうる2,7-異性体分離工程と、2,6-異性体を選択的
に吸着するゼオライトQからなる第2吸着剤で処理して
2,6-異性体を吸着し、2,6-異性体吸着残液を分離した
後、該第2吸着剤を2,6-異性体脱着剤で処理して2,6-異
性体と脱着剤の混合物である2,6-異性体吸着脱着液をう
る2,6-異性体分離工程よりなり、前記ゼオライトP及び
前記ゼオライトQが、いずれも比表面積径が1.5mm以下
の大きさを有する球状又はヌードル状に成型されている
2,6-又は2,7-ジイソプロピルナフタレンの分離方法。 - 【請求項4】 ジイソプロピルナフタレンの各種異性体
を含む原料混合物を2,7-異性体を選択的に吸着するゼオ
ライトPからなる第1吸着剤で処理して2,7-異性体を吸
着し、2,7-異性体吸着残液を分離した後、該第1吸着剤
を2,7-異性体脱着剤で処理して2,7-異性体と脱着剤の混
合物をうる2,7-異性体分離工程と、2,6-異性体を選択的
に吸着するゼオライトQからなる第2吸着剤で処理して
2,6-異性体を吸着し、2,6-異性体吸着残液を分離した
後、該第2吸着剤を2,6-異性体脱着剤で処理して2,6-異
性体と脱着剤の混合物である2,6-異性体吸着脱着液をう
る2,6-異性体分離工程よりなり、前記脱着剤、2,7-異性
体脱着剤及び2,6-異性体脱着剤の少なくとも一方がメタ
体が60〜75%、パラ体が20〜30%、オルソ体が2〜10%
の含有率である純度99%以上のジエチルベンゼンである
2,6-又は2,7-ジイソプロピルナフタレンの分離方法。 - 【請求項5】 前記第1吸着剤及び第2吸着剤による吸
着分離処理を、吸着剤を充填した複数個の吸着室を有す
る向流式擬似移動床を用い、吸着、濃縮、脱着及び脱着
剤回収からなる4つの操作を、高純度の製品を高収率で
うる室内の液流量及び吸着剤の移動量の条件下で、同時
かつ順次連続的に行うことを特徴とする請求項1、2、
3又は4に記載の2,6-又は2,7-ジイソプロピルナフタレ
ンの分離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19760891A JPH0539230A (ja) | 1991-08-07 | 1991-08-07 | 2,6−又は2,7−ジイソプロピルナフタレンの分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19760891A JPH0539230A (ja) | 1991-08-07 | 1991-08-07 | 2,6−又は2,7−ジイソプロピルナフタレンの分離方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0539230A true JPH0539230A (ja) | 1993-02-19 |
Family
ID=16377305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19760891A Pending JPH0539230A (ja) | 1991-08-07 | 1991-08-07 | 2,6−又は2,7−ジイソプロピルナフタレンの分離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0539230A (ja) |
-
1991
- 1991-08-07 JP JP19760891A patent/JPH0539230A/ja active Pending
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