JPH0536642Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、主としてコンクリート用骨材を冷
却するさいに使用する冷却装置に関する。

〔従来の技術、及びその問題点〕

夏期、あるいは熱帯地方等において所要のコン
クリートを打設するさいには、コンクリートの打
設温度が非常に高くなり、ひいては、コンクリー
ト強度を著しく低下せしめる大きな要因となつて
いた。

そのため、従来は、コンクリートの混練り時に
窒素ガスや二酸化炭素ガス等の冷媒体、あるいは
氷等をミキシングドラム内に直接投入してコンク
リートの生成温度を低下せしめ、コンクリート打
設時における温度調整を行うものとされていた。

しかしながら、セメント、砂、砂利等の材料
は、保管時において既に高温下に曝され相当に熟
せられているものであり、これらの材料を配合し
て混練りしつつ冷媒体や氷等を投入しても、粉状
体であるセメントはともかく、砂や砂利用などの
骨材は粒状体であるがため、非常に冷却されにく
く、ひいては冷却に相当の時間を要し、極めて冷
却効率の悪いものとなつていた。

この考案は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、砂や砂利等の骨材を混練り前において所定の
温度に迅速、かつ確実に、しかも効率よく冷却せ
しめ、生成コンクリートの冷却を迅速に、しかも
効率よく行うことができるコンクリート用骨材等
の冷却装置を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

即ち、この考案は、冷却ガス用吹込み口２を備
えた冷却室１と、該冷却室１を挿通して回転自在
に配設された内周面に中空フライト１２，１２ａ
を有する円筒状ドラム３とよりなり、上記ドラム
３の一端部には投入口６が、同他端部には排出口
７が各々形成されると共に、該投入口６は連通パ
イプ８を介して冷却室１に連通され、かつ、同ド
ラム３の外周壁には冷却室１と中空フライト１
２，１２ａとを連通せしめるべく孔１３，１４が
形成された構成よりなる。

〔作用〕

ドラム３を回転せしめつつ、吹込み口２より冷
却ガスを冷却室１内に吹き込む。しかるのち、投
入口６より所要の骨材Ａをドラム３内に投入して
フライト１２，１２ａにより掻上げ撹拌せしめつ
つ、冷却室１に吹き込まれた冷却ガスでもつてド
ラム３の外周壁及び中空フライト１２，１２ａを
冷却すると共に、連通パイプ８を介して直接ドラ
ム３内に吹き込み、骨材Ａを迅速、かつ確実に、
しかも能率よく冷却せしめる。

〔実施例〕

以下に、この考案を図面に示す１実施例につい
て説明する。

１は断熱材で被覆せられた冷却室、２は該冷却
室１の側壁に形成せられた冷却ガスの吹込み口、
３は同冷却室１を挿通して配設された円筒状ドラ
ムで、該ドラム３はその両端部外周面に取付けら
れた環状タイヤ４を回転駆動するローラ５に圧接
せしめることにより等速回転するものとされてい
る。６は上記ドラム３の一端部に形成された投入
口、７は同他端部に形成された排出口で、上記投
入口６は前記冷却室１の頂部と連通パイプ８でも
つて連通自在に接続されると共に、骨材投入用の
コンベア９が接続せられ、また、排出口７側には
冷却ガスの排出パイプ１０が接続せられている。
１１は上記連通パイプ８内に設けられた送風機、
１２は前記ドラム３の長手方向に沿つて所定間隔
毎に内接された中空状のフライトで、該各フライ
ト１２の両端部には冷却ガス導入口１３、中央部
には排出口１４が各々冷却室１と連通するように
形成されている。その他、Ａは砂や砂利等の骨材
を示す。

次に、上記実施例に係る冷却装置の作動につい
て説明する。

まづ、ドラム３を等速回転せしめつつ、吹込み
口２より窒素ガス等の冷却ガスを冷却室１内に吹
き込む。しかるのち、コンベア９を作動せしめて
骨材Ａをドラム３内に投入する。すると、骨材Ａ
はフライト１２により順次掻上げられたのち落下
転動しつつ次第に排出口７に向けて撹拌移送され
る。他方、冷却室１内に吹き込まれた冷却ガス
は、冷却室１内でドラム３の外周壁を冷却すると
共に、導入口１３より各フライト１２内に分流し
て各フライト１２を冷却し、間接的に骨材Ａを冷
却せしめる。ついで、冷却室１内の冷却ガスは順
次連通パイプ８を通つて次第にドラム３内に流入
し、落下転動しつつ移送する骨材Ａに触れ、骨材
Ａを直接冷却せしめる。冷却された骨材Ａは排出
口７を通つてドラム３外に落下排出され、所要コ
ンクリートの混練りに使用せられる。また、冷却
ガスは排出口７を通つて排出パイプ１０より排出
される。なお、排出された冷却ガスは、骨材の貯
蔵槽に吹込んでもよく、また集塵機を通して大気
中に開放してもよい。

なお、上記実施例において、フライト１２は１
側面が湾曲状とされた中空角パイプ状とされてい
るが、これに限定されるものでなく、例えば、第
４図に示すように、掻上げ撹拌作用を増大せしめ
ると共に、接触面積を拡大せしめるため、各フラ
イト１２ａを連通自在に連続して一体に形成せし
めたものでもよい。また、上記実施例に係る装置
は、コンクリート用骨材Ａの外、これに類するも
のの冷却用にも適用することができるものであ
る。

〔考案の効果〕

この考案によれば以上の次第で、冷却ガス用吹
込み口２を備えた冷却室１と、該冷却室１を挿通
して回転自在に配設された内周面に中空フライト
１２，１２ａを有する円筒状ドラム３とよりな
り、上記ドラム３の一端部には投入口６が、同他
端部には排出口７が各々形成されると共に、該投
入口６は連通パイプ８を介して冷却室１に連通さ
れ、かつ、同ドラム３の外周壁には冷却室１と中
空フライト１２，１２ａとを連通せしめるべく孔
１３，１４が形成されているから、骨材Ａ等をフ
ライト１２，１２ａでもつて掻上げ撹拌しつつ、
冷却ガスによりドラム３の外周壁及び中空フライ
ト１２，１２ａを冷却して骨材Ａ等を間接的に冷
却せしめると共に、連通パイプ８を介して直接ド
ラム３内に吹き込み、骨材Ａ等の冷却を迅速、か
つ確実に、しかも効率よく行うことができるもの
である。そして、かかる冷却骨材Ａを配合するこ
とにより冷却コンクリートを極めて迅速に、しか
も、効率よく生成せしめることができ、ひいて
は、コンクリート打設時における温度を適正に調
製してコンクリート強度をアツプせしめることが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の１実施例を示すもので、第１
図は一部を切欠いた側面図、第２図は第１図の
−線に沿う断面図、第３図はフライトを示す一
部切欠き斜視図、第４図はフライトの他の実施例
を示す横断面図である。 １……冷却室、２……吹込み口、３……ドラ
ム、６……投入口、７……排出口、８……連通パ
イプ、１２，１２ａ……フライト、１３……冷却
ガス導入口、１４……排出口、Ａ……骨材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷却ガス用吹込み口２を備えた冷却室１と、該
   冷却室１を挿通して回転自在に配設された内周面
   に中空フライト１２，１２ａを有する円筒状ドラ
   ム３とよりなり、上記ドラム３の一端部には投入
   口６が、同他端部には排出口７が各々形成される
   と共に、該投入口６は連通パイプ８を介して冷却
   室１に連通され、かつ、同ドラム３の外周壁には
   冷却室１と中空フライト１２，１２ａとを連通せ
   しめるべく孔１３，１４が形成されてなるコンク
   リート用骨材等の冷却装置。