JPH053790A - デヒドロペプチダーゼ−i - Google Patents

デヒドロペプチダーゼ−i

Info

Publication number
JPH053790A
JPH053790A JP3115493A JP11549391A JPH053790A JP H053790 A JPH053790 A JP H053790A JP 3115493 A JP3115493 A JP 3115493A JP 11549391 A JP11549391 A JP 11549391A JP H053790 A JPH053790 A JP H053790A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dhp
dna
plasmid
amino acid
cdna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3115493A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Sato
晋 佐藤
Kazuyuki Otsuka
一幸 大塚
Tomoji Koyama
智士 小山
Yuriko Keida
由利子 慶田
Mineo Niwa
峰雄 丹羽
Masakazu Kobayashi
正和 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP3115493A priority Critical patent/JPH053790A/ja
Publication of JPH053790A publication Critical patent/JPH053790A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 代謝系に関与する生理活性物質であると同時
にカルバペネム系抗生物質に特異的に作用するデヒドロ
ペプチダーゼ−I(DHP−I)のDNA組換え技術に
よる製造。 【構成】 ブタ腎臓から得たDHP−IのmRNAから
得たcDNAをクローニングし、適当な発現ベクターに
挿入し、得られたDHP−I発現ベクターを用いて宿主
細胞を形質転換し、その培養物から活性な組換えDHP
−Iを回収する。また、ブタDHP−IをコードするD
NAからプローブを調製し、ヒト腎cDNAライブラリ
ーをスクリーニングしてヒトDHP−Iをコードするc
DNAを得、活性な組換えDHP−Iを調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、DNA組換え技術によ
るデヒドロペプチダーゼ−I(以下、DHP−Iと称す
る)[E.C.3.4.13.11]の製造に関する。さらに詳
しくは、本発明は、ヒトDHP−IまたはブタDHP−
IをコードするDNA、該DNAを担持する発現ベクタ
ー、該発現ベクターで形質転換された宿主細胞、および
該形質転換体を培養することからなるDHP−Iの製造
方法、並びにそのようにして製造された遺伝子組換えD
HP−Iに関するものである。
【0002】
【従来技術】DHP−Iは主としてヒトおよびブタの腎
臓から単離、抽出されており、その生理学的作用の解明
もなされている。アダチ(H.Adachi)ら[J.Bioche
m.,105,957−961(1989)]は、ヒト腎臓
からDHP−Iを抽出精製し、そのN−末端アミノ酸配
列を明らかにすると共に、それがグルタチオンおよびロ
イコトリエンの代謝に重要な役割を担っていることを示
した。さらに、アダチら[J.Biol.Chem.265(19
90),3992−3995]は、ヒト腎臓および胎盤の
cDNAライブラリーからDHP−IをコードするcDN
Aクローンを単離してクローニングし、ヌクレオチド配
列を決定して、全アミノ酸配列の推定を行った。
【0003】上記のように、DHP−Iは生体の代謝系
に関与する生理活性物質であると同時にカルバペネム系
抗生物質に特異的に作用する物質であることも分かって
いる。従って、DHP−Iは、本来の生理活性に基づく
用途の外に、カルバペネム抗生物質の生体内での安定性
試験に用いられる試薬としても有用と考えられる。この
種の抗生物質のスクリーニング試薬は、新規で有効な抗
生物質を開発するためには、数多くの候補物質の中から
活性および安定性に関して最良の性質を有する物質の検
索が必須であるという理由から、医薬関連技術分野では
極めて重要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】DHP−Iの生理学的
作用の一層の研究および開発を促進すると共に、カルバ
ペネム抗生物質のスクリーニング試薬として実用化する
には、充分量のDHP−Iが供給されねばならない。し
かしながら、従来行われていた腎臓から抽出し精製する
方法では、上記目的の達成に充分な量および純度のDH
P−Iを得ることは不可能である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の実
情に鑑み、遺伝子組換え技術により高純度のブタおよび
ヒトのDHP−Iを充分量、製造することを目的として
研究を重ね、ヒトおよびブタ腎臓のDHP−Iをコード
するcDNAのクローニングに成功した。即ち、本発明
者らは、ブタ腎臓から得たDHP−ImRNAを逆転写
してcDNAを得、それをクローニングし、次いで、D
HP−IをコードするDNAを適当な発現ベクターに挿
入し、得られたDHP−I発現ベクターを用いて宿主細
胞を形質転換し、形質転換体の培養物から活性なDHP
−Iを回収した。
【0006】ブタDHP−IをコードするDNAのクロ
ーニングは、当該技術分野の常法に従って行われた。即
ち、ブタDHP−Iをブタ腎臓皮質から精製し、SDS
ポリアクリルアミドゲル電気泳動によってその分子量が
約43Kダルトンであることを確認した。その中間部分
の約15アミノ酸の配列に基づいてプローブを作成し
た。他方TotalRNAを得、PolyA RNAから逆転写
酵素の作用によりcDNAライブラリーを作成した。
【0007】このcDNAライブラリーから上記DNA
プローブを用いたコロニーハイブリダイゼーションの方
法によって所望のクローンをスクリーニングし、プラス
ミドppcDHP71を得た。このものはDHP−IのN
−末端が欠失したポリペプチドのcDNAを含有してい
ることが分かった。そこで、プラスミドppcDHP71
にクローニングされているcDNAの5'−末端から37
塩基のDNA断片をプローブとして上記cDNAライブ
ラリーを再度スクリーニングし、完全長のDHP−Ic
DNAを含有するプラスミドppcDHP23を得た。こ
れらプラスミドppcDHP71およびppcDHP23にク
ローニングされているcDNAの塩基配列および推定の
アミノ酸配列をそれぞれ、添付の図1〜2および図3〜
5に示す。これらのDNA配列は表1に示すように、塩
基配列並びにアミノ酸配列が一部異なる2種類のDHP
−IcDNAである。
【0008】次いで、完全長のDHP−Iを担持するプ
ラスミドppcDHP23から切断したDHP−IのN−
末端配列をコードしているDNAを含む断片にppcDH
P71に担持されている先端を欠失したDHP−IDN
Aを連結することにより、得られたDNAを含有する、
哺乳類宿主細胞内で機能的な発現ベクター、プラスミド
pDHP2を構築した。他方、ppcDHP23に担持され
ている完全長のDHP−IをコードするDNAを含有す
る発現ベクター、プラスミドpDHP6を構築した。
【0009】
【表1】 DNA配列の異なる部位 アミノ酸の変化 ppcDHP71 ppcDHP23 ppcDHP71 ppcDHP23 168 508 Gln Arg 304 644 変化なし 445 785 変化なし 717 1057 Leu Ser 718 1058 Leu Ser 919 1259 変化なし 988 1328 変化なし 1016 1356 変化なし *:DNAの番号はそれぞれクローニングされた cDNAの最初のヌクレオチドを1とした数
【0010】これらの発現ベクターでマウスL929細
胞を形質転換(トランスフェクション)すると、同等の発
現効率を有する形質転換体(トランスフェクタント)、P
DHP2−1およびPDHP6−2が得られた(比活性
に換算した発現量、33ng/ml)。さらに二回目のクロ
ーニングでは、pDHP2によるトランスフェクタント
から、高発現細胞PDHP2−12−3(比活性に換算
した発現量、259ng/ml)が得られた。このことは、
プラスミドpDHP2に担持されている、連結されたD
NAが成熟ブタDHP−IをコードするDNAであるこ
とを示している。該プラスミドpDHP2にコードされ
ているDNAの塩基配列および推定のアミノ酸配列を図
12〜13に示す。
【0011】次いで、ヒト腎臓のDHP−Iをコードす
るDNAをクローニングした。ブタDHP−Iをコード
するcDNAを含むプラスミドppcDHP23のSmaI−
KpnI断片をプローブとして用い、市販品から入手した
ヒト腎臓のcDNAライブラリーをスクリーニングして
ヒトDHP−IをコードするcDNAを得た。このDN
A配列および推定のアミノ酸配列を図6〜8に示す。こ
のヒト由来のDHP−IcDNAは、ブタ由来のものと
約80%の相同性を有している。
【0012】図6〜8に記載の塩基配列とアダチら(前
掲)により開示された塩基配列には幾つかの相違点があ
り、従って、コードされるアミノ酸配列に相違が認めら
れる。このような理由から、本発明のヒトDHP−Ic
DNAは文献記載のものと別物質と考えられる。
【0013】次いで、得られたヒトDHP−IcDNA
を用いて動物細胞で機能的な発現ベクター、プラスミド
pDHP8を構築し、マウスL929細胞を形質転換し
て高発現クローンPDHP8−13−15(比活性に換
算した発現量:1μg/ml)を得た。上記各形質転換体の
培養物から調製した酵素標品は、後述する実施例に示す
ように、グリシルデヒドロフェニルアラニンを基質とす
るDHP−Iアッセイで活性を示した。
【0014】従って、本発明は、図3〜5、図6〜8ま
たは図12〜13のいずれかに記載のアミノ酸配列を有
し、DHP−I酵素活性を有するポリペプチドをコード
するDNAを提供するものである。これらのDNAは受
託番号:微工研条寄第2780号、微工研条寄第278
1号および微工研条寄第2782号の下で通商産業省工
業技術院微生物工業技術研究所に寄託されている菌株
scherichia coli MM294(pDHP2)、Escherichi
a coli HB101(pDHP6)、Escherichia coli
B101(pDHP8)から常法通り単離することができ
る。
【0015】また本発明は、上記DNAのいずれかを含
有する発現ベクターを提供するものである。さらに、本
発明は、上記いずれかの発現ベクターを保持する形質転
換体、並びに該形質転換体を培養し、その培養物からD
HP−Iを単離することからなる、成熟DHP−Iの製
造方法に関するものである。さらに本発明は、上記の方
法で製造された成熟DHP−Iを提供するものである。
【0016】本明細書中、“成熟DHP−I"として
は、図3〜5(アミノ酸配列1〜393で示されるポリ
ペプチド)、図6〜8(アミノ酸配列1〜395で示され
るポリペプチド)または図12〜13(アミノ酸配列1〜
393で示されるポリペプチド)に示されるポリペプチ
ドと同一のアミノ酸配列を有し、グリコシル化の種類お
よび程度が異なるDHP−I酵素活性を有するポリペプ
チド、並びにそれら各DHP−Iとは異なる末端(N−
末端および/またはC−末端)アミノ酸配列を有し、D
HP−Iの酵素活性を有するポリペプチドが挙げられ
る。遺伝子組換え手法でポリペプチドを生産する場合、
宿主細胞の種類により、目的ポリペプチドのグリコシル
化の種類や程度の異なったものが得られることや、いわ
ゆるポリペプチドの分泌生産法において、宿主細胞中で
発現された前駆体ポリペプチドの末端(N−末端および
/またはC−末端)アミノ酸配列がシグナル・ペプチダ
ーゼ等によりプロセッシングを受け、種々の末端アミノ
酸配列を持つポリペプチドが得られることは当業者に周
知である。従って、そのようなポリペプチドも本発明の
“成熟DHP−I"の範囲に含まれることは、当業者な
らば容易に理解し得ることである。
【0017】下記実施例には、発現ベクターとして哺乳
類動物細胞内で機能するベクターの構築例のみが示され
ている。しかしながら、本発明でヒトおよびブタDHP
−IをコードするDNAが開示されている結果、これら
に基づいて、酵母等の真菌類、並びに原核性細胞宿主に
導入したとき、該宿主にDHP−Iを発現、産生させ得
る発現ベクターを構築することは、当業者にとって容易
である。従って、本発明は、本発明のDNA配列に基づ
き、当該技術分野既知の方法で構築される発現ベクター
をも包含するものである。
【0018】本発明のDHP−I DNAを発現させる
ために用い得る微生物細胞には、例えば、原核性の細菌
[大腸菌(Escherichia coli)や枯草菌(Bacillus subti
lis)]および真核性の酵母[例えばパン酵母菌(Saccarom
yces cerevisiae)]がある。また、哺乳類細胞には培養
ヒト細胞および培養動物細胞(例えばCHO細胞、L9
29細胞等)が含まれる。さらには培養植物細胞も用い
得る。
【0019】微生物の例としてはエシェリヒア属に属す
る細菌(例えば.coli HB101ATCC 3369
4、.coli HB101−16 FERM BP−187
2、.coli MM294 ATCC 31446、.col
i DH1 ATCC 33849 等)およびパン酵母(例
えば.cerevisiae AH22 ATCC 38626等)
がある。哺乳動物細胞の例としてはマウスL929細胞
およびチャイニーズ・ハムスター・オバリー(CHO)細
胞等がある。
【0020】通常、原核生物である細菌、特に大腸菌を
宿主細胞として用いる場合、発現ベクターは少なくとも
プロモーター、開始コドン、DHP−Iのアミノ酸配列
をコードするDNA、終止コドンおよび自己複製可能ユ
ニット(単位)から構成される。真核生物、即ち酵母や哺
乳動物細胞を宿主細胞として用いる場合、発現ベクター
は、少なくともプロモーター、開始コドン、シグナルペ
プチド、DHP−Iのアミノ酸配列をコードするDNA
および終止コドンから構成されるのが好ましい。さらに
エンハンサー配列、DHP−Iの5'−および3'−非コ
ード領域、ポリアデニル化部位および自己複製可能単位
を挿入することもできる。
【0021】上記の自己複製可能単位は、形質転換体の
選択マーカー(たとえば、アンピシリン耐性)を含有して
いることが好ましい。細菌を宿主とする発現ベクターの
場合、プロモーターという語句は、プロモーター、オペ
レーターおよびシャイン−ダルガーノ(SD)配列(たと
えばAAGG等)からなるプロモーター・オペレーター
領域を意味する。そのようなプロモーターの例として
は、慣用のプロモーター・オペレーター領域(たとえ
ば、ラクトースオペロン、PL−プロモーター、trp−
プロモーター等)が挙げられる。酵母を宿主とする発現
ベクターに用いられるプロモーターの例としてはpho
プロモーターが挙げられる。
【0022】哺乳動物細胞における発現ベクターに用い
られるプロモーターの例としては、HTLV−LTRプ
ロモーター、SV40初期および後期プロモーター、マ
ウス・メタロチオネインI(MMT)−プロモーター等が
挙げられる。好ましい開始コドンの例としてメチオニン
コドン(ATG)が挙げられる。シグナルペプチドをコー
ドするDNAとしてはpho5およびDHP−Iのシグナ
ルペプチドをコードするDNAが挙げられる。
【0023】DHP−Iのアミノ酸配列をコードするD
NAは、たとえば、DNA合成装置を用いて、部分合成
または全合成するか、あるいは形質転換体[たとえば.
coliMM294(ppcDHP23)]から得られるベクター
(ppcDHP23)に挿入されている天然DHP−IのcD
NA、またはゲノムDNAを常法通り処理する(たとえ
ば、制限酵素による消化、細菌アルカリホスファターゼ
による脱燐酸化、T4ポリヌクレオチドキナーゼによる
燐酸化、T4DNAリガーゼを用いたライゲーション)
ことによって調製することができる。
【0024】終止コドンの例としては慣用されている終
止コドン(例えばTAG、TGA、等)が挙げられる。自
己複製可能ユニットとは、それを含有する発現ベクター
の全DNAを宿主細胞中で自己複製しうるDNA配列で
あって、天然のプラスミド、人工的に修飾したプラスミ
ド(たとえば、天然プラスミドから調製したDNA断片)
および合成プラスミドが挙げられる。そのようなプラス
ミドの好ましい例としては、大腸菌を宿主細胞とする場
合、例えばプラスミドpBR322またはその人工修飾
体(pBR322の適当な制限酵素処理によって得られた
DNA断片)が挙げられ、酵母を宿主細胞とする場合、
例えば、pJDB219、pJDB207、pMM102
が挙げられる。さらに、動物細胞用プラスミドとして
は、例えばプラスミドpMM324、プラスミドpSV2
dhfr ATCC37145、プラスミドpdBPV−MM
Tneo ATCC37224、プラスミドpSV2neo A
TCC37149が挙げられる。
【0025】エンハンサー配列としては、例えばSV4
0のエンハンサー配列が挙げられる。ポリアデニル化部
位としては、例えばSV40のポリアデニル化部位が挙
げられる。
【0026】動物細胞、特に哺乳動物細胞を宿主とする
本発明の発現ベクターは、エンハンサー配列、プロモー
ター領域、5'−非コード領域、開始コドン、シグナル
ペプチドおよびDHP−Iのアミノ酸配列をコードする
DNA、終止コドン、3'−非コード領域、およびポリ
アデニル化部位を上記慣用の手法により、適当なプラス
ミドに、上流から下流に向けて連続的かつ環状に連結し
て調製してもよい。また、細菌を宿主として用いる場合
には、プロモーター、開始コドン、DHP−Iをコード
するDNA、終止コドンおよびターミネーター領域を、
適当な自己複製可能ユニットと共に、上流から下流に向
けて連続的に、所望により適当なDNA断片(例えば、
制限酵素認識配列を持つリンカー等)を用いて、常法(例
えば、制限酵素による消化、T4ポリヌクレオチドキナ
ーゼを用いた燐酸化、T4DNAリガーゼを用いたライ
ゲーション)通り環状に連結することにより、所望の発
現ベクターを構築することができる。次に、本発明の発
現ベクターを選択した宿主細胞に導入する。当業者既知
の常法(例えば、動物細胞の場合、リン酸カルシウム
法、エレクトロポレーション法等)によって導入するこ
とにより、形質転換体が得られる。
【0027】本発明の実施に用いた幾つかのプラスミド
類、様々な制限酵素やT4DNAリガーゼ、その他の酵
素類は、市販品から入手し、供給者の指示に従って使用
した。また、DNAのクローニング、各プラスミドの構
築、宿主のトランスフェクション、形質転換体の培養お
よび培養物からの酵素の回収は、当業者既知の方法、あ
るいは文献記載の方法[Molecular Cloning,T.Mani
atis et.al,CSHLaboratory(1983)DNA Clo
ning,DM.Glover,IRL PRESS(1985)他]
に準じて行なった。
【0028】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳し
く説明する。実施例1 ブタDHP−IをコードするDNAのクロー
ニング
【0029】1)ブタDHP−Iの精製 ブタ腎臓皮質部分(75g)に150mlの10mM燐酸バッ
ファー(pH7.0)を加え、氷冷下ホモジナイズした。懸
濁液を4℃で1時間、24000gにて遠心し、上清を
廃棄した。得られた沈澱物を300mlの10mM トリス
塩酸(pH9.0)、50mM 塩化ナトリウムおよび0.0
1mM 塩化亜鉛に懸濁した。撹拌下、300mlの10%
トリトンX−100溶液を懸濁液に加え、室温にて3時
間撹拌してDHP−Iを抽出した。この溶液を4℃で1
時間、186000gにて遠心し、不溶画分を除いた。
遠心後の上清を50mM トリス塩酸(pH9.0)、0.0
1mM 塩化亜鉛(TZバッファー)に対して透析した。次
いで、TZバッファーにて平衡化した300mlのDEA
E トヨパール 650M(東ソー)カラムにかけて精製し
た。サンプルをカラムに加えて吸着させた後、カラムを
TZバッファー、次いで0.05%トリトンX−100
を含んだTZバッファー(TZXバッファー)にて洗浄し
た。次いでTZXバッファーから0.3M 塩化ナトリウ
ム−TZXバッファー迄の直線グラジエントでDHP−
Iを溶出させた。得られた活性画分(400ml)をTZバ
ッファーにて透析した後、トリトンX−100を0.0
5%になるように加えた。この試料をTZバッファーに
て平衡化した100mlのブルー−セファロースCL−6
B(ファルマシア)カラムに加え、TZXバッファーで溶
出した。活性画分はカラムの非吸着画分に得られた。次
いで、活性画分を0.5M 塩化ナトリウム−TZXバッ
ファーにて平衡化した50mlの亜鉛キレートセファロー
ス6Bカラム(ファルマシア)にかけ、上記カラムの非吸
着画分を回収した(400ml)。次いで得られた活性画分
をAバッファー[0.1M 酢酸ナトリウム、1M 塩化ナ
トリウム、1mM 塩化マンガン、1mM塩化マグネシウ
ム、1mM 塩化コバルト、0.01mM塩化亜鉛、0.0
5%トリトンX−100(pH7.0)]にて平衡化した2
5mlのConAセファロース4B(ファルマシア)カラムに
かけた。試料(200ml)をカラムに加え、Aバッファー
にてカラムを洗浄した後、10mg/mlのメチル−α−マ
ンノシド、0.05% トリトンX−100にて溶出させ
た。活性画分(6ml)を更に10mM 燐酸バッファー(pH
7.0)、140mM塩化ナトリウム、0.05% トリト
ンX−100にて平衡化したセファクリルS−300
(ファルマシア)カラムにかけ、上記のバッファーにより
活性画分を回収した。精製ステップの比活性を表2に示
した。得られたブタDHP−IはSDSポリアクリルア
ミド電気泳動の結果から約43Kダルトンの蛋白質であ
った。
【0030】
【表2】 精製段階 比活性* 粗抽出液 1 DEAE−トヨパール 58 ブルー−セファロース CL-6B 147 Zn−キレート化セファロース 6B 218 ConA セファロース 4B 526 セファクリル S-300 19425 *:比活性は粗抽出液の蛋白あたりのグリシルデヒドロ
フェニルアラニン分解活性を1とした。
【0031】2)ブタDHP−Iのアミノ酸部分配列の
決定 1)で精製したブタDHP−Iを3% 2−メルカプトエ
タノールにて還元し、コスモシール5C4−300カラ
ム(ナカライテスク)を用いたHPLCに繰り返し適用し
てサンプルからトリトンX−100を除いた。得られた
トリトンX−100を含まないDHP−I約49μgを
アプライドバイオシステムズ社470A型気相シーケン
サーにかけてそのN末端アミノ酸配列を決定した。決定
されたN末端配列を以下に示す。 Asp-Gln-Phe-Leu-Asp-Leu-Ala-Val-Arg-lle-Met-Gln-As
p-
【0032】他方、1)で得たブタDHP−Iを再度0.
05% SDS、10mM 燐酸バッファー(pH7.0)で
平衡化したセファクリルS−300カラムにかけ、トリ
トンX−100を除いた。サンプル溶液に0.5%にな
るように2−メルカプトエタノールを加えて還元し、1
/10量のリジルエンドペプチダーゼで切断した。反応
液をコスモシール5C4−300カラムを用いるHPC
Lにかけアセトニトリル0%〜60%の直線グラジエン
トで溶離した。HPCL測定で単一と思われる部分のピ
ークを同様のHPCL条件下で回収した。これらのペプ
チド断片のアミノ酸配列をN末端配列決定と同様にして
決定した。
【0033】ピーク1:Asp-Gln-Phe-(X)-Asp-Leu-Ala-
Val-(X)-lle-Met-Gln- ピーク2:Val-Ala-(X)-Leu-Val-Gly-(X)-Glu-Gly- ピーク3:Val-Ala-Gly-Ala-Ala-Ala-Val-Gly-Phe-Gly-
Gly-Asp-Tyr-(X)-Gly-Val- 上記配列式において(X)は分析された配列が明確でない
ことを表す。
【0034】ピーク1は不明の第4残基および第9残基
を除いて上記N末端アミノ酸配列と一致していることか
ら、これもまたN末端アミノ酸配列であると考えられ
る。残る2アミノ酸配列のうち、長い範囲に渡って明ら
かなピーク3の配列を用いてcDNAクローニング用の
プローブを作成した。
【0035】3)ブタ腎臓cDNAライブラリーの作製 (1)ブタ腎臓ポリA RNAの精製 total RNAの抽出 屠殺直後に摘出し、直ちにドライアイスにて保存したブ
タ(LWDケンボロー種)腎臓 20gにグアニジンチオシ
アネート溶液(5Mグアニジンチオシアネート、50mM
トリス塩酸(pH7.5)、25mM EDTA、8% 2−
メルカプトエタノール)100mlを加え氷冷下、2分間
ホモジナイズした。次いで、−20℃に冷却した30ml
のエタノールを加えて十分に混合した後、直ちに4℃で
10000gにて遠心し、上清を吸引除去した。沈澱物
をグアニジンチオシアネート溶液50mlに懸濁し、氷冷
下30秒間ホモジナイズした。懸濁液を直ちに4℃にお
いて7000gで、4分間遠心した後、上清を回収し、
これに1.25mlの1M酢酸および−20℃に冷却した
37.5mlのエタノールを加えて充分混和した後、−2
0℃にて3時間冷却した。懸濁液を−10℃、4000
gにて10分間遠心した後、上清を吸引除去し、沈澱物
を50mlのグアニジン塩酸溶液(6Mグアニジン塩酸、
25mM EDTA、10mM 2−メルカプトエタノー
ル)に懸濁した。更に1M 酢酸 1.25ml、−20℃に
冷却したエタノール 25mlを加えて充分混和した後、
−20℃にて12時間冷却した。懸濁液を−10℃にお
いて4000gで10分間遠心し、上清を吸引除去し
た。同様に25mlのグアニジン塩酸溶液に沈澱物を懸濁
し、更に1M 酢酸 0.625ml、および−20℃に冷
却したエタノール 12.5mlを加えて充分混和した後、
−20℃にて3時間冷却した。得られた懸濁液を−10
℃において4000gで10分間遠心し、上清を吸引除
去した。再度グアニジン塩酸溶液 25mlに沈澱物を懸
濁し、更に1M 酢酸0.625mlおよび−20℃に冷却
したエタノール 12.5mlを加えて充分混和した後、−
20℃にて17時間冷却し、懸濁液を0℃、4000g
にて10分間遠心した後、上清を吸引除去した。沈澱物
を蒸留水 15mlに溶解し、エタノール15mlを加え−
20℃に保存した。回収したtotal RNAは13.3mg
であった。
【0036】ポリA RNAの精製 上記RNA溶液24mlに0.5mlの5M 塩化ナトリウム
溶液及び18mlのエタノールを加えて充分混和した後、
−70℃にて1時間冷却し、4℃、24000gで5分
間遠心した後、上清を吸引除去した。沈澱物を5mlのT
E緩衝液(pH8.0)(10mM トリス塩酸(pH8.0)、
1mM EDTA)に溶解した後、5mlの1M 塩化ナトリ
ウムを加え、このうち半量をオリゴ(dT)カラムにかけ
て精製した。5mlのRNA溶液を65℃で5分間加熱
し、約1.0mlのオリゴ(dT)カラムにかけた。非吸着画
分を再度加熱した後カラムにかけ、5mlの洗浄バッファ
ー(10mM トリス塩酸(pH7.5)、1mM EDTA、
0.5M 塩化ナトリウム)にて洗浄した。3mlの溶出バ
ッファー(10mM トリス塩酸(pH7.5)、1mM ED
TA)にてポリA RNA画分を回収した。回収した画分
に5M 塩化ナトリウムを加えて1M 塩化ナトリウム溶
液とした後、上記の方法にしたがって再度約0.2mlの
オリゴ(dT)カラムにかけた。回収されたポリA RNA
画分(0.8ml)に32μlの5M塩化ナトリウム溶液及び
2mlのエタノールを加え、充分混和した後、−70℃で
1時間冷却した。混合液を24000gで3分間遠心し
た後、上清を除き、沈澱物をエタノールにて洗浄した
後、減圧乾燥した。RNAを100μlのTE(pH7.
5)緩衝液に溶解した(回収ポリA RNA:72μg)。
【0037】(2)cDNAライブラリーの作成 リバーストランスクリプターゼ(逆転写酵素)による第
一鎖の合成 上記(1)で得た8μlのポリA RNAを含有するTE緩
衝液を減圧乾固した後、20μlの5mMトリエタノール
アミン溶液に溶解した。65℃で5分間加熱した後、以
下の溶液を加えて合成反応を行なった。 1M トリス塩酸(pH8.3):2μl 0.1M 塩化マグネシウム:3.2μl 0.5M 塩化カリウム:2.4μl 10mM DTT:1.2μl 25mM dNTP:3.2μl(dATP,dCTP,dGT
P,TTPの等モル混合物) 蒸留水:2.8μl オカヤマ−バーグプライマー−ベクター(ファルマシ
ア):3.23μl(0.7pmol:1.4μg)
【0038】混合液を軽く混和し、遠心(500rpm×1
0秒)して反応容器の底に落とした後、37℃で5分間
プレインキュベーションした。リバーストランスクリプ
ターゼ(バイオラッド)2μl(40U)加え1時間反応し
た後、フェノール/クロロホルム溶液にて除蛋白し、エ
タノール沈澱にてDNA/RNAを回収し10μlの蒸
留水に溶解した。
【0039】dC付加反応 上記DNA/RNA溶液8.8μlに以下の溶液を加え、
反応を行なった。 5×ターミナルトランスフェラーゼバッファー :4
μl (0.7M カコジル酸ナトリウム、150mMトリス塩酸
(pH6.8)) 10mM 塩化コバルト:2μl 10mM DTT:0.4μl 0.5mM dCTP:2.8μl [α−32P]−dCTP(3000Ci/mmol):1μl 37℃で5分間プレインキュベーションした後、ターミ
ナルトランスフェラーゼ1μl(23U:ファルマシア)加
え、37℃で10分間反応した。次いで、0℃に冷却し
てその一部をとり、TCA沈澱にてラベル取り込みを測
定した。C−テイルの長さが約10塩基程度であること
を確認した後、フェノール/クロロホルム抽出・エタノ
ール沈澱にてDNA/RNAを回収し、10μlのTE
緩衝液(pH7.5)に溶解した。
【0040】HindIII切断 で調製したDNA/RNA溶液に10μlの5×Hind
IIIバッファー[0.25M 塩化ナトリウム、0.25M
トリス塩酸(pH8.0)、50mM 塩化マグネシウム、
0.5mg/ml ウシ血清アルブミン(BSA)]、20μlの
蒸留水及び10μl[単位(100U)]のHindIIIを加え
37℃で1時間反応した。フェノール/クロロホルム抽
出およびエタノール沈澱にてDNA/RNAを回収し、
13μlのTE緩衝液(pH7.5)に溶解した。
【0041】リンカーDNAとの結合 HindIII切断DNA/RNA溶液11.7μlに9μlの
1M塩化ナトリウム、67.3μlのTE(pH7.5)、及
び2μlの0.1μg/mlオリゴdGテイル化リンカー緩衝
液(ファルマシア)を加え、65℃で5分間、42℃で1
時間加熱した後、徐冷した。この溶液に氷冷下36μl
の0.5M トリス塩酸緩衝液(pH7.5)、36μlの0.
1M 塩化マグネシウム、90μlの0.1M 硫酸アンモ
ニウム、180μlの0.5M 塩化カリウム、9μlの1
0mM β−ニコチンアミドジヌクレオチド(β−NA
D)、45μlの1mg/ml BSA及び414μlの蒸留水
を加え、12℃に調節した後、6μgのE.coli DNA
リガーゼを加え、一昼夜12℃にて反応した。
【0042】RNaseHによるmRNAの分解反応とD
NAポリメラーゼによる第二鎖の合成 上記反応溶液に1.5μlの25mM dNTP、15μlの
10mM β−NAD、4μgのE.coli DNAリガー
ゼ、10UのRNaseH、15UのDNAポリメラーゼI
を加え総量1000μlとした後、12℃、次いで25
℃にて各1時間反応した。
【0043】大腸菌MM294の形質転換 上記で調製した反応溶液にて大腸菌MM294を形質
転換した。形質転換後、一部を100μg/mlのアンピ
シリンを含むL培地プレートに播き、独立クローンの数
を求めた(4.9×104個)。残りの形質転換混合液に1
000mlの10μg/mlアンピシリンを含むL培地を加
え、37℃にて一晩培養した。培養液の一部に16%に
なるよう、滅菌した80%グリセロールを加え、1.2
5mlずつ滅菌したポリプロピレンチューブ(WHEAT
ON社:2ml CRYULE VIAL)に分注した後、
−80℃冷凍庫に保管し、ブタ腎臓cDNAライブラリ
ーとした。
【0044】4)ブタDHP−IcDNAのクローニン
グ (1)プローブの作成 上記2)で精製して得たブタDHP−Iの部分アミノ酸
配列を基にプローブとするオリゴデオキシヌクレオチド
(B8−1;B8−11)を自動核酸合成機(アプライド
バイオシステム社モデル381A)を用いて合成した。 B8-1 GTAGTCGCCGCCGAAGCCTACGGC B8-11 GAAGCCCACAGCAGCAGCGCCAGCCAC
【0045】得られたオリゴマーB8−1及びオリゴマ
ーB8−11それぞれ1μgを1.7μlの10×キナー
ゼバッファー(0.7Mトリス塩酸(pH7.6)、0.1M
塩化マグネシウム、50mM ジチオスレイトール(DT
T))、50μCiの[γ−32P]ATP、5UのT4ポリ
ヌクレオチドキナーゼを加え総容積17μlとして37
℃で2時間反応した。反応混合液に2μlの10%SD
S溶液及び250mM EDTA溶液をそれぞれ加えた
後、70℃で10分間加熱した。これを10mlのセファ
デックスG50スーパーファイン(ファルマシア)のカラ
ムにて精製した。TE緩衝液(pH8.0)にて最初に溶出
される放射活性の画分を回収した(1−5×107cpm/
総容積)。
【0046】(2)ライブラリーのスクリーニング 蒸留水 1lに10gのバクトトリプトン、5gの酵母エキ
ス、5gの塩化ナトリウム及び15gのアガロースを加え
て加熱滅菌した後、その約50mlを直径150mmのシャ
ーレに播き、固化させた。このようにして固化させたL
アガロース培地のプレート上に滅菌したニトロセルロー
スフィルター(HATF:ミリポア)を敷き、さらに、こ
の上に、上記で作成したcDNAライブラリーの菌液の
103希釈溶液を100μl播いて(約2×104クローン
の菌)、37℃で12時間培養した。滅菌したろ紙(3M
M:ワットマン)上に、菌の生育したフィルターの菌生
育面が上になるように置き、さらにその上に同様の大き
さの滅菌ニトロセルロースフィルターを重ねた後、加圧
して菌をトランスファーした。2枚のフィルターを重ね
あわせたままロットリングインクにてマークを付し、2
枚の菌の付着したフィルターを作成した。1枚はそのま
ま、Lアガロース培地上にて再度37℃で3時間培養し
た後、4℃にてマスタープレートとして保存した。もう
一方は同様にLアガロースプレート上で、37℃におい
て3時間培養した後、200μg/mlのクロラムフェニ
コールを含むLアガロース培地のプレートに移し、37
℃で16時間培養した。このフィルターを10% SD
S溶液を染込ませたろ紙上に菌の生育した面を上にして
置き、5分間放置した。続けて同様に0.5N 水酸化ナ
トリウム、1.5M 塩化ナトリウム水溶液にて5分間、
1.5M 塩化ナトリウム、0.5M トリス塩酸(pH8)
水溶液にて5分間の2回操作した。次いで、このフィル
ターを80%エタノール溶液に浸して2分間洗浄した
後、室温にて30分間風乾した。乾燥したフィルターを
ろ紙に挟み真空乾燥機にて80℃で2時間減圧下加熱乾
燥した後、乾燥したフィルターをハイブリバッグ(コス
モバイオ)に入れ、1枚あたり5mlのプレハイブリダイ
ゼーションバッファー(4×SSC(0.6M 塩化ナトリ
ウム、0.06M クエン酸ナトリウム)、0.1% SD
S、0.2% フィコール、0.2% ポリビニルピロリド
ン、0.2% BSA、10mMEDTA、100μg/ml
tRNA)を加えて密封した。このバッグを42℃にて
4時間インキュベーションした。バッグを開封してバッ
ファーをよく除いた後、再度一枚につきプレハイブリダ
イゼーションバッファー2.5mlおよび2.5×106cpm
の(1)で作成したプローブ(B8−1)を加えて密封した
後、42℃にて16時間インキュベーションした。バッ
グを開封し、バッファーを完全に除去した後、フィルタ
ーを50mlの4×SSC−0.1% SDS溶液にて5分
間、室温で洗浄した。更に同量の溶液にて42℃で10
分間洗浄した。フィルターをろ紙上で10分間乾燥した
後、オートラジオグラフィーを行なった(−80℃にて
20時間露光した後現像する)。フィルムに現れたオー
トラジオグラムのシグナルの位置に相当する付近の菌の
コロニー(直径5〜10mmの範囲、約10〜100クロ
ーン)をマスタープレートからつり上げアンピシリン5
0μg/mlを含むL培地にて増殖させた。
【0047】以上の操作を5枚のフィルターについて行
ない、約10万クローンの菌から40個以上の陽性クロ
ーンを得た。これらの陽性クローンを含む菌の混合体を
更に先に述べた方法と同様にして再度スクリーニング
し、クローンを単離した。直径90mmのシャーレを用い
フィルターあたり約200〜500クローンの菌が生育
するように菌を播き、陽性クローンを単離した。これら
のクローンを更にプローブB8−11を用いてスクリー
ニングすることにより、ブタDHP−IcDNAを含む
クローン(MM294/ppcDHP71)を得た。
【0048】(3)DNAマッピング及び配列の決定 上記(2)で得た、cDNAを含むプラスミドppcDHP7
1を種々の制限酵素にて切断し、cDNAのおおまかな
マッピングを行った。更にそれらの内の断片をM13フ
ァージのmp18あるいはmp19にサブクローニングし
た。これらサブクローニングされたファージのssDNA
を用い、ジデオキシ法[サンガー.エフ等、Proc.Nat
l.Acad.Sci.、74、5463〜5467]でDNAの
配列を決定した。DNA配列は全てDNA配列決定機
(アプライドバイオシステム社モデル370A)を用いて
決定した。得られたDNA配列から推定されるアミノ酸
配列に、先に部分決定したブタDHP−Iのアミノ酸配
列と一致する部分が存在していたことから、このクロー
ンから得られたcDNAはブタDHP−Iのものである
と推定された。但し、このcDNAにはDHP−IのN
末端配列に相当する配列がなく、不完全長のcDNAで
あることが明らかになった。プラスミドppcDHP71
の塩基配列および推定のアミノ酸配列を図1〜2に示
す。
【0049】(4)完全長cDNAのクローニングのた
めの再スクリーニング 上記(3)で得られたブタDHP−IcDNAは翻訳領域
のN−末端をコードした部分を欠失した不完全なcDN
Aであったので、完全なcDNAを得るために更にスク
リーニングを行なった。先に得られたクローンMM29
4/ppcDHP71のcDNAの5'末端近傍の37塩基
を合成してプローブとして用いた。 TTTGTGGGCGGCCAGTTCTGGTCCGCGTACG
【0050】スクリーニングは上記の方法と同様にして
行なった。10万クローンの菌をスクリーニングし約
1.5kbpの完全長のcDNAを持つクローンMM294
/ppcDHP23を得た。このcDNAのマップおよび配
列を図3〜5に示した。プラスミドppcDHP71と、p
pcDHP23のDNA塩基配列の比較の結果、前記の表
1に示す相違点が見出された。
【0051】実施例3 発現プラスミドpDHP2およ
びpDHP6の構築 これら発現プラスミドの構築模式図を図9および図10
に示した。 1)プラスミドpDHP1の構築 10μm(〜10μg)のppcDHP23に80μmの5×P
stI切断バッファー(0.5M 塩化ナトリウム、50mM
トリス塩酸(pH7.5)、50mM 塩化マグネシウム、
0.5mg/mm BSA)、350μmの蒸留水および制限酵
素PstI 5μm加え、37℃で2時間インキュベーショ
ンした。反応混合液を等量のフェノール/クロロホルム
(1/1)にて抽出した後、secブタノールを加えて約1
5μmまで濃縮した。この溶液に1.5μmの3M 酢酸ナ
トリウムおよび37.5μmのエタノールを加え、−80
℃で10分冷却した後、15000rpmで3分間遠心
し、DNAを沈澱させて回収した。DNAを70% エ
タノールにて洗い、減圧乾燥した後、20μmのTE緩
衝液(pH8.0)に溶解し、得られたDNAの量を測定し
た。
【0052】この反応液2μmとSpeIリンカー(ACT
AGTTGCA)100ngに4μmの5×リガーゼバッフ
ァー(250mM トリス塩酸(pH7.6)、50mM 塩化
マグネシウム、25%(w/v)ポリエチレングリコール8
000、5mM DTT)、2μmの20mM ATP、2μ
mのT4DNAリガーゼを加え、蒸留水で総量20μmと
し、37℃で1時間インキュベーションした。大腸菌M
M294をこの反応混合液全量で形質転換した。100
μg/mmアンピシリンの入ったL培地プレート4枚に形
質転換した菌を播き、37℃で一昼夜インキュベーショ
ンした。生育した菌を選び、12クローンを1.5mmの
100μg/mmアンピシリンを含むL培地にて37℃で
6時間培養した。これらの菌からアルカリ法にてプラス
ミドを回収し、制限酵素SpeIにて正しい断片がクロー
ニングされたクローンであるかどうかを調べ、目的のプ
ラスミドpDHPN1を得た。
【0053】2)プラスミドpDHP1の構築 1)と同様に、プラスミドpDHPN1を制限酵素AatII
及びSpeIにて切断し、反応混合液を全量1%のアガロ
ースゲル電気泳動にかけ、約0.45Kbp付近のバンド
を切り出してドライアイスで凍らせた後、DNAを含む
溶液を絞り出した。同様に、プラスミドppcDHP71
を制限酵素AatII及びSmaIで切断し、反応混合液を全
量1%のアガロースゲル電気泳動にかけ、約0.9Kbp
付近のバンドを切り出してドライアイスで凍らせた後、
DNAを含む溶液を絞り出した。
【0054】次いで、プラスミドpUCREN2(pUC
8(ファルマシア)のBglII−HindIIIにレニンのcDN
AをクローニングしたプラスミドにSalIおよびSpeI
リンカーを付加したプラスミド)を制限酵素SpeI及びB
alIにて切断し、反応混合液を全量1%のアガロースゲ
ル電気泳動にかけ、大きなバンドを切り出してドライア
イスで凍らせた後、DNAを含む溶液を絞り出した。こ
れら3つのDNA断片をT4DNAリガーゼにて結合反
応を行なった後、反応混合物で大腸菌MM294を形質
転換した。得られたクローンの中から目的のプラスミド
pDHP1を得た。
【0055】3)発現プラスミドpDHP2の構築 上記1)と同様の方法に従い、プラスミドpDHP1を制
限酵素SpeI及びSalIにて切断し、アガロースから回収
したブタDHP−IcDNAを含むDNA断片とプラス
ミドpMM324(pdBPVMMTneo(ATCC3722
4)由来のMMTプロモーターpKV10(ファルマシア)
由来のSV40のアーリースプライス領域、ポリアデニ
ル化部位およびpNEO(ファルマシア)由来のNeo γ遺
伝子を持つプラスミド)を制限酵素SpeI及びSalIにて
切断し、アガロースから回収した大きなDNA断片とを
リガーゼの存在下で結合反応に付した。反応混合物で大
腸菌MM294を形質転換した。得られたクローンの中
から目的のプラスミドpDHP2を得た。更にプラスミ
ドpDHP2にて大腸菌HB101を形質転換した。得
られたクローン(HB101/pDHP2)から大量にプ
ラスミドDNAを回収した。回収したDNAを塩化セシ
ウムを用いた密度勾配超遠心で精製した後セファロース
CL4Bカラムにかけて混在するRNAを除き、動物細
胞をトランスフェクションさせるプラスミドDNAとし
た。プラスミドpDHP2に担持されているブタDHP
−IをコードするDNAの塩基配列および推定のアミノ
酸配列を図12〜13に示す。
【0056】4)プラスミドpDHP4の構築 上記1)に示した方法に従い、10μgのプラスミドpD
HPN1を制限酵素KpnIにて切断した後、直鎖状DN
Aを回収した。10μgのDNAを総量40μm中に2μ
mのマングビーンヌクレアーゼを含んだ反応液にて室温
で2時間処理した。等量のフェノール/クロロホルムに
て抽出した後、1/10量の3M 酢酸ナトリウムを加
え、更に2.5倍量のエタノールを加えて−80℃で1
0分間冷却した後、15000rpmで3分間遠心し、D
NAを沈澱させて回収した。このDNA断片に14μm
の蒸留水、4μmの10×クレナウバッファー(0.5M
トリス−Hcl(pH7.6)、0.1M 塩化マグネシウ
ム)、1μmの25mM dNTP、及び1μmのDNAポリ
メラーゼI・クレナウ断片を加え室温で2時間反応し
た。この反応液2μmとSalIリンカー(GGTCGAC
C)100ngをリガーゼの存在下、結合反応に付した。
反応混合物で大腸菌MM294を形質転換した。得られ
たクローンの中から目的のプラスミドpDHP4を得
た。
【0057】5)発現プラスミドpDHP6の構築 上記1)と同様にして、プラスミドpDHP4を制限酵素
SpeI及びSalIにて切断し、アガロースから回収したブ
タDHP−IcDNAを含むDNA断片と、プラスミドp
MM324を制限酵素SpeI及びSalIにて切断し、アガ
ロースから回収した大きなDNA断片とをリガーゼの存
在下、結合反応に付した。反応混合物で大腸菌MM29
4を形質転換した。得られたクローンの中から目的のプ
ラスミドpDHP6を得た。更にプラスミドpDHP6に
て大腸菌HB101を形質転換した。得られたクローン
(HB101/pDHP6)から大量にプラスミドDNA
を回収した。回収したDNAを塩化セシウムを用いた密
度勾配超遠心で精製した後、セファロースCL4B(フ
ァルマシア)カラムにかけて混在するRNAを除き、動
物細胞をトランスフェクションさせるプラスミドDNA
とした。
【0058】実施例4 ブタDHP−Iの発現 1)発現プラスミドpDHP2及びpDHP6によるマウ
スL929細胞のトランスフェクションと産生細胞のク
ローニング 5×105個のL929細胞を9cmのペトリデッシュに
播き10mmのDMEM培地中にて一昼夜培養し、トラン
スフェクションする3時間前に培地を交換した。この細
胞を下記の如くに調製したDNA(30μg)−燐酸カル
シウム沈澱懸濁液を用いてトランスフェクションした。
DNA−燐酸カルシウム沈澱は以下のようにして作成し
た。
【0059】滅菌蒸留水 880μmに上記実施例3で得
たプラスミドDNA30μgを溶解した溶液に120μm
の2M塩化カルシウムを加える。この溶液を、通気下に
撹拌している1mmの2×HSB(1.0gのHEPES、
1.6gの塩化ナトリウムを滅菌した蒸留水100mmに溶
解させた溶液)と20μmの70mMの燐酸バッファー(7
0mM 燐酸2水素1ナトリウム、70mM 燐酸水素2ナ
トリウムにてpH7.1に調製したもの)との溶液に徐々
に加えた。トランスフェクション後の細胞10mmを10
%FCS−DMEM培地(ニッスイ)にて37℃で一昼夜
培養し、再度培地交換した後、一昼夜培養した。更に、
10mmの0.5mg/mm G418を含む培地で一昼夜培養
した後、ペトリデッシュ上に生育してきた細胞を1/1
0に希釈し、10枚の新しいペトリデッシュに播き、
0.5mg/mm G418を含む培地にて培養した。培地は
4日毎に新しいものと交換した。コロニーが十分形成さ
れた後(約10日前後)、コロニーを分離して96穴プレ
ートに移し、100μmの培地を加えて一昼夜培養し、
翌日40μM硫酸亜鉛−2%FCS−2mM 酪酸ナトリ
ウムの誘発培地に交換し、一昼夜培養した。ネガティブ
コントロールとしてトランスフェクションしていないL
929細胞及び誘発培地への交換を行わない組換え細胞
を用いた。DHP−Iを発現しているトランスフェクタ
ントの選択及び高産生細胞のクローニングはグリシルデ
ヒドロフェニルアラニン(GDP)を基質としたDHP−
Iのアッセイによる活性の測定に基づいて選択し、行っ
た。
【0060】アッセイの方法は以下の通りである。96
穴プレートにブタ腎臓由来の精製DHPをスタンダード
として50μmの1mg/mm GDPを各ウエルに加え、3
30nmの波長での反応速度(時間あたりの吸光度の変化)
を測定し、吸光度の変化から標準直線を求めた。次い
で、サンプルの誘発培地を除去し同様の条件で測定し、
標準直線から発現量を計算して求めた。このようにして
DHP−Iを発現しているトランスフェクタントを選択
した後、更にこの細胞をクローニングすることにより高
産生細胞(PDHP2−12−3:発現量259ng/mm)
を得た。同様にしてpDHP6によりトランスフェクシ
ョンすることにより発現細胞(PDHP6−2)を得た
(発現量:133ng/mm)。
【0061】実施例5 ヒトDHP−IcDNAのクロ
ーニング 1)プローブの作成 上記実施例2で調製した完全長のブタDHP−IcDN
Aクローン(MM294/ppcDHP23)から得られた
プラスミドppcDHP23を制限酵素SmaI及びKpnIで
切断して得たDNA断片(ブタDHP−IcDNAを含
む)をプローブとして用いた。上記DNA断片を[α−32
P]dCTPを用いたニックトランスレーションキット
(宝酒造)にてラベルした後、10mmのセファデックスG
50スーパーファイン(ファルマシア)カラムにて精製し
た。TE緩衝液(pH8.0)にて最初に溶出される放射活
性の画分を回収した(2×108cpm/総容積)。
【0062】2)ライブラリーのスクリーニング 市販のヒト腎臓λgt10cDNAライブラリー(東洋紡)
を用い、150mmのプレート1枚あたりに約2×104
のプラークが現れるよう、ファージ液と指示菌を一緒に
播き、37℃にて6時間培養した。プレートを4℃にて
1時間冷却した後、室温にてニトロセルロースフィルタ
ー(HATF:ミリポア)をプレート上に置き、ロットリ
ングインクにてフィルターにマークし2分間放置した。
得られたフィルターを0.5N 水酸化ナトリウム、1.
5M 塩化ナトリウム溶液にて5分間処理して変性させ
た後、1.5M 塩化ナトリウム、0.5M トリス塩酸(p
H8)溶液にて5分間中和した。更にこのフィルターを
2×SSC溶液に浸して2分間洗浄した後、室温にて3
0分間風乾した。乾燥したフィルターをろ紙に挟み真空
乾燥機にて80℃2時間減圧乾燥した。乾燥したフィル
ターをハイブリバッグ(コスモバイオ)に入れ、1枚あた
り5mmのプレハイブリダイゼーションバッファー(5×
SSC、0.1% SDS、0.1% フィコール、0.1
% ポリビニルピロリドン、0.1% BSA、30% ホ
ルムアミド、100μg/mm tRNA)を加えて密封し
た。42℃にて5時間インキュベーションした。バッグ
を開封し、バッファーをよく除いた後、再度一枚につき
プレハイブリダイゼーションバッファー2.5mmおよび
上記の如く作成したプローブ2.5×106cpmを加えて
密封し、42℃にて16時間インキュベーションした。
バッグを開封しバッファーを完全に除去した後、フィル
ターを50mmの4×SSC−0.1% SDS溶液にて5
分間室温で洗浄した。更に同量の溶液にて42℃で10
分間洗浄した。フィルターをろ紙上で10分間乾燥した
後、オートラジオグラフィーにかけた(−80℃にて2
0時間露光した後現像する)。フィルムに現れたオート
ラジオグラムのシグナルの位置に相当する付近のファー
ジプラーグ(直径5〜10mmの範囲、約10〜100ク
ローン)をプレートからつり上げ1mmのファージ希釈液
(0.1M 塩化ナトリウム−8mM 硫酸マグネシウム−
1Mトリス塩酸(pH7.5)−2%ゼラチン)に懸濁させ
た。得られたファージ液の力価を測った後、これらの陽
性プラークを含むファージ液を上記と同様にしてスクリ
ーニングし、クローンを単離した。直径90mmのシャー
レを用い、フィルターあたり約200〜500プラーク
のファージが得られるようにプレーティングし、スクリ
ーニングすることにより、陽性クローンを単離した。こ
のようにして約1×105のプラーク(6枚のプレート)
をスクリーニングし、ヒトDHP−IcDNAを含むフ
ァージクローン(λDHP−I#3−1)を得た。
【0063】3)プラスミドpUCλ3−1の構築 50μgのλDHP−I#3−1に15μmのHindIII切
断バッファー、および各5μmの制限酵素HindIIIおよ
びBglIIを加え37℃一昼夜インキュベーションした。
反応混合液を全量1%のアガロースゲル電気泳動にか
け、3Kbp付近のバンドを切り出しドライアイスで凍ら
せた後、DNAを含む溶液を絞り出した。この溶液(約
200μm)をフェノール/クロロホルム(1/1)にて抽
出した後、secBuOHにて約15μmまで濃縮した。エ
タノール沈澱にてDNAを沈澱させ、70% エタノー
ルにて洗浄し、減圧乾燥した後、20μmのTE緩衝液
(pH8.0)に溶解した。
【0064】5μm(〜5μg)のpUC9に5μmのHindI
II切断バッファー、9μmの蒸留水、および各2μmの制
限酵素HindIIIおよびBamHIを加え、37℃で一昼夜
インキュベーションした。反応混合液を70℃で10分
加熱し酵素を失活させた。上記で得たDHP−IcDN
A断片を含む溶液10μmとpUC9ベクター断片を含む
溶液10μmに6μmの5×リガーゼバッファー、3μm
の20mM ATPおよび2μmのT4DNAリガーゼ加
えて37℃で1時間インキュベーションした。大腸菌J
M83をこの反応混合液15μmで形質転換した。10
0μg/mmアンピシリン、100μmの100mM IPT
Gおよび100μmの2% X−gal(5−ブロモ−4−ク
ロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシド)の入っ
たL培地プレート4枚に形質転換した菌を播き、37℃
で一昼夜インキュベーションした。
【0065】生育した菌の内、白色のコロニーを選び、
12クローンを1.5mmの100μg/mmアンピシリンを
含むL培地にて37℃で8時間培養した。これらの菌か
らアルカリ法にてプラスミドを回収し、制限酵素にて正
しい断片がクローニングされたクローンであるかどうか
を調べ、目的のプラスミドpUCλ3−1を得た。4)
DNAマッピング及び配列の決定cDNAを含むプラス
ミドpUCλ3−1を種々の制限酵素にて切断し、cDN
Aのおおまかなマッピングを行ない、更にそれらの内の
断片をM13ファージのmp18あるいはmp19にサブク
ローニングした。これらのサブクローニングされたファ
ージのssDNAを用い、ジデオキシ法にてDNAの配列
を決定した。得られたDNA配列から推定されるアミノ
酸配列は先に部分決定したブタDHP−Iのアミノ酸配
列と高いホモロジーがあった。これらの結果を図6〜8
に示す。
【0066】実施例6 発現プラスミドの構築 1)プラスミドpDHPspe1の構築 実施例3と同様にして、プラスミドpUCλ3−1を制
限酵素SmaIにて切断したDNA断片とSpeIリンカー
DNA(pGACTAGTC)とのリガーゼによる結合反
応を行なった後、大腸菌MM294を形質転換した。得
られたクローンの中から目的のプラスミドpDHPspe1
を得た。
【0067】2)プラスミドpDHP7の構築 10μgのプラスミドpDHPspeIを制限酵素SacIにて
切断した後回収し、総量40μm中に2μmのマングビー
ンヌクレアーゼを含んだ反応液にて室温で2時間処理し
た。フェノール/クロロホルム抽出後、次いでエタノー
ル沈澱してDNAを回収した。このDNA断片に14μ
mの蒸留水、4μmの10×クレナウバッファー、1μm
の25mM dNTP、及び1μmのDNAポリメラーゼI
・クレナウ断片を加え室温で2時間反応した。この反応
液2μmとSalIリンカー(GGTCGAC)100ngを
リガーゼ存在下にて結合反応に付した後、大腸菌MM2
94を形質転換した。得られたクローンの中から目的の
プラスミドpDHP7を得た。
【0068】3)プラスミドpDHP8の構築 上記1)記載の方法と同様にして、プラスミドpDHP7
を制限酵素SpeI及びSalIにて切断し、アガロースか
ら回収したDHP−IcDNAを含むDNA断片と、プ
ラスミドpMM324を制限酵素SpeI及びSalIにて
切断しアガロースから回収した大きなDNA断片とをリ
ガーゼによる結合反応に付し、反応混合物で大腸菌MM
294を形質転換した。得られたクローンの中から目的
のプラスミドpDHP8を得た。更にプラスミドpDHP
8にて大腸菌HB101を形質転換した。得られたクロ
ーン(HB101/pDHP8)から大量にプラスミドD
NAを回収した。回収したDNAを塩化セシウムを用い
た密度勾配超遠心で精製した後、セファロースCL4B
カラムにかけて混在するRNAを除き、動物細胞をトラ
ンスフェクションするプラスミドDNAとした。プラス
ミドpDHP8の構築模式図を図11に示す。
【0069】実施例7 ヒトDHP−Iの発現及び同定 1)プラスミドpDHP8によるマウスL929細胞の
トランスフェクションと産生細胞のクローニング 実質上、実施例4と同様に行った。5×105細胞Lの
929細胞を9cmのペトリデッシュに播き10mmのDM
EM培地中にて一昼夜培養し、トランスフェクションす
る3時間前に培地を交換した。この細胞をDNA(30
μg)にて燐酸カルシウム法を用いてトランスフェクショ
ンした。トランスフェクタントを40μM 硫酸亜鉛−
2% FCS−2mM 酪酸ナトリウムの誘発培地にて一
昼夜培養した後、グリシルデヒドロフェニルアラニンを
基質とするDHP−Iのアッセイ法(実施例6参照)にて
DHP−Iの活性を測定しDHP−Iを発現している細
胞を得た。ネガティブコントロールとしてトランスフェ
クションしていないL929細胞及び誘発培地に交換し
ない組換え細胞を用いた(PDHP8−13−25:発
現量1μg/mm)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブタ腎臓由来のデヒドロペプチダーゼIをコ
ードする、N−末端を欠失したDNA(ppcDHP71)
の塩基配列および推定のアミノ酸配列の前部分を示す模
式図。
【図2】 ブタ腎臓由来のデヒドロペプチダーゼIをコ
ードする、N−末端を欠失したDNA(ppcDHP71)
の塩基配列および推定のアミノ酸配列の後部分を示す模
式図。
【図3】 ブタ腎臓由来のデヒドロペプチダーゼIをコ
ードする、完全長のDNA(ppcDHP23)の塩基配列
および推定のアミノ酸配列の前部分を示す模式図。
【図4】 ブタ腎臓由来のデヒドロペプチダーゼIをコ
ードする、完全長のDNA(ppcDHP23)の塩基配列
および推定のアミノ酸配列の中間部分を示す模式図。
【図5】 ブタ腎臓由来のデヒドロペプチダーゼIをコ
ードする、完全長のDNA(ppcDHP23)の塩基配列
および推定のアミノ酸配列の後部分を示す模式図。
【図6】 ヒト腎臓由来のデヒドロペプチダーゼIをコ
ードするDNAの塩基配列および推定のアミノ酸配列の
前部分を示す模式図。
【図7】 ヒト腎臓由来のデヒドロペプチダーゼIをコ
ードするDNAの塩基配列および推定のアミノ酸配列の
中間部分を示す模式図。
【図8】 ヒト腎臓由来のデヒドロペプチダーゼIをコ
ードするDNAの塩基配列および推定のアミノ酸配列の
後部分を示す模式図。
【図9】 プラスミドpDHP2の構築模式図。
【図10】 プラスミドpDHP4およびpDHP6の構
築模式図。
【図11】 プラスミドpDHP8の構築模式図。
【図12】 プラスミドpDHP2に担持されているデ
ヒドロペプチダーゼI前駆体をコードするDNAの塩基
配列および推定のアミノ酸配列の前部分を示す模式図。
【図13】 プラスミドpDHP2に担持されているデ
ヒドロペプチダーゼI前駆体をコードするDNAの塩基
配列および推定のアミノ酸配列の後部分を示す模式図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 9/50 7823−4B //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 5/10 C12R 1:91) (72)発明者 丹羽 峰雄 京都府向日市上植野町切之口7−15 (72)発明者 小林 正和 兵庫県宝塚市花屋敷松ガ丘23−4

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デヒドロペプチダーゼ−Iの酵素活性を
    有するポリペプチドのアミノ酸配列をコードするDNA
    であって、図3〜5、図6〜8または図12〜13のい
    ずれかに記載のアミノ酸配列をコードしているDNA。
  2. 【請求項2】 図12〜13記載の成熟デヒドロペプチ
    ダーゼ−Iのアミノ酸配列をコードする請求項1のDN
    A。
  3. 【請求項3】 図3〜5記載の成熟デヒドロペプチダー
    ゼ−Iのアミノ酸配列をコードする請求項1のDNA。
  4. 【請求項4】 図6〜8記載の成熟デヒドロペプチダー
    ゼ−Iのアミノ酸配列をコードする請求項1のDNA。
  5. 【請求項5】 請求項1のDNAを含有する発現ベクタ
    ー。
  6. 【請求項6】 請求項5の発現ベクターを含有する形質
    転換体。
  7. 【請求項7】 図3〜5、図6〜8または図12〜13
    のいずれかに記載の成熟デヒドロペプチダーゼ−Iのア
    ミノ酸配列で示されるポリペプチド。
  8. 【請求項8】 請求項6の形質転換体を培地に培養し、
    得られる培養物からデヒドロペプチダーゼ−Iを採取す
    ることを特徴とするデヒドロペプチダーゼ−Iの製造
    法。
JP3115493A 1990-04-19 1991-04-18 デヒドロペプチダーゼ−i Pending JPH053790A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3115493A JPH053790A (ja) 1990-04-19 1991-04-18 デヒドロペプチダーゼ−i

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-103962 1990-04-19
JP10396290 1990-04-19
JP3115493A JPH053790A (ja) 1990-04-19 1991-04-18 デヒドロペプチダーゼ−i

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH053790A true JPH053790A (ja) 1993-01-14

Family

ID=26444525

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3115493A Pending JPH053790A (ja) 1990-04-19 1991-04-18 デヒドロペプチダーゼ−i

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH053790A (ja)

Cited By (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2260858A2 (en) 2003-11-06 2010-12-15 Seattle Genetics, Inc. Monomethylvaline compounds capable of conjugation to ligands
WO2014159981A2 (en) 2013-03-13 2014-10-02 Spirogen Sarl Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof
WO2016037644A1 (en) 2014-09-10 2016-03-17 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof
WO2016090050A1 (en) 2014-12-03 2016-06-09 Genentech, Inc. Quaternary amine compounds and antibody-drug conjugates thereof
EP3088004A1 (en) 2004-09-23 2016-11-02 Genentech, Inc. Cysteine engineered antibodies and conjugates
WO2017059289A1 (en) 2015-10-02 2017-04-06 Genentech, Inc. Pyrrolobenzodiazepine antibody drug conjugates and methods of use
WO2017165734A1 (en) 2016-03-25 2017-09-28 Genentech, Inc. Multiplexed total antibody and antibody-conjugated drug quantification assay
EP3235820A1 (en) 2014-09-17 2017-10-25 Genentech, Inc. Pyrrolobenzodiazepines and antibody disulfide conjugates thereof
WO2017201449A1 (en) 2016-05-20 2017-11-23 Genentech, Inc. Protac antibody conjugates and methods of use
WO2017205741A1 (en) 2016-05-27 2017-11-30 Genentech, Inc. Bioanalytical method for the characterization of site-specific antibody-drug conjugates
WO2017214024A1 (en) 2016-06-06 2017-12-14 Genentech, Inc. Silvestrol antibody-drug conjugates and methods of use
US9889207B2 (en) 2012-10-12 2018-02-13 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof
US9919056B2 (en) 2012-10-12 2018-03-20 Adc Therapeutics S.A. Pyrrolobenzodiazepine-anti-CD22 antibody conjugates
US9931414B2 (en) 2012-10-12 2018-04-03 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US9931415B2 (en) 2012-10-12 2018-04-03 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US9950078B2 (en) 2013-10-11 2018-04-24 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US9956299B2 (en) 2013-10-11 2018-05-01 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine—antibody conjugates
US10010624B2 (en) 2013-10-11 2018-07-03 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US10029018B2 (en) 2013-10-11 2018-07-24 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof
US10420777B2 (en) 2014-09-12 2019-09-24 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof
US10544223B2 (en) 2017-04-20 2020-01-28 Adc Therapeutics Sa Combination therapy with an anti-axl antibody-drug conjugate
US10695433B2 (en) 2012-10-12 2020-06-30 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US10736903B2 (en) 2012-10-12 2020-08-11 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-anti-PSMA antibody conjugates
US10751346B2 (en) 2012-10-12 2020-08-25 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine—anti-PSMA antibody conjugates
US10780096B2 (en) 2014-11-25 2020-09-22 Adc Therapeutics Sa Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US10799595B2 (en) 2016-10-14 2020-10-13 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine conjugates
US11059893B2 (en) 2015-04-15 2021-07-13 Bergenbio Asa Humanized anti-AXL antibodies
US11135303B2 (en) 2011-10-14 2021-10-05 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof
US11160872B2 (en) 2017-02-08 2021-11-02 Adc Therapeutics Sa Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US11318211B2 (en) 2017-06-14 2022-05-03 Adc Therapeutics Sa Dosage regimes for the administration of an anti-CD19 ADC
US11352324B2 (en) 2018-03-01 2022-06-07 Medimmune Limited Methods
US11370801B2 (en) 2017-04-18 2022-06-28 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine conjugates
US11524969B2 (en) 2018-04-12 2022-12-13 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof as antitumour agents
US11612665B2 (en) 2017-02-08 2023-03-28 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US11649250B2 (en) 2017-08-18 2023-05-16 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine conjugates
US11702473B2 (en) 2015-04-15 2023-07-18 Medimmune Limited Site-specific antibody-drug conjugates

Cited By (44)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2260858A2 (en) 2003-11-06 2010-12-15 Seattle Genetics, Inc. Monomethylvaline compounds capable of conjugation to ligands
EP3088004A1 (en) 2004-09-23 2016-11-02 Genentech, Inc. Cysteine engineered antibodies and conjugates
US11135303B2 (en) 2011-10-14 2021-10-05 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof
US9919056B2 (en) 2012-10-12 2018-03-20 Adc Therapeutics S.A. Pyrrolobenzodiazepine-anti-CD22 antibody conjugates
US9931415B2 (en) 2012-10-12 2018-04-03 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US11779650B2 (en) 2012-10-12 2023-10-10 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US10695433B2 (en) 2012-10-12 2020-06-30 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US10335497B2 (en) 2012-10-12 2019-07-02 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof
US10799596B2 (en) 2012-10-12 2020-10-13 Adc Therapeutics S.A. Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US10780181B2 (en) 2012-10-12 2020-09-22 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US10751346B2 (en) 2012-10-12 2020-08-25 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine—anti-PSMA antibody conjugates
US9889207B2 (en) 2012-10-12 2018-02-13 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof
US10736903B2 (en) 2012-10-12 2020-08-11 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-anti-PSMA antibody conjugates
US9931414B2 (en) 2012-10-12 2018-04-03 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US11771775B2 (en) 2012-10-12 2023-10-03 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
WO2014159981A2 (en) 2013-03-13 2014-10-02 Spirogen Sarl Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof
US9950078B2 (en) 2013-10-11 2018-04-24 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US9956299B2 (en) 2013-10-11 2018-05-01 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine—antibody conjugates
US10010624B2 (en) 2013-10-11 2018-07-03 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US10029018B2 (en) 2013-10-11 2018-07-24 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof
US10188746B2 (en) 2014-09-10 2019-01-29 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof
WO2016037644A1 (en) 2014-09-10 2016-03-17 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof
US10420777B2 (en) 2014-09-12 2019-09-24 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof
EP3235820A1 (en) 2014-09-17 2017-10-25 Genentech, Inc. Pyrrolobenzodiazepines and antibody disulfide conjugates thereof
US10780096B2 (en) 2014-11-25 2020-09-22 Adc Therapeutics Sa Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
WO2016090050A1 (en) 2014-12-03 2016-06-09 Genentech, Inc. Quaternary amine compounds and antibody-drug conjugates thereof
US11059893B2 (en) 2015-04-15 2021-07-13 Bergenbio Asa Humanized anti-AXL antibodies
US11702473B2 (en) 2015-04-15 2023-07-18 Medimmune Limited Site-specific antibody-drug conjugates
WO2017059289A1 (en) 2015-10-02 2017-04-06 Genentech, Inc. Pyrrolobenzodiazepine antibody drug conjugates and methods of use
WO2017165734A1 (en) 2016-03-25 2017-09-28 Genentech, Inc. Multiplexed total antibody and antibody-conjugated drug quantification assay
WO2017201449A1 (en) 2016-05-20 2017-11-23 Genentech, Inc. Protac antibody conjugates and methods of use
WO2017205741A1 (en) 2016-05-27 2017-11-30 Genentech, Inc. Bioanalytical method for the characterization of site-specific antibody-drug conjugates
WO2017214024A1 (en) 2016-06-06 2017-12-14 Genentech, Inc. Silvestrol antibody-drug conjugates and methods of use
US10799595B2 (en) 2016-10-14 2020-10-13 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine conjugates
US11160872B2 (en) 2017-02-08 2021-11-02 Adc Therapeutics Sa Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US11813335B2 (en) 2017-02-08 2023-11-14 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US11612665B2 (en) 2017-02-08 2023-03-28 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine-antibody conjugates
US11370801B2 (en) 2017-04-18 2022-06-28 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine conjugates
US10544223B2 (en) 2017-04-20 2020-01-28 Adc Therapeutics Sa Combination therapy with an anti-axl antibody-drug conjugate
US11318211B2 (en) 2017-06-14 2022-05-03 Adc Therapeutics Sa Dosage regimes for the administration of an anti-CD19 ADC
US11938192B2 (en) 2017-06-14 2024-03-26 Medimmune Limited Dosage regimes for the administration of an anti-CD19 ADC
US11649250B2 (en) 2017-08-18 2023-05-16 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepine conjugates
US11352324B2 (en) 2018-03-01 2022-06-07 Medimmune Limited Methods
US11524969B2 (en) 2018-04-12 2022-12-13 Medimmune Limited Pyrrolobenzodiazepines and conjugates thereof as antitumour agents

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH053790A (ja) デヒドロペプチダーゼ−i
FI84080C (fi) Foerfarande foer framstaellning av rennin och daeri anvaendbara hybridplasmider.
Filipek et al. Molecular cloning and expression of a mouse brain cDNA encoding a novel protein target of calcyclin
US5202236A (en) Method of producing bioadhesive protein
KR100316347B1 (ko) 대장균엔테로톡신ⅱ신호펩티드의변형체와인체성장호르몬의융합단백질을발현하는재조합미생물및그를이용한인체성장호르몬의제조방법
CA2018273C (en) Thermally stable cytosine deaminase
US4987070A (en) Use of a 97 amino acid leader sequence from the E. coli B-galactosidase gene for the production of hanp and hptc as fusion proteins
Cosentino et al. Specific inhibition of ribonucleotide reductases by peptides corresponding to the C-terminal of their second subunit
US5643757A (en) High yield production of human apolipoprotein A1 in E. coli.
EP0332660A1 (en) Bioadhesives
Kwon et al. Molecular cloning of the arylsulfate sulfotransferase gene and characterization of its product from Enterobacter amnigenus AR-37
EP0219814B1 (en) Process for production of isulin-like growth factor i and plasmid for production thereof
US5328839A (en) Oxido reductase enzyme system obtained from P. chrysogenum
JP3364972B2 (ja) 魚由来トランスグルタミナーゼ遺伝子
WO1996023869A1 (en) RECOMBINANT α-GALACTOSIDASE ENZYME
WO1995007088A1 (en) RECOMBINANT α-GALACTOSIDASE ENZYME AND cDNA ENCODING SAID ENZYME
KR970001567B1 (ko) 사람 갑상선 기원의 재조합 C-말단 α-아미드화 효소
EP0388008A1 (en) Production of superoxide dismutase in pichia pastoris yeast cells
US5928925A (en) Rice ornithine carbamyltransferase gene, and a vector containing said gene and a transformant
EP0585083A1 (en) Human glycosyltransferase gene
JP3477746B2 (ja) 魚由来トランスグルタミナーゼ遺伝子
EP0384750B1 (en) Process of producing human 5-lipoxygenase
US5753435A (en) Oxido reductase enzyme system obtainable from P. chrysogenum, the set of genes encoding the same and the use of oxido reductase enzyme systems or genes encoding the same for increasing antibiotic production
JP3081052B2 (ja) 糖転移酵素遺伝子
JPH0686675A (ja) マウス・デヒドロペプチダーゼ−i

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090405

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 14

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090405

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100405

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110405

Year of fee payment: 16

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110405

Year of fee payment: 16

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 17

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120405

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 17

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120405

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130405

Year of fee payment: 18

EXPY Cancellation because of completion of term