JPH05344965A - 医療用寝台装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、床面と天板との空間を有効に利用で
きて、被検体に対するアクセス等を容易とする。 【構成】被検体(4) を載せる天板(41)は、支持昇降機構
(40)によって上方から水平方向に支持され、かつこの支
持を保持した状態で上下方向に昇降される。又、天板(4
1)は、支持昇降機構(40)を介して上方から水平移動機構
(21)により支持され、かつこの機構(21)により所定方向
に水平移動され、この移動に一体となって天板(41)は水
平方向に移動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、Ｘ線ＣＴ装置等の医療
用機器に適用される医療用寝台装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３はＸ線ＣＴ装置に適用される医療用
寝台装置の構成図である。かかる寝台装置は、床面１に
対する据付型であって、昇降及び水平移動機構２の上部
に天板３が設けられている。そして、この天板３上に被
検体である患者４が載っている。

【０００３】この寝台装置は、Ｘ線ＣＴ装置５に対して
天板３の高さ位置が昇降機構により調整され、この後に
天板３が水平移動機構２により水平移動されてＸ線ＣＴ
装置５に挿入される。

【０００４】このような寝台装置では、昇降及び水平移
動機構２が床面１と天板３との間に組み込まれているた
め、天板３を昇降する場合、天板３を下降させる位置に
限界が生じ、例えば床面１の位置まで下降できない。

【０００５】又、医師や技師等により患者４に対してア
クセスをする場合、図４に示すように昇降及び水平移動
機構２が邪魔となり、患者４に対するアクセスがやりに
くいところがある。さらに、患者４をストレッチャから
天板３に移す場合にも昇降及び水平移動機構２が邪魔と
なる。

【０００６】一方、他の寝台装置としては、図５に示す
ようにリンク機構６の上部に天板７を設け、リンク機構
６を油圧モータ８及びシリンダ９を駆動させて天板７を
昇降させるものがある。又、図６に示す寝台装置は、リ
ードスクリュー機構１０の上部に天板１１を設け、リー
ドスクリュー機構１０をモータ１２により駆動して天板
１１を昇降させるものである。

【０００７】このように他の寝台装置があるが、いずれ
の寝台装置も床面１と天板７、１１との間にリンク機構
６やリードスクリュー機構１０が設けられており、上記
寝台装置と同様に患者４に対してアクセスをする場合に
邪魔となる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】以上のように床面１と
天板３との間に昇降及び水平移動機構２を組み込んであ
るために、例えば患者４に対してアクセスをする場合に
邪魔となる。そこで本発明は、床面と天板との空間を有
効に利用できて、被検体に対するアクセス等が容易でき
る医療用寝台装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、被検体を載せ
る天板と、上方から天板を水平方向に支持しかつこの天
板を水平方向の支持を保持した状態で昇降させる支持昇
降機構と、天板を支持昇降機構を介して上方から支持し
かつ水平移動させる水平移動機構とを備えて上記目的を
達成しようとする医療用寝台装置である。

【００１０】

【作用】このような手段を備えたことにより、被検体を
載せる天板は、支持昇降機構によって上方から水平方向
に支持され、かつこの支持を保持した状態で上下方向に
昇降される。又、天板は、支持昇降機構を介して上方か
ら水平移動機構により支持され、かつ所定方向に水平移
動される。そして、この移動に一体となって天板は水平
方向に移動する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。

【００１２】図１はＸ線ＣＴ装置に適用した医療用寝台
装置の構成図である。天井２０には水平移動機構２１が
設けられている。その構成は、各支持部材２２、２３が
天井２０に設けられ、これら支持部材２２、２３により
直線状のガイドレール２４が支持されている。このガイ
ドレール２４には移動テーブル２５が各ベアリング２６
を介して移動自在に設けられている。

【００１３】又、各支持部材２７、２８が、各支持部材
２２、２３の外側位置に設けられている。このうち、支
持部材２７には水平モータ２９が設けられ、支持部材２
８にはスプロケット３０が回転自在に取り付けられてい
る。この水平モータ２９の回転軸に取り付けられたスプ
ロケット３１とスプロケット３０との間にチェーン３２
が掛けられている。

【００１４】そして、移動テーブル２５は、その下部に
設けられた連結部材３３を介してチェーン３２に対して
固定されている。又、支持部材２２には、移動テーブル
２５の位置検出用のポテンショメータ３４が設けられて
いる。

【００１５】移動テーブル２５の下部には支持昇降機構
４０が設けられている。この支持昇降機構４０は、天板
４１を水平方向に支持し、かつこの天板４１をその水平
支持状態を保持した状態で昇降させる機能を有するもの
である。その構成は、最外筒４２、中筒４３及び最内筒
４４を有し、このうち最外筒４２が移動テーブル２５に
固定され、その内部に中筒４３、さらにその内部に最内
筒４４がそれぞれ摺動自在に挿入されている。これら筒
４２〜４４の内部にはリードスクリュー４５が配置さ
れ、このリードスクリュー４５に対して昇降モータ４６
の回転軸が歯車４７等を介して連結されている。このリ
ードスクリュー４５は、回転することにより最外筒４
２、中筒４３及び最内筒４４を連動させて伸縮動作させ
るものとなっている。そして、最内筒４４の内部には、
昇降位置検出用のポテンシャルメータ４８が設けられて
いる。天板４１は、その一端部が最内筒４４に対して固
定され、水平状態に支持されている。

【００１６】一方、Ｘ線ＣＴ装置本体５０にはＸ線源や
Ｘ線検出器、データ処理装置等が備えられ、かつ操作パ
ネル５１、前後制御部５２及び昇降制御部５３が備えら
れている。操作パネル５１には、ＣＴ像撮像の操作キ
ー、水平移動機構２１及び支持昇降機構４０に対する操
作キーが備えられている。

【００１７】前後制御部５２は、操作パネル５１から入
力される水平位置の指示に従い、水平モータ２９を回転
駆動させるとともにポテンショメータ３４からの位置信
号ｑを受けて、天板４１を指示された水平位置に位置制
御する機能を有している。

【００１８】昇降制御部５３は、操作パネル５１から入
力される昇降位置の指示に従い、昇降モータ４６を回転
駆動させるとともにポテンショメータ４８からの位置信
号ｐを受けて、天板４１を指示された昇降位置に位置制
御する機能を有している。次に上記の如く構成された装
置の作用について説明する。

【００１９】ストレッチャに患者４が載せられて天板４
１の近傍に搬送される。そして、患者４はストレッチャ
から天板４１上に移される。この際、患者４は病院の医
師や技師等により移れるが、その状態は図２に示すよう
に床面１と天板４１との間に空間が形成されるので、容
易に行われる。又、ストレッチャに患者４を載せた後、
医師や技師等による患者４へのアクセスも容易に行え
る。

【００２０】次に技師等により天板４１の昇降位置が操
作パネル５１から入力されると、この昇降位置は昇降制
御部５３に送られる。この昇降制御部５３は、操作パネ
ル５１からの昇降位置の指示に従い、昇降モータ４６に
対して駆動制御信号ｍを送出して回転駆動させ、これと
ともにポテンショメータ４８からの位置信号ｐを受け
て、天板４１を指示された昇降位置に位置制御する。す
なわち、昇降モータ４６が回転駆動すると、この回転が
歯車４７を介してリードスクリュー４５に伝達される。
このリードスクリュー４５が回転すると、最外筒４２、
中筒４３及び最内筒４４が連動して伸縮動作する。例え
ば、昇降の指示位置が操作パネル５１よりも下方位置で
あれば、最外筒４２、中筒４３及び最内筒４４の伸び動
作により天板４１は図示点線に示す如く操作パネル５１
の下方に位置制御される。

【００２１】次に技師等により天板４１の水平位置が操
作パネル５１から入力されると、この水平位置は前後制
御部５２に送られる。この前後制御部５２は、操作パネ
ル５１からの水平位置の指示に従い、水平モータ２９に
対して駆動制御信号ｎを送出して回転駆動させ、これと
ともにポテンショメータ３４からの位置信号ｑを受け
て、天板４１を指示された水平位置に位置制御する。す
なわち、水平モータ２９が回転駆動すると、この回転に
よりチェーン３２が移動し、この移動が移動テーブル２
５に伝達される。この移動に伴って支持昇降機構４０及
び天板４１は一体的に水平移動する。この水平移動によ
り天板４１は、例えばＸ線ＣＴ装置本体５０に挿入され
る。このように天板４１がＸ線ＣＴ装置本体５０に挿入
されることにより、患者４のＣＴ画像が撮像される。

【００２２】このように上記一実施例においては、患者
４を載せる天板４１を、支持昇降機構４０によって上方
から水平方向に支持するとともにこの支持を保持した状
態で上下方向に昇降し、かつ水平移動機構２０により水
平方向に移動するようにしたので、床面１と天板４１と
の間には空間が形成されて、患者４をストレッチャから
天板４１に移す場合や患者４に対するアクセスする場合
にその作業が容易にできる。又、天板４１の昇降位置
は、天井２０と床面１との間で所望位置に位置決めする
ことができ、これによっても患者４に対するアクセスも
容易となる。

【００２３】なお、本発明は上記一実施例に限定される
ものでなくその要旨を変更しない範囲で変形してもよ
い。例えば、水平移動機構２０及び支持昇降機構４０
は、他の機構により水平方向への移動及び昇降させるも
のでもよい。又、天板４１の支持位置は端部に限らず中
央部で支持するようにしてもよく、さらに天板４１は支
持昇降機構４０に対して水平方向に摺動自在に設けても
よい。又、Ｘ線ＣＴ装置への適用に限らず他の医療用機
器に対しても適用してもよい。さらに、水平移動機構２
０は、天板４１の上方から支持するものであればよいの
で、天井２０に設けるのに限ることはなく、他の支持機
構を用いてもよい。

【００２４】

【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、床
面と天板との空間を有効に利用できて、被検体に対する
アクセス等が容易できる医療用寝台装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる医療用寝台装置の一実施例を示
す構成図。

【図２】同装置による患者へのアクセス状態を示す図。

【図３】従来装置の構成図。

【図４】同装置による患者へのアクセス状態を示す図。

【図５】同装置の昇降機構の一例を示す構成図。

【図６】同装置の昇降機構の一例を示す構成図。

【符号の説明】

１…床面、４…患者、２０…天井、２１…水平移動機
構、２２，２３…支持部材、２４…ガイドレール、２５
…移動テーブル、２６…ベアリング、２７，２８…支持
部材、２９…水平モータ、３０，３１…スプロケット、
３２…チェーン、３３…連結部材、３４…ポテンショメ
ータ、４０…支持昇降機構、４１…天板、４２…最外
筒、４３…中筒、４４…最内筒、４５…リードスクリュ
ー、４６…昇降モータ、４７…歯車、４８…ポテンシャ
ルメータ、５０…Ｘ線ＣＴ装置本体、５１…操作パネ
ル、５２…前後制御部、５３…昇降制御部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被検体を載せる天板と、上方から前記天
   板を水平方向に支持しかつこの天板を水平方向の支持を
   保持した状態で昇降させる支持昇降機構と、前記天板を
   前記支持昇降機構を介して上方から支持しかつ水平移動
   させる水平移動機構とを具備したことを特徴とする医療
   用寝台装置。