JPH05342461A - 自動販売機の商品取出口装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 盗難やいたずらを防止することができ、しか
も商品の取り出し作業が容易になるように構成された自
動販売機の商品取出口装置を提供する。 【構成】 販売信号に応じて一個ずつ搬出される商品
を、機体の前面に設けられた開口から取り出すことがで
きるようにするための自動販売機の商品取出口装置を、
開口を閉じる位置と開く位置との間で移動するリッド体
と、リッド体を常時閉方向へ付勢する弾発手段と、リッ
ド体の作動速度に規制を与えるダンパ手段と、搬出され
た商品を受け止めるべく前記リッド体の内側に設けられ
た商品受けとを有し、リッド体が、通常は開口を閉じる
位置にあり、かつ商品の販売時には、商品受けに乗った
商品の重量によって商品受けが前方へ移動し、開口の外
部に商品が突出するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、販売信号に応じて一個
ずつ搬出される商品を、機体の前面に設けられた開口か
ら取り出すことができるようにするための自動販売機の
商品取出口装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】容器入り飲料、食品などの商品を販売す
る自動販売機に於ては、コイン投入口や商品選択押釦と
共に、商品取出口が機体の前面に設けられている。この
商品取出口は、外部から雨水や塵埃が侵入することを防
止し、かつ盗難やいたずらを防止するために、一般的に
開閉自在なリッドにて通常は閉じられている。

【０００３】ところで、商品は、機体の内部に設けられ
た商品ラックに収納され、コインの投入および商品選択
押釦の操作によって出力される販売信号に応じ、搬出シ
ュートから商品取出口に向けて一個ずつ送り出される
が、この際、シュートにて案内された商品は、前面パネ
ルの内側下部に設けられた商品受け部に落下する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この商品受け部は、商
品が確実に受けとめられるようにするために、比較的底
が深く形成されている。しかも上記したように盗難防止
の観点から、むしろ内側へ手が入り難くなっているの
で、商品取出口のリッドを開けて商品を取り出す作業が
比較的厄介になりがちであった。加えて、夜間の視認性
確保のための内部照明が必要であったり、取出口が複数
であったりすると、どの口に商品が搬出されたのかが分
かり難かったりする不都合があった。

【０００５】本発明は、このような従来技術の不都合を
解消すべく案出されたものであり、その主な目的は、盗
難やいたずらを防止することができ、しかも商品の取り
出し作業が容易になるように構成された自動販売機の商
品取出口装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明によれば、販売信号に応じて一個ずつ搬出される商品
を、機体の前面に設けられた開口から取り出すことがで
きるようにするための自動販売機の商品取出口装置を、
開口を閉じる位置と開く位置との間で移動するリッド体
と、リッド体を常時閉方向へ付勢する弾発手段と、リッ
ド体の作動速度に規制を与えるダンパ手段と、搬出され
た商品を受け止めるべく前記リッド体の内側に設けられ
た商品受けとを有し、リッド体が、通常は開口を閉じる
位置にあり、かつ商品の販売時には、商品受けに乗った
商品の重量によって商品受けが前方へ移動し、開口の外
部に商品が突出するように構成することによって達成さ
れる。

【０００７】

【作用】このような構成によれば、商品取り出し口はリ
ッド体によって通常は閉じられており、機体の内部に手
を入れることはできない。商品受け上に商品が落下する
と、商品の重量によってリッド体と共に商品受けが移動
し、商品受けが外部に露出する。しかして商品受け上の
商品を簡単に取り出すことができる。これに加えて、リ
ッド体の作動速度がダンパ手段にて規制されるためにリ
ッド体が緩閉することから、商品の購入者が手を挟まれ
る不安感を覚えずに済む。

【０００８】

【実施例】以下に添付の図面に示された具体的な実施例
に基づいて本発明の構成を詳細に説明する。

【０００９】図１は、本発明に基づき構成された缶入り
飲料用自動販売機の商品取出口装置の第１の実施例を示
している。この商品取出口装置１は、自動販売機の前面
に設けられた主扉２の下部に開設された開口３の内側に
取付けられており、主扉２の内面に固定されたブラケッ
ト４と、水平方向に延在する軸５をもってブラケット４
の側板に枢着されたリッド体６とからなっている。

【００１０】リッド体６は、開口３を閉じる位置と開く
位置との間で前後方向に傾動可能なパネル７と、パネル
面から後方へオフセットした位置でパネル７と略平行に
延在する脚部８と、パネル７と脚部８とを接続するよう
に形成された商品受け部９とからなっており、脚部８の
下端をもってブラケット４の側板に枢着されている。こ
れにより、リッド体６は、脚部８の枢支端を中心とする
回動運動を行うようになっている。

【００１１】リッド体６を枢支する軸５には、一端をリ
ッド体６に係着し、かつ他端をブラケット４に係着した
捩りコイルばね１０が巻装されている。これにより、リ
ッド体６は常時閉方向へ弾発付勢されており、無負荷状
態の時には、リッド体６は自然に閉じるようになってい
る。

【００１２】リッド体６の脚部８の下端には、軸５と同
心的なスパーギヤ１１が脚部８と一体的に形成されてい
る。そしてこのスパーギヤ１１には、ブラケット４に固
定された回転式粘性ダンパ１２のピニオン１３が噛合し
ている。この回転式粘性ダンパ１２の抵抗力により、リ
ッド体６の傾動動作速度に制限を加えるようになってい
る。

【００１３】パネル７は、縦方向寸法に比して幅方向寸
法が長い長方形をなしており、その内面に形成された商
品受け部９は、その軸線を略水平状態にした縦長の缶入
り飲料１４が乗るようになっている。そして商品受け部
９に対し、図示されていない商品保管ラックからシュー
トを介して缶入り飲料１４が搬送されるようになってい
る。

【００１４】次に上記実施例の作動の要領について説明
する。リッド体６は、軸５に巻装された捩りコイルばね
１０の弾発力により、通常は起立して開口３を閉じる位
置にある。この状態でコインの投入および商品の選択押
釦操作による販売信号が入力すると、商品保管ラックか
らシュートを介して缶入り飲料１４が一個ずつ搬送さ
れ、商品受け部９に缶入り飲料１４が乗る。すると缶入
り飲料１４の重量が加わるためにリッド体６の回動中心
に対する重心位置が前方へずれ、捩りコイルばね１０の
弾発力に抗してリッド体６が前方へ傾倒する。これによ
り、開口３の外部に商品受け部９上の缶入り飲料１４が
露出するので、簡単に缶入り飲料を取り出すことができ
ることとなる。この時、ブラケット４に形成されたスト
ッパ段部４ａに脚部８が衝当し、リッド体６の前傾限度
位置が決まる。

【００１５】商品受け部９から缶入り飲料１４を取り去
ると、捩りコイルばね１０の弾発力の作用によってリッ
ド体６は開口３を閉じる位置に復帰する。この時、リッ
ド体６の回動中心軸には、回転式粘性ダンパ１２の抵抗
力が作用しているので、リッド体６の閉じ方向速度が制
限され、缶入り飲料１４の購入者が手を挟まれる不安感
を覚えるような不都合を生じることがない。なお、リッ
ド体６の上縁に隣接する部分には、比較的抵抗なく揺動
する細幅なフラップ１５が設けてあり、よしんば指先が
開口３とリッド体６との間に挟まれたとしても、何等障
害が生じないようになっている。

【００１６】図２は、本発明の第２の実施例を示してい
る。商品取出口装置２１は、上記第１の実施例と同様
に、自動販売機の主扉２に開設された開口３の内側に取
付けられており、商品である缶入り飲料１４の軸方向長
さに対応する間隔をおいて隔置された円板状をなす一対
の側板１６をリブ１７で接続し、かつ１／４円周部分を
円弧状の周壁１８で閉じた形状をなすリッド体２６を有
している。このリッド体２６は、水平方向に延在する軸
回りで回動し得るように、図示されていない軸受部材に
て側板１６の中心部を支持されている。

【００１７】リッド体２６の軸２５には、捩りコイルば
ね３０が設けられており、図２に於ける時計回り方向の
回動付勢力が常時与えられている。また一方の側板１６
には、軸２５と同心的なスパーギヤ１１が一体的に形成
されている。そしてこのスパーギヤ１１には、自動販売
機の機体側に固定された回転式粘性ダンパ１２のピニオ
ン１３が噛合している。この回転式粘性ダンパ１２の抵
抗力により、リッド体２６の回動速度に規制を加えるよ
うになっている。

【００１８】リッド体２６の周壁１８の内側には、図示
されていない商品保管ラックからシュートを介して搬出
された缶入り飲料１４を受け止めるための商品受け部２
９が設けられている。この商品受け部２９は、リッド体
２６が無負荷状態にあって、リッド体２６の周壁１８の
上端から幾分か下がった位置に接続された水平部２９ａ
と、図示されていないシュートに連続する斜め上向きの
傾斜部２９ｂとからなり、その上方は開放されている。

【００１９】次に本実施例の作動の要領について説明す
る。リッド体２６は、軸２５に巻装された捩りコイルば
ね３０の弾発力により、通常は周壁１８が開口３を閉じ
る位置にある。この状態でコインの投入および商品の選
択押釦操作による販売信号が入力すると、商品保管ラッ
クからシュートを介して一個ずつ搬送された缶入り飲料
１４が、商品受け部２９の水平面上に乗る。すると缶入
り飲料１４の重量が加わるためにリッド体２６の回動中
心に対する重心位置が外側へずれ、捩りコイルばね３０
の弾発力に抗してリッド体２６が回動する。これによ
り、開口３を閉じていたリッド体２６の周壁１８が下向
きに９０度移動し、商品受け部２９の前面が開口３に向
けて開放された形になる。すると商品受け部２９上の缶
入り飲料１４が、開口３の内側に於けるリッド体２６の
周壁１８に対向する部分の窪み２７に落下してリッド体
２６の外側に露出するので、簡単に缶入り飲料１４を取
り出すことができる。

【００２０】商品受け部２９から缶入り飲料１４が落下
すると、捩りコイルばね３０の作用によってリッド体２
６は開口３を閉じる位置に復帰する。この時、リッド体
２６の回動中心軸には、回転式粘性ダンパ１２の抵抗力
が作用しているので、リッド体２６の閉じ方向速度が制
限され、缶入り飲料１４の購入者が手を挟まれる不安感
を覚えるような不都合を生じることがない。

【００２１】図３は、本発明の第３の実施例を示してい
る。商品取出口装置３１は、自動販売機の前面に設けら
れた主扉２の下部に開設された開口３の内側に取付けら
れており、水平方向に延在する軸３５をもってその上端
部を枢支されてその下端を前方へはね上げ式に開閉する
フラップ状のリッド部材３６と、水平に対して斜め前下
がりの平面上を前後に摺動可能であると共に、図示され
ていない商品保管ラックからシュートを介して搬出され
た缶入り飲料１４を受け止めるべく、上面が開放した商
品受け台３９とからなっている。

【００２２】リッド部材３６は、軸３５に巻装された捩
りコイルばね４０により、常時閉方向へ弾発付勢されて
いる。そして商品受け台３９は、引っ張りコイルばね４
２によって常時上向きに弾発付勢されている。

【００２３】商品受け台３９の底面には、ラックギヤ４
１が設けられており、このラックギヤ４１には、自動販
売機の機体側に固定された回転式粘性ダンパ１２のピニ
オン１３が噛合している。この回転式粘性ダンパ１２の
抵抗力により、商品受け台３９の摺動速度に規制を加え
るようになっている。

【００２４】リッド部材３６の後面には、後方へ向けて
直線カム４３が一体形成されており、この直線カム４３
のカム面には、商品受け台３９の側部に突設されたピン
４４が係合している。

【００２５】次に本実施例の作動の要領について説明す
る。リッド部材３６は、軸３５に巻装された捩りコイル
ばね４０の弾発力により、通常は開口３を閉じる位置に
ある。またこの時、商品受け台３９は、引っ張りコイル
ばね４２の弾発力によって上方位置にある。この状態で
コインの投入および商品の選択押釦操作による販売信号
が入力すると、商品保管ラックからシュートを介して一
個ずつ搬送された缶入り飲料１４が、商品受け台３９に
乗る。すると缶入り飲料１４の重量が加わるために商品
受け台３９が下向きに滑動するが、リッド部材３６の直
線カム４３のカム面を商品受け台３９のピン４４が押
し、捩りコイルばね４０の弾発力に抗してリッド部材３
６を回動させる。これにより、開口３が開き、かつ商品
受け台３９が開口３の外部に突出する。すると商品受け
台３９上の缶入り飲料１４が、開口３の外側に露出する
ので、簡単に缶入り飲料１４を取り出すことができる。

【００２６】商品受け台３９から缶入り飲料１４を取り
去ると、引っ張りコイルばね４２の弾発力の作用によっ
て商品受け台３９は上方へ復帰する。と同時に、捩りコ
イルばね４０の弾発力の作用によってリッド部材３６は
開口３を閉じる位置に復帰する。この時、商品受け台３
９の摺動面には、回転式粘性ダンパ１２の抵抗力が作用
しているので、商品受け台３９の摺動速度が制限され、
缶入り飲料１４の購入者が手を挟まれる不安感を覚える
ような不都合を生じることがない。

【００２７】以上、本発明の構成を３つの実施例を基に
説明したが、上記各実施例は、例えば商品の販売信号に
応じて解除される電磁式のロック装置をリッド体に設け
ておくことにより、閉状態のリッド体を外部からこじ開
けることができなくなるようにすることもできる。

【００２８】

【発明の効果】このように本発明によれば、商品が商品
受け部に乗ると、その重量で商品受け部と一体的に運動
するリッド体が動き、商品が自動販売機の外部に露出す
るため、商品の取り出しが容易になる。そして商品を取
り出すと、自動的にリッド体が閉じて開口が塞がれる
が、この時、ダンパにてその作動速度が制限されている
ので、余裕をもって商品を取り出すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す要部側断面図であ
る。

【図２】本発明の第２の実施例を示す要部側断面図であ
る。

【図３】本発明の第３の実施例を示す要部側断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 商品取出口装置 ２ 主扉 ３ 開口 ４ ブラケット ５ 軸 ６ リッド体 ７ パネル ８ 脚部 ９ 商品受け部 １０ 捩りコイルばね １１ スパーギヤ １２ 回転式粘性ダンパ １３ ピニオン １４ 缶入り飲料 １５ フラップ １６ 側板 １７ リブ １８ 周壁 １９ ２１ 商品取出口装置 ２５ 軸 ２６ リッド体 ２７ 窪み ２９ 商品受け部 ３０ 捩りコイルばね ３１ 商品取出口装置 ３５ 軸 ３６ リッド部材 ３９ 商品受け台 ４０ 捩りコイルばね ４１ ラックギヤ ４２ 引っ張りコイルばね ４３ 直線カム ４４ ピン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 四宮 健 神奈川県横浜市戸塚区舞岡町184番地１ 株式会社ニフコ内 (72)発明者 加藤 一夫 神奈川県横浜市戸塚区舞岡町184番地１ 株式会社ニフコ内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 販売信号に応じて一個ずつ搬出される商
   品を、機体の前面に設けられた開口から取り出すことが
   できるようにするための自動販売機の商品取出口装置で
   あって、 水平方向に延在する軸を中心として前記開口を閉じる位
   置と開く位置との間でその上部が前後方向に傾動するリ
   ッド体と、 前記リッド体を常時閉方向へ付勢する弾発手段と、 前記リッド体の傾動速度に規制を与えるダンパ手段と、 前記搬出された商品を受け止めるべく前記リッド体の内
   面に於ける前記回転軸に対して前方へオフセットした位
   置に形成された商品受けとを有し、 前記リッド体は、通常は前記開口を閉じる位置にあり、
   かつ前記商品の販売時には、前記商品受けに商品が乗る
   ことによる重心位置の変化によって前方へ傾倒し、前記
   開口の外部に前記商品受けを突出させるようになってい
   ることを特徴とする自動販売機の商品取出口装置。
2. 【請求項２】 販売信号に応じて一個ずつ搬出される商
   品を、機体の前面に設けられた開口から取り出すことが
   できるようにするための自動販売機の商品取出口装置で
   あって、 前記搬出された商品を受け止めるべくその内面に商品受
   けが設けられ、かつ該商品受けが略水平状態にあって前
   記開口を閉じる位置と、前記商品受けが略垂直状態にあ
   って前記開口を開く位置との間で回動し得るように水平
   方向に延在する軸をもって枢支されたリッド体と、 前記リッド体を常時閉方向へ付勢する弾発手段と、 前記リッド体の回動速度に規制を与えるダンパ手段とを
   有し、 前記リッド体は、通常は前記開口を閉じる位置にあり、
   かつ前記商品販売時には、前記商品受けに乗った商品の
   重量によって回動して前記開口の外部に前記商品を落下
   させるようになっていることを特徴とする自動販売機の
   商品取出口装置。
3. 【請求項３】 販売信号に応じて一個ずつ搬出される商
   品を、機体の前面に設けられた開口から取り出すことが
   できるようにするための自動販売機の商品取出口装置で
   あって、 水平に対して斜め前下がりの平面上を前後に摺動可能で
   あると共に前記搬出された商品を受け止めるべく上面が
   開放した商品受けと、 前記商品受けを常時上向きに付勢する弾発手段と、 前記商品受けの摺動速度に規制を与えるダンパ手段と、 前記開口を閉じるべく上端部を枢支されて上向きにはね
   上げ可能なリッド体と、 前記リッド体を常時閉じ方向へ付勢する弾発手段と、 前記商品受けと前記リッド体との間の連動連結手段とを
   有し、 無負荷時には、前記商品受けが上方位置にあり、かつ前
   記リッド体が前記開口を閉じる位置にあり、 前記商品の販売時には、前記商品受けに乗った商品の重
   量によって前記商品受けが下方へ移動し、かつ前記リッ
   ド体を押し退けて前記開口の外部に前記商品受け上の商
   品を突出させるようにしてなることを特徴とする自動販
   売機の商品取出口装置。