JPH0534767Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、結晶缶、飽和液輸送配管、粉体タン
ク、粉体輸送配管等の容器内で、収容物が集積し
て容器が閉塞されることを防止し、または生成さ
れた集積物を粉砕するための装置に関するもので
ある。

（従来の技術） 例えば、クリスタルオスロータイプの分級型結
晶缶内で結晶を製造する場合には、結晶缶の下部
に沈積した結晶が、装置の稼働日数を追うに従つ
て成長し、放置すれば溶液の流出部を閉塞し、缶
内に偏流を生ぜしめる結果、分級を乱し、製品の
粒度を乱す原因となる。

このため、従来は、偏流等操業の異常を検知し
た段階で、溶液の濃度を希釈したり、装置の稼働
を止めて溶液を抜取り、作業者が缶内に入つてハ
ンマで結晶塊を粉砕していた。しかしながら、前
者の方法は、製造能力を低下させるし、後者の方
法は一時的な装置の稼働停止を余儀無くされるの
で、非常に非効率的である。

また、粉体タンク等においては、粉体が円錐部
等に付着して集積を生じ、いわゆるタナツリ現象
を招来することがある。

これを解消するために、従来は、エアノツカー
により外部から衝撃を与えたり、エアブラスター
を導入したりしている。しかし、前者では、逆に
粉体が圧密され、集積が助長されることも多く、
後者では、粉塵の飛散が問題となつている。

（考案が解決しようとする課題） 従つて、本考案は、装置の稼働を継続しなが
ら、しかも製造能力を低下させることなく、容易
に容器内の結晶塊のような集積物を粉砕し、ある
いはその生成を抑制することができる装置を提供
しようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案においては、上記課題を解決するため、
結晶成長缶１の如き缶あるいは配管のような容器
内に、磁性体ボール５を装入し、また容器の外部
に、磁性体ボール５を磁気吸引するための磁石４
を、回転盤３上に設けて、これを容器の外側で移
動させるようにし、あるいは磁石６，７を電磁石
とし、これを容器の外側に複数設け、各電磁石
６，７の励磁電流を制御して、磁性体ボール５を
移動させ、この磁性体ボール５を結晶塊Ａのよう
な容器内の集積物に衝突させてこれを粉砕するよ
うにした。

（作用） 本考案の集積物粉砕装置は、回転盤３上の磁石
４を旋回させ、あるいは電磁石６，７を順次励磁
して、その磁力により、結晶成長缶１の如き容器
内部の磁性体ボール５を移動させる。すると、磁
性体ボール５は、移動中に容器内に成長した結晶
塊Ａの如き集積体に衝突してこれを粉砕する。粉
砕により集積体は適当な大きさになるので、通路
障害を生じるようなことがない。また、この間装
置の稼働を停止する必要はない。

（実施例） 本考案を結晶成長缶に適用した一実施例を第１
図、第２図に示す。図において、１はアルミニウ
ムあるいは非磁性のステンレススチールのような
非磁性体から成る結晶成長缶で、内部に溶液を収
容し、結晶を成長させる。２は結晶成長缶１内に
溶液を補給する補給管である。

結晶成長缶１の外側下部には、回転盤３が設け
られ、その上に複数の磁石４が環状に列設されて
いる。磁石４は、電磁石であると永久磁石である
とを問わない。回転盤３は磁石４列を回転させる
ことができる。

結晶成長缶１内には、複数の磁性体ボール５が
収容されている。

しかして、この実施例において、回転盤３を回
転させると、磁石４が移動し、これに伴ない、磁
界が結晶成長缶１に遮られることなく回転するか
ら、その磁界により作用する磁力によつて、結晶
成長缶１内の磁性体ボール５が転動する。する
と、磁性体ボール５は、移動中に結晶成長缶１内
に成長した結晶塊Ａに衝突してこれを粉砕する。
粉砕により結晶塊Ａは適当な大きさになるので、
缶底部の循環液の通路障害を生じるようなことが
ない。

第３図、第４図に示す他の実施例では、結晶成
長缶１の外側下部に密着するように、複数の電磁
石６が環状に固定され、またこの環状列を横断す
るように半径方向に複数の電磁石７が固定されて
いる。各電磁石６，７は、コントローラ８を介し
て電源に接続されており、コントローラ８によ
り、各電磁石６，７の励磁、非励磁及び極性を自
由に変化させることができるものとする。

しかして、この実施例において、例えばコント
ローラ８により、電磁石６，７の励磁順序を制御
し、まず電磁石７を中央部のものから順次外側の
ものへと励磁し、これにより結晶成長缶１内の底
部に集まつている磁性体ボール５を周辺部まで引
き上げ、次いで電磁石６を順次回転するように励
磁し、これにより磁性体ボール５を周辺部におい
て環状に転動させる。こうして、先の実施例と同
様に、結晶成長缶１内に成長した結晶塊Ａを粉砕
する。

なお、上記何れの集積物粉砕装置も、結晶成長
缶への適用に限定されるものではない。結晶成長
缶と同様に、内部で収容物が集積して閉塞が生じ
るおそれのある飽和液輸送配管、粉体タンク、粉
体輸送配管の如き各種容器に適用することができ
ることは明らかである。

（考案の効果） 以上のように、本考案においては、結晶成長缶
１の如き缶あるいは配管のような容器内に、磁性
体ボール５を装入し、また容器の外部に、磁性体
ボール５を磁気吸引するための磁石４を、回転盤
３上に設けて、これを容器の外側で移動させるよ
うにし、あるいは磁石６，７を電磁石とし、これ
を結晶成長缶１の外側に複数設け、各電磁石６，
７の励磁電流を制御して、磁性体ボール５を移動
させ、この磁性体ボール５を結晶塊Ａのような容
器内の集積物に衝突させてこれを粉砕するように
したため、従来の結晶成長缶１のような容器に特
別な構造的変化を加えることなく、また、装置の
稼働を停止することなく、効率的に結晶塊Ａの如
き集積物を粉砕することができ、しかも容器内の
流体力学的、及び化学的挙動の乱れを最小限に止
めることができる。電磁石６，７を用いてコント
ローラ８で制御する場合には、特に装置を小型化
し、また設置工事を簡略化することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は集積物粉砕装置の正面図、第２図は同平面図、
第３図は他の実施例の集積物粉砕装置の正面図、
第４図は同平面図である。 １……結晶成長缶（容器）、４，６，７……磁
石、５……磁性体ボール、８……コントローラ、
Ａ……結晶塊（集積物）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内部に結晶塊のような集積物を生じる缶ある
   いは配管等の容器内に磁性体ボールを装入し、
   また容器の外部に、前記磁性体ボールを磁気吸
   引するための移動磁界を形成する磁石を設け、
   この磁石による磁界の移動により、前記容器内
   の磁性体ボールを移動させ、この磁性体ボール
   を前記集積物に衝突させてこれを粉砕するよう
   にしたことを特徴とする容器内の集積物粉砕装
   置。 (2) 前記磁石を回転盤上に設け、この磁石を容器
   の外側で移動させるようにしたことを特徴とす
   る請求項(1)に記載の容器内の集積物粉砕装置。 (3) 前記磁石を電磁石とし、これを前記容器の外
   側に複数設け、各電磁石の励磁電流を制御し
   て、前記磁性体ボールを移動させることを特徴
   とする請求項(1)に記載の容器内の集積物粉砕装
   置。