JPH0534685A - ポリマ分散型液晶フイルムを用いた反射型液晶セル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は入射した光をセル後面で反射させ、
その光を表示に用いるポリマ分散型液晶フィルムを用い
た反射型液晶セルに関するものであり、その目的は構造
が簡単で、板厚の薄いポリマ分散型液晶フィルムを用い
た液晶セルを提供することにある。 【構成】 本発明はポリママトリックス中に液晶が分散
された薄板状のポリマ分散型液晶フィルムと、該ポリマ
分散型液晶フィルムを上下から挾む一組の薄板状の対向
電極基板からなるポリマ分散液晶フィルムを用いた液晶
セルにおいて、上記一方の対向電極基板に金属板もしく
はアルミ箔等の光反射型電極基板を用いると共に、他方
の対向電極基板に透明電極基板を用いたことを特徴とし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はポリマ分散型液晶フィル
ムを用いた液晶セルに係り、特に、入射した光をセル後
面で反射させ、その光を表示に用いるポリマ分散型液晶
フィルムを用いた反射型液晶セルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ポリママトリックス中に液晶が分散され
た、いわゆるポリマ分散型液晶フィルムは、ポリマ分散
型液晶を一対の透明電極付き基板で挾んだ構造となって
おり、通常の液晶ディスプレイに比べて偏光板を使用し
ないため表示が明るいこと、画面を大型化にできるこ
と、可撓性であるため曲面にできること等の種々の利点
を有している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このポリマ
分散型液晶フィルムはセルを通過させた光を表示する透
過型のディスプレイには適するものの、セルに入射した
光をセルの後面で反射させ、その光を表示に用いる反射
型のディスプレイではセルの背面に光を反射するための
反射板を設置しなければならず、構成が複雑となる上
に、セル厚が厚くなってしまうといった欠点があった。

【０００４】そこで、本発明は上記課題を有効に解決す
るために案出されたものであり、その目的は構造が簡単
で板厚の薄いポリマ分散型液晶フィルムを利用した反射
型液晶セルを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明はポリママトリックス中に液晶が分散された薄
板状のポリマ分散型液晶フィルムと、該ポリマ分散型液
晶フィルムを上下から挾む一組の薄板状の対向電極基板
からなるポリマ分散液晶フィルムを用いた液晶セルにお
いて、上記一方の対向電極基板に金属板もしくはアルミ
箔等の光反射型電極基板を用いると共に、他方の対向電
極基板に透明電極基板を用いたものである。

【０００６】

【作用】本発明は上述したように、一方の対向電極基板
に金属板もしくはアルミ箔等の光反射型電極基板を用い
ると共に、他方の対向電極基板に透明電極基板を用いた
ものであるため、一方の対向電極基板に、電極基板と共
に反射板としての機能をも持たせることによって、この
透明電極基板が従来の反射板の働きを兼用することにな
り、板厚が薄くできると共に、構造が簡略化されること
になる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。

【０００８】図１は本発明のポリマ分散型液晶フィルム
を用いた反射型液晶セル１を示したものである。図示す
るように、この反射型液晶セル１はポリママトリックス
中に液晶が分散された薄板状のポリマ分散型液晶フィル
ム２と、このポリマ分散型液晶フィルム２を上下から挾
む一組の薄板状の対向電極基板３，４とから主に構成さ
れている。この液晶セル１の背面部に位置する一方の対
向電極基板４は液晶フィルム２中に入射した光を反射す
る金属板もしくはアルミ箔の反射型電極基板で形成され
ており、電極としての機能と共に、ポリマ分散型液晶フ
ィルム２に入射した光Ｈを反射する機能も備えている。
また、反射型液晶セル１の正面部に位置する他方の対向
電極基板３は光を通過する透明電極基板で形成されてお
り、電極としての機能と共に、入射した光Ｈを通過させ
るようになっている。

【０００９】このポリマ分散型液晶フィルム２に用いら
れるポリマは、水溶性のポリマであればよく、特に限定
されないが、例えばポリビニルアルコールやポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、水溶性セルロース等が挙げら
れる。

【００１０】また、他方の対向電極基板３に用いる金属
板若しくは金属箔としては光を反射する反射機能と、電
極としての機能、すなわち導電性を有する物質であれば
特に限定されるものではないが可撓性や取扱性、コスト
の点からアルミ箔が使用性に優れている。

【００１１】次に、この反射型液晶セル１の製造方法を
説明する。先ず、ポリビニルアルコール１０ｗｔ％水溶
液８０重量部と独国ＭＥＲＣＫ社液晶Ｅ７（シアノビフ
ェニル系ネマチック液晶組成物）２０重量部からなるエ
マルジョン（液晶平均粒径３ミクロン）をドクターブレ
ードを用いて透明電極基板３である片側ＩＴＯ膜付きの
透明ガラス電極基板のＩＴＯ膜側に１５ミクロンの厚さ
で塗布してポリマ分散型液晶フィルム２を形成する。そ
の後、このポリマ分散型液晶フィルム２を２５℃３０％
ＲＨで２０分間放置して水分を乾燥させ、このポリマ分
散型液晶フィルム２の他面に光反射型電極基板となるア
ルミ箔３ｂを密着するように貼り合わせることになる。

【００１２】以上において、図示するように、透明ガラ
ス電極基板３からポリマ分散型液晶フィルム２中に入射
した光Ｈはポリマ分散型液晶フィルム２の後面に位置す
るアルミ箔４によって反射され、ポリマ分散型液晶フィ
ルム２を表示することになる。

【００１３】このように、本発明のポリマ分散型液晶フ
ィルムを用いた反射型液晶セル１は一方の対向電極基板
に金属板もしくはアルミ箔等の金属箔４を用いると共
に、他方の対向電極基板に透明電極基板３を用いたもの
であるため、一方の対向電極基板に、電極基板と共に反
射板としての機能をも持たせることによって、従来の反
射板が不要となり、全体の板厚が薄くできると共に、構
造が簡略化されることになる。

【００１４】

【発明の効果】以上要するに本発明によれば、一方の電
極基板に光を反射する金属板もしくはアルミ箔等の光反
射型電極基板を用いることにより、構造が簡略化される
と共に、板厚を薄くすることができるといった優れた効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 反射型液晶セル ２ 液晶フィルム ３ 透明電極基板 ４ 光反射型電極基板

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 ポリママトリックス中に液晶が分散され
   た薄板状のポリマ分散型液晶フィルムと、該ポリマ分散
   型液晶フィルムを上下から挾む一組の薄板状の対向電極
   基板からなるポリマ分散液晶フィルムを用いた液晶セル
   において、上記一方の対向電極基板に金属板もしくはア
   ルミ箔等の光反射型電極基板を用いると共に、他方の対
   向電極基板に透明電極基板を用いたことを特徴とするポ
   リマ分散型液晶フィルムを用いた反射型液晶セル。