JPH05338175A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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Publication number
JPH05338175A
JPH05338175A JP15066692A JP15066692A JPH05338175A JP H05338175 A JPH05338175 A JP H05338175A JP 15066692 A JP15066692 A JP 15066692A JP 15066692 A JP15066692 A JP 15066692A JP H05338175 A JPH05338175 A JP H05338175A
Authority
JP
Japan
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layer
recording head
lower layer
ink jet
liquid
Prior art date
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Pending
Application number
JP15066692A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirokazu Komuro
博和 小室
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP15066692A priority Critical patent/JPH05338175A/ja
Publication of JPH05338175A publication Critical patent/JPH05338175A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14088Structure of heating means
    • B41J2/14112Resistive element
    • B41J2/14129Layer structure

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 短かいパルスで駆動しても熱抵抗層が長寿命
であるインクジェット記録ヘッドを提供する。 【構成】 ヒーターボードを、その熱抵抗層が、膜厚方
向に材質が不均一で、少なくとも上部保護層および下部
層に接する部分が、それぞれ上部保護層および下部層の
材質を含有している構造、発熱抵抗層と応力緩和層が交
互に積層されている構造、または発熱抵抗層と上部保護
層および発熱抵抗と下部層との間にそれぞれ密着層が形
成されている構造を含むようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体(インク)をオリフ
ィスから液滴として噴射させるためのインクジェット記
録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】液体をオリフィスかつ液滴として噴射す
るためのインクジェット記録に関しては種々の方法およ
び装置が知られているが、例えば特開昭54−5183
7号に記載されているインクジェット記録法は熱エネル
ギーを液体に作用させ、液滴吐出の原動力を得るという
点において、他のインクジェット記録法とは異なる特徴
を有している。
【0003】すなわち、上記の公開公報に開示されてい
る記録法は、熱エネルギーの作用を受けた液体が加熱さ
れて気泡を発生し、この気泡発生に基づく作用力により
記録ヘッド部先端のオリフィスから液滴が形成され、こ
の液滴が被記録部材に付着して情報の記録が行われると
いうことを特徴としている。
【0004】この記録法に適用される記録ヘッドは、一
般に液体を吐出するために設けられたオリフィスと、こ
のオリフィスに連通して液滴を吐出するための熱エネル
ギーが液体に作用する部分である熱作用部を構成の一部
とする液流路とを有する液吐出部および熱エネルギーを
発生する手段である電気熱変換体としての発熱抵抗層と
それをインクから保護する上部保護層と蓄熱するための
下部層を具備している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この記録法は短い間隔
でインクを発泡させるために、非常に短い間隔で非常に
高い温度で発熱抵抗層を駆動しなければならず、発熱抵
抗層、上部保護層および下部層に非常に高い温度安定性
が要求される。このために、発熱抵抗層はそれ専用に開
発されている。
【0006】最近、インクジェットの高機能化のため大
きな駆動周波数が要求され、また印字品位の安定性が求
められているのにともなって、吐出速度の安定化が必要
になってきた。すなわち、発泡の安定性が必要となって
きた。発泡の安定性のためには、駆動パルス幅を小さく
すれば良いことが知られている。したがって、この要求
を満たすためには発熱抵抗層を従来よりさらに短いパル
スで駆動しなければならなくなった。
【0007】発熱抵抗体を短いパルスで駆動すると発熱
抵抗層を従来より高温にしなければならず、発熱抵抗
層、上部保護層および下部層に従来より高い温度安定
性、耐熱ストレス性が要求される。しかし、従来の発熱
抵抗層では、短いパルスで駆動すると早期に断線するこ
とがしばしばあった。パルス幅が短い駆動の故障モード
を解析すると、発熱抵抗層と上部保護層、発熱抵抗層と
下部層の間ではがれが生じてそれが断線の原因となるこ
とがあった。それは、上部保護層、発熱抵抗層および下
部層の熱膨張率の差から熱応力が発生し、熱応力が各層
間の密着性より勝ってはがれが起こって、それにより破
断に至ると考えられる。
【0008】したがって、本発明の目的は、短いパルス
で駆動しても熱抵抗層が長寿命であるインクジェット記
録ヘッドを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
の手段により達成する。
【0010】すなわち、第1の発明は、電気熱変換体を
形成する発熱抵抗層がその膜厚方向で材質が不均一であ
ると、少なくとも上部保護層および下部層に接する部分
が、それぞれ上部保護層および下部層の材質を含有して
いることを特徴とする。
【0011】第2の発明は、電気熱変換体を形成する発
熱抵抗層が膜厚方向で応力緩和層と発熱抵抗層が交互に
複数積層されていることを特徴とする。
【0012】第3の発明は、電気熱変換体を形成してい
る発熱抵抗層と上部保護層および発熱抵抗層と下部層と
の間にそれぞれ密着層が形成されていることを特徴とす
る。第1の発明においては、HfB2 、Ta2 Nなどか
らなる発熱抵抗層が上部保護層に接する部分の材質は発
熱抵抗層の材質を少なくとも少量は含有する上部保護層
の材質とし(電極との導通のために必要)、下部層に接
する部分を下部層の材質と実質的に同一または下部層の
材質と発熱抵抗層の材質との混合物とする。そして発達
抵抗層の膜厚方向に上記の材質から中央部の発熱抵抗層
の材質へと段階的または連続的に材質を変化させること
が好ましい。
【0013】第2の発明においては、HfB2 、Ta2
Nなどからなる発熱抵抗層と膜厚方向に交互に積層され
る応力緩和層としては、例えばAu、Pt、Taなどが
用いられ、これらの薄層をサンドイッチ構造とすること
が好ましい。
【0014】第3の発明においては、具体的にはHfB
2 、Ta2 Nなどからなる発熱抵抗層と上部保護層との
間、および発熱抵抗層と下部層との間にTi、Crなど
の密着層を入れる。
【0015】以下に図面を参照して本発明によるインク
ジェット記録ヘッドを説明する。
【0016】図1は本発明のインクジェット記録ヘッド
のヒーターボードの平面図であり、また図2は図1のX
−Y断面図である。
【0017】図2においてシリコンからなる基板101
上に下部層としてSiO2 、Si34 などの蓄熱層の
102が成膜される。蓄熱層がSiO2 の場合は基板の
表面の熱酸化により、またSi34 の場合は原料とし
てSiH4 およびNH3 を用いたCVD法により成膜さ
れる。この上に、スパッタ法などによりHfB2 、Ta
2 Nなどの発熱抵抗層103を前記第1の発明〜第3の
発明に従って成膜する。次に、その上に電極層104と
して例えばTiおよびAlを熱着で成膜する。そしてフ
ォトリソ法により、図1に示すような回路パターンを形
成し、熱作用部201を形成する。
【0018】次いで、発熱抵抗層103、電極層104
を覆って、第1保護層105としてSiO2 またはSi
33 の膜を形成する。成膜は、例えばSiO2 の場合
はバイアススパッタ法により、Si34 の場合は、S
iH4 とNH3 とを用いるプラズマCVD法により行っ
た。第1保護層の上に第2保護層106としてTa膜を
スパッタで形成し、フォトリソ法により図1に示すバー
状パターンとする。最後に、第3保護層107として第
2保護層の上に感光性ポリイミドを塗布し図1に示すよ
うなパターンとする。
【0019】図3は第1の発明における熱作用部の詳細
を示すための、図2の部分的拡大図である。図3におい
て、発熱抵抗層103の部分につき説明をすると、10
8は下部層の材質を含む層であり、109は上部保護層
の材質を含む層である。層108は、下部層102に接
する部分を下部層と同一の材質、または下部層と発熱抵
抗層の材質との混合物とし、膜厚方向に遂次下部層の材
質の含量を段階的または連続的に少なくして最終的には
発熱抵抗層それ自体の材質とする。また、109は上部
保護層の材質を含む層であり、第1保護層に接する部分
の材質は、電極との導通が必要なので、発熱抵抗層の材
質を少なくとも少量は含むものとする。そして膜厚方向
に遂次第1保護層の材質の含量を段階的または連続的に
少なくくして最終的には発熱抵抗層それ自体の材質とす
る。
【0020】上記のように、発熱抵抗層の材質を膜厚方
向に変化させるためには、第1保護層または下部層と発
熱抵抗層それ自体のそれぞれの材質のターゲットを用い
てコスパッタ法により成膜する。成膜に当っては時間と
ともに下部層の材質のターゲット電力を減少させて一定
時間0とし、これとは反対に発熱抵抗層の材質のターゲ
ット電力は時間とともに増加させ、次いで時間とともに
減少させ、これとは反対に発熱抵抗層の材質のターゲッ
ト電力を時間とともに増加することにより、発熱抵抗層
の材質が上部保護層および下部層とそれぞれほぼ同じも
のから、中心部の発熱抵抗層それ自体の材質へと膜厚方
向に連続的または段階的に変化する組成をもつようにす
ることができる。
【0021】上記の発熱抵抗層を用いることにより、記
録ヘッドの発熱抵抗層と上部保護層および下部層のそれ
ぞれとの間の密着性が向上し、これらの層間のはがれが
発生しない。そして短いパルスの駆動において、従来よ
り熱ストレス耐久性が向上し、したがって発泡安定性の
良い駆動が可能になり、発泡安定性が良いから、記録ヘ
ッドの吐出性能が良好となる。
【0022】図4は第2の発明における熱作用部の詳細
を示すための、図2の部分拡大図である。図4におい
て、発熱抵抗層103の複数層の間に応力緩和層108
がサンドイッチされて全体として熱抵抗層を形成してい
る。応力緩和層はAu、Pt、Taなどからなるのが好
ましい。応力緩和層は2〜5層とするのが好ましい。
【0023】このような構造をもつ発熱抵抗層の形成は
好ましくは次の方法によって行う。すなわち、下部層と
しての蓄熱層102の上にHfB2 、Ta2 Nなどから
なる発熱抵抗層103とAu、Pt、Taなどからなる
応力緩和層110とを交互に所望の層数になるようにス
パッタ法などにより成膜する。
【0024】発熱抵抗層と応力緩和層とを交互に複数積
層することにより、短パルス駆動時に発生する熱応力が
応力緩和層で緩和されるから、従来発生した発熱抵抗層
と上部保護層および下部層との間のはがれの発生が見ら
れず、短パルス駆動時の熱ストレス耐久性が従来より向
上する。したがって発泡安定性の良い駆動が可能にな
り、発泡安定性が良いから記録ヘッドの吐出性能が良好
となる。
【0025】図5は第3の発明における熱作用部の詳細
を示すための、図2の部分拡大図である。図5におい
て、HfB2 、Ta2 Nなどの発熱抵抗層103と下部
層としての蓄熱層102および第1保護層105との間
に、それぞれ密着層111および112が設けられる。
密着層としては、たとえば、Ti、Crなどの薄層が用
いられる。密着層111と112とは同一の材質でも、
または異なる材質のいずれでもよい。
【0026】上記の構造は、下部層としての蓄熱層10
2の上に密着層111としてTi、Crなどの薄膜を形
成し、その上に発熱抵抗層103を形成し、さらにその
上にTi、Crなどからなる密着層112を形成するこ
とにより得られる。
【0027】上記のような構成を用いることにより、発
熱抵抗層と上部保護層および下部層の間の熱膨張率の相
違による熱応力が発生しても、各密着層が各層を密着す
るので、はがれの発生がなくなり、短パルス駆動におい
て従来よりも熱ストレス耐久性が向上する。したがっ
て、発泡安定性の良い駆動が可能になり、発泡安定性が
良いので記録ヘッドの吐出性能が良好となる。
【0028】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔液滴を作成し、記録
を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装置
において、優れた効果をもたらすものである。
【0029】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれ
にも適用可能である。
【0030】この記録方式を簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じるよ
うな急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆
動信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。こ
のように液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆
動信号に一対一対応した気泡を形成できるため、特にオ
ンデマンド型の記録法には有効である。この気泡の成
長、収縮より吐出孔を介して液体(インク)を吐出させ
て、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパ
ルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわ
れるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が
達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号と
しては、米国特許第4463359号明細書、同第43
45262号明細書に記載されているようなものが適し
ている。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明
の米国特許第4313124号明細書に記載されている
条件を採用すると、さらに優れた記録を行なうことがで
きる。
【0031】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路または直角液流
路)の他に、米国特許第4558333号明細書、同第
4459600号明細書に開示されているように、熱作
用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものも本発
明に含まれる。
【0032】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
【0033】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがあ
る。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示さ
れているような記録ヘッドを複数組み合わせることによ
ってフルライン構成にしたものや、一体的に形成された
一個のフルライン記録ヘッドであっても良い。
【0034】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0035】また、本発明の記録装置に、記録ヘッドに
対する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャピング手段、クリーニング手
段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれ
とは別の加熱素子、あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モー
ドを行なう手段を付加することも安定した記録を行なう
ために有効である。
【0036】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一般的に構成したものか、複数個の組み合わせ
て構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0037】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。
【0038】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するかまたは、インクの蒸発防止を目的として放置
状態で固化するインクを用いることもできる。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化してインク液状として吐出するものや記録媒
体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質を
持つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0039】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部または貫通孔に液
状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体
に対して対向するような形態としても良い。
【0040】本発明において、上述した各インクに対し
て最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するも
のである。
【0041】図6は本発明により得られた記録ヘッドを
インクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として装
着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示
す外観斜視図である。
【0042】図において、120はプラテン124上に
送紙されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を
行なうノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリ
ッジ(IJC)である。116はIJC/20を保持す
るキャリッジHCであり、駆動モータ117の駆動力を
伝達する駆動ベルト118の一部と連結し、互いに平行
に配設された2本のガイドシャフト119Aおよび11
9Bと摺動可能とすることにより、IJC120の記録
紙の全幅にわたる往復移動が可能となる。
【0043】126はヘッド回復装置であり、IJC1
20の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向
する位置に配設される。伝動機構123を介したモータ
122の駆動力によって、ヘッド回復装置126を動作
せしめ、IJC120のキャッピングを行なう。このヘ
ッド回復装置126のキャップ部126AによるIJC
120へのキャッピングに関連させて、ヘッド回復装置
126内に設けた適宜の吸引手段によるインク吸引もし
くはIJC120へのインク供給経路に設けた適宜の加
圧手段によるインク圧送を行ない、インクを吐出口より
強制的に排出させることによりノズル内の増粘インクを
除去する等の吐出回復処理を行なう。また、記録終了時
等にキャッピングを施すことによりIJCが保護され
る。
【0044】130はヘッド回復装置126の側面に配
設され、シリコンゴムで形成されるワイピング部材とし
てのブレードである。ブレード131はブレード保持部
材131Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復
装置126と同様、モータ1122および伝動機構12
3によって動作し、IJC120の吐出面との係合が可
能となる。これにより、IJC120の記録動作におけ
る適切なタイミングで、あるいはヘツド回復装置126
を用いた吐出回復処理後に、ブレード131をIJC1
20の移動経路中に突出され、IJC120の移動動作
に伴ってIJC120の吐出面における結露、濡れある
いは塵埃等をふきとるものである。
【0045】
【実施例】以下に実施例および比較例を示して本発明を
具体的に説明する。 実施例1〜3および比較例1 図1〜3を参照して、シリコンからなる基板101上に
下部層102としての蓄熱層を表1に示す材質により成
膜した。蓄熱層がSiO2 の場合は熱酸化により1.0
μmの膜厚に、また、Si34 の場合は原料カスとし
てSiH4 およびNH3 を用いたCVD法により1.0
μmの膜圧に成膜した。
【0046】
【表1】 次に、発熱抵抗層103として実施例でターゲットを2
個用いてコスパッタ法により表2に示す条件において膜
圧0.1μmに成膜した。比較例1ではHfB 2 をスパ
ッタ法で0.1μmの膜圧に成膜した。
【0047】
【表2】 発熱抵抗層のレート抵抗値は実施例1および3において
は40Ω/□、実施例2においては30Ω/□、比較例
1においては20Ω/□、であった。
【0048】発熱抵抗層の103の上に電極層104と
してTiを0.005μm、Alを0.6μmの膜厚に
熱着法により成膜する。そしてフォトリソにより第1図
に示したような回路パターンを形成し、30μm×15
0μmの熱作用部201を形成した。
【0049】次に、この上に第1保護層105として表
1に示す材質を1.0μmの膜厚に成膜した。SiO2
の場合は、バイアススパッタ法で、Si34 の場合は
原料ガスとしてSiH4 とNH3 を用いたプラズマCV
D法で成膜を行った。
【0050】第1保護層105の上に第2保護層106
としてTaをスパッタ法により0.5μmの膜厚に成膜
し、フォトリソ法により第1図に示すようなバー状パタ
ーンにした。
【0051】最後に、第3保護層107として感光性ポ
リイミドを塗布し、第1図に示すようなパターンとし
た。
【0052】このようにして製造されたヒーターボード
の熱ストレス評価試験を行った。試験条件は下記のとお
りとした。
【0053】駆動周波数 10kHz 矩形パルス幅 1.0μsec 駆動電圧 発泡電圧×1.3 破断パルスで熱ストレス耐久性を評価する。
【0054】結果を表3に示す。
【0055】
【表3】 表3の結果から明らかなように、比較例1が106 台で
破断しているのに対して、実施例1、2、3とも109
台で破断している。したがって、従来より3ケタ熱スト
レス耐久性が良くなった。従来の発熱抵抗層は、パルス
幅5から10μsecように開発されてきたので上記の
条件1.0μsecでは実験結果が示すように実用に耐
えられない。しかし本発明の発熱抵抗層は実験結果が示
すように1.0μsecのような短パルス駆動にも十分
耐えられる。 実施例4〜6および比較例2 図1、2および4を参照して、シリコンからなる基板1
01上に実施例1と同様にしてSiO2 からなる蓄熱層
を1.0μmの膜厚に形成した。次に、発熱抵抗層10
3と応力緩和層110とを表4に示す材料、膜厚、積層
条件で成膜積層した。
【0056】
【表4】 次に、電極層104を実施例1と同様にして形成し第1
図の回路パターンを形成して実施例1と同様に熱作用部
201を形成した。この上に実施例1と同様に上部保護
層を形成した。
【0057】このようにして得られたヒーターボードに
つき実施例1と同様にして評価試験を行った。
【0058】結果を表5に示す。
【0059】
【表5】 表5の結果から明らかなように、比較例2が105 台で
破断しているのに対して、実施例4、5、6とも109
台で破断している。したがって、従来より3ケタ熱スト
レス耐久性が良くなった。従来の発熱抵抗層は、パルス
幅5から10μsecように開発されてきたので上記の
条件1.0μsecでは実験結果が示すように実用に耐
えられない。しかし本発明の発熱抵抗層は実験結果が示
すように1.0μsecのような短パルス駆動にも十分
耐えられる。 実施例7〜9および比較例3 図1、2および5を参照して、シリコンからなる基板1
01上に実施例1〜3と同様にして下部層として蓄熱層
102を表6に示す材料で成膜した。次に下部層と発熱
抵抗層との間の密着層111を表5に示す材料によりス
パッタ法で表6に示す膜厚に成膜した。その上に発熱抵
抗層103として表6に示す材料によりスパッタ法で表
6に示す膜厚に成膜した。発熱抵抗層のシート抵抗値は
実施例7は18Ω/□、実施例8は30Ω/□、実施例
9は17Ω/□、比較例3は20Ω/□であった。
【0060】
【表6】 発熱抵抗層の上に実施例1〜3と同様に電極層を成膜
し、図1に示すような回路パターンを形成し熱作用部2
01を形成した。
【0061】その上に実施例1〜3と同様にして第1保
護層105、第2保護層106および第3保護層107
を形成した。
【0062】このようにして得られたヒーターボードの
熱ストレス評価試験を実施例1〜3と同様にして行っ
た。
【0063】結果を表7に示す。
【0064】
【表7】 表7の結果から明らかなように、比較例3が106 台で
破断しているのに対して、実施例1、2、3とも109
台で破断している。したがって、従来より3ケタ熱スト
レス耐久性が良くなった。従来の発熱抵抗層は、パルス
幅5から10μsecように開発されてきたので上記の
条件1.0μsecでは実験結果が示すように実用に耐
えられない。しかし本発明の発熱抵抗層は実験結果が示
すように1.0μsecのような短パルス駆動にも十分
耐えられる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、発熱抵抗層と上部保護
層および下部層とのそれぞれの間のはがれが発生せず、
短いパルス駆動において従来より熱ストレス耐久性が向
上した。したがって、発泡安定性の良い駆動が可能とな
り、発泡安定性が良いことから吐出性能が良く信頼性の
高いインクジェット記録ヘッドを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドのヒーター
ボードを説明するための平面図である。
【図2】図1のX−Y断面図である。
【図3】第1の発明における熱作用部の詳細を示すため
の図2の部分拡大図である。
【図4】第2の発明における熱作用部の詳細を示すため
の図2の部分拡大図である。
【図5】第3の発明における熱作用部の詳細を示すため
の図2の部分拡大図である。
【図6】本発明による記録ヘッドをインクジェットヘッ
ドカートリッジとして装着したインクジェット記録装置
の一例を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
101 基板 102 下部層(蓄熱層) 103 発熱抵抗層 104 電極層 105 第1保護層 106 第2保護層 107 第3保護層 108 下部層の材質を含む層 109 上部保護層の材質を含む層 110 応力緩和層 111 密着層 112 密着層 116 キャリッジ 117 駆動モータ 118 駆動ベルト 119A、119B ガイドシャフト 120 インクジェットヘッドカートリッジ 122 クリーニング用モータ 123 伝動機構 124 プラテン 126 ギャップ部材 130 ブレード 130A ブレード保持部材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体吐出用のオリフィスと、それに連通
    して液滴を吐出するための熱エネルギーを液体に作用さ
    せる熱作用部を包含する液流路とを有する液吐出部、熱
    エネルギーを発生させるための電気熱変換体としての発
    熱抵抗層、これを液体から保護するための上部保護層、
    および蓄熱のための下部層を具備するインクジェット記
    録ヘッドにおいて、上記電気熱変換体を形成している発
    熱抵抗層の材質が膜厚方向に不均一であり、少なくとも
    前記上部保護層および下部層に接する部分が、それぞれ
    上部保護層および下部層の材質を含有していることを特
    徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 液体吐出用のオリフィスと、それに連通
    して液滴を吐出するための熱エネルギーを液体に作用さ
    せる熱作用部を包含する液流路とを有する液吐出部、熱
    エネルギーを発生させるための電気熱変換体としての発
    熱抵抗層、これを液体から保護するための上部保護層、
    および蓄熱のための下部層を具備するインクジェット記
    録ヘッドにおいて、上記電気熱変換体を形成している発
    熱抵抗層が、膜厚方向に応力緩和層と発熱抵抗層とが交
    互に複数積層されていることを特徴とするインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 液体吐出用のオリフィスと、それに連通
    して液滴を吐出するための熱エネルギーを液体に作用さ
    せる熱作用部を包含する液流路とを有する液吐出部、熱
    エネルギーを発生させるための電気熱変換体としての発
    熱抵抗層、これを液体から保護するための上部保護層、
    および蓄熱のための下部層を具備するインクジェット記
    録ヘッドにおいて、上記電気熱変換体を形成している発
    熱抵抗層と上部保護層および下部層とのそれぞれの間に
    密着層が形成されていることを特徴とするインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記発熱抵抗層の膜厚方向の中央部が発
    熱抵抗層の材質からなることを特徴とする請求項1記載
    のインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記応力緩和層がAu、PtまたはTa
    からなることを特徴とする請求項2に記載のインクジェ
    ット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記密着層がTiまたはCrからなるこ
    とを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
  7. 【請求項7】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐
    出口が複数設けられているフルラインタイプのものであ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    のインクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 記録媒体の被記録面に対向してインクを
    吐出するインク吐出口が設けられている請求項1〜3の
    記録ヘッドと、この記録ヘッドを載置するための部材と
    を少なくとも具備することを特徴とする記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のインクジェット記録ヘ
    ッドを製造するに当り、基板上に下部層を形成し、その
    上に下部層の材質を含有する層、発熱抵抗層および電極
    層を順次形成し、フォトリソ法により電極層を所望の回
    路に形成し、ついでその上に上部保護層の材質を含む層
    および上部保護層で順次形成することを特徴とするイン
    クジェット記録ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項2に記載のインクジェット記録
    ヘッドを製造するに当り、基板上に下部層を形成し、そ
    の上に応力緩和層と発熱抵抗層とを交互に積層し、つい
    でその上に電極層を形成し、フォトリソ法により電極層
    を所望の回路に形成し、ついでその上に上部保護層を形
    成することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製
    造方法。
  11. 【請求項11】 請求項3に記載のインクジェット記録
    ヘッドを製造するに当り、基板上に下部層を形成し、そ
    の上に密着層、発熱抵抗層、密着層および電極層を順次
    形成し、フォトリソ法により電極層を所望の回路に形成
    し、ついでその上に上部保護層を形成することを特徴と
    するインクジェット記録ヘッドの製造方法。
JP15066692A 1992-06-10 1992-06-10 インクジェット記録ヘッド Pending JPH05338175A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0825027A2 (en) * 1996-08-22 1998-02-25 Canon Kabushiki Kaisha An ink jet head substrate, a method for manufacturing the substrate, an ink jet recording head having the substrate, and a method for manufacturing the head

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0825027A2 (en) * 1996-08-22 1998-02-25 Canon Kabushiki Kaisha An ink jet head substrate, a method for manufacturing the substrate, an ink jet recording head having the substrate, and a method for manufacturing the head
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