JPH0536728U - 押圧式スイツチを備えた操作部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 操作部に配置するスイッチの配置や数が異な
る仕様のものについても、共通のケーシングのみで対応
できるようにすること。 【構成】 ケーシング１の内部に押圧式のスイッチ９を
備え、ケーシング１の表面を操作盤１ａとすると共にそ
の一部がスイッチ９を圧下できるように弾性変形させる
操作部の構造において、弾性変形する部分にそれぞれ対
応して、この弾性変形を阻止する手段を切除可能に備え
る。 【効果】仕様に関係なくケーシングを一つの共通部品と
するだけですみ、ケーシングの製造や管理が簡単になる
ほか生産性も向上する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、各種の電気機器の機能部の作動や停止を行わせるための操作部に係 り、特に押圧式のスイッチをケーシングの表面側から操作できるようにした操作 部の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

テレビや洗濯機等の電気製品には、各機能部を操作するための押圧式のスイッ チが広く利用されている。この押圧式のスイッチには、製品の外観の向上や防水 対策等のために、製品のケーシングの表面を押すことによって内部に設けたスイ ッチのオン，オフ動作をさせるようにしたものもある。

【０００３】 各種の電気製品の中で、腰掛け式の水洗便器に取り付けられる衛生洗浄装置に も、ケーシングの表面を操作面とし、内部に設けたスイッチを操作できるように したものが防水にも適していることから広く利用されている。

【０００４】 図８は衛生洗浄装置を備えた便器設備を示すものであり、便器本体５０に衛生 洗浄装置の機能部の全体を納めたケーシング１を固定し、このケーシング１には 便座６０及び便蓋６１を取り付けている。

【０００５】 衛生洗浄装置は、局部の洗浄や乾燥等の機能を持つものであり、洗浄のための ノズル装置５１を備えるほか、乾燥用の温風ファン（図示せず）を内蔵したもの である。そして、ケーシング１の内部には洗浄水を供給する配管や温水タンク等 を備えるとともに、各機能部を制御するためのコントローラが組み込まれる。ま た、各機能部を操作するための操作盤１ａがケーシング１の表面に設けられてい る。

【０００６】 図９は操作盤１ａの概略を示す縦断面図であり、ケーシング１の内部に配置し たプリント基板２０ａに押圧式のスイッチ２０が配置されている。ケーシング１ のこれらのスイッチ２０の位置に対応する部分の表面には表示を設け、裏面には これらのスイッチ２０を圧下してオンさせるための突起２１を形成している。そ して、この突起２１がスイッチ２０方向に向かうようにケーシング１の表面を弾 性変形させるために平面形状が凹状のスリット２１ａと切欠２１ｂとを設ける。 また、ケーシング１の表面には、薄肉の合成樹脂を素材としたシート２２を張り 付け、スリット２１ａから水等が浸入しないようにしている。

【０００７】 このような操作盤１ａでは、図９中の矢印方向にケーシング１の表面の表示部 分を押せば、切欠２１ｂを中心としてスリット２１ａでカットされた部分が下に 向けて変形する。これによって、突起２１がスイッチ２０を圧下し、これをオン させることができる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

衛生洗浄装置に限らず、各種の電気製品では共通の製品の中でも仕様を異なら せたものが多い。たとえば、衛生洗浄装置の場合では、乾燥用の温風ファンの有 無や便座６０を暖房便座とするかしないか等の仕様がある。このため、これらの 機能部の増減に対応してスイッチ２０の数も増減し、たとえば図９において右側 のスイッチ２０を組み込まない場合もある。したがって、この右側のスイッチ２ ０に対応するケーシング１には突起２１やスリット２１ａ等を形成する必要はな い。

【０００９】 ところが、製品仕様に応じてケーシング１の切欠２１ａや突起２１を設けるか 設けないかとすることは、ケーシング１を型製作する場合では、仕様数に応じた 型を必要とする。また、製造したケーシング１の仕様毎の管理も煩雑になる。

【００１０】 このように、スイッチの数や配置の仕様が異なるもののそれぞれに合わせてケ ーシング１を製作するのでは、製造及び管理の面での障害が増えることになり、 生産性にも影響を及ぼすことになる。

【００１１】 本考案において解決すべき課題は、操作部に配置するスイッチの配置や数が異 なる仕様のものについても、共通のケーシングのみで対応できるようにすること にある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ケーシングの内部に押圧式のスイッチを備え、前記ケーシングの表 面を操作盤とすると共に該操作盤の一部を前記スイッチへ向けて圧下可能に弾性 変形させることによって操作する操作部の構造であって、前記弾性変形する部分 に対応して、該弾性変形を阻止する手段を排除可能に備えていることを特徴とす る。

【００１３】

【作用】

ケーシングの操作部に部分的に弾性変形する領域を設け、これに対応させて押 圧式のスイッチをケーシングの中に組み込めば、ケーシングの部分的な弾性変形 によってスイッチを押してこれをオンさせることができる。そして、弾性変形す る部分にこの弾性変形を阻止する部材等を設けておけば、スイッチを組み込まな い部分の弾性変形がなくなる。また、弾性変形を阻止する部材を排除すれば、ケ ーシングの弾性変形が可能となり、この部分にスイッチを配置することによって その操作が行える。したがって、弾性変形を阻止する部材を排除できるようにし てさえいれば、スイッチの配置や数に応じてケーシングを操作ボタンのように使 うことができ、共通のケーシングを様々なスイッチの数や配置に対応させて使え るようになる。

【００１４】

【実施例】

図１は本考案の操作部構造の概略を示す要部の縦断面図、図２はケーシングの 操作盤部分とベースの概略分解斜視図である。なお、実施例では、図８で示した 衛生洗浄装置のケーシング１に設ける操作盤１ａについて説明する。

【００１５】 図２に示すように、ケーシング１に設ける操作盤１ａには、第１洗浄ボタン２ ａ，第２洗浄ボタン２ｂ，乾燥ボタン２ｃ及び停止ボタン２ｄが配置されている 。そして、洗浄水の流量を増減させるための流量調整ボタン２ｅ及び洗浄水の温 度を調整する温度調整ボタン２ｆもそれぞれ一組ずつ設けている。

【００１６】 これらの各ボタン２ａ〜２ｆは、図９で説明したようにスリットと切欠との組 合せによって形成され、その上面を押すことによって下向きに弾性変形し、ベー ス２に配置したスイッチのピンを圧下できるようにしたものである。すなわち、 図１を借りて説明すれば、各ボタン２ａ〜２ｆはケーシング１を貫通させて開け たスリット１ｂを平面形状がほぼ凹状となるように設け、このスリット１ｂが閉 じている側のケーシング１の下面に切欠１ｃを設けたものである。そして、これ らのボタン２ａ〜２ｆの下面には突起を突き出し、これをスイッチのピンに当て てこれを押す構造とすることは従来例と同様である。また、ケーシング１の表面 の操作盤１ａの全面には、薄肉の合成樹脂を素材とするシート３を貼り付け、こ のシート３によってスリット１ｂからの水や埃等の浸入等を防止する。

【００１７】 ベース２はケーシング１と別体としてその中に固定したもの、又はケーシング １と一体に形成したものであり、その上面には図２の各ボタン２ａ〜２ｆの位置 に対応するようにスイッチを配置する。

【００１８】 ここで、図２のボタン群の他に、たとえば図中の一点鎖線で示すように第１補 助ボタン４及び第２補助ボタン５も予め形成しておくものとする。すなわち、ケ ーシング１には各ボタン２ａ〜２ｆに加えてこれらの２個の第１，第２補助ボタ ン４，５を備えたものを一つの標準部品として用意しておき、これらの補助ボタ ン４，５を使わない仕様を標準とし、いずれか一方の補助ボタン４，５又はこれ らの両方を使う合計４種類の仕様製品として供給できるようにする。第１，第２ 補助ボタン４，５は、たとえば図８で示したノズル装置５１を洗浄位置で首振り 動作させるムーブ洗浄や、消臭機能を持つものではこれを操作する等に対応させ て使うことができる。

【００１９】 図１において、第１，第２補助ボタン４，５の下面にはそれぞれベース２側へ 向けて突起４ａ，５ａを突き出して設ける。なお、他の各ボタン２ａ〜２ｆにも このような突起を設けてそれぞれに対応するスイッチのピンに向けて突き出す構 造とすることは無論である。一方、ベース２には、これらの第１，第２補助ボタ ン４，５に対応させて２個のブロックピン６，７を設ける。

【００２０】 ブロックピン６，７は、図２に示すように第１，第２補助ボタン４，５の幅よ りも少し短い長さを持つ板状である。そして、図１のようにそれぞれのブロック ピン６，７の上端部は切欠１ｃの近傍であって突起４ａ，５ｂ側に偏った部分に 位置するように設ける。また、これらのブロックピン６，７の下端部には、両面 を切り欠いて肉薄とした絞り部６ａ，７ａを設け、この絞り部分６ａ，７ａを曲 げることによって切除できるようにする。

【００２１】 更に、ケーシング１の内部には図１に示すようにプリント基板８を設け、この 上に図９で説明したようにスイッチを配列し、各ボタン２ａ〜２ｆによってこれ らのスイッチを操作可能とする。

【００２２】 ここで、第１補助ボタン４が使える仕様の場合では、図１に示すようにこの第 １補助ボタン４の下側のみのプリント基板８にスイッチ９を設ける。このため、 第１補助ボタン４は下に向けて変形できるようにすることが必要なので、これに 対応しているブロックピン６のみを切除したベース２としておき、図３のように 他方のブロックピン７はそのまま残す。このように一方のブロックピン７を取り 除けば、第１補助ボタン４を図４の矢印方向に押せば下に弾性変形し、スイッチ ９を押してこれをオンさせることができる。

【００２３】 また、第２補助ボタン５が使える仕様とする場合は、逆に第１補助ボタン４側 のブロックピン６はそのまま残しておき、第２補助ボタン５側のブロック７のみ を取り除けばよい。そして、第１，第２補助ボタン４，５のいずれをも使う仕様 の場合では、両方のブロックピン６，７を取り除いたベース２を用いれば、同様 に第１，第２補助ボタン４，５の操作が可能となる。

【００２４】 このように、標準仕様に対して付属するボタンの数及び位置に対応させてブロ ックピンを設けることによって、共通のベース２をそのまま使うことができる。 したがって、製品の仕様別にベース２を多数用意しておく必要がなくなる。

【００２５】 図５から図７は別の例を示す要部の縦断面図である。

【００２６】 この例は、ベース２側に代えてケーシング１にブロックピン１０，１１を設け 、第１補助ボタン４及び第２補助ボタン５に関しての仕様変更についても同じ共 通のケーシング１で対応できるようにしたものである。

【００２７】 ケーシング１の下面に設けるブロックピン１０，１１は切欠１ｃよりも突起４ ａ，５ａ側に少し偏った位置にあり、付け根部分には絞り部１０ａ，１１ａをそ れぞれ設けている。そして、第１補助ボタン４を使う仕様の場合では、図６のよ うにブロックピン１０のみを切除すればよく、他方のブロックピン１１はそのま ま残す。これにより、図７のように第１補助ボタン４を矢印方向に押せば、突起 ４ａがスイッチ９を押圧してこれをオンさせることができる。

【００２８】 また、前記の例と同様に、第２補助ボタン５のみを使う仕様であれば、ブロッ クピン１１のみを切除すればよく、更に第１，第２補助ボタン４，５のいずれを も使う仕様の場合では両方のブロックピン１０，１１を取り除けばよい。

【００２９】 なお、実施例では、衛生洗浄装置の操作盤について説明したが、これ以外の各 種の電気機器における操作盤にも本考案の操作部の構造が適用できることは無論 である。

【００３０】

【考案の効果】 本考案では、ケーシングやベースを一つの共通部品として、スイッチの配置や 数に応じブロックピンを切除するだけで各種の仕様に対応できる。このため、仕 様別に部品を製造したりこれらを管理する手間がなくなり、生産性の向上が図ら れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の操作部構造の要部を示す縦断面図であ
る。

【図２】ケーシングとベースとの概略分解斜視図であ
る。

【図３】ブロックピンを切除してスイッチを操作可能と
したときの要部の縦断面図である。

【図４】ボタンを押したときの弾性変形によるスイッチ
の操作状況を示す要部の縦断面図である。

【図５】別の実施例であってブロックピンをケーシング
側に設けた例を示す要部の縦断面図である。

【図６】図５における一方のブロックピンを切除したと
きの縦断面図である。

【図７】ボタンを押したときの操作状況を示す縦断面図
である。

【図８】便器に衛生洗浄装置を据付けた例の斜視図であ
る。

【図９】従来の操作部構造を示す要部の縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ケーシング １ａ 操作盤 １ｂ スリット １ｃ 切欠 ２ａ 第１洗浄ボタン ２ｂ 第２洗浄ボタン ２ｃ 乾燥ボタン ２ｄ 停止ボタン ３ シート ４ 第１補助ボタン ４ａ 突起 ５ 第２補助ボタン ５ａ 突起 ６ ブロックピン ７ ブロックピン ９ スイッチ １０ ブロックピン １１ ブロックピン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 柳川 恭広 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番１ 号 東陶機器株式会社内 (72)考案者 坂間 孝夫 神奈川県横浜市戸塚区前田町100番地 小 糸工業株式会社内 (72)考案者 中島 彰彦 神奈川県横浜市戸塚区前田町100番地 小 糸工業株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシングの内部に押圧式のスイッチを
   備え、前記ケーシングの表面を操作盤とすると共に該操
   作盤の一部を前記スイッチへ向けて圧下可能に弾性変形
   させることによって操作する操作部の構造であって、前
   記弾性変形する部分に対応して、該弾性変形を阻止する
   手段を排除可能に備えていることを特徴とする押圧式ス
   イッチを備えた操作部構造。