JPH05345903A - Mo焼結体及びその製造方法 - Google Patents

Mo焼結体及びその製造方法

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JPH05345903A
JPH05345903A JP4176006A JP17600692A JPH05345903A JP H05345903 A JPH05345903 A JP H05345903A JP 4176006 A JP4176006 A JP 4176006A JP 17600692 A JP17600692 A JP 17600692A JP H05345903 A JPH05345903 A JP H05345903A
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JP
Japan
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sintered body
powder
sintered
particle size
present
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JP4176006A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Tsuchiya
満 土屋
Katsutsugu Takebe
克嗣 武部
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Tokyo Tungsten Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Tungsten Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイジング時のクラックの発生を防止でき,
焼結体の強度を向上させることができる靱性のあるMo
焼結体及びその製造方法を提供すること。 【構成】 Mo焼結体は,比重が9.85〜10.15
であり,平均粒径20μm以下のMo粒子を含み,0.
003wt%〜0.7wt%の炭素分を含み,抗折力及
びたわみ量がそれぞれ900MPa以上及び0.8mm以
上である。また,Mo焼結体は,BET粒度測定法で測
定されたときの2.0m2 /g以上の比表面積を有する
原料Mo粉末を粉末冶金法により1800℃以下で1〜
10時間焼結することにより製造される。この原料Mo
粉末の多くとも40wt%をFsss 粒度測定法で測定さ
れたときの6μm以下のMo粉で置換混合することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,電子部品等に用いられ
る靱性のあるMo焼結体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,この種のMo焼結体は,原料Mo
粉末として,粒度{Fsss (μm)}で2.8〜3.2
μmの粉末を用い,粉末冶金法によって,1800℃で
10時間焼結して製造されている。しかし,このような
製造方法によって焼結されたMo焼結体は,9.60〜
9.85程度の比重を有するものしか得られず,焼結品
強度が低い欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記方法によって製造
されたMo焼結体は,比重が比較的低く,焼結品強度も
低い。したがって,小物Mo焼結体の寸法精度を出すた
めに,サイジングを行うと,サイジング時にクラックが
入るという欠点があった。
【0004】一方,Mo焼結品は,抗折力,たわみ量等
が低いため,低い靭性を有する材料として知られてい
る。しかしながら,Mo焼結品の靱性における改善の要
求は非常に高く,靱性の改善ができれば,Mo焼結品の
用途は,飛躍的に広がるものと考えられる。
【0005】そこで,本発明の技術的課題は,サイジン
グ時のクラックの発生を防止でき,且つ焼結体の靱性を
向上させることができるMo焼結体及びその製造方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,9.8
5〜10.15の比重を有すると共に,平均粒径20μ
m以下のMo粒子によって形成されたMo焼結体であっ
て,前記焼結体中に炭素を0.003wt%〜0.7w
t%含有していることを特徴とするMo焼結体が得られ
る。
【0007】本発明によれば,前記Mo焼結体におい
て,前記焼結体は,抗折力及びたわみ量がそれぞれ90
0MPa及び0.8mm以上であることを特徴とするMo
焼結体が得られる。
【0008】本発明によれば,前記したいずれかのMo
焼結体を製造する方法であって,BET粒度測定法で測
定されたときの2.0m2 /g以上の比表面積を有する
原料Mo粉末を粉末冶金法により1800℃以下で1〜
10時間焼結することを特徴とするMo焼結体の製造方
法が得られる。
【0009】また,本発明によれば,前記Mo焼結体の
製造方法において,前記原料Mo粉末の多くとも40w
t%をFsss 粒度測定法で測定されたときの6μm以下
のMo粉で置換混合したことを特徴とするMo焼結体の
製造方法が得られる。
【0010】ここで,本発明において,Mo焼結体の靱
性を高めるには,原料Mo粉の粒度を細かくすれば,良
いと考え行ったが,微粒粉は凝集するためFsss 粒度測
定法での規定が難しく,BET粒度測定法で規定した。
【0011】本発明において,酸化モリブデン粉を用い
て,水素還元によりこの種の原料モリブデン粉を得る方
法であるが,BET値で5.0m2 /gを有する原料粉
末しか得ることができない。というのは,それ以上の粒
度を有するものを得ようとすれば,還元温度を低下しな
ければならず,その結果,Mo粉末の表面が活性にな
り,大気中に取り出すと表面酸化が急激に起こり,発熱
し,粉末に着火し燃え始めるからである。
【0012】また,微粒粉を製造するには,通常のMo
粉(3μm)を製造するより低温で還元を行うため,酸
化モリブデン中に含まれる炭素をMo粉中に多く(30
0〜400ppm)残すことができる。しかし,Mo粉
中に,炭素が残っていない場合は,カーボンやMo2
等の炭素分を含むものを混合して調整しても良い。
【0013】
【作用】本発明においては,Mo粉の粒度や炭素含有量
(炭素源添加を含む)及び焼結温度,焼結時間,焼結時
の充填方法を制御することや,また焼結雰囲気を制御し
て浸炭を行うことによって,焼結時の粒成長を抑え,焼
結体中に適量の炭素が残るようにする。この結果,焼結
体中の炭素により,粒界が強化され,従って,高密度で
高強度で靭性のある焼結体が得られる。
【0014】
【実施例】以下,本発明の実施例について説明する。
【0015】図1(a)は本発明の実施例に係るMo焼
結体の示す曲げの強さ試験片の破断面の走査電子顕微鏡
写真(以下,SEM)である。また,図1(b)は図1
(a)と比較するために,従来例に係るMo焼結体の同
様のSEM写真を示している。
【0016】図1(a)から判るように,本発明の実施
例に係るMo焼結体は,粒内破壊を起こしており,図1
(b)で示す従来のMo焼結体のように,粒界破壊を起
こしているものとくらべ,高強度が得られる。
【0017】次に本発明の実施例に係るMo焼結体の製
造方法について説明する。
【0018】本発明の実施例に係るMo焼結体は,原料
Mo粉として,BET粒度測定法で3.46m2 /gで
炭素含有量320ppmのMo粉80wt%と,Fsss
粒度測定法で4.5μmで炭素含有量30ppmのMo
粉を20wt%の割合で混合した粉末を用いて製造され
た。一方,比較のための従来方法では,Fsss 粒度測定
法で測定された時に,3.1μmの値を示す原料のMo
粉を使用した。
【0019】これら2種の原料Mo粉を294MPaで
プレスし,1700℃,1800℃で2時間〜100時
間焼結した。得られた焼結体を超硬工具協会規格CIS
026−1983に基づき,サンプルの厚みを3.10
〜3.20,幅を7.10〜7.20mmに研磨し,試験
片として焼結品の曲げの強さ(抗折力)を測定した。
【0020】図2は,得られた焼結体の比重を示す図で
ある。
【0021】図2において,曲線1,2で示される本発
明の実施例に係る焼結体は,曲線3,4で示される従来
例に係る焼結体よりも,短時間で大きな比重を得ること
ができることが判明した。
【0022】図3,図4は,図2の焼結体の曲げの強さ
(抗折力)及びたわみの量の値を夫々示している。
【0023】図3に示すように,曲線31,32で示さ
れる本発明の実施例に係る焼結体は,曲線33,34で
示される従来例に係る焼結体よりも,短時間で大きな曲
げの強さを得ることができることが判明した。
【0024】また,図4に示すように,曲線41,42
示される本発明の実施例に係る焼結体は,曲線43,4
4で示される従来例に係る焼結体よりも,焼結時間30
までは,大きなたわみ量を得ることができることが判明
した。
【0025】図5は,焼結体平均粒径と抗折力及び残留
炭素量の関係を示す図である。図5で示すように,焼結
体中の残留炭素量が多く,焼結体の平均粒子径が細かい
ものほど,大きな曲げ強さを得ることができる。
【0026】尚,図6(a)及び(b)は曲げの強さを
測定する方法を示す図である。
【0027】図6(a)において,支持台50中におい
て,試験片51を支点52,53で2点支持するととも
に,荷重Pを支点54及び治具55を介して加圧してい
る。
【0028】図6(b)において,荷重Pを印加した試
験片は折れ曲がり,その支点54の位置から撓量lが計
算される。尚,測定時に図6(b)のように,試験片5
1が治具55に接触したものについては,接触する直前
の荷重を破断値として計算した。
【0029】図7は,サイジングテストに用いられる小
物Mo焼結体の形状を示す図である。このMo焼結体に
ついて,サイジングテストを行った。その結果を下表1
に示す。
【0030】
【表1】 表1に示すように,試料数300に対して,クラックが
発生したものが従来例では24個あるに対して,上記実
施例で得られた焼結体は全くクラックが発生していない
ことが判る。
【0031】以上,本発明の実施例においては,Mo粉
の粒度,炭素含有量,焼結温度,焼結時間,焼結時の充
填方法及び焼結雰囲気をコントロールすることにより,
焼結時の粒成長を抑え,焼結体中に適量の炭素分が残る
ようにする。そして,焼結体中の炭素分によって,粒界
が強化され,高比重で高強度で靱性のある焼結体が得ら
れた。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
焼結品で,高比重,高強度,高靱性のMo焼結体が得ら
れる。
【0033】また,本発明によれば,焼結時間が今まで
より短縮でき,生産性の向上になる。
【0034】さらに,本発明によれば,焼結品で高比
重,高靱性が得られることにより,今まで加工材しか適
用されなかった部分に焼結品の適用が可能になった。
【0035】本発明によれば,従来焼結品より高比重,
高強度,高靱性になることにより,焼結部品としての信
頼性の向上が得られた。
【0036】さらに,本発明によれば,今までの焼結レ
ベルに比べ,低温度.短時間での焼結が可能になり,生
産性の向上が計れ,また,コストの低減ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例に係るMo焼結体の示
す曲げの強さ試験片の破断面の金属組織を示す走査電子
顕微鏡写真(以下,SEM)である。(b)は従来例に
係るMo焼結体の(a)と同様の金属組織を示すSEM
写真を示している。
【図2】本発明の実施例に係るMo焼結体の比重を示す
図である。
【図3】図2の焼結体の曲げの強さ(抗折力)値を示す
図である。
【図4】図2の焼結体のたわみ量の値を示す図である。
【図5】焼結体平均径と抗折力及び残留炭素量の関係を
示す図である。
【図6】(a)及び(b)は曲げの強さを測定する方法
を示す図である。
【図7】サイジングテストに用いられる小物Mo焼結体
の形状を示す図である。
【符号の説明】
50 支持台 51 試験片 52 支点 53 支点 54 支点 55 治具

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 9.85〜10.15の比重を有すると
    共に,平均粒径20μm以下のMo粒子によって形成さ
    れたMo焼結体であって,前記焼結体中に炭素を0.0
    03wt%〜0.7wt%含有していることを特徴とす
    るMo焼結体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のMo焼結体において,前
    記焼結体は,抗折力及びたわみ量がそれぞれ900MP
    a以上及び0.8mm以上であることを特徴とするMo焼
    結体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のMo焼結体を製造
    する方法であって,BET粒度測定法で測定されたとき
    の2.0m2 /g以上の比表面積を有する原料Mo粉末
    を粉末冶金法により1800℃以下で1〜10時間焼結
    することを特徴とするMo焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のMo焼結体の製造方法に
    おいて,前記原料Mo粉末の多くとも40wt%をFss
    s 粒度測定法で測定されたときの6μm以下のMo粉で
    置換混合したことを特徴とするMo焼結体の製造方法。
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Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009527640A (ja) * 2006-02-17 2009-07-30 クライマックス エンジニアード マテリアルズ リミテッド ライアビリティ カンパニー 高密度モリブデン金属粉末及びその製造方法
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Effective date: 19960227