JPH0536365A - 多機能塗布膜 - Google Patents

多機能塗布膜

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Publication number
JPH0536365A
JPH0536365A JP783891A JP783891A JPH0536365A JP H0536365 A JPH0536365 A JP H0536365A JP 783891 A JP783891 A JP 783891A JP 783891 A JP783891 A JP 783891A JP H0536365 A JPH0536365 A JP H0536365A
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JP
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layer
film
coating
refractive index
weight
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Application number
JP783891A
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English (en)
Inventor
Tatsuaki Tsuboi
竜明 坪井
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Sumitomo Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Cement Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射防止と帯電防止との両方の効果を有する
多機能塗膜を提供し、さらには蛍光体からの余分な色を
吸収する着色層を有する多機能塗膜を提供することにあ
る。 【構成】 ブラウン管のガラス画面側の第1層に粒径が
0.1μm以下のアンチモン含有酸化スズを有する帯電防
止用の中屈折率層を、最外層に粒径が0.1μm以下のフ
ッ化マグネシウムを有する低屈折率層を配した多機能塗
布膜。また、中間層として高屈折率層を、さらには第1
層あるいは中間層に着色料を配合した多機能塗布膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テレビ、CRT等の
ブラウン管画面への映り込みおよび帯電を防止する機能
を有する多機能膜に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビ、CRT等のブラウン管にあって
は、その画像の外乱要因として、例えば室内の蛍光燈や
窓からくる外の景色が表面に反射する映り込みがある。
このような外乱要因の対策としては、技術的には蒸着に
よる表面へのフッ化マグネシウムの膜付けやアルコキシ
ドによるシリカとチタンの交互積層膜により、反射を低
減する方法が知られている。しかしながら、これらの方
法は非常に高価な手法であるため、実用化されていない
のが現状である。また、実用化されている対策として
は、ブラウン管の表面自体を凹凸な面にする方法や、表
面に凹凸の膜を付けて映り込み像を乱反射させる方法が
ある。
【0003】一方、ブラウン管においては、映り込みと
は別に帯電による種々の不都合もある。ここで帯電は、
ブラウン管の画面ガラスの裏に塗布された蛍光塗料を発
色させるために、高電圧をかけることによって表面に静
電気が発生することにより生ずるのである。そして、こ
の帯電が生じると、触れたときに電撃が起きたり、ホコ
リを吸着してヨゴレ易くなったり、付着した埃が静電気
を帯びて放射され、人の目に飛び込んで障害を与える恐
れがあるといった不都合がある。このような帯電防止の
ための対策としては、有機物系導電材を塗布して画面上
に塗膜を形成する方法や、インジウム含有酸化スズ(I
TO)またはアンチモン含有酸化スズ(ATO)といっ
たのフィラーを配合してなる透明で導電性の塗料でコー
トする方法がある。
【0004】さらに、従来のブラウン管においては、通
常発色させるためにR(赤)G(緑)B(青)の3種の
蛍光体を使うが、RとGの発色は単色ではなく或る幅を
持った光であるため両方からの光に重なる波長域があ
り、その部分の色が強くでてきてしまって受信した色と
は異なった色を映してしまうという問題がある。そこで
従来では、ブラウン管画面上に着色層を設けてその余分
な色を吸収するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術においては以下に述べる不都合がある。ブラウン
管画面への映り込みを防止するためその画面自体を凹凸
な面にする方法や、画面に凹凸の膜を付けて映り込み像
を乱反射させる方法にでは、一応映り込みは低減されて
いるものの、その反面画像の解像度が悪くなるという難
点がある。また、帯電を防止するため、有機物系導電材
を塗布して画面上に塗膜を形成する方法や、透明で導電
性の塗料でコートする方法にあっては、前者では湿度に
よって膜の導電性が変化することから乾燥時に帯電防止
効果が無くなるという欠点がある。また後者では、IT
OまたはATOを用いたいずれの場合にも得られる塗膜
の屈折率が2.0程度となり、ガラス画面の1.5よりか
なり高く、そのため膜の反射が大きくなりかえって映り
込みが大きくなるといった問題がある。
【0006】さらには、同一ガラス画面上に反射防止と
帯電防止との両方の効果を有する塗膜を形成しようとし
ても、反射防止効果を担う膜(層)は最外層になければ
ならず、その膜(層)は低屈折率(1.45以下)でな
ければならない。一方帯電防止効果を担う膜(層)につ
いても、表面静電気を除去するものであるから最外層に
しなければならないが、透明導電材の屈折率は2.0程
度とかなり大きいため、前述したようにこのような物質
を反射防止膜に配合することはできない。したがって、
反射防止と帯電防止との効果は二者択一の問題であり、
両機能を同時に満足する塗布膜は提供されていないのが
現状である。
【0007】また、ブラウン管画面上に着色層を設けて
余分な色を吸収する場合にも以下に述べる不都合があ
る。着色層を形成するための着色料には単色であるもの
が無く、特に無機質の物では目的とする色のみを吸収す
る、即ちあざやかな色のものが無い。例えば、無機顔料
として最も鮮やかなコバルトブルーや群青であっても、
余分な色をも吸収してしまうことから本目的には全く不
適である。また、有機材料の着色料にあっても、有機着
色料を塗料に加えてブラウン管に塗布した場合、膜面か
ら滲み出たり溶剤によって溶出してしまうといった問題
があり、さらには耐候性に特に弱く、紫外線によって変
色、脱色してしまう欠点がある。この発明は前記事情に
鑑みてなされたもので、反射防止と帯電防止との両方の
効果を有する多機能塗膜を提供し、さらには蛍光体から
の余分な色を吸収する着色層を有する多機能塗膜を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め本発明における請求項1記載の多機能塗布膜では、ブ
ラウン管のガラス画面側の第1層の塗膜が、テトラエト
キシシランをバインダーとし、これに粒径が0.1μm以
下のアンチモン含有酸化スズを固形分比で40〜70重
量%配合してなる塗料を、厚さ0.3〜0.4μmとなる
よう塗布して形成されたものであるとともに屈折率が
1.52〜1.58に調整されており、最外層の塗膜が、
テトラエトキシシランをバインダーとし、これに粒径が
0.1μm以下のフッ化マグネシウムを固形分比で30〜
60重量%配合してなる塗料を、厚さが光学膜厚でλ/
4となるよう塗布して形成されたものであるとともに屈
折率が1.39〜1.44に調整されてなることによって
前記課題を解決した。
【0009】また請求項2記載の多機能塗布膜では、前
記第1層と最外層との間に、テトラブトキシチタンが固
形分比で70〜40重量%配合され、その残部の、固形
分比で30〜60重量%がテトラエトキシシランであ
り、かつ該残部の40〜70重量%が粒径0.1μm以下
のアンチモン含有酸化スズである塗料を、厚さが光学膜
厚でλ/4となるよう塗布して形成されたものであると
ともに屈折率が1.60〜1.80に調整されてなる中間
層を配したことによって前記課題を解決した。請求項3
の記載の多機能塗布膜では、前記第1層あるいは中間層
に、吸収中心波長が600nm付近の着色料を、その塗膜
層中における固形分に対して3〜20重量%配合したこ
とによって前記課題を解決した。
【0010】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
多機能塗布膜は、ブラウン管のガラス画面上に形成され
るものであって、複数層からなり、ガラス画面側の第1
層を中屈折率層とし、最外層を低屈折率層として構成さ
れたものである。そして、これら第1層と最外層との間
に中間層を設け、かつこの中間層を高屈折率層とするの
が好ましい。
【0011】第1層となる中屈折率層としては、テトラ
エトキシシランをバインダーとし、これに粒径が0.1
μm以下のATO(アンチモン含有酸化スズ)を固形分
比(テトラエトキシシランを二酸化ケイ素に換算する)
で40〜70重量%配合し、さらに吸収中心波長が60
0nm付近の着色料(マゼンタ色)を固形分に対して3〜
20重量%配合した塗料によって形成されるものであ
る。ここで、ATOの粒径を0.1μm以下にしたのは、
これを越えると乱反射によりヘイズ (曇価)が大きく
なり、透明性が落ちるので好ましくないからである。ま
た、ATOの配合量を40〜70重量%にしたのは、40
重量%未満であると帯電防止効果が弱くなって実用的で
なく、70重量%を越えるとバインダーとしてのアルコ
キシド分が少なくなり、膜強度が著しく低下して好まし
くないからである。バインダーとしてはガラスへの付着
性のよいアルコキシシランならいずれも使用可能である
が、取扱上及び衛生上、安全上、コスト上からテトラエ
トキシシランが最も好ましいのである。
【0012】着色料としては、600nm付近の光をシ
ャープに吸収するものならいずれも良いが、有機、無機
とも顔料では吸光がシャープでない (彩度が悪い)の
で有機染料のみが現状としては使用可能である。この場
合に、第1層を形成するための塗料にはアルコキシドを
使うので、染料の溶剤についてはアルコキシドと同じ水
またはアルコール類、アセトン類のものが配合上有利で
ある。また、染料は水溶性のものが多いことから、塗料
のバインダーとしてアルコキシドを使うことが塗料作製
上有利なのである。
【0013】ここで前記染料は、いずれも吸収された残
りの光を見るためのもので、希望する波長の光が他の光
より強くなっているように造られたものである。なお、
目的にある波長のみを吸収する染料 (着色料全体)は現
在のところ造られていない。すなわち、科学技術的には
そのような染料を造りうるかもしれないが、光学用に使
用される染料としては量的に少なく、また新規に研究・
開発してコスト的に採算の合うものではないからであ
る。そして、いずれの染料も塗料中に配合されて塗膜に
形成されると、その膜表面から溶出し易いものとなり、
また紫外線に弱く分解劣化してしまうが、本発明では後
述するように表面層(最外層)にフッ化マグネシウム配
合のケイ酸膜が形成されるので、該染料(着色料)が溶
出する問題がない。
【0014】また、本発明の多機能塗布膜では、染料を
配合した第1層にATOも一緒に配合されており、さら
にはその上層に後述するATO配合中間層が形成される
場合がある。このATOは半導体の一種であり、エネル
ギーのハンドギャップが小さいことから光の高エネルギ
ー部分の紫外線を吸収する能力がある。したがって、前
記染料は紫外線吸収が抑えられ、その結果耐候性が改善
されることとなる。着色料の配合量を3〜20重量%と
したのは、3重量%未満であると着色濃度が低くフィル
ター機能を発揮せず、また20重量%を越えると膜強度
が低下するため好ましくないからである。
【0015】この第1層を形成するための塗料のについ
ては、その屈折率を1.52〜1.58とするが、この調
節はATOの配合割合と塗料の乾燥処理 (加熱乾燥)方
法によって可能であり、またアルコキシドの有機基の異
なるものを配合してバインダーの屈折率を高い方にもっ
ていくといった周知技術による方法でも可能である。な
お、アルコキシドの部分加水分解法、触媒添加、溶媒の
種類と量及び塗料の塗布方法 (このような光学膜では
一般にスプレー、スピンコート、ティップ法、グラビア
印刷等が使用される)、塗膜の乾燥方法 (加熱温度、時
間)等については、塗膜形成の通常の技術によって適宜
選択されて採用される。
【0016】最外層となる低屈折率層としては、テトラ
エトキシシランをバインダーとし、これに粒径が0.1
μm以下のフッ化マグネシウム粒子を固形分比 (二酸化
ケイ素換算)で30〜60重量%配合した塗料によって
形成されるものである。ここで、フッ化マグネシウムよ
り屈折率が小さいものとしては氷晶石等があるが、これ
らは水溶性が強いので塗布膜用フィラーとしては不適で
ある。また、フッ化マグネシウム粒子の粒径を0.1μ
m以下としたのは、0.1μmを越えると得られる塗布膜
層の乱反射が強くなって白っぽくなり、透明性が低下し
好ましくないからである。フッ化マグネシウム粒子の配
合量を固形分に対して30〜60重量%としたのは、3
0重量%未満ではフッ化マグネシウムにより膜の屈折率
を下げようとする効果が少なくなり、一方60重量%を
越えるとバインダーの比率が少なくなって膜強度が低下
し好ましくないからである。
【0017】バインダーとしては、ガラスに対する接着
性及び膜強度の点からアルコキシシランならいずれも使
うことができるが、安全性、取扱性、工業的な入手の容
易性からテトラエトキシシランが最も好ましい。なお、
テトラエトキシシランを予め部分加水分解したり、安定
剤または触媒として塩酸などの酸類を添加したり、アル
コール系の溶媒を使ったり、硬化のために加熱するのは
周知の技術であり、これらの技術を採用することはもち
ろん本発明の範囲である。また、このような配合からな
る塗料の塗布厚としては、光学膜厚(実膜厚に屈折率を
乗じた値)でλ/4となるように調節される。そして、
得られる膜(最外層)の屈折率は1.39〜1.44に調
節される。
【0018】なお、前述したように、帯電防止のために
は0.1μm以下のATO粉を膜に配合するが効果的であ
るが、ATOは屈折率が高いため反射が高く、この最外
層を形成する塗料には使用できない。ここで、帯電防止
膜の機能は最外表面に生ずる静電気を帯電防止膜の導電
性によってリークさせるのであるから、最外層として用
いるのが最適である。しかし、帯電防止膜となる第1層
上にさらにフッ化マグネシウムとテトラエトキシシラン
による反射防止膜(最外層)を形成しても、第1層の帯
電防止効果が阻害されないことを本発明者等は見いだ
し、これによって帯電防止効果と反射防止効果を発揮す
る多機能塗布膜を完成したのである。すなわち、帯電防
止膜上にフッ化マグネシウム膜をつけても導電性が損な
われない理由の一つは、フッ化マグネシウム膜(最外
層)の膜厚をλ/4 (約0.1μm)としたのでトンネ
ル効果により導電性が落ちないからである。また他の理
由としては、フッ化マグネシウム膜は誘電体ではあるも
のの、バインダーのシリケートが水酸基を持ちイオン電
導性があるので、そのわずかな距離間では大きな抵抗に
ならないこと、さらには静電気の電圧は数1000ボル
トであるので、イオンを有する膜では破壊電圧よりはる
かに高い領域であることから静電気が発生しないことな
どが考えられる。
【0019】さらに、より良い反射防止効果を有する多
機能塗布膜を得たい場合には、請求項2記載の多機能塗
布膜のように前記の第1層と最外層との中間に高屈折率
の中間層を形成する。この中間層を形成するための塗料
は、バインダーとしてテトラブトキシチタンを固形分比
(テトラブトキシチタンを二酸化チタンとして換算す
る)で70〜40重量%配合し、その残部の、固形分比
で30〜60重量%をテトラエトキシシランとし、かつ
該残部の40〜70重量%を粒径0.1μm以下のATOと
するとともに、光の吸収中心波長が600nm付近の着
色料を固形分に対して3〜20重量%配合した塗料によ
って形成されるものである。そして、この塗料を厚さが
光学膜厚でλ/4となるように第1層上に塗布するとと
もに、その屈折率を1.60〜1.80に調整して中間層
を形成するのである。
【0020】バインダーとして、膜の屈折率が1.60
〜1.80になるようにテトラブトキシチタンを使用す
るのは、他のチタンアルコキシドを用いることも可能で
あるものの、衛生上、取扱上、コスト上からテトラブト
キシチタンが好ましいからである。このテトラブトキシ
チタンの配合量を固形分比で 40〜70重量%とした
のは、40重量%未満であると屈折率が低くなってしま
うからであり、一方70重量%を越えて配合すると膜強
度が低下し、さらには共に配合されるATOの量が少なく
なって帯電防止効果が十分発揮されなくなるからであ
る。
【0021】テトラブトキシシランを除いた分、すなわ
ち固形分の30〜60重量%のうち、さらにその30〜
60重量%にテトラエトキシシランを用いる。これは第
1層または最外層に用いる場合と同じ条件であり、その
目的は高屈折率(2.5)の酸化チタンを膜強度の優れた
酸化ケイ素中に混合し、膜の屈折率を1.60〜1.80
に調節するためである。なお、テトラエトキシシランは
酸化チタンよりガラス面への付着性が優れているので、
その意味からもテトラエトキシシランを多量に配合する
ようにしているのである。テトラエトキシシランの配合
量については、テトラブトキシチタン以外の固形分の3
0重量%未満であると得られる膜(中間層)の強度が不
足してしまい不適であり、60重量%を越えるとATOの
配合量が少なくなって帯電防止の効果が得られず、また
膜の屈折率が1.6未満になって好ましくない。
【0022】ATOは第一層に使用したものと同一のもの
で、得られる効果も同様である。そして、その配合量に
ついてはテトラブトキシチタン以外の固形分の40〜7
0重量%であり、40重量%未満にすると導電性の効果
及び紫外線遮蔽の効果が不十分となり、70重量%を越
えると膜強度が低下するのでいずれも不適である。着色
料については、前記第1層の場合と同じ性能、仕様、効
果であるが、第1層に着色料を使用する場合にはこの中
間層への着色料の添加は不必要となる。そしてこの場
合、着色層(第1層)の上に中間層が配置されることか
ら、着色料の保護がより強化され好ましい。
【0023】塗膜の屈折率については、屈折率が2.1
〜2.5の酸化チタン、2.0のATO、1.46〜1.48
の酸化ケイ素の配合比を変えることによって1.60〜
1.80になるように調整するが、塗膜の乾燥条件 (加
熱条件)によっても変化するので、それらを加味して適
宜配合される。また、チタンアルコキシドとシランアル
コキシドの有機基を適宜選択することにより、前者では
屈折率を下げることができ、後者では高くすることがで
きる。したがって、これらを適宜置換して配することに
より、屈折率を調整することもできるのである。
【0024】
【作用】本発明におけ請求項1記載の多機能塗布膜によ
れば、反射防止膜として最外層に低屈折率膜を配し、か
つその膜厚を光学膜厚 をλ/4とし、その下の第1層
に屈折率の大きい膜を配することにより、干渉によって
反射を防止する。また、第1層に帯電防止効果の大きい
アンチモン含有酸化スズ(ATO)を配合したことによ
り、ブラウン管の帯電をも防止することが可能になる。
また、請求項2記載の多機能塗布膜によれば、第1層と
最外層との間に高屈折率膜を配し、かつその膜厚を光学
膜厚 をλ/4としたので、最外層との干渉がより強く
なり、これによってより反射防止効果が高まる。請求項
3記載の多機能塗布膜によれば、前記第1層あるいは中
間層に吸収中心波長が600nm付近の着色料を配合した
ので、R(赤)およびG(緑)の光の重なる波長域を吸収
するができ、しかもこの着色料が最外層によって保護さ
れるのでその溶出性および耐候性が改善される。
【0025】
【実施例】
[実施例1] (a)帯電防止塗布液の製造 粒径8〜10nmのATO(住友セメント社製)1.8gと、
テトラエトキシシランの部分加水分解液24g (二酸
化ケイ素換算で1.2g)とをエタノール74.2gに添
加し、サンドミルにて分散し、帯電防止塗布液(第1層
用塗布液)とした。 (c)反射防止塗布液の製造 粒径が10〜15nmのフッ化マグネシウム(住友セメン
ト社製)1gと、テトラエトキシシランの部分加水分解
液20g (二酸化ケイ素換算で1.0g)とをエタノー
ル79gに添加し、サンドミルにて分散し、反射防止塗
布液(最外層用塗布液)とした。 (1)帯電防止−反射防止膜の成膜 (a)で製造した塗布液をスピンコート法でブラウン管
に塗布し、150℃にて20分間焼き付けして0.3μm
の帯電防止膜を得た。冷却後、 (b)で製造した塗布液
を帯電防止膜上にスピンコート法で塗布し、150℃に
て20分間焼き付けして0.1μmの反射防止膜とし、2
層からなる多機能塗布膜を得た。得られた多機能塗布膜
の各種性能を調べ、その結果を表1に示す。
【0026】[実施例2] (c)帯電防止−フィルター塗布液の製造 粒径8〜10nmのATO(住友セメント社製)1.8gと、
テトラエトキシシランの部分加水分解液24g(二酸化
ケイ素換算で1.2g)と、着色料 (中外化成社製:Ch
uganol Violet 3BN 33% ,Acid Green V conc 5% ,日本
化薬社製:Kayanol Milling Red 6BW 52% ,中央合成化学
社製:Neo Super Blue C-551 10% )0.3gをエタノー
ル73.9gに添加し、サンドミルにて分散し、帯電防
止−フィルター塗布液とした。 (2)帯電防止−反射防止−フィルター膜の成膜 (c)で製造した塗布液をスピンコート法でブラウン管
に塗布し、150℃にて20分間焼き付けして0.3μm
の帯電防止−フィルター膜を得た。冷却後、(b)で製
造した塗布液を帯電防止−フィルター膜上にスピンコー
ト法で塗布し、150℃にて20分間焼き付けして0.
1μmの反射防止膜とし、2層からなる多機能塗布膜を
得た。得られた多機能塗布膜の各種性能を調べ、その結
果を表1に示す。
【0027】[実施例3] (d)高屈折率塗布液の製造 テトラブトキシチタンの部分加水分解液30g (二酸
化チタン換算で1.5g)と実施例1の (a)で製造し
た塗布液50gをエタノールに添加混合し、高屈折率塗
布液(中間層用塗布液)とした。 (3)帯電防止−高屈折率−反射防止−フィルター膜の
成膜 実施例2の (c)で製造した塗布液をスピンコート法で
ブラウン管に塗布し、150℃にて20分間焼き付けし
て0.3μmの帯電防止−フィルター膜を得た。冷却後
(d)で製造した塗布液をその上にスピンコート法で塗
布し、150℃にて20分間焼き付けして0.1μmの中
間膜とした。さらに冷却後実施例1の(b)で製造した
塗布液をその上にスピンコート法で塗布し、150℃に
て20分間焼き付けし、0.1μmの反射防止膜とし、3
層からなる多機能塗布膜を得た。得られた多機能塗布膜
の各種性能を調べ、その結果を表1に示す。
【0028】[比較例1]本発明の多機能塗布膜を設け
る前の、ブラウン管自体の表面の性能を表1に示す。 [比較例2](c)で製造した塗布液をスピンコート法
でブラウン管に塗布し、150℃にて20分間焼き付け
して0.3μmの帯電防止−フィルター膜を得た。得られ
た多機能塗布膜の各種性能を調べ、その結果を表1に示
す。
【0029】 *1:表面抵抗計で測定 *2:5°の角度の正反射治具台を用いて、分光光度計
で550nmの片面の値を測定 *3:分光光度計で600nmの値を測定 *4:紫外線照射装置で50時間後の外観を調べた。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における請
求項1記載の多機能塗布膜は、反射防止膜として最外層
に低屈折率膜を配し、かつその膜厚を光学膜厚をλ/4
とし、その下の第1層にアンチモン含有酸化スズを配合
した屈折率の大きい膜を配したものであるから、最外層
による干渉によって反射を防止するとともに、第1層に
おいてブラウン管の帯電をも防止することができる。し
たがって、帯電防止と反射防止との双方の効果を併せ持
つといった、従来にはない優れたブラウン管表面用の膜
をとなる。また、請求項2記載の多機能塗布膜は、第1
層と最外層との間に高屈折率膜を配し、かつその膜厚を
光学膜厚 をλ/4としてより反射防止効果を高めたも
のであるから、特に反射防止が求められるブラウン管の
場合により好適に用いられるものとなる。さらに、請求
項3記載の多機能塗布膜は、前記第1層あるいは中間層
に吸収中心波長が600nm付近の着色料を配合したもの
であるから、R(赤)およびG(緑)の光の重なる波長域
を吸収するができ、しかもこの着色料を最外層によって
保護することによりその溶出性および耐候性を改善する
ことができ、したがってより多くの機能を備えた有効な
膜となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/00 PPM 6904−4J 183/02 PMP 6939−4J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラウン管のガラス画面上に塗料が複数
    層塗布されて形成される多機能塗布膜であって、ガラス
    画面側の第1層の塗膜が、テトラエトキシシランをバイ
    ンダーとし、これに粒径が0.1μm以下のアンチモン含
    有酸化スズを固形分比で40〜70重量%配合してなる
    塗料を、厚さ0.3〜0.4μmとなるよう塗布して形成
    されたものであるとともに屈折率が1.52〜1.58に
    調整されており、最外層の塗膜が、テトラエトキシシラ
    ンをバインダーとし、これに粒径が0.1μm以下のフッ
    化マグネシウムを固形分比で30〜60重量%配合して
    なる塗料を、厚さが光学膜厚でλ/4となるよう塗布し
    て形成されたものであるとともに屈折率が1.39〜1.
    44に調整されてなることを特徴とする多機能塗布膜。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多機能膜において、前記
    第1層と最外層との間に、テトラブトキシチタンが固形
    分比で70〜40重量%配合され、その残部の、固形分
    比で30〜60重量%がテトラエトキシシランであり、
    かつ該残部の40〜70重量%が粒径0.1μm以下のア
    ンチモン含有酸化スズである塗料を、厚さが光学膜厚で
    λ/4となるよう塗布して形成されたものであるととも
    に屈折率が1.60〜1.80に調整されてなる中間層を
    配したことを特徴とする多機能塗布膜。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の多機能膜におい
    て、前記第1層あるいは中間層に、吸収中心波長が60
    0nm付近の着色料を、その塗膜層中における固形分に対
    して3〜20重量%配合したことを特徴とする多機能塗
    布膜。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5446339A (en) * 1992-08-31 1995-08-29 Sumitomo Cement Co., Ltd. Cathode ray tube having antistatic/anti-reflection film-covered transparent material laminated body
US6623662B2 (en) 2001-05-23 2003-09-23 Chunghwa Picture Tubes, Ltd. Carbon black coating for CRT display screen with uniform light absorption
US6746530B2 (en) 2001-08-02 2004-06-08 Chunghwa Pictures Tubes, Ltd. High contrast, moisture resistant antistatic/antireflective coating for CRT display screen

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