JPH0537131U - 歯ブラシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯ブラシの基本的な構造を損なうことなく、
一定の力以上の過剰な力が加わったときには歯ブラシの
柄が屈曲することである。 【構成】 歯ブラシの柄を加熱復元型の形状記憶樹脂で
成形すると共に、ブラシ台とグリップの間の任意の部分
に一定以上の力が加わると屈曲する絞り部を設けること
とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は適正な力で歯磨きを行うことを目的とした歯ブラシに関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

歯磨き時には歯ブラシを適正な力で歯列に押し付けることによって歯垢を除去 し、かつ歯茎をマッサージすることができる。これに反して一定の力以上の過剰 な力で歯ブラシを押しつけた場合には歯茎を傷めたり、ひどいときには歯自体が 楔状になるほど磨耗することがある。特に歯磨きの練習を開始したばかりの幼児 は力加減が分からないので過剰な力で磨くことがあり、却って歯磨きによって乳 歯や歯茎を傷める原因となってしまう。また、成人でも強い力で過度の歯磨きを 行った場合にはやはり障害が発生することになる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述したような弊害を防止するためには、歯列に歯ブラシを押し付 ける力を５００ｇから１ｋｇ程度までに止めることが必要である。従って、これ を越さない範囲で歯磨きを行うことができる歯ブラシが要望されている。このよ うな構成として、歯ブラシに圧力ゲージを取付け、これによって歯磨き中に歯ブ ラシに加えられる力を表示したり、一定の力を超えたときには音や光によって注 意を促すことも考えられるが、コストの負担が大きく、使い捨てという性質があ る歯ブラシには適さない。また、衛生面から歯ブラシの柄はできるだけ平滑であ ることが好ましく、複雑な機構を組み込むことは極力さけるべきである。

【０００４】 そこで、考案者は従来からの歯ブラシの基本的な構造を損なうことなく、一定 の力以上の過剰な力が加わったときには歯ブラシの柄が屈曲する構造を採用する ことによってその目的を達成したものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述した目的を達成するために、本考案では歯ブラシの柄を加熱復元型の形状 記憶樹脂で成形すると共に、ブラシ台とグリップの間の任意の部分に一定以上の 力が加わると屈曲する絞り部を設けるという手段を用いた。

【０００６】

【作用】

柄の素材として形状記憶樹脂を用いるという手段は、歯ブラシを繰り返し使用 することを目的とするものであり、過剰な力が加わって絞り部から屈曲した場合 であっても加熱によって容易に復元するという作用を奏することになる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付した図面に従って詳述すると、図１の歯ブラシ において、１は柄、２はブラシであり、柄１はグリップ３、スロート４、ブラシ 台５の３つの部分からなっている。これらの基本的な構造は公知の歯ブラシと同 様である。本考案ではスロート４の一部にさらなる絞り部６を設けたことに形状 的な特徴を有している。そして柄１の素材には加熱すると元の形状に復元する形 状記憶樹脂を用い、インジェクション成形等の公知の成形法で加工している。

【０００８】 ここで、絞り部６は軸方向と直交して５００ｇから１ｋｇを超える力が加われ ば屈曲する構造とする。そのために絞り部６の径を調整する必要があるが、用い る形状記憶樹脂の組成および物性によって決定する。また、磨く位置によって歯 ブラシの握り方が異なるので、どの方向から力が加わっても均等の条件で屈曲す ることができるように、絞り部６は断面円形にするのが好ましい。

【０００９】 絞り部６はスロート４の任意の位置に設けることができ、過剰な力が加われば この部分で屈曲することになる。しかし、歯ブラシを使用するときには握り方に かかわらず第１指と第２指の何れか一方が力点もしくは支点になるから、この部 分に近いスロートに絞り部６を設ければ、設定した力とあまり誤差のない範囲で 屈曲させることができる。図２〜図３は本考案の歯ブラシの別構造を示したもの で、図２ではグリップ３とスロート４の境界に指置き７を設け、あるいは図３で はさらにグリップ３とブラシ台５に角度をつけてより磨きやすくしたものである 。何れの実施例においても、スロート４の一部に絞り部６を形成し、一定以上の 力が加われば容易に屈曲する構成としている。

【００１０】 形状記憶樹脂の組成としては公知のものを採用するが、常温の範囲における形 状を記憶し、熱湯などで加熱すれば常温形状に復元する素材を選択する。ここで 形状記憶樹脂を採用した理由は、絞り部６において過剰な力によって屈曲した場 合でも繰り返し使用するためである。歯ブラシは、ブラシの寿命がくれば使い捨 てになるが、その前に絞り部６で屈曲した場合に捨てることは非常な無駄になる から、形状を復元させることによってこの無駄を回避することができる。なお、 柄１をグリップ３とブラシ台５に二分できるような構造の歯ブラシであっても、 スロートに該当する部分に絞り部を設けることによって同様の機能を発揮する歯 ブラシとすることが可能である。この場合には、グリップかブラシ台か、何れか 絞り部を形成した側の部分のみを形状記憶樹脂で構成することもある。

【００１１】 なお、この実施例ではグリップ３とブラシ台５との間にスロート４が形成され た柄１について説明したが、構造上でスロートが明確に形成されていない歯ブラ シもある。この場合であっても、グリップとブラシ台の間の任意の位置に絞り部 を設けることで、同様の作用を行うことができることはもちろんである。

【００１２】

【考案の効果】

本考案では、柄に加熱復元型の形状記憶樹脂を用い、さらに絞り部を形成する ようにしたので、過剰な力で歯磨きしたときには絞り部から容易に屈曲すること になり、歯や歯茎を傷めることを防止することができると共に、幼児の歯磨きの 練習で使用すれば最適な学習機能を発揮することができる。また、一旦屈曲した 場合でも熱湯などで加熱すれば元の形状に復元するので、ブラシの寿命まで繰り 返し使用することができ、無駄を防止することも可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図、

【図２】別の実施例を示す側面図、

【図３】さらに別の実施例を示す側面図である。

【符号の説明】

１ 柄 ２ ブラシ ３ グリップ ４ スロート ５ ブラシ台 ６ 絞り部 ７ 指置き

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】歯ブラシの柄を加熱復元型の形状記憶樹脂
   で成形すると共に、ブラシ台とグリップの間の任意の部
   分を一定以上の力が加わると屈曲する絞り部としたこと
   を特徴とする歯ブラシ。