JPH0533409Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、可倒型のドアミラーの、支承部の構
造に関するものである。

〔従来の技術〕

ドアミラーは車体側方に突出して設置されるの
で、外部障害物の衝突を受ける虞れ無しとせず、
また、例えば車庫入れ運転操作の場合に邪魔にな
ることが有る。

こうした不具合を解消するため可倒型のドアミ
ラーが用いられる。

第３図は公知の可倒型ドアミラーの分解斜視図
である。

自動車車体（ドアー部）に固定して使用される
ミラーベース１に、枢支軸２が固定されている。
この枢支軸２は、使用状態において水平面に対し
ほぼ垂直となるように設定される。

一方、ミラーハウジング３にミラー本体４が取
り付けられ、このミラーハウジング３にブラケツ
ト５が固着される。

前記枢支軸２の付近の断面図を第４図に示す。
ブラケツト５に軸受筒５ａが一体連設されてい
て、この軸受筒５ａが枢支軸２に外嵌される。

その外側にコイルスプリング６を外嵌し、座金
７によつて上記コイルスプリング６を圧縮した状
態で、止輪８を枢支軸２の上端部に係着し、コイ
ルスプリング６の反力を支承する。

ミラーベース１と一体的に結合されている枢支
軸２と（詳しくは枢支軸２の取付フランジ部と）、
ミラーハウジング３と（詳しくはミラーハウジン
グ３に固着されているブラケツトと）の間に複数
個のボール９が介装されている。このポール９は
枢支軸２に設けられている凹部２ａに嵌合して、
ミラーハウジング３の回動を適当な弾性力で係止
する。

以上のようにして、枢支軸２に対して軸受筒５
ａが回動可能に支承されると共に、該軸受筒５ａ
の回動に対して節動が与えられる。これにより、
ミラーハウジング３がミラーベース１に対して回
動可能に支承され、かつ、使用状態の回動角位置
に節動が与えられる。

〔考案の解決しようとする課題〕

前記従来例のドアミラー構造は、その支承部分
（第４図に示した部分）の構成部品点数が多い上
に、組立作業性が良くない。

即ち、これを組み立てるには、 (イ) 枢支軸２の上にボール９を置き、 (ロ) 上記のボール９が転落しないように気をつけ
ながら、該枢支軸２に軸受筒５ａを外嵌し、 (ハ) 上記軸受筒５ａにコイルスプリング６を外嵌
すると共に、その上に座金７を置き、 (ニ) 上記の座金７でコイルスプリング６を圧縮し
つつ止輪８を装着する、といつた複雑な作業工
程が必要であつて、その作業には熟練を要し、
しかも多大な時間と労力とを必要とする。その
上、金属性のボールが凹部２ａに係脱するの
で、騒音を発したり、早期に摩耗したりする虞
れが有る。

本考案は上述の事情に鑑みてなされたもので、
格別の熟練を要せず、いわゆるワンタツチで迅
速、容易に組み立て得る、簡単な構造で構成部品
点数の少ない、しかも作動が静粛で早期摩耗の虞
れの無いドアミラー構造を提供することを目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成する為に創作した本考案のド
アミラー構造は、 (i) 枢支軸の下端部付近を大径の円柱面に、上端
部付近を小径に、それぞれ形成すると共に、 (ii) 軸受筒には上記の大径面に嵌合する軸受面、
及び、小径部に嵌合する軸受面を設けると共
に、上記双方の軸受面の間にポケツトを設け、 (iii) 前記枢支軸の大径部と小径部とを円錐面で繋
ぎ (iv) 該円錐面の１部に、くぼみを形成し、 (v) ゴム弾性を有する塊状の部材を構成して、こ
れを潤滑性ある樹脂材で包み、 (vi) 上記の樹脂材で包んだ塊状の部材を、軸受筒
に設けたポケツトの中に収納し、 (vii) 前記枢支軸の上端に爪を設けて、この爪を軸
受筒に係合して抜け止めする。

〔作用〕

上述の手段によれば (A) 枢支軸は上端が小径で、軸受筒は下端が大径
であるから、挿入が容易である。

(B) ゴム弾性を有する塊状部材が、くぼみに圧着
されるので、簡単な構成で節動が与えられる。

(C) 上記板ゴム弾性部材が潤滑性樹脂で包まれて
いるので、作動が静粛であり、かつ、前記のく
ぼみの周辺に噛まれる虞れが無い。

(D) 爪を係合する構造であるから、ワンタツチ組
付けが可能である。

〔実施例〕

第１図は本考案に係るドアミラー構造の要部断
面図であつて、前記従来例における第４図に対応
する。

第２図は該部の分解斜視図である。

１１は本実施例における枢支軸、１２は軸受筒
である。

上記枢支軸１１はミラーベース（図示せず）に
固着され、上記軸受筒１２はミラーハウジング
（図示せず）に固着される。第２図に示した５は、
ミラーハウジングに一体的に連設されたブラケツ
トである。

枢支軸１１の下端部付近には大径の円柱面１１
ａを形成し、 枢支軸１１の上端部付近には小径の円柱面１１
ｂを形成する。

上記大径の円柱面１１ａと小径の円柱面１３ｂ
との間を、円錐面１１ｃによつて連結する。

前記軸受筒１２の内面には、（第１図参照）大
径の円柱面１１ａに嵌合する大径軸受面１２ａ
と、小径の円柱面１１ｂに嵌合する小径軸受面１
２ｂとを設ける。

前記円錐面１１ｃの一部にくぼみ１１ｄを形成
する。

軸受筒１２内に、円錐面１１ｃに対向するポケ
ツト１２ｃ（第１図）を形成する。ゴム弾性を有
する材料（例えばシリコン系樹脂）の球１３ａを
構成する。本考案を実施する際、このゴム弾性を
有する部材は必ずしも球形に限らず、卵形でもよ
く、要するに塊状であれば足りる。本考案におい
て塊状とは、球形およびこれに類似の規則的な形
状、不規則な形状の総称である。

上記のゴム弾性部材１３ａを、潤滑性の樹脂材
（例えばポリオキシエチレン）１３ｂで包む。

軸受筒１２が回動する際、上記ゴム弾性部材１
３ａが、くぼみ１１ｄに対向したときに節動効果
を与える。

枢支軸１１の上端に１対の爪片１１ｅを設けて
軸受筒１２の上端面に係合せしめて抜け止めす
る。

本実施例の軸受筒１２は、これを枢支軸１１に
組みつける際、ポケツト１２ｃに前記のゴム弾性
部材１３ａを収納しておく。

この操作の際、枢支軸１１上端の小径の円柱面
１１ｂに比して、軸受筒１２下端の大径軸受面１
２ａが大径であるから容易に挿入し得る。この操
作の際、爪片１１ｅは軸受面１２の内周の円錐面
１２ｄに摺触して容易に撓まされて該軸受筒の上
端面に係合する。

第５図は第１図の−断面を示し、同図Ａは
ポケツト１２ｃがくぼみ１１ｄに正対した状態、
同図Ｂは正対していない状態である。

〔考案の効果〕

以上に説明した如く、本考案のドアミラー構造
を適用すると、その支承軸、軸受部の組立作業に
格別の熟練を要せず、迅速容易に組み立てること
が出来、しかも構成部品点数が少なくて構造が簡
単である。その上、作業が静粛で、早期摩耗の虞
れが無い。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係るドアミラー構
造の一実施例を示し、第１図は縦断面図、第２図
は分解斜視図である。第３図及び第４図は従来例
のドアミラー構造を示し、第３図は全体的な分解
斜視図、第４図は要部断面図である。第５図は第
１図−断面図である。 １１，１１′……枢支軸、１１ａ……大径の円
柱面、１１ｂ……小径の円柱面、１１ｃ……円錐
面、１１ｄ……くぼみ、１１ｅ……爪片、１２，
１２′……軸受筒、１２ａ……大径軸受面、１２
ｂ……小径軸受面、１２ｃ……空洞部、１３ａ…
…ゴム弾性を有する部材、１３ｂ……潤滑性を有
する樹脂材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (a) ミラーベースに固定された枢支軸と、ミラー
   ハウジングに固定された軸受筒とを回動自在に
   嵌合せしめると共に、 (b) 上記の回動に節動を与える手段を設けたドア
   ミラー構造において、 (c) 上記の枢支軸は、下方に大径の直円柱面を形
   成すると共に、上方に小径の直円柱面を形成
   し、 (d) 上記大、小径の直円柱面の間に円錐面を形成
   し、 (e) かつ、該円錐面の一部に、くぼみを形成し、 (f) 前記軸受筒には、前記大径部に嵌合する軸受
   面、及び小径部に嵌合する軸受面を設けると共
   に、前記円錐面に対向するポケツトを設け、 (g) ゴム弾性を有する塊状部材を構成して、潤滑
   性を有する樹脂材で包み、これを前記のポケツ
   トと枢支軸との間に収納し、 (h) 前記枢支軸の上端に爪状の係合部材を一体的
   に固定し、該爪状係合部材を前記の軸受筒に係
   合せしめたことを特徴とするドアミラー構造。