JPH0535287B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は動力伝動チエーンに関する。

従来技術 動力伝動チエーンは屡リンクの組と称される横
方向に整列されて配置されたリンクの群によつて
構成されている。それぞれのこのようなリンクの
群は一般に横方向に伸長、すなわち配向される丸
いピンまたはピンおよびロツカーの組合せのよう
な枢支装置によつて次に隣接しているリンクの組
に連結されて、互違いに重ね合されるが、これら
の枢支装置はそれぞれのリンクの端部に隣接して
設けられたリンク開口内に受入れられるようにな
つている。リンクの組の開口は枢支装置を受入れ
るように互いに整合されている。リンクが互違い
に重ね合されているために、１つ置きのリンクの
組はその両側にそれぞれ隣接する２つのリンクの
組よりもリンクの数が１つだけ多い。若干の動力
伝達チエーンはプリー伝動装置のプリーを駆動す
るように相互連結させるのに使用される。チエー
ンがこのように使用される場合、チエーンは駆動
ブロツクすなわち負荷ブロツクを設けられること
ができ、これらの負荷ブロツクはそれぞれチエー
ンの上に２つの隣接する枢支装置の間に配置され
る。この型式のチエーンベルトは1982年２月２日
付コールその他に付与された米国特許第4313730
号に記載されている。プリー伝動装置のプリーを
駆動関係で相互連結する他の型式のチエーンベル
トは、枢支装置がプリーフランジに駆動接触する
ように構成されている。この型式のチエーンベル
トは1982年８月17日付発布された米国特許第
4344761号に記載されている。

従来技術の欠点 プリー伝動装置のプリーを駆動するように相互
連結するためにチエーンまたはチエーンベルトを
使用する時に生ずる問題の１つは人間に不愉快な
騒音を発生することである。チエーンベルトおよ
びプリーの衝撃によつて発生される騒音は通常リ
ズミカルであつて、狭い周波数範囲に集まり、騒
音は約80dBのレベルにも達する。チエーンベル
トおよびプリーが衝突する間にチエーンベルト
は、剛性的なリンクチエーンがスプロケツトに衝
突する時にチエーンの長手方向と半径方向との両
者の運動成分のために騒音を発するのと同様に作
用するが、この半径方向のリンクの変位は「弦状
作用」（chordal action）と称される。この弦状
作用は無端チエーンの「ピツチ線」が多角形であ
るために生ずるもので、このピツチ線はチエーン
の関節状屈曲作用の隣接する中心の間を伸長して
これらを連結する一連の連結された直線になつて
いる。このような関節状屈曲作用の隣接する中心
はチエーンが枢動する時の中心である。

上述のコールその他の特許に記載されたチエー
ンベルトの負荷ブロツクまたは上術の特許第
4344761号に記載されているチエーンベルトの枢
支装置はチエーンがスプロケツトに衝突する時の
チエーンの作用と一般的に同様の作用を伴つてプ
リーに衝突する。このようなチエーンベルトおよ
びプリーの衝撃は規則的なパターンで音響のピー
クを生ずる。規則的な音響のパターンを破壊して
人間に不愉快でないようになす試みが種々行われ
た。若干の試みはプリーに対するチエーンベルト
の衝撃をランダム化するために、すなわち以前に
は規則的であつたチエーンベルトの衝撃の時間的
経過を変化させるために行われた。他の示唆され
ている探求方法はチエーンベルトの関節状屈曲点
の間の距離として定義されるリンクの「ピツチ」
を短くすることであつた。このようにピツチを短
くすることによつて、チエーンベルトがプリーに
係合する時の半径方向の運動成分が減小し、ピツ
チ線が弯曲部分を有する円滑な連続的な線に接近
するのである。しかし、企図された目的に適した
極端に短いピツチのチエーンを製造するのは困難
で、9.5mm（3/8in）以下のピツチは生産性の観点
から実施不可能と考えられている。

発明の目的 本発明は上述のような従来のチエーンおよびチ
エーンベルトの欠点を排除した騒音のないプリー
伝動装置のプリーを駆動的に相互連結するのに適
したチエーンベルトを提供することである。

発明の概要 本発明により提案されるチエーンベルトはプリ
ー伝動装置のプリーを駆動的に相互連結し、リン
クが引続いてプリーに衝突する時に規則的な騒音
のパターンおよびその強度を実質的に減少させる
のに適していて、このチエーンベルトは一体的な
リンクおよび枢支装置の組立体より成つている。
本発明の特別なリンク−枢支装置の構成を利用す
ることによつて、リンクのピツチは9.5mm（3/8
in）よりもさらに小さいように極端に小さくでき
る。このようなチエーンのそれぞれのリンクは１
対の間隔をおかれた長手方向のストラツトより構
成されるウエブ部分を含み、これらのストラツト
は両端にてストラツトの横側の両側面を超えて横
方向に出張つた枢支面装置すなわち横方向部材に
よつて連結されている。リンクのそれぞれの端部
にそれぞれ１つ配置されるこれらの横方向に出張
つた部材は互いに対面して相互に間隔をおかれた
円形面を有する。間隔をおかれたストラツトおよ
び横方向部材はその内部に開放された空間を形成
し、この空間内に実質的に同じリンクの形状の互
違いに重ね合される別のリンクの横方向部材が受
入れられて、互違いに重ね合されて形成されるリ
ンク組立体を構成するようになつている。互違い
に重ね合されるリンクの円形面は次のリンクの同
様の面に係合し、これによりリンクの組立体の枢
支部材として作用するのである。組立てられたチ
エーンリンクは緊締装置によつてともに横方向に
拘束されて保持され、緊締装置を取外すと、リン
クを分解することができるようになつている。

発明の実施例 以下に本発明の望ましい実施例を添付図面を参
照して説明する。

第１図および第２図は可変円錐プリー伝動装置
１０を２つの極端な駆動範囲にて示す。伝動装置
１０は軸１４に連結されたプリー１２および軸１
８に連結されたプリー１６を含んでいて、これら
のプリーはベルトすなわちチエーンベルト２０に
よつて駆動関係に連結されている。ベルト２０は
プリー１２のフランジ２２および２４およびプリ
ー１６のフランジ２６および２８に係合してい
る。一方の軸は駆動軸で、他方の軸は被駆動軸で
ある。したがつて軸１４を駆動軸とすれば軸１４
により、第１図で減速駆動比範囲が示され、加速
駆動比範囲が第２図に示される。

第３図および第３Ａ図は本発明によつて構成さ
れたリンク−枢支装置−組立体を示す。このリン
クは間隔をおかれた横方向部材すなわち端部ジヨ
イント部分３６および３８に連結された１対の間
隔をおかれた長手方向のストラツト３２および３
４を含むウエブ部分より成つていて、これらの端
部ジヨイント部分は特に第３Ａ図に示されるよう
にストラツト３２および３４の両側面３２Ａ，３
２Ｂおよび３４Ａ，３４Ｂを超えて横方向に伸長
している。これらのストラツトおよび端部ジヨイ
ント部分は全体的に開放空間４０を境界してい
る。端部ジヨイント部分３６および３８は互いに
対面する円弧状、すなわち弯曲した揺動面すなわ
ちロツカー面４２，４４をそれぞれ形成されてい
る。端部ジヨイント部分はそれぞれ側面３６Ａ，
３６Ｂおよび３８Ａ，３８Ｂを有し、これらの面
は端部ジヨイント部分の円筒形の壁の長さ部分に
対して大体垂直になつている。このようにしてリ
ンク３０のそれぞれの端部ジヨイント部分は大体
円筒形の部材に似ている。部分３６および３８は
ストラツトの両側面からストラツト１つ分の厚み
より僅かに小さい距離だけ伸長するのが望まし
く、ロツカー面が円弧状すなわち弯曲されている
限りこれらのジヨイント部分３６，３８はその円
筒形壁が平らな両端の頂面によつて境界される真
円筒形、卵形、楕円形の形状になし得る。一般的
に、卵形の形状が望ましい。リンク３０のような
リンクのピツチはロツカー面４２および４４の間
でリンクを通る長手方向の中心線４６（破線とし
て示されている）上の距離であつて、線４６とロ
ツカー面４２および４４の交点はチエーンがこゝ
に説明されるように組立てられる時に関節状屈曲
作用を行う点である。

第３Ａ図においてストラツトの厚さａと端部ジ
ヨイント部分のストラツトから横方向に出張る部
分の長さｂ、ｃとの理想的な比率はｂおよびｃが
ａ／２より僅かに大きいことである。この場合、
負荷を担持する長手方向のストラツトは横方向に
密接した間隔となされ、ベルトの全張力能力が得
られるのである。

第４図および第４Ａ図は第３図および第３Ａ図
のリンク３０と大体同様のリンク５０を示す。リ
ンク５０は１対の間隔をおかれた長手方向のスト
ラツト５２および５４を含むウエブ部分より成つ
ていて、これらのストラツト５２および５４はこ
れらに対して横方向に伸長する間隔をおかれた端
部ジヨイント部分５６および５８に連結されてい
る。ストラツトおよび端部ジヨイト部分はともに
開放空間６０を境界している。端部ジヨイント部
分５６および５８は互いに対面するそれぞれ円弧
状のロツカー面６２および６４を形成されてい
る。端部ジヨイント部分５６および５８のそれぞ
れの側面５６Ａおよび５８Ａは第４Ａ図にてさら
によく判るように適当な角度でベベルすなわち傾
斜を付され、第１図および第２図に示されたプリ
ー１２および１６のフランジ２２，２４，２６お
よび２８のようなプリーフランジに係合するよう
になされている。現在の商業的な装置において
は、このベベル角度は約11°である。側面５６Ｂ
および５８Ｂはベベルを付されていない。このよ
うにして端部ジヨイント部分５６，５８は第３図
のリンクの端部ジヨイント部分３６および３８と
は僅かに異つている。何故ならば一方の端面が端
部ジヨイント部分の軸線に対して垂直でないから
である。しかしこれらの部分の断面形状は同じで
ある。

第５図のチエーンベルト７０はリンク５０が外
側リンクであるとしてリンク３０および５０を混
合した状態で構成されて、チエーンベルト組立体
の縁部に沿つて角度を付された端部側面５６Ａお
よび５８Ａを有するようになつている。これらの
リンクはリンクの組７２および７４を形成するよ
うに配置され、組７２が組７４よりもリンクの数
が１つだけ多い。１つ置きのリンクの組（すなわ
ち組７２）は２つの外側リンク５０および１つま
たはそれ以上の数の内側リンク３０より成つてい
る。互違いに重ね合されるリンクの組７４は内側
リンク３０のみを含む。何故ならば組７４の外側
リンクはプリーフランジには接触しないからであ
る。リンクの組７２および７４はストラツト５２
または５４に係合する大体Ｃ形の緊締部材７６に
よつて定位置に保持されている。開放空間４０お
よび６０は互違いに重ね合されるリンクの横方向
の端部を受入れて、１つのリンクの円弧状ロツカ
ー面が交互に重ね合されるリンクの対応する円弧
状面に揺動しながら係合するようになされ、この
ようにして組立体の関節状屈曲作用を可能になす
のである。

発明の効果 上述のように構成される本発明の動力伝動チエ
ーンベルトは種々の優れた効果を有する。

ピツチは端部ジヨイント部分の長手方向の長さ
および円弧状の係合面の枢動を許す小さい間隙の
和の２倍程にも小さくでき、端部ジヨイント部分
はリンクの長さに比して実質的な高さとなし得
る。このことは、リンクが別の枢支部材を受入れ
るための間隔をおかれた開口を形成されている通
常のチエーンの構造では不可能である。例えば端
部ジヨイント部分を1.6mm（1/16in）の厚みとし、
リンクの全体の長さを6.35mm（0.25in）よりもほ
んの僅か大きい長さとなすことによつて約3.3mm
（0.13in）のピツチを有するチエーンを構成する
ことができる。このことは、実際の製造上従来最
小限と考えられていた長さ9.5mm（3/8in）からリ
ンクな長さの約1/3だけの減小を意味する。した
がつてリンクのピツチが極端に短いために組立て
られたチエーンは弾性的なＶベルトと同様に作用
し、弦状作用が減少し、通常のチエーンに比して
チエーンとプリーとの衝撃によつて発生される騒
音レベルが減少されるのである。

本発明によるリンクは鋼より作られるのが望ま
しく、帯鋼から冷間加工で成形され、鋼のブロツ
クから機械加工され、または粉末冶金方法で製造
されることができる。所望される場合にはこれら
のものはケースハードニングすなわち表面硬化を
施すことができる。リンクの組７２の外側リンク
の端部ジヨイント部分は表面硬化される前に機械
加工されてチエーンが組立てられた後で角度を付
された面５６Ａおよび５８Ａを形成するようにな
される。しかし円錐プリー以外のプリーを駆動関
係で相互連結するような若干の使用面では、チエ
ーンは１つの型式のリンクのみ、すなわちリンク
３０のみで構成できる。鋼のリンクは熱処理され
てその強度を向上させるのが望ましく、リンクの
組をそれぞれ定位置に保持する緊締装置７６はば
ね鋼で製造されるのが望ましい。

特許請求の範囲は本発明の合理的な等価物を包
含するように企図されている。

【図面の簡単な説明】

第１図はプリーが連続的なベルトまたはチエー
ンベルトによつて駆動関係に連結された状態で１
つの駆動比における可変プリー伝動装置を示す斜
視図。第２図は第１図と同様であるが、他の駆動
比にてプリー伝動装置を示す斜視図。第３図は本
発明によつて構成されたチエーンリンクの１つの
形態を示す斜視図。第３Ａ図は第３図に示された
チエーンリンクの端面図。第４図は第３図のチエ
ーンリンクと同様であるが、チエーンベルトの外
側リンクの１つとして使用するに適したチエーン
ベルトの斜視図。第４Ａ図は第４図に示されたチ
エーンリンクの端面図。第５図は第３図および第
４図に示された型式のリンクから構成されたチエ
ーンベルトの一部分を示す斜視図。 １０……可変円錐プリー伝動装置、１２，１６
……プリー、１４，１８……軸、２０，７０……
チエーンベルト、２２，２４，２６，２８……フ
ランジ、３０，５０……リンク、３２，３４，５
２，５４……ストラツト、３６，３８，５６，５
８……端部ジヨイント部分、４０，６０……開放
空間、４２，４４，６２，６４……円弧状ロツカ
ー面、４６……中心線、７２，７４……リンクの
組。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多数のリンク−枢支部材３０，５０を含んで
   いる無端動力伝動チエーン７０において、それぞ
   れの前記部材がウエブ部分３２，３４，５２，５
   ４および前記ウエブ部分と一体的な１体の間隔を
   おかれた枢支面装置３６，３８，５６，５８を有
   していて、前記ウエブ部分および枢支面装置がと
   もに開放空間４０，６０を境界していることを特
   徴とする無端動力伝動チエーン。 ２ 前記それぞれの枢支面装置３６，３８，５
   ６，５８が円弧状で、他の隣接する部材の対応す
   る円弧状面と協働するようになされていることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の無端動力
   伝動チエーン。 ３ 相互連結されたリンク−枢支部材３０，５０
   の多数の組７２，７４を含み、それぞれの部材が
   １対の間隔をおかれた横方向に配向されるジヨイ
   ント部分３６，３８，５６，５８を有し、これら
   のジヨイント部分は前記横方向に配向されるジヨ
   イント部分よりも小さい厚みを有する１対の長手
   方向の間隔をおかれたウエブ部分によつて接合さ
   れていて、それぞれのジヨイント部分は曲面４
   ２，４４，６２，６４を有し、次に隣接するリン
   ク−枢支部材のジヨイント部分の少なくとも一部
   分が前記間隔をおかれたウエブ部材の間に受入れ
   られ４０，６０、その曲面が隣接する曲面に係合
   して次の相互連結されるリンク−枢支部材の組の
   間の枢動運動を可能となしていることを特徴とす
   る無端動力伝動チエーン７０。 ４ それぞれの前記曲面４２，４４，６２，６４
   が凸状であることを特徴とする特許請求の範囲第
   ３項記載の無端動力伝動チエーン。 ５ 特許請求の範囲第１項記載の、リンク−枢支
   部材の複数の組により構成される無端動力伝動チ
   エーンにおいて、前記部材のそれぞれの１つ置き
   の組７２が前記部材の他の組７４よりも１つだけ
   多くの部材を有することを特徴とする無端動力伝
   動チエーン。 ６ 多数のプリー装置１０の円錐プリー１２，１
   ６を駆動的に相互連結するように構成され、最外
   側の部材５０の外側のジヨイント５６，５８部分
   がベベルを付された端部５６Ａ，５８Ａを有して
   伝動装置のプリーを駆動的に係合させていること
   を特徴とする特許請求の範囲第５項記載の無端動
   力伝動チエーン。 ７ 前記最外側のジヨイント部分５６，５８が前
   記ベベルを付された端部を形成するように研磨さ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第６項
   記載の無端動力伝動チエーン。 ８ １対の間隔を置かれた長手方向のウエブ部分
   ３２，３４，５２，５４および横方向に配向され
   たジヨイント部分３６，３８，５６，５８を含
   み、前記ジヨイント部分が前記ウエブ部分から横
   方向に伸長し、それぞれ互いに対面する曲面４
   ２，４４，６２，６４を有することを特徴とする
   無端動力伝動チエーン７０用の一体的なリンク−
   枢支部材３０，５０。 ９ それぞれの曲面４２，４４，６２，６４が凸
   状であることを特徴とする特許請求の範囲第８項
   記載の無端動力伝動チエーン７０用の一体的なリ
   ンク−枢支部材３０，５０。