JPH05340774A - 渦流量計 - Google Patents
渦流量計Info
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- JPH05340774A JPH05340774A JP17487792A JP17487792A JPH05340774A JP H05340774 A JPH05340774 A JP H05340774A JP 17487792 A JP17487792 A JP 17487792A JP 17487792 A JP17487792 A JP 17487792A JP H05340774 A JPH05340774 A JP H05340774A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 強力で安定な渦を発生させ、且つ圧力損失を
小さくする。 【構成】 本体1内に流れに対称に配設された渦発生体
3の表面に微小突起4を形成して、層流境界層内でも各
々の微小突起4から方向性を有しない微小渦を発生させ
て剥離し、この方向性を有しない渦を集積して強い渦と
して渦発生体3から流出させる。
小さくする。 【構成】 本体1内に流れに対称に配設された渦発生体
3の表面に微小突起4を形成して、層流境界層内でも各
々の微小突起4から方向性を有しない微小渦を発生させ
て剥離し、この方向性を有しない渦を集積して強い渦と
して渦発生体3から流出させる。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、渦流量計に関し、より詳細には
渦流量計の渦発生体形状に関する。
渦流量計の渦発生体形状に関する。
【0002】
【従来技術】周知の如く渦流量計は測定流体内に配設さ
れた渦発生体から剥離する交番渦の単位時間当りに発生
する数(以後渦周波数と呼ぶ)が所定レイノルズ数(以
後Re数と呼ぶ)において流速又は流量に比例すること
を利用したデジタル形の推測流量計である。従って、渦
周波数と流速との比例定数であるストローハル数(St
数)は広いRe数範囲に亘って一定であることが優れた
渦流量計である。優れた渦流量計とするために渦発生体
の良否が大きな鍵となった。これに対し、従来、渦発生
体の形状や断面形状を選び、広いRe数の範囲で安定し
て渦を剥離するものが提案され、あるいは、複数の渦発
生素子を組合せた渦発生体が試みられた。
れた渦発生体から剥離する交番渦の単位時間当りに発生
する数(以後渦周波数と呼ぶ)が所定レイノルズ数(以
後Re数と呼ぶ)において流速又は流量に比例すること
を利用したデジタル形の推測流量計である。従って、渦
周波数と流速との比例定数であるストローハル数(St
数)は広いRe数範囲に亘って一定であることが優れた
渦流量計である。優れた渦流量計とするために渦発生体
の良否が大きな鍵となった。これに対し、従来、渦発生
体の形状や断面形状を選び、広いRe数の範囲で安定し
て渦を剥離するものが提案され、あるいは、複数の渦発
生素子を組合せた渦発生体が試みられた。
【0003】最も基本的な渦発生体として表面が平滑に
仕上げられた円柱があげられるが、円柱では直径を代表
長さとしてRe数が102〜105の範囲で、渦の剥離点
は淀み点を通る流れ方向に対し75°〜95°の範囲で
変化し、St数も数%の偏差があった。また、渦の強さ
も小さく多くの周波数の雑音成分を含み、検出される渦
信号もSN比の低いものであった。このような渦発生体
に対し、特公昭52−13100における「流速検出
器」では、渦発生体内に空胴部を形成し、この空胴部に
連通する透孔を渦発生体の両側面に設けて、渦発生体か
ら剥離する渦に対して、渦発生体の他の側面から吸込ん
だ流体を吹き込み渦の剥離を強制する渦流量計が提案さ
れた。
仕上げられた円柱があげられるが、円柱では直径を代表
長さとしてRe数が102〜105の範囲で、渦の剥離点
は淀み点を通る流れ方向に対し75°〜95°の範囲で
変化し、St数も数%の偏差があった。また、渦の強さ
も小さく多くの周波数の雑音成分を含み、検出される渦
信号もSN比の低いものであった。このような渦発生体
に対し、特公昭52−13100における「流速検出
器」では、渦発生体内に空胴部を形成し、この空胴部に
連通する透孔を渦発生体の両側面に設けて、渦発生体か
ら剥離する渦に対して、渦発生体の他の側面から吸込ん
だ流体を吹き込み渦の剥離を強制する渦流量計が提案さ
れた。
【0004】その他、渦発生体の断面形状を選択する基
本的な考え方としては、渦の剥離しやすいシャープエッ
ジを有する柱状体とするものであり、例えば、断面が三
角形状、台形、又は矩形のもの、あるいは、その変形が
選ばれた。これらは、抗力係数の大きいものであり、渦
発生のために消費されるエネルギが大きい程、抗力係数
が大きいことを意味する。逆に云えば、抗力係数が大き
い程、強大な渦を発生するというもので、渦発生体の選
択の一つの基準となっていた。
本的な考え方としては、渦の剥離しやすいシャープエッ
ジを有する柱状体とするものであり、例えば、断面が三
角形状、台形、又は矩形のもの、あるいは、その変形が
選ばれた。これらは、抗力係数の大きいものであり、渦
発生のために消費されるエネルギが大きい程、抗力係数
が大きいことを意味する。逆に云えば、抗力係数が大き
い程、強大な渦を発生するというもので、渦発生体の選
択の一つの基準となっていた。
【0005】しかし、上述の基本的な形状としての円柱
や、その後、提案された三角形状、台形状の渦発生体
は、すべて、表面が平滑に仕上げられたもので、必ずし
もSN比の優れた強力な渦を発生するものではなかっ
た。
や、その後、提案された三角形状、台形状の渦発生体
は、すべて、表面が平滑に仕上げられたもので、必ずし
もSN比の優れた強力な渦を発生するものではなかっ
た。
【0006】
【目的】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされた
もので、渦発生体の表面を粗面とし、粗面を形成する微
小突起の各々から方向性のない微小渦を発生させ、この
方向性のない微小渦が集結してひとつの渦に成長する
と、より強力な渦として剥離するので、SN比の優れた
渦流量計を提供することが出来るので、これを目的とし
てなされたものである。
もので、渦発生体の表面を粗面とし、粗面を形成する微
小突起の各々から方向性のない微小渦を発生させ、この
方向性のない微小渦が集結してひとつの渦に成長する
と、より強力な渦として剥離するので、SN比の優れた
渦流量計を提供することが出来るので、これを目的とし
てなされたものである。
【0007】
【構成】本発明は、上記目的を達成するために、(1)
測定流体内に配設された渦発生体を有し、該渦発生体か
ら剥離する交番渦の単位時間当りに発生する数から測定
流体の流速又は流量を測定する渦流量計において、前記
渦発生体の表面に複数の微小突起を有する粗面を形成さ
せ、各々の微小突起を該微小突起より方向性のない渦を
発生可能な大きさとしたこと、更には、(2)前記
(1)において、渦発生体を断面一定な円柱とし、該円
柱の表面に前記粗面を淀み点に対し少くとも±30°の
範囲の軸方向に形成したこと、更には、(3)前記
(1)において、渦発生体を断面一定な円柱とし、該円
柱の表面に前記粗面を渦発生体の両側面部軸方向に、か
つ、該両側面部の中心角度を流れ方向に直角な直径に対
し少くとも±30°の範囲に形成したこと、更には、
(4)前記(1)において、渦発生体を断面一定で流れ
方向軸に対称な三角形状柱とし、該三角柱の表面の流れ
に面した面に前記粗面を形成したこと、更には、(5)
前記(1)において、渦発生体を断面一定で流れに面し
た底面を有し、流れ方向軸に対称な台形柱とし、該台形
柱表面の流れに面した面に前記粗面を形成したこと、更
には、(6)前記(1)又は(5)において、渦発生体
を断面一定で流れ方向に長径を有する楕円柱とし、少く
とも短軸より上流側の面に前記粗面を形成したこと、更
には、(7)前記(1)乃至(6)の何れかにおいて、
渦発生体を断面一定で流れ方向に長径を有する楕円柱と
し、前記楕円柱の全面に前記粗面を形成したこと、更に
は、(8)前記(1)乃至(6)の何れかにおいて、渦
発生体表面の微小突起を渦発生体軸方向に溝を有するス
プラインとしたこと、更には、(9)前記(1)乃至
(6)の何れかにおいて、渦発生体表面の微小突起を流
れ方向に各々傾斜した溝を有するラチェット溝としたこ
とを特徴としてなされたものである。以下、本発明の実
施例に基いて説明する。
測定流体内に配設された渦発生体を有し、該渦発生体か
ら剥離する交番渦の単位時間当りに発生する数から測定
流体の流速又は流量を測定する渦流量計において、前記
渦発生体の表面に複数の微小突起を有する粗面を形成さ
せ、各々の微小突起を該微小突起より方向性のない渦を
発生可能な大きさとしたこと、更には、(2)前記
(1)において、渦発生体を断面一定な円柱とし、該円
柱の表面に前記粗面を淀み点に対し少くとも±30°の
範囲の軸方向に形成したこと、更には、(3)前記
(1)において、渦発生体を断面一定な円柱とし、該円
柱の表面に前記粗面を渦発生体の両側面部軸方向に、か
つ、該両側面部の中心角度を流れ方向に直角な直径に対
し少くとも±30°の範囲に形成したこと、更には、
(4)前記(1)において、渦発生体を断面一定で流れ
方向軸に対称な三角形状柱とし、該三角柱の表面の流れ
に面した面に前記粗面を形成したこと、更には、(5)
前記(1)において、渦発生体を断面一定で流れに面し
た底面を有し、流れ方向軸に対称な台形柱とし、該台形
柱表面の流れに面した面に前記粗面を形成したこと、更
には、(6)前記(1)又は(5)において、渦発生体
を断面一定で流れ方向に長径を有する楕円柱とし、少く
とも短軸より上流側の面に前記粗面を形成したこと、更
には、(7)前記(1)乃至(6)の何れかにおいて、
渦発生体を断面一定で流れ方向に長径を有する楕円柱と
し、前記楕円柱の全面に前記粗面を形成したこと、更に
は、(8)前記(1)乃至(6)の何れかにおいて、渦
発生体表面の微小突起を渦発生体軸方向に溝を有するス
プラインとしたこと、更には、(9)前記(1)乃至
(6)の何れかにおいて、渦発生体表面の微小突起を流
れ方向に各々傾斜した溝を有するラチェット溝としたこ
とを特徴としてなされたものである。以下、本発明の実
施例に基いて説明する。
【0008】まず、本発明における渦流量計の渦発生体
の基本的な考え方について述べる。渦の発生は、境界層
の剥離により生ずるものであるが、境界層の剥離点は物
体表面の形状により定まる。物体表面の流れは現実には
粘性流体の流れであるため、物体表面では粘性影響によ
る速度こう配を有する境界層が形成される。従って、速
度こう配のない主流と境界層との間では、運動エネルギ
ーの損失がある。境界層内では、流れの慣性力は圧力こ
う配による力及び粘性による力と平衡状態にあるが、粘
性による力は常に流れと逆方向に作用するので、流体は
運動エネルギーを失い、流れを減速させる。また、圧力
こう配は主流の状態により正または負になり、境界層の
速度分布を変えるが、正の圧力こう配が大きいと、境界
層内の流れは前記の如く運動エネルギーを失い停止す
る。上流側の圧力は低いので逆流を生じ、この点で境界
層は剥離する。
の基本的な考え方について述べる。渦の発生は、境界層
の剥離により生ずるものであるが、境界層の剥離点は物
体表面の形状により定まる。物体表面の流れは現実には
粘性流体の流れであるため、物体表面では粘性影響によ
る速度こう配を有する境界層が形成される。従って、速
度こう配のない主流と境界層との間では、運動エネルギ
ーの損失がある。境界層内では、流れの慣性力は圧力こ
う配による力及び粘性による力と平衡状態にあるが、粘
性による力は常に流れと逆方向に作用するので、流体は
運動エネルギーを失い、流れを減速させる。また、圧力
こう配は主流の状態により正または負になり、境界層の
速度分布を変えるが、正の圧力こう配が大きいと、境界
層内の流れは前記の如く運動エネルギーを失い停止す
る。上流側の圧力は低いので逆流を生じ、この点で境界
層は剥離する。
【0009】流れが剥離すると渦層を形成して、これら
の渦層がくずれて巻き込まれ、大きい強力な渦となり流
出される。物体から剥離する渦は、理論的には、微小な
渦層の渦が集積されて形成され、剥離流出されるものと
して渦の大きさ等が計算されるが、本発明においては、
逆に物体表面に微小な突起を形成して、この突起から強
制的に微小な渦を発生させ、この渦を集積して大きい強
力な渦を形成させるものである。
の渦層がくずれて巻き込まれ、大きい強力な渦となり流
出される。物体から剥離する渦は、理論的には、微小な
渦層の渦が集積されて形成され、剥離流出されるものと
して渦の大きさ等が計算されるが、本発明においては、
逆に物体表面に微小な突起を形成して、この突起から強
制的に微小な渦を発生させ、この渦を集積して大きい強
力な渦を形成させるものである。
【0010】図1(a),(b)は、本発明における流
量計を説明するための図で、図1(a)は正面図、図1
(b)は図1(a)の矢視A−A線図であり、図中、1
は渦流量計、2は本体、3は渦発生体、4は微小突起で
ある。
量計を説明するための図で、図1(a)は正面図、図1
(b)は図1(a)の矢視A−A線図であり、図中、1
は渦流量計、2は本体、3は渦発生体、4は微小突起で
ある。
【0011】渦流量計1は、円筒状の本体2の直径上に
流れQに直角に両端支持したものである。図において、
渦発生体3は断面の径が一定な円柱で、表面に一様に微
小な突起3を設けている。微小突起3は境界層内の流れ
を剥離して各々方向性のない微小な渦を発生させるもの
であり、翼形において乱流を促進するため、翼形上面に
進行方向に対して直角に配設された一本のトリッピング
ワイヤのように、方向性を有する渦を発生させるもので
はない。方向性のない微小な渦は、渦発生体の後流で集
合して渦度の大きな強い渦となる。このように、平滑な
面を有する物体の境界層において、粘性力に抗して流れ
ることによる運動エネルギーの損失が境界層の剥離をも
たらすという現象を、微小な突起を設けることにより、
層流境界層内で強制的に乱流剥離を形成させるもので、
渦発生体表面に一様に微小突起を配設することは渦形成
理論を現実に適用させ、現象させたものである。
流れQに直角に両端支持したものである。図において、
渦発生体3は断面の径が一定な円柱で、表面に一様に微
小な突起3を設けている。微小突起3は境界層内の流れ
を剥離して各々方向性のない微小な渦を発生させるもの
であり、翼形において乱流を促進するため、翼形上面に
進行方向に対して直角に配設された一本のトリッピング
ワイヤのように、方向性を有する渦を発生させるもので
はない。方向性のない微小な渦は、渦発生体の後流で集
合して渦度の大きな強い渦となる。このように、平滑な
面を有する物体の境界層において、粘性力に抗して流れ
ることによる運動エネルギーの損失が境界層の剥離をも
たらすという現象を、微小な突起を設けることにより、
層流境界層内で強制的に乱流剥離を形成させるもので、
渦発生体表面に一様に微小突起を配設することは渦形成
理論を現実に適用させ、現象させたものである。
【0012】図2は、本発明に係る渦発生体の一実施例
を説明するための斜視図で、渦発生体3の表面を軸方向
に長い多数の突起条3aと溝3bとを形成するスプライ
ン加工を施したものである。突起条3aの密度は、たと
えばスプライン加工における目の基準値である最小目、
即ち20mm中の表面で50〜60目が好適である。スプ
ラインの突起条3aは、トリッピングワイヤのように一
本のみでなく複数あり、各々軸が一致した渦度の渦糸を
剥離して、これが集合し、大きい渦度の渦を流出する。
を説明するための斜視図で、渦発生体3の表面を軸方向
に長い多数の突起条3aと溝3bとを形成するスプライ
ン加工を施したものである。突起条3aの密度は、たと
えばスプライン加工における目の基準値である最小目、
即ち20mm中の表面で50〜60目が好適である。スプ
ラインの突起条3aは、トリッピングワイヤのように一
本のみでなく複数あり、各々軸が一致した渦度の渦糸を
剥離して、これが集合し、大きい渦度の渦を流出する。
【0013】図3は、本発明に係る渦発生体の他の実施
例を説明するための斜視図で、渦発生体3の表面には、
微小突起として、渦発生体3の軸O−Oに対して各々角
度をなす突起3c,3d(図示おいては45°)からな
る微小突起3eを有するラチット加工を施している。上
述のラチットの微小突起3eは各々方向性のない一つの
渦度をもつ渦を剥離し、これが集合して大きい渦を形成
し流出する。
例を説明するための斜視図で、渦発生体3の表面には、
微小突起として、渦発生体3の軸O−Oに対して各々角
度をなす突起3c,3d(図示おいては45°)からな
る微小突起3eを有するラチット加工を施している。上
述のラチットの微小突起3eは各々方向性のない一つの
渦度をもつ渦を剥離し、これが集合して大きい渦を形成
し流出する。
【0014】図4は、本発明における渦流量計の渦信号
を検出するための試験渦流量計の要部を説明するための
図で、図中、5は圧力センサであり、図1と同じ作用を
する部分には図1と同一の参照番号を付している。図5
は、図4の渦発生体3を(a)従来の平滑な円柱,
(b)図2のスプライン加工、及び、(c)図3のラチ
ェット加工を施したものを装着した場合の渦信号波形図
である。
を検出するための試験渦流量計の要部を説明するための
図で、図中、5は圧力センサであり、図1と同じ作用を
する部分には図1と同一の参照番号を付している。図5
は、図4の渦発生体3を(a)従来の平滑な円柱,
(b)図2のスプライン加工、及び、(c)図3のラチ
ェット加工を施したものを装着した場合の渦信号波形図
である。
【0015】図4の渦流量計1は、軸対称に配設された
渦発生体3の後流側に圧力センサ5を配設したもので、
測定流体は水である。図5の渦信号波形は、渦発生体の
直径dを代表長さとしてRe数=1.2×105における
圧力センサ5の出力波形で、各々縦軸は振幅を、横軸は
時間をあらわしている。 (a);表面が平滑な場合 渦信号のSN比が悪く、カルマン渦の基本渦信号は殆ど
検知されず、雑音成分としての高調波が大きい。 (b);表面がスプライン溝の場合 渦信号の振幅が大きく、高調波成分は含まれてはいる
が、振幅は小さく、特別のフィルタなしでも渦信号を検
知することが可能で、フィルタを介することにより正弦
波に近い渦信号が得られる。 (c);表面がラチェット突起の場合 (b)のスプライン溝の場合と同様に、渦信号の振幅が
大きく、上記スプライン溝の場合よりも更に高調波成分
が小さくなっている。 上述の試験結果からも分るように、表面が平滑な面を有
する従来の渦発生体でも渦信号を検知することができる
が、本発明の微小突起を有する渦発生体では、強力な渦
を発生できるので、フィルタなしで渦信号を演算処理可
能にすることができる。
渦発生体3の後流側に圧力センサ5を配設したもので、
測定流体は水である。図5の渦信号波形は、渦発生体の
直径dを代表長さとしてRe数=1.2×105における
圧力センサ5の出力波形で、各々縦軸は振幅を、横軸は
時間をあらわしている。 (a);表面が平滑な場合 渦信号のSN比が悪く、カルマン渦の基本渦信号は殆ど
検知されず、雑音成分としての高調波が大きい。 (b);表面がスプライン溝の場合 渦信号の振幅が大きく、高調波成分は含まれてはいる
が、振幅は小さく、特別のフィルタなしでも渦信号を検
知することが可能で、フィルタを介することにより正弦
波に近い渦信号が得られる。 (c);表面がラチェット突起の場合 (b)のスプライン溝の場合と同様に、渦信号の振幅が
大きく、上記スプライン溝の場合よりも更に高調波成分
が小さくなっている。 上述の試験結果からも分るように、表面が平滑な面を有
する従来の渦発生体でも渦信号を検知することができる
が、本発明の微小突起を有する渦発生体では、強力な渦
を発生できるので、フィルタなしで渦信号を演算処理可
能にすることができる。
【0016】図6は、本発明に係る渦発生体の、更に、
他の実施例を説明するための断面図で、微小突起4を流
れ方向の淀み点Pに対して軸Oからの角度を少くとも±
30°の角AOBの範囲で軸方向の面に設けたものであ
るが、この角度を平滑な円柱の剥離点の角度付近まで拡
げてもよい。この方法によると、淀み点P近傍の安定な
層流境界層域で、微小突起4により乱流剥離した微小渦
が形成される。また、微小突起4は、図2のスプライン
加工でも、図3のラチェット加工したものでもよく、こ
れらの加工は、微小突起を加工するのに容易な加工方法
となる。
他の実施例を説明するための断面図で、微小突起4を流
れ方向の淀み点Pに対して軸Oからの角度を少くとも±
30°の角AOBの範囲で軸方向の面に設けたものであ
るが、この角度を平滑な円柱の剥離点の角度付近まで拡
げてもよい。この方法によると、淀み点P近傍の安定な
層流境界層域で、微小突起4により乱流剥離した微小渦
が形成される。また、微小突起4は、図2のスプライン
加工でも、図3のラチェット加工したものでもよく、こ
れらの加工は、微小突起を加工するのに容易な加工方法
となる。
【0017】図7は、本発明に係る渦発生体の、更に、
他の実施例を説明するための断面図で、微小突起4を渦
発生体3の両側面の流れ方向に対し、直角な直径Y−Y
の少くとも±30°の範囲の∠COD,∠EOFに設け
たもので、平滑な円柱が乱流剥離する以前に微小渦が形
成剥離され、大きい渦に成長させることができる。この
場合も、スプライン加工又はラチェット加工により、微
小突起を容易に形成することができる。
他の実施例を説明するための断面図で、微小突起4を渦
発生体3の両側面の流れ方向に対し、直角な直径Y−Y
の少くとも±30°の範囲の∠COD,∠EOFに設け
たもので、平滑な円柱が乱流剥離する以前に微小渦が形
成剥離され、大きい渦に成長させることができる。この
場合も、スプライン加工又はラチェット加工により、微
小突起を容易に形成することができる。
【0018】図8は、本発明に係る渦発生体の、更に、
他の実施例を説明するための断面図で、渦発生体3は、
断面が流れ方向の軸X−Xに対して軸対称で、流れ方向
に面して底辺ABを有する三角形状の柱体で、流れに面
する底辺ABの面に微小突起4を形成したもので、微小
突起がない場合は、上流側の底面が動圧を受けて、渦発
生に伴って底辺の頂点A方向又はB方向に安定な層流を
形成して流れる境界層が存在して頂点A又はB部分で剥
離して渦を形成するが、底面に微小突起4を設けること
で、大きい渦が剥離する以前に微小渦が形成され集積さ
れるので、微小突起のない状態よりも、更に安定な渦が
形成される。なお、本発明では、底面ABを下流側に向
けた場合にも適用できる。このときは、底面ABは平滑
で流れに面する斜面AC,BC面に微小突起が設けられ
る。
他の実施例を説明するための断面図で、渦発生体3は、
断面が流れ方向の軸X−Xに対して軸対称で、流れ方向
に面して底辺ABを有する三角形状の柱体で、流れに面
する底辺ABの面に微小突起4を形成したもので、微小
突起がない場合は、上流側の底面が動圧を受けて、渦発
生に伴って底辺の頂点A方向又はB方向に安定な層流を
形成して流れる境界層が存在して頂点A又はB部分で剥
離して渦を形成するが、底面に微小突起4を設けること
で、大きい渦が剥離する以前に微小渦が形成され集積さ
れるので、微小突起のない状態よりも、更に安定な渦が
形成される。なお、本発明では、底面ABを下流側に向
けた場合にも適用できる。このときは、底面ABは平滑
で流れに面する斜面AC,BC面に微小突起が設けられ
る。
【0019】図9は、本発明に係る渦発生体の、更に、
他の実施例を説明するための断面図で、渦発生体3は、
断面が流れ方向の軸X−Xに対して、軸対称で流れ方向
に面して底辺ABを有する台形状の柱体で、流れに面し
た底辺ABの面に微小突起4を配設したもので、底辺A
Bが下流側にある場合にも適用される。即ち、AB面が
平滑で、AD,DC,CB面に微小突起を形成する。こ
の場合も、図8に示した三角形状の渦発生体と同様の効
果を有する。
他の実施例を説明するための断面図で、渦発生体3は、
断面が流れ方向の軸X−Xに対して、軸対称で流れ方向
に面して底辺ABを有する台形状の柱体で、流れに面し
た底辺ABの面に微小突起4を配設したもので、底辺A
Bが下流側にある場合にも適用される。即ち、AB面が
平滑で、AD,DC,CB面に微小突起を形成する。こ
の場合も、図8に示した三角形状の渦発生体と同様の効
果を有する。
【0020】図10は、本発明に係る渦発生体の、更に
他の実施例を説明するための断面図で、渦発生体3は楕
円柱で、該楕円柱は長軸を流れ方向X−X線に長軸を有
し、少くとも短軸方向Y−Y線よりも上流側表面に微小
突起4を形成したもので、淀み点Pの境界層内で微小渦
を形成剥離することが可能であり、これが集積して大き
い渦が発生するが、短軸が流れに面した方向であるから
抵抗係数が小さく、流路面積を大きくすることができる
ので、流体抵抗が小さくなり、流量計測範囲の大きい渦
流量計とすることができる。
他の実施例を説明するための断面図で、渦発生体3は楕
円柱で、該楕円柱は長軸を流れ方向X−X線に長軸を有
し、少くとも短軸方向Y−Y線よりも上流側表面に微小
突起4を形成したもので、淀み点Pの境界層内で微小渦
を形成剥離することが可能であり、これが集積して大き
い渦が発生するが、短軸が流れに面した方向であるから
抵抗係数が小さく、流路面積を大きくすることができる
ので、流体抵抗が小さくなり、流量計測範囲の大きい渦
流量計とすることができる。
【0021】図11は、本発明に係る渦発生体の、更
に、他の実施例を説明するため断面図で、図11の楕円
柱の渦発体3の表面全体に微小突起4を形成したもので
ある。このような微小突起を全面に配設すると、流れ方
向に対して対称であるから、正逆の何れの流れにも同じ
効果が得られる。左右何れの場合も、淀み点PF,PRに
おいて、微小突起4による微小渦が剥離して、安定した
強い渦を形成することができる。
に、他の実施例を説明するため断面図で、図11の楕円
柱の渦発体3の表面全体に微小突起4を形成したもので
ある。このような微小突起を全面に配設すると、流れ方
向に対して対称であるから、正逆の何れの流れにも同じ
効果が得られる。左右何れの場合も、淀み点PF,PRに
おいて、微小突起4による微小渦が剥離して、安定した
強い渦を形成することができる。
【0022】
【効果】以上の説明から明らかなように、従来の渦流量
計の渦発生体が平滑な表面を有し、渦の剥離点を安定さ
せるために、他の側から吸込み、この吸込み流を渦の剥
離する側に吹き出させて強制的に剥離させるとか、エッ
ジを設けて該エッジ部で乱流剥離を生じさせるなどによ
って渦を安定させていたが、本発明によると、渦発生体
の表面に予め多数の微小突起を設けた粗面として、各々
の微小突起から方向性のない微小渦を発生させ、これを
集積して大きい渦としているので、従来のものより同一
条件で強力でSN比の優れた渦信号が得られる。この結
果、従来の渦発生体の径に対して小径の渦発生体とする
ことができるから、開口面積も大きくとれ、圧力損失の
小さい流量範囲の大きい渦流量計を提供することができ
る。更には、強力な渦を発生できるので、容易に正逆面
方向の渦流量計ができる。
計の渦発生体が平滑な表面を有し、渦の剥離点を安定さ
せるために、他の側から吸込み、この吸込み流を渦の剥
離する側に吹き出させて強制的に剥離させるとか、エッ
ジを設けて該エッジ部で乱流剥離を生じさせるなどによ
って渦を安定させていたが、本発明によると、渦発生体
の表面に予め多数の微小突起を設けた粗面として、各々
の微小突起から方向性のない微小渦を発生させ、これを
集積して大きい渦としているので、従来のものより同一
条件で強力でSN比の優れた渦信号が得られる。この結
果、従来の渦発生体の径に対して小径の渦発生体とする
ことができるから、開口面積も大きくとれ、圧力損失の
小さい流量範囲の大きい渦流量計を提供することができ
る。更には、強力な渦を発生できるので、容易に正逆面
方向の渦流量計ができる。
【図1】 本発明における流量計を説明するための図で
ある。
ある。
【図2】 本発明に係る渦発生体の一実施例を説明する
ための斜視図である。
ための斜視図である。
【図3】 本発明に係る渦発生体の他の実施例を説明す
るための斜視図である。
るための斜視図である。
【図4】 本発明における渦流量計の渦信号を検出する
ための渦流量計の要部を説明するための図である。
ための渦流量計の要部を説明するための図である。
【図5】 図4の渦発生体3を(a)従来の平滑な円
柱,(b)図2のスプライン加工、及び、(c)図3の
ラチェット加工を施したものを装着した場合の渦信号波
形図である。
柱,(b)図2のスプライン加工、及び、(c)図3の
ラチェット加工を施したものを装着した場合の渦信号波
形図である。
【図6】 本発明に係る渦発生体の、更に、他の実施例
を説明するための断面図である。
を説明するための断面図である。
【図7】 本発明に係る渦発生体の、更に、他の実施例
を説明するための断面図である。
を説明するための断面図である。
【図8】 本発明に係る渦発生体の、更に、他の実施例
を説明するための断面図である。
を説明するための断面図である。
【図9】 本発明に係る渦発生体の、更に、他の実施例
を説明するための断面図である。
を説明するための断面図である。
【図10】 本発明に係る渦発生体の、更に、他の実施
例を説明するための断面図である。
例を説明するための断面図である。
【図11】 本発明に係る渦発生体の、更に、他の実施
例を説明するため断面図である。
例を説明するため断面図である。
1…渦流量計、2…本体、3…渦発生体、4…微小突
起。
起。
Claims (9)
- 【請求項1】 測定流体内に配設された渦発生体を有
し、該渦発生体から剥離する交番渦の単位時間当りに発
生する数から測定流体の流速又は流量を測定する渦流量
計において、前記渦発生体の表面に複数の微小突起を有
する粗面を形成させ、各々の微小突起を該微小突起より
方向性のない渦を発生可能な大きさとしたことを特徴と
する渦流量計。 - 【請求項2】 渦発生体を断面一定な円柱とし、該円柱
の表面に前記粗面を淀み点に対し少くとも±30°の範
囲の軸方向に形成したことを特徴とする請求項1記載の
渦流量計。 - 【請求項3】 渦発生体を断面一定な円柱とし、該円柱
の表面に前記粗面を渦発生体の両側面部軸方向に、か
つ、該両側面部の中心角度を流れ方向に直角な直径に対
し少くとも±30°の範囲に形成したことを特徴とする
請求項1記載の渦流量計。 - 【請求項4】 渦発生体を断面一定で流れ方向軸に対称
な三角形状柱とし、該三角柱の表面の流れに面した面に
前記粗面を形成したことを特徴とする請求項1記載の渦
流量計。 - 【請求項5】 渦発生体を断面一定で流れに面した底面
を有し、流れ方向軸に対称な台形柱とし、該台形柱表面
の流れに面した面に前記粗面を形成したことを特徴とす
る請求項1記載の渦流量計。 - 【請求項6】 渦発生体を断面一定で流れ方向に長径を
有する楕円柱とし、少くとも短軸より上流側の面に前記
粗面を形成したことを特徴とする請求項1記載の渦流量
計。 - 【請求項7】 渦発生体を断面一定で流れ方向に長径を
有する楕円柱とし、前記楕円柱の全面に前記粗面を形成
したことを特徴とする請求項1記載の渦流量計。 - 【請求項8】 渦発生体表面の微小突起を渦発生体軸方
向に溝を有するスプラインとしたことを特徴とする請求
項1乃至7何れかに記載の渦流量計。 - 【請求項9】 渦発生体表面の微小突起を流れ方向に各
々傾斜した溝を有するラチェット溝としたことを特徴と
する請求項1乃至7何れかに記載の渦流量計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17487792A JPH05340774A (ja) | 1992-06-08 | 1992-06-08 | 渦流量計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17487792A JPH05340774A (ja) | 1992-06-08 | 1992-06-08 | 渦流量計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05340774A true JPH05340774A (ja) | 1993-12-21 |
Family
ID=15986228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17487792A Pending JPH05340774A (ja) | 1992-06-08 | 1992-06-08 | 渦流量計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05340774A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102629898B1 (ko) * | 2023-05-24 | 2024-01-29 | (주)플로우테크 | 와류식 유량계의 와류 발생 및 감지 장치 |
-
1992
- 1992-06-08 JP JP17487792A patent/JPH05340774A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102629898B1 (ko) * | 2023-05-24 | 2024-01-29 | (주)플로우테크 | 와류식 유량계의 와류 발생 및 감지 장치 |
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