JPH0537986U - 編み機用弾性糸供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この考案は、非弾性糸とともに編込まれる弾
性糸供給部において、クランプ力を押える力を容易に調
整することができ、かつ、構造が簡単な弾性糸供給装置
を提供することを目的とするものである。 【構成】 この考案の編み機用弾性糸供給装置は、機枠
に回転可能に支持されていて、編み機に弾性糸を送り込
む駆動ロ―ラと、前記駆動ロ―ラと協働して糸を挟むク
ランプ弾性ローラと、前記クランプ弾性ローラを支持し
ていて前記機枠に取り付けられているクランプ弾性ロ―
ラ回転支点の回りに回転移動可能なレバーと、前記駆動
ロ―ラに前記クランプ弾性ローラを押し付ける方向に前
記レバーを押圧するねじりばねと、前記ねじりばねのね
じれ角を調整するねじれ角調整機構を有し、前記ねじれ
角調整機構はその移動によって前記ねじりばねのねじれ
角を変化させるスライダーと、前記スライダーを移動さ
せるねじを有するねじ機構と、前記ねじに取り付けられ
ているつまみとを備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、編み機に例えば靴下、ボディス―ツや伸縮性のある編み製品を編成 するのに使用される弾性糸を送り込むにあたって、例えば制御装置からの信号に より送り量を自動的に可変させることができる弾性糸供給装置に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

一般に靴下、ボディス―ツや伸縮性のある編み製品を編成するのに使用される 弾性糸は比較的太い糸から細い糸まで使用している関係上、従来の弾性糸供給装 置をそのまま使用したのでは給糸開始時に断糸したり、給糸時に編地に編み目む らを生じることがある。 すなわち従来は靴下等の編み機において、弾性糸の供給装置は編み機シリンダ と機械的に連結しており、弾性糸の送り量の設定はクランプ弾性ロ―ラの位置を 調整することにより決定しており、編み機シリンダの回転速度に対し、前記クラ ンプ弾性ロ―ラの位置設定での弾性糸送り量が一定となり編み機稼働中において は弾性糸の送り量の可変ができない。

【０００３】 図５に従来の弾性糸供給装置の一例の概略図を示す。 すなわち図５において、編み機シリンダ１０１がモ―タ１０２等の回転駆動源 によって回転すると、連結シャフト１０３により各傘歯車１０４またはスパイラ ルギア等によって動力が分岐され回転力は弾性糸供給装置の回転ディスク１０５ に伝達され、回転ディスク１０５上に回転自在に置かれている弾性ロ―ラ１０６ は、回転ディスク中心１０７からの位置ｘによって回転速度が決まり弾性糸１０ ８の送り速度が決まる。 すなわち、弾性糸１０８の送り速度を可変する時は調整ねじ１０９によって回 転ディスク中心１０７からの位置ｘを可変しなければならなかった。なお、図５ の矢印方向は各々の回転方向を示す。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の弾性糸供給装置は、弾性糸を給糸する時、駆 動ロ―ラとクランプ弾性ロ―ラとで弾性糸を押圧して給糸開始する関係上、給糸 太さにより押圧力を可変させないと、断糸またはスリップにより給糸量に変動が 生じ、これが原因で編地に編み目むらを生じるおそれがある。つまり、一度設定 した給糸量は編み機のシリンダ回転に同期するだけであり、非同期した給糸量の 設定はできないからである。

【０００５】 本考案は、これらの欠点を解決するためになされたものであって、弾性糸を自 動的にかつ給糸量可変に給糸することができ、給紙時に、弾性糸の太さにより、 または駆動ロ―ラ前のテンションに応じて駆動ロ―ラとクランプ弾性ロ―ラとの 押圧力を可変にすることにより、給糸太さの変化、または給糸量の変化時にも安 定した弾性糸の給糸を可能にする弾性糸供給装置を提供することを目的としたも のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この目的に対応して、本考案の編み機用弾性糸供給装置は、機枠に回転可能に 支持されていて、編み機に弾性糸を送り込む駆動ロ―ラと、前記駆動ロ―ラと協 働して弾性糸を挟むクランプ弾性ローラと、前記クランプ弾性ローラを支持して いて前記機枠に取り付けられているクランプ弾性ロ―ラ回転支点の回りに回転移 動可能なレバーと、前記駆動ロ―ラに前記クランプ弾性ローラを押し付ける方向 に前記レバーを押圧するねじりばねと、前記ねじりばねのねじれ角を調整するね じれ角調整機構を有し、前記ねじれ角調整機構はその移動によって前記ねじりば ねのねじれ角を変化させるスライダーと、前記スライダーを移動させるねじを有 するねじ機構と、前記ねじに取り付けられているつまみとを備えることを特徴と している。

【０００７】

【作用】 弾性糸は、駆動ロ―ラとクランプ弾性ローラに挟圧される。モータの回転によ って駆動ローラが回転し、弾性糸に送りが与えられる。又、クランプ弾性ローラ が、弾性糸を駆動ロ―ラと協働して、挟圧し、弾性糸に押え力を与える。弾性糸 の押え力を変更する場合には、つまみを回転させて、ねじりばねのねじり角を変 更する。ねじりばねのねじり角が変更することによって、レバーを押圧するばね 力が変化し最終的にクランプ弾性ローラが弾性糸を挟圧する弾性圧力が調整され る。

【０００８】

【実施例】

以下、この考案の弾性糸供給装置を一実施例を示す図面について説明する。図 １から図４において、１は弾性糸供給装置である。弾性糸供給装置１は協働して 弾性糸２に送りを与え、かつ、弾性糸２を押し挟圧する駆動ロ―ラ３とクランプ 弾性ローラ４を備えている。駆動ロ―ラ３とクランプ弾性ローラ４とは、弾性糸 ２の通路５を挟んで対向して位置している。駆動ロ―ラ３は回転軸６を介してメ インフレーム７に回転可能に支持されている。回転軸６の他端にはベルトプーリ ８が取り付けられており、一方、メインフレーム７にはモータ１１が取り付けら れており、モータ１１の出力軸１２には、ベルトプーリ１３が取り付けられてお り、ベルトプーリ８とベルトプーリ１３の間にはタイミングベルト１４が掛けら れていて、このタイミングベルト１４によってモータ１１の回転が駆動ロ―ラ３ に伝達される構造になっている。

【０００９】 一方、クランプ弾性ローラ４はレバー１５に回転可能に取り付けられている。 レバー１５はメインフレーム７に固定されているレバーシャフト１６の回りに回 転可能である。レバー１５がレバーシャフト１６の回りに回転変位するすること によって、クランプ弾性ローラ４は駆動ロ―ラ３に対して接離する。レバー１５ にはクランプ弾性ローラ４が駆動ロ―ラ３に押し付けられる方向に、弾性ばね力 を作用させるねじりばね１７の弾性ばね力が作用している。ねじりばね１７はレ バーシャフト１６の周囲に位置しており、ねじりばね１７の一端１８はレバーシ ャフト１６に固着している。

【００１０】 一方、ねじりばね１７の他端２１は、調整カラー２２に固着している。調整カ ラー２２はほぼ板状をなしており、貫通孔２３を有する。調整カラー２２はこの 貫通口２３でレバーシャフト１６の外側に嵌合していてレバーシャフト１６の回 りに回転可能である。従って、調整カラー２２をレバーシャフト１６の回りに回 転させることによって、ねじりばね１７のねじれ量を変化させることができる。 この調整カラー２２の回転は、スライダー２５と送りねじ機構２４によって行わ れる。

【００１１】 送りねじ機構２４は送りねじ２６を備えている。送りねじ２６はメインフレー ム７に回転可能に支持されている。送りねじ２６の端部にはつまみ２７が取り付 けられている。送りねじ２６は、この実施例の場合、外ねじになっている。この 送りねじ２６には、スライダー２５が螺合している。

【００１２】 スライダー２５は内ねじを有していて、その内ねじで送りねじ２６の外ねじに 螺合している。従って、送りねじ２６を回転させるとスライダー２５は送りねじ ２６の軸方向に直線変位する。スライダー２５からはシャフト３１が突出してお り、このシャフト３１が調整カラー２２の溝３２に摺動可能に嵌合している。従 って、スライダー２５は直線方向に移動することによって、シャフト３１が調整 カラー２２を押してカラー２２をレバーシャフト１６の回りに回転させる。

【００１３】 このように、構成された弾性糸供給装置においては、弾性糸２は、糸ガイド３ ３を通して通路５に案内され、駆動ロ―ラ３とクランプ弾性ローラ４に挟圧され る。モータ１１の回転によって駆動ローラ３が回転し、弾性糸に送りが与えられ る。又、クランプ弾性ローラ４が、弾性糸２を駆動ロ―ラ３と協働して、挟圧し 、弾性糸２に押え力を与える。弾性糸２の押え力を変更する場合には、つまみ２ ７を回転させて送りねじ２６を回転させる。送りねじ２６が回転することによっ て、これに螺合している。

【００１４】 スライダー２５が直線変位し、調整カラー２２が押されてレバーシャフト１６ の回りに回転し、ねじりばね１７のねじり角を変更する。ねじりばね１７のねじ り角が変更することによって、レバー１５を押圧するばね力が変化し最終的にク ランプ弾性ローラ４が弾性糸２を挟圧する弾性圧力が調整されることになる。

【００１５】

【考案の効果】

このように、本考案の弾性糸供給装置では、外から、つまみを回転させるだけ で、クランプ弾性ローラ４の押圧力を変化させることができ、従って、弾性糸２ に与える押え力の調整が容易である。しかも、この調整のために必要な機構とし ては、調整カラーとスライダー、及び、ねじ送り機構２４を必要とするだけなの で、構造も極めて簡単である。

【００１６】 なお、以上の説明では、メインフレーム７が露出した状態について説明したが 、つまみ２７、駆動ロ―ラ３、クランプ弾性ローラ４など外部に露出している必 要がある部分を除いては、すべて、カバー３４で覆う構造としてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】弾性糸供給装置の正面図である。

【図２】弾性糸供給装置の縦断面図である

【図３】ねじ送り機構の拡大縦断面図である。

【図４】図２におけるＡーＡ断面拡大部分図である。

【図５】従来の弾性糸供給装置を示す斜視説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 弾性糸供給装置 ２ 弾性糸 ３ 駆動ロ―ラ ４ クランプ弾性ローラ ５ 通路 ６ 回転軸 ７ メインフレーム ８ ベルトプーリ １１ モータ １２ 出力軸 １３ ベルトプーリ １４ タイミングベルト １５ レバー １６ レバーシャフト １７ ねじりばね １８ ねじりばねの一端 ２１ ねじりばねの他端 ２２ 調整カラー ２３ 貫通孔 ２４ 送りねじ機構 ２５ スライダー ２６ 送りねじ ２７ つまみ ３１ シャフト ３２ 溝 ３３ 糸ガイド ３４ カバー １０１ 編み機シリンダ １０２ モ―タ １０３ 連結シャフト １０４ 傘歯車 １０５ 回転ディスク １０６ 弾性ロ―ラ １０７ 回転ディスク中心 １０８ 弾性糸 １０９ 調整ねじ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機枠に給系駆動ロ―ラが回転可能に支持
   されていて、編み機に弾性糸を送り込む駆動ロ―ラと、
   前記駆動ロ―ラと協働して弾性糸を挟むクランプ弾性ロ
   ーラと、前記クランプ弾性ローラを支持していて前記機
   枠に取り付けられているクランプ弾性ロ―ラ回転支点の
   回りに回転移動可能なレバーと、前記駆動ロ―ラに前記
   クランプ弾性ローラを押し付ける方向に前記レバーを押
   圧するねじりばねと、前記ねじりばねのねじれ角を調整
   するねじれ角調整機構を有し、前記ねじれ角調整機構は
   その移動によって前記ねじりばねのねじれ角を変化させ
   るスライダーと、前記スライダーを移動させるねじを有
   するねじ機構と、前記ねじに取り付けられているつまみ
   とを備えることを特徴とする弾性糸供給装置。