JPH05341563A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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Publication number
JPH05341563A
JPH05341563A JP4150487A JP15048792A JPH05341563A JP H05341563 A JPH05341563 A JP H05341563A JP 4150487 A JP4150487 A JP 4150487A JP 15048792 A JP15048792 A JP 15048792A JP H05341563 A JPH05341563 A JP H05341563A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
domain
matrix resin
colorant
toner
Prior art date
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Pending
Application number
JP4150487A
Other languages
English (en)
Inventor
Sanji Inagaki
三治 稲垣
Shoichi Tsuge
昌一 柘植
Mineyuki Sako
峰行 酒向
Kenzo Totani
謙三 戸谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Minolta Co Ltd filed Critical Minolta Co Ltd
Priority to JP4150487A priority Critical patent/JPH05341563A/ja
Publication of JPH05341563A publication Critical patent/JPH05341563A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色変わり可能なトナーであって、色変わり速
度および色変わり効率に優れ、しかも鮮明な画像形成が
可能な電子写真用トナーを提供すること。 【構成】 ドメイン樹脂中に着色剤Aを含有するドメイ
ン樹脂組成物、着色剤Bを含有しドメイン樹脂と混和性
の低いマトリクス樹脂組成物、およびドメイン樹脂とマ
トリクス樹脂の両樹脂に混和性を有しかつアイゾット衝
撃値がマトリクス樹脂より高い値を有する分散助剤を少
なくとも含み、ドメイン樹脂組成物がマトリクス樹脂組
成物中に分散助剤を介して分散してなることを特徴とす
る電子写真用トナー

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真用トナー、特
に熱により色変化が可能な電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真の分野において、熱昇華性着色
剤を含有させ、複写後画像を加熱することにより色変わ
りを可能とするトナーが知られている(例えば特開昭6
1−245169号公報等)。一般に、電子写真法に用
いられるトナーとしては、バインダーとしてのマトリク
ス樹脂中に着色剤等を溶融混練し、この混練物を粉砕
し、得られた粉砕物を分級して所定の粒度分布にそろえ
たものが用いられている。
【0003】しかし、このような混練法を用いて上記の
ような色変わりするトナーを調製した場合、トナー内部
の昇華染料ほど昇華しにくく、色変わりが小さくなる。
加熱温度を高くするまたは加熱時間を長くすることによ
り、色変化を大きくすることができるが、効率が非常に
悪い。
【0004】昇華効率を上げるために、昇華染料をスプ
レードライ法等でトナー表面に付着・固着させた形態の
トナーが知られている。このようなトナーは、染料が昇
華しやすく、色変わりも鮮明になる。しかし、トナーを
製造した後、再度コーティング処理するため、設備およ
び工程数が増え、コストアップにつながる。また、トナ
ー表面は昇華染料が豊富に存在するため、トナーの帯電
制御が困難となる。さらには染料によるキャリア劣化も
発生し、現像剤寿命が短くなり、画質劣化が引き起こさ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
み為されたものであり、色変わり可能なトナーであっ
て、色変わり速度および色変わり効率に優れ、しかも鮮
明な画像形成が可能な電子写真用トナーを提供すること
を目的とする。さらに本発明はスプレードライ法等でト
ナー表面を被覆する場合に生じる製造工程増、帯電不安
定性あるいはキャリアの劣化の少ないトナーを提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ドメイン樹脂
中に着色剤Aを含有するドメイン樹脂組成物、着色剤B
を含有しドメイン樹脂と混和性の低いマトリクス樹脂組
成物、およびドメイン樹脂とマトリクス樹脂の両樹脂に
混和性を有しかつアイゾット衝撃値がマトリクス樹脂よ
り高い値を有する分散助剤を少なくとも含み、ドメイン
樹脂組成物がマトリクス樹脂組成物中に分散助剤を介し
て分散してなることを特徴とする電子写真用トナーに関
する。
【0007】本発明の電子写真用トナーの構成は、概念
的に図1に示したように把握される。すなわち、本発明
のトナーは、少なくともマトリクス樹脂(1)、該マト
リクス樹脂相中に分散するドメイン樹脂(2)、該ドメ
イン樹脂相中に存在する着色剤A(4)、ドメイン樹脂
相とマトリクス樹脂相の間に存在する分散助剤(3)お
よびマトリクス樹脂中に存在する着色剤B(5)から構
成される。分散助剤相はドメイン樹脂相の少なくとも一
部を覆っている。
【0008】着色剤A(4)は非熱昇華性あるいは着色
剤B(5)より熱昇華しにくいもので、ドメイン樹脂相
および分散助剤中に実質的に全量充填されている。着色
剤Bは熱昇華性を有し、マトリクス樹脂相および分散助
剤中に実質的に全量充填されている。このような構成を
とることにより、色変わり速度および色変わり効率に優
れたトナーとすることができる。分散助剤およびマトリ
クス樹脂は、耐衝撃性に一定の差を持つ樹脂が使用され
ており、そうすることにより、トナー製造時の粉砕工程
において、ドメイン樹脂が破壊されることから有効に防
止される。このような分散助剤相の存在より過粉砕から
防止され、製造効率が極めてよいものとなる。
【0009】本発明の電子写真用トナーのマトリクス樹
脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン
−1等のα−オレフィン(エチレンを包含する)の単独ま
たは相互の共重合体、これらα−オレフィンの過半重量
と他の不飽和化合物とのブロック、ランダムあるいはグ
ラフト共重合体、これらの単独または共重合体にハロゲ
ン化、スルホン化、酸化等の処理を施した変性重合体等
のオレフィン重合体、アクリロニトリル、スチレン共重
合体(AS樹脂)、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエス
テル、ポリアミド、ポリスチレン、スチレン・ブタジエ
ン・スチレン−ブロック共重合体、ポリアクリロニトリ
ル、ポリメタクリル酸メチル等の熱可塑性重合体および
ゴムを挙げることができる。
【0010】上記のオレフィン重合体で、α−オレフィ
ンと共重合し得る他の不飽和化合物としては、酢酸ビニ
ルのようなビニルエステル、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニルシラン、お
よび上記例示のα−オレフィン以外のエチレン性不飽和
単量体等を挙げることができる。
【0011】本発明で用いられる熱可塑性重合体とし
て、ポリエステルおよびポリスチレンはマトリクス相と
して好ましい。
【0012】本発明で好適に用いられるポリエステル
は、一般に使用されている多塩基性酸と多価アルコール
の重縮合によって得られるものから適宜選んで用いられ
る。
【0013】ここで多塩基酸としては、テレフタル酸、
イソフタル酸、トリメリト酸等の芳香族カルボン酸、ア
ジピン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、こはく酸、n−
ドデセニルこはく酸、イソ−ドデセニルこはく酸、n−
ドデシルこはく酸、n−オクチルこはく酸、イソ−オク
チルこはく酸、n−ブチルこはく酸等の脂肪族カルボン
酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸、お
よびそれらの無水物が挙げられる。また多価アルコール
成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、2,2,4,4−テトラ
メチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロ
パン、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ソ
ルビトールまたはそれらのエーテル化ヒドロキシル化合
物、例えばポリオキシエチレン(10)ソルビトール、ポ
リオキシプロピレン(5)グリセリン、ポリオキシエチレ
ン(4)ペンタエリスリトール、ポリオキシプロピレン
(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン等が挙げられる。
【0014】本発明の効果が著しく発揮されるポリエス
テルは、溶剤可溶性のものである。非晶性あるいは低結
晶性のもの、特にX線回折による結晶化度が5%未満の
ものが効果が大きい。軟化点については40〜150
℃、特に60〜150℃のものが、また数平均分子量に
ついては500〜30000、特に1000〜2000
0のものが効果が大きい。
【0015】本発明で好適に用いられるポリスチレンと
しては、ポリスチレンあるいはスチレンと共重合モノマ
ー、例えばアクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボ
ン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルやメタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、フマル酸ジブチ
ル、フマル酸ジオクチルなどの不飽和カルボン酸エステ
ルの他、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物
等、いわゆる不飽和カルボン酸又はその誘導体などを過
半量を超えない範囲で共重合させたものが使用される。
なかでもガラス転移温度が30〜105℃、数平均分子
量が1000〜150000、特に2000〜1000
00のものが効果が大きい。
【0016】また、本発明に用いられるポリスチレンと
しては、特に溶剤可溶性のものが好ましい。これらのマ
トリクス樹脂は分散したドメイン樹脂成分を実質的に被
覆するに足りる量存在すれば良いので、トナーに対して
広い範囲で使用することが可能である。従って一般的に
はトナー樹脂に対して、20〜99重量%用いることが
好ましく、より好ましくは30〜95重量%である。上
記範囲より少ないとマトリクス樹脂とドメイン樹脂が相
反転を起こして粉砕面に着色剤含有樹脂が露出し帯電不
良となり、過粉砕になり易いために粒径分布が広がって
製造効率が悪化する。又、上記範囲より多いと着色剤の
マトリクス樹脂への分散不良を招く。
【0017】ドメイン樹脂としては、上述のマトリクス
樹脂と同様の樹脂を用いることができるが、共重合させ
るコモノマーを変えることにより相溶性を変化させ、相
互に均一に混和しないものを用いる。そうすることによ
り、マトリクス樹脂中にドメイン樹脂が分散した構成と
することができる。
【0018】すなわち、本発明のトナー組成物において
は、マトリクス樹脂とドメイン樹脂とは相互に均一に混
和しない樹脂であって、用いる着色剤との親和性の大き
い方がドメイン樹脂として作用する。
【0019】本発明の電子写真用トナーに用いられる分
散助剤は、ドメイン樹脂成分とマトリクス樹脂成分とを
含有してなる共重合体である。ドメイン樹脂またはマト
リクス樹脂の一方を構成するモノマーを含有してなる樹
脂に、他方の樹脂を構成するモノマーをグラフト共重合
させることによって得られるものが好適である。
【0020】本発明で用いる分散助剤は、マトリクス樹
脂にドメイン樹脂を微細に分散させる作用をし、トナー
組成物中に1重量%以上あれば、分散相は充分微細、か
つ、均一となる。好ましくは3重量%以上の量で用い
る。そして、分散助剤はマトリクス樹脂よりアイゾット
衝撃値が0.1kgf・cm/cm以上、好ましくは0.2kgf・
cm/cm以上、より好ましくは0.4kgf・cm/cm以上のも
のを用いる。そのような樹脂を用いることにより、粉砕
工程において、マトリクス樹脂相で優先的に破壊を生じ
させ、ドメイン樹脂の破壊を防止できる。従って、着色
剤をドメイン樹脂相中に閉じ込めたままであるので、ト
ナー表面への着色剤の露出による悪影響を防止すること
ができる。アイゾット衝撃値が上記範囲より小さいとき
は、ドメイン樹脂にもストレスがかかり易くなり、この
為に破壊され易くなってしまう。そしてドメイン樹脂相
が破壊されると着色剤の露出による悪影響が生じ易くな
る。又、過粉砕になり易く粒径分布が広がって製造効率を
著しく悪化させる。
【0021】なお、本発明においてアイゾット衝撃値
は、Mini-max Izot衝撃試験機(ModelCS-183;Instrume
nt社製)を使用して測定した値で表している。測定に際
しては、30×12×2.0[mm]の試験片をプレス
成形(条件130℃、60〜70kg/cm2)で作製し、この
試験片を上記試験機に供した。
【0022】分散助剤の具体例としては、スチレン系重
合体とビニルモノマーとをグラフト反応させる方法とし
ては、溶剤に重合体を溶解し、そこへビニルモノマー
を投入して反応させる方法、ビニルモノマーに重合体
を溶解して反応させる方法、水に重合体粒子を懸濁さ
せ、これにビニルモノマーを添加して該重合体粒子に含
浸させたのち、反応させる方法、ビニルモノマーに重
合体を溶解したものを水中に液滴として浮遊させた状態
で反応させる方法、重合体の溶融状態下にビニルモノ
マーと反応させる方法、もしくは放射線グラフト法等
がある。中でも好ましい方法は、上記またはの方法
である。またはの方法で得られた重合体は、マトリ
クス樹脂およびドメイン樹脂が同時に含有生成されてお
り、マトリクス樹脂またはドメイン樹脂を別途に加える
ことなく用いことができる。
【0023】この反応に際しては、通常、重合開始剤を
用いる。重合開始剤としては一般にラジカル重合に用い
られるものを用いることができるが、重合反応の温度か
ら見て、分解温度が45〜110℃、特に50〜105
℃の範囲のものから選ぶのが好ましい。ここでいう分解
温度とは、ベンゼン1リットル中に重合開始剤を0.1
モル添加して、10時間放置したときにラジカル発生剤
の分解率が50%となるときの温度を意味する。
【0024】このような開始剤の具体例としては、例え
ば2,4−ジクロルベンゾイルペルオキシド(54℃)、t
ert−ブチルペルオキシピバレート(56℃)、O−メチ
ルベンゾイルペルオキシド(57℃)、ビス−3,5,5−
トリメチルヘキサノイルペルオキシド(60℃)、オクタ
ノイルペルオキシド(61℃)、ラウロイルペルオキシド
(62℃)、ベンゾイルペルオキシド(74℃)、tert−ブ
チルペルオキシ−2−エチルヘキサノエイト(74℃)、
1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキサン(91℃)、シクロヘキサノンペ
ルオキシド(97℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジベン
ゾイルペルオキシヘキサン(100℃)、tert−ブチルペ
ルオキシベンゾエート(104℃)、ジ−tert−ブチル−
ジペルオキシフタレート(105℃)、メチルエチルケト
ンペルオキシド(109℃)、ジクミルペルオキシド(1
17℃)、ジクミル−tert−ブチルペルオキシド等の有
機過酸化物を挙げることができる(ここで括弧内の温度
は分解温度を示す)。これらは併用もできる。
【0025】重合開始剤の使用量は、ビニルモノマーに
対して0.05〜30重量%、好ましくは0.1〜10
重量%の範囲である。
【0026】本発明においては、分散助剤はマトリクス
樹脂(例えばポリエステル)とドメイン樹脂を与え得る単
量体(例えばスチレン)を「その場で(in sit
u)」グラフト共重合することによっても得ることがで
きる。
【0027】本発明の電子写真用トナーに用いられる着
色剤Aとしては、カーボンブラック、ローダミンB等塩
基性染料、酸性染料、蛍光染料、アゾ系染料、アントラ
キノン系染料、アジン系染料、ニグロシン系染料、金属
錯化合物系染料や、ベンガラ、酸化チタン、カドミウム
イエロー、カドミウムレッド、塩基性染料レーキ、フタ
ロシアニン系顔料などがある。また、着色剤の実質的全
量をドメイン樹脂に分散充填させる必要から、着色剤は
マトリクス樹脂に対するよりドメイン樹脂に対する親和
力が大きいものを用いる。
【0028】本発明のトナーに用いられる熱昇華性着色
剤Bとしてはスーダン・イエロー(Sudan Yellow)150、
スーダン・レッド(Sudan Red)460、 スーダン・ブラッ
ク(Sudan Black)460、ルナフィックス・イエロー(Lun
afix Yellow)142(以上、BASF社製)等が例示され
る。もちろんこれに限定されるものではない。また、着
色剤の実質的全量をマトリクス樹脂に分散させる必要か
らドメイン樹脂に対するよりマトリクス樹脂に対する親
和力が大きいものを用いる。
【0029】本発明のトナーにはさらに、流動性、離型
性などを改質する目的で、低分子量のオレフィン重合
体、コロイダルシリカ、脂肪酸および脂肪酸金属塩等を
添加してもよい。
【0030】本発明のトナーを製造するには、まず上記
ドメイン樹脂と着色剤Aを上記所定量溶融混練してなる
混練物を得る。混練は通常のロール、ニーダ、押し出し
機等で行えばよい。次に、得られた混練物、マトリクス
樹脂、着色剤Bおよび分散助剤を上記所定量溶融混練し
て着色組成物を得る。
【0031】得られた着色組成物は着色剤Aを含有する
ドメイン樹脂がマトリクス樹脂相中に微細、かつ均一に
分散されている。このような均一分散系は、マトリクス
樹脂とドメイン樹脂との機械的ブレンドに際して、それ
らの組成物成分の特性(分子量、分子量分布、共重合
比、ランダム性、電気的特性、混和性、親和性等)、ブ
レンド条件(装置、温度、混練速度、時間等)等を適宜選
択することにより形成させることができる。
【0032】一般的には、マトリクス樹脂相中のドメイ
ン樹脂分散相の粒径は5μm以下が好ましい。ここでい
う粒径とは、試料断面の電子顕微鏡の観察によって測定
される平均一次粒子径(Martinの径)である。
【0033】最後に、ドメイン樹脂相の分散したマトリ
クス着色組成物を粉砕分級する。本発明によると、粉砕
時、ストレスがマトリクス樹脂に集中して粉砕されるの
で、得られる粒子は全表面が実質的に着色剤Bが分散さ
れたマトリクス樹脂で覆われた粒子を得ることができ、
しかも粉砕物の粒度分布がシャープになり、分級収率が
高いものとなる。
【0034】粉砕は、ジェットミル、ハンマーミル、ピ
ンミル等の手段で行うことができる。粉砕ストレスをマ
トリクス樹脂相に効果的に付与し、分級収率を挙げるた
めには、クリプトロン粉砕機(川崎重工業社製)(図
2)等の低衝撃式粉砕手段を使用することが好ましい。
クリプトロン粉砕機(図2)は、竪型の高速回転式粉砕
機で、Vベルト(200)駆動により高速回転するロー
ター(201)と入口ケーシング(202)、出口ケー
シング(203)および表面に多数の溝を持つライナを
取り付けたステータ(204)によって構成されてい
る。入り口(205)から空気とともに吸引された原料
は、まず高速回転しているロータによって円周に均等に
分散され、次に特殊な形状をしたロータブレードとライ
ナーブレード間に発生する激しい渦流に巻き込まれて瞬
間的に粉砕され、排気口(206)から外部に放出され
る。
【0035】以上のようにして表面が着色剤Bが分散さ
れたマトリクス樹脂で覆われた着色剤露出のないまたは
極めて露出の少ない微粒子を分級効率よく製造すること
ができる。なお、適宜、他の添加剤、例えば帯電制御
剤、流動化剤等をマトリクス樹脂あるいはドメイン樹脂
中に添加し、種々の特性を制御可能であり、そのような
態様も本発明に包含される。
【0036】
【実施例】以下に示す実施例で、本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例によって限定されるもの
ではない。
【0037】以下に、実施例に用いたドメイン樹脂、マ
トリクス樹脂および分散助剤を示す。ドメイン樹脂 スチレン・アクリル酸エステル共重合体 分子量: 53000 アイゾット衝撃強さ: 0.51[kgf・cm/cm]マトリクス樹脂 スチレン・無水マレイン酸共重合体 分子量: 10000 アイゾット衝撃強さ: 0.17[kgf・cm/cm]分散助剤 改質スチレン重合体 アイゾット衝撃強さ: 0.41[kgf・cm/cm]
【0038】参考例1(分散助剤樹脂の製造) 内容量10リットル のオートクレーブ内に水4kg、リ
ン酸三カルシウム80g、ドデシルベンゼンスルホン酸
ソーダ0.12gを加えて水性媒質とし、これに、「ナイ
パーB」8gをスチレン640gおよびn−ブチルアクリレ
ート160gの混合液に溶解した液を加えて撹拌した。
これに前記マトリクス樹脂(スチレン共重合体)粒子12
00gを投入し、オートクレーブ内を窒素置換したのち
系内温度を60℃に昇温し、その温度を3時間維持して
上記の重合開始剤を含むスチレンをマトリクス樹脂粒子
中に含浸させた。次いで、「パーブチルPV」11.4g
をこの懸濁系に投入し、さらに系内温度を65℃に昇温
して2時間保持してスチレン重合体粒子表面の重合を開
始させた。その後、系内温度を90℃に昇温して3時間
維持し、重合を完結させた。冷却後、内容物を取り出し
て酸洗いおよび水洗を行なって分散助剤樹脂2kgを得
た。
【0039】実施例1 ドメイン樹脂40重量部とHeliogen BlueD7072D(BASF社
製)3重量部とを二軸混練押出機にて溶融混練した。こ
の混練物を45重量部、マトリクス樹脂を55重量部、
Sudan Yellow150(BASF社製)1重量部および分散助剤を
8重量部を二軸混練押出機にて溶融混練して着色組成物
を得た。この着色組成物の一部をスライドグラスとカバ
ーグラスの間にはさみ、ホットプレス上で熱溶融させて
薄膜化し、透過型光学顕微鏡により観察したところ、青
色に着色された分散相の存在が見られ、その粒径は0.
5〜1.0μであり、この分散相はマトリクス中に均一
微細に分散していた。また、マトリクスは黄色に着色さ
れていた。得られた着色物をジェットミルにより微粉砕
し、その後分級により平均粒径8μのトナーを得た。
【0040】比較例1 ドメイン樹脂40重量部、マトリクス樹脂55重量部、
BlueD7072D 3重量部およびYellow150 3重量部を二軸
混練押出機にて溶融混練して着色混練組成物を得た。得
られた組成物を実施例1と同様に評価したところ、着色
剤はほぼ均一に系全体に分散しており、分散相はほとん
ど観察されなかった。なお、この組成物のアイゾット衝
撃強さは0.22[kgf・cm/cm]であり、マトリクス樹
脂に近い特性であった。
【0041】実施例2 ドメイン樹脂40重量部、Heliogen BlueD7072D 2重量
部およびPaliogen RedL3880(BASF社製)を二軸混練押
出機にて溶融混練した。この混練物を45重量部、マト
リクス樹脂を55重量部、Sudan Yellow150(BASF社製)
0.6重量部および分散助剤を8重量部を二軸混練押出
機にて溶融混練して着色組成物を得た。この着色組成物
の一部をスライドグラスとカバーグラスの間にはさみ、
ホットプレス上で熱溶融させて薄膜化し、透過型光学顕
微鏡により観察したところ、青紫に着色された分散相の
存在が見られ、その粒径は0.8〜1.5μであり、こ
の分散相はマトリクス中に均一微細に分散していた。ま
た、マトリクスは黄色に着色されていた。得られた着色
物をジェットミルにより微粉砕し、その後分級により平
均粒径8μのトナーを得た。
【0042】比較例2 ドメイン樹脂40重量部、マトリクス樹脂55重量部、
BlueD7072D 2重量部、RedL3880 2重量部およびYellow
150 1重量部を二軸混練押出機にて溶融混練して着色混
練組成物を得た。得られた組成物を実施例1と同様に評
価したところ、着色剤はほぼ均一に系全体に分散してお
り、分散相はほとんど観察されなかった。なお、この組
成物のアイゾット衝撃強さは0.20[kgf・cm/cm]で
あり、マトリクス樹脂に近い特性であった。
【0043】評価 以上の実施例および比較例のトナーをEP350複写機
によりコピーを行い、オーブン炉で加熱昇華させて色変
化させた。結果を表1にまとめた。
【0044】
【表1】 60秒加熱時(温度依存) 実施例1 比較例1 実施例2 比較例2 加熱前 緑 緑 黒 黒 110℃ 青緑 緑 黒紫 黒 130℃ 緑青 緑 黒紫 黒 150℃ 青 青緑 紫 黒 180℃ 青 緑青 紫 黒紫 200℃ 青 青 紫 紫
【0045】
【表2】 180℃加熱時(時間依存) 実施例1 比較例1 実施例2 比較例2 加熱前 緑 緑 黒 黒 5秒 緑青 緑 黒紫 黒 10秒 青 緑 紫 黒 30秒 青 青緑 紫 黒紫 60秒 青 緑青 紫 黒紫 180秒 青 青 紫 紫
【0046】
【発明の効果】本発明のトナーは、加熱により迅速に色
変わりし、しかも鮮明な画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトナー粒子の模式的断面図を示す。
【図2】 低衝撃式粉砕機(クリプトロン粉砕機)の模
式的断面図を示す。
【符号の説明】 1:マトリクス樹脂 2:ドメイン樹脂 3:分散助剤
4:着色剤 5:着色剤 200:Vベルト 201:ロータ 20
2:入口ケーシング 203:出口ケーシング 204:ステータ 205:
入り口 206:排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 365 (72)発明者 酒向 峰行 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 (72)発明者 戸谷 謙三 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドメイン樹脂中に着色剤Aを含有するド
    メイン樹脂組成物、着色剤Bを含有しドメイン樹脂と混
    和性の低いマトリクス樹脂組成物、およびドメイン樹脂
    とマトリクス樹脂の両樹脂に混和性を有しかつアイゾッ
    ト衝撃値がマトリクス樹脂より高い値を有する分散助剤
    を少なくとも含み、ドメイン樹脂組成物がマトリクス樹
    脂組成物中に分散助剤を介して分散してなることを特徴
    とする電子写真用トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104769505A (zh) * 2012-09-10 2015-07-08 株式会社理光 调色剂、显影剂以及图像形成设备
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