JPH05332997A - 摩擦圧接材の超音波検査方法および装置 - Google Patents

摩擦圧接材の超音波検査方法および装置

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JPH05332997A
JPH05332997A JP4162198A JP16219892A JPH05332997A JP H05332997 A JPH05332997 A JP H05332997A JP 4162198 A JP4162198 A JP 4162198A JP 16219892 A JP16219892 A JP 16219892A JP H05332997 A JPH05332997 A JP H05332997A
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泰明 河合
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鉅和 浅井
Shigeo Fukaya
茂生 深谷
Takaaki Baba
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩擦圧接材内部のマクロ欠陥の検出ならびに
ミクロ欠陥の検出を同時に行うことができる摩擦圧接材
の超音波検査方法および装置を提供する。 【構成】 超音波探触子から超音波ビームを摩擦圧接材
に対して収束点が該摩擦圧接材の内部の所定位置となる
ようにかつ斜めに入射させ、前記摩擦圧接材の内部に存
在する欠陥からの後方散乱波を検知し、該後方散乱波に
含まれる林状エコーを含む欠陥を示す情報から内部欠陥
を検出することを特徴とする摩擦圧接材の超音波検査方
法および装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摩擦圧接により作製し
た材料や製品の圧接界面の品質管理や品質保証に用いら
れる検査方法および装置に関し、さらに詳しくは、超音
波を利用して前記圧接界面の接合状態を検査する摩擦圧
接材の超音波検査方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】摩擦熱のエネルギを利用した摩擦圧接
は、継手の機械的強度が高い、溶接棒や溶剤などを
必要とせず特別な開先加工も必要としない、エネルギ
効率が高い、圧接物の形状寸法精度が高い、異種金
属でも接合が可能である、材料の節約、工数の低減、
圧接時間が短く作業能率が高い、圧接が自動で行わ
れ、信頼性が高い、などの特長を有することから、自動
車関係部品を始めとする多くの機械部品に広く適用され
ている。
【0003】例えば、この方法を炭素鋼同士の接合に適
用した場合、高摩擦圧力・短摩擦時間の条件で圧接を行
うと、摩擦面近傍のオーステナイト温度(A1 変態点)
以上に加熱された部分は、結晶の粒径が10〜50μm
と細かい組織となり、安定した接合面が得られる。ま
た、この接合部は、他の溶接(アーク溶接、ガス溶接な
ど)と違い、溶融、凝固した部分がないため、スラグ巻
き込み、気孔の発生、凝固時の収縮割れ等がほとんどみ
られない。
【0004】ところが、一般鋼材や異種材料を摩擦圧接
により接合する場合、該接合部またはその近傍に欠陥が
発生することがあり、目視等による外界観察では該部に
欠陥があるかどうかを判断することができない。
【0005】そこで、これらの欠陥などの異常を簡便に
検査する手段として、超音波による垂直探傷法が用いら
れている。この垂直探傷法による欠陥検査は、図2およ
び図3に示すように、摩擦圧接材101の片側の端面を
利用し、探触子102を油等の接触媒質を介して、縦波
の超音波103を入射し、欠陥104(マクロ欠陥)お
よび圧接材の底面105より反射して戻ってくる反射波
を捕らえ、Aスコープ(直流振幅表示)によるCRT1
07の表示(図3)から発信パルスTと底面エコーBの
間に現れる欠陥エコーFの受信音圧の有無をチェックす
る方法である。
【0006】また、前記問題を解決する方法として、水
浸方式の二探触子(反射または透過)方法による欠陥検
査方法が提案されている。この検査方法は、図4に示す
ように、超音波110を送信する探触子108aと受信
する108bを所定位置に配置し、欠陥エコーFの有無
を前記と同様の探傷器109でチェックするものであ
る。(図5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
前記垂直探傷法による欠陥検査では、図2に示した摩擦
圧接の際に残るバリ106の谷部における割れやマクロ
未接合部位(図2に欠陥104として示した)など、数
十倍の拡大率の顕微鏡で観察される程度のマクロ欠陥
(0.5 mm 以上)は検査できるものの、結晶粒粗大化、
間隙欠陥、介在物などのミクロ欠陥(0.1 mm 以下)は
検査することができないという問題を有している。すな
わち、この従来検査法では、探触子102を摩擦圧接材
101に接触させるため、実用表面ではかならずしも常
に真実接触面積が一定とはならないという問題を有して
いる。従って、超音波を摩擦圧接材101の端面に入射
する場合、探触子の直径に比べ摩擦圧接材101の直径
が十分(探触子の直径に対して摩擦圧接材101の直径
は3倍以上)大きくないと摩擦圧接材の側面で超音波が
反射し、所謂モード変換が起こり、遅れエコーおよび疑
似エコーなどが発生するため欠陥の検出が困難となる。
その結果、欠陥エコーがあるのに破壊試験結果に異常が
ない、または欠陥エコーがないのに破壊試験結果に異常
があるなどの検査誤りが発生する。
【0008】また、後者の水浸二探触子法では、前記の
反射法(探触子1個使用)とは異なり透過法(探触子2
個使用)なので、摩擦圧接材111の軸方向に探触子1
08a、108bを走査する必要がある。このとき、探
触子108aを右側に走査した場合には、圧接界面11
2からの透過波の欠陥信号を受信するには探触子108
bを左側に走査する必要があるため、探触子108a、
108bの位置関係を常に一定に設定することが難し
く、超音波の送信信号と受信信号を三次元的に確実に得
るためには複雑な装置構成によらなければならないとい
う問題を有する。
【0009】一方、最近、摩擦圧接機の制御技術の向上
がなされ、上記のばりや割れ、マクロな未結合部位など
の検査対象とする欠陥が、前記のようなマクロ欠陥では
なくミクロ欠陥を対象とするレベルになってきた。すな
わち、従来よりもより一層の摩擦圧接材に対する品質が
求められるようになり、圧接部強度は母材強度以上、か
つ圧接界面で破断しないことなど、より高い水準の健全
性が求められるようになってきた。このような要求を、
非破壊つまり超音波で保証するには、ミクロ領域の欠陥
を対象とした内部欠陥の厳密な検査技術の確立が一層急
務となってきた。
【0010】そこで、本発明者らは、上述の如き従来技
術の問題点を解決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験
を重ねた結果、本発明を成すに至ったものである。
【0011】(発明の目的)本発明の目的は、摩擦圧接
材内部のマクロ欠陥の検出ならびにミクロ欠陥の検出を
同時に行うことができる摩擦圧接材の超音波検査方法お
よび装置を提供するにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、さらにその検
査結果を基に合否判定を行い、圧接強度などの品質保証
を可能にする検査方法および検査装置を提供するにあ
る。
【0013】本発明者らは、上述の従来技術の問題に対
して、以下のことに着眼した。すなわち、本発明が検査
対象としている摩擦圧接界面に発生する欠陥は、異種金
属の接合により生ずる析出物や結晶粒の粗大化などによ
り生ずるミクロ欠陥を含むものであり、この結晶粒の粗
大化の程度などをより精確に識別することが不可欠であ
る点に着目した。
【0014】そこで、上記の条件を満足させるために、
従来超音波を利用した検査において欠陥からのエコーに
影響を及ぼし探傷を困難にするとして不要なノイズとさ
れていた林状エコーを積極的に利用し、収束ビームを用
いて細密に走査することにより、該エコーの存在が接合
不良、すなわち前記した結晶粒粗大化などにより生ずる
ミクロ欠陥と関係のあることを見いだした。そこで、摩
擦圧接部付近からの結晶粒の粗大化など組織状態の変化
による後方散乱波に含まれる林状エコーを含む該部の欠
陥を示す情報から、摩擦圧接材内部のミクロ欠陥および
マクロ欠陥を検出することにより前記従来の問題を解決
することに着眼し、本発明を成すに至った。
【0015】
【課題を解決するための手段】
(第1発明の構成)本第1発明の摩擦圧接材の超音波検
査方法は、超音波探触子から超音波ビームを摩擦圧接材
に対して収束点が該摩擦圧接材の内部の所定位置となる
ようにかつ斜めに入射させ、前記摩擦圧接材の内部に存
在する欠陥からの後方散乱波を検知し、該後方散乱波に
含まれる林状エコーを含む欠陥を示す情報から内部欠陥
を検出することを特徴とする。
【0016】(第2発明の構成)本第2発明の摩擦圧接
材の超音波検査装置は、摩擦圧接材の内部のミクロ欠陥
を含む欠陥を超音波を用いて検査する装置であって、超
音波探触子を有し、検査対象としての摩擦圧接材に対し
て所定の位置に配設され、収束点が前記摩擦圧接材の内
部の所定の位置になるように、かつ前記超音波探触子か
ら照射される超音波ビームが前記摩擦圧接材の軸方向に
対して斜めに入射するように配設された検査波供給手段
と、該検査波供給手段から照射される超音波ビームが、
前記摩擦圧接材の内部の所定位置を円周方向及び/又は
軸方向に走査されるように、前記摩擦圧接材及び/又は
前記検査波供給手段の位置を制御するビーム走査位置制
御手段と、前記検査波供給手段から照射された超音波ビ
ームが前記摩擦圧接材の内部に存在する欠陥により散乱
された前記ビームのうち林状エコーを含む後方散乱波を
検知する欠陥信号検知手段と、前記欠陥信号検知手段か
ら出力された林状エコーを含む前記摩擦圧接材の内部欠
陥信号より前記摩擦圧接材の内部欠陥を検出する演算処
理手段とからなり、摩擦圧接材の内部のミクロ欠陥を含
む欠陥を精確に検出するようにしたことを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明の摩擦圧接材の超音波検査方法及び装置
が優れた効果を発揮するメカニズムについては、未だ必
ずしも明らかではないが、次のように考えられる。
【0018】(第1発明の作用)本第1発明の摩擦圧接
材の超音波検査方法において、先ず、超音波探触子から
超音波ビームを摩擦圧接材に対して収束点が該摩擦圧接
材(被検体)の内部の所定位置となるようにかつ斜めに
入射すると、被検体と接触媒質(水などの液体)との界
面において該被検体と接触媒質との音速差により反射・
屈折が生じ、透過したビームにより欠陥からの散乱波が
生ずる。すなわち、図6に例示するように、摩擦圧接材
の圧接界面近傍は、摩擦熱の影響を受け、組織の結晶方
位に異方性を生じている。この異方性は、超音波の音速
を変化させ、結晶粒界で音響インピーダンスの差を生じ
させる。前記透過ビームは、粒界の局部的な音響インピ
ーダンスの差によって一部は反射され、散乱波となる。
この散乱波は、組織状態に対応した情報を有している。
次に、この散乱波、すなわち前記摩擦圧接材の内部に存
在する欠陥からの後方散乱波を検知する。従来、超音波
を利用した検査において、林状エコーは単一欠陥からの
欠陥エコーに影響を及ぼし探傷を困難にするとして不要
なノイズとされていた。しかしながら、本発明では、微
小領域からの林状エコーを積極的に利用し、林状エコー
を含む摩擦圧接部の欠陥を示す情報として検出する。次
いで、この後方散乱波に含まれる林状エコーを含む欠陥
を示す情報から、摩擦圧接材のミクロ欠陥及び/又はマ
クロ欠陥からなる内部欠陥を検出する。
【0019】(第2発明の作用)本第2発明の摩擦圧接
材の超音波検査装置は、摩擦圧接材の内部のミクロ欠陥
を含む欠陥を超音波を用いて検査する装置であって、検
査波供給手段とビーム走査位置制御手段と欠陥信号検知
手段と演算処理手段とからなる。検査波供給手段は、検
査対象としての摩擦圧接材(被検体)に対して所定の位
置に配設された超音波探触子を有しており、収束点が前
記摩擦圧接材の内部の所定の位置になるように、かつ前
記超音波探触子から照射される超音波ビームが前記摩擦
圧接材の軸方向に対して斜めに入射するように配設され
ている。また、ビーム走査位置制御手段は、該検査波供
給手段から照射される超音波ビームが、前記摩擦圧接材
の内部の所定位置を円周方向及び/又は軸方向に走査さ
れるように、前記摩擦圧接材及び/又は前記検査波供給
手段の位置を制御している。前記検査波供給手段から照
射され、前記ビーム走査位置制御手段により照射位置が
制御された超音波ビームが被検体に入射すると、被検体
と接触媒質との界面において、該被検体と接触媒質との
音速差により反射・屈折が生じ、透過したビームにより
欠陥からの散乱波が生ずる。次に、欠陥信号検知手段に
おいて、前記摩擦圧接材の内部に存在する欠陥により散
乱された前記ビームのうち、従来欠陥からのエコーに影
響を及ぼし探傷を困難にするノイズとされていた林状エ
コーを含む後方散乱波を検知し、摩擦圧接材の内部欠陥
信号として出力する。次いで、演算処理手段において、
前記欠陥信号検知手段から出力された林状エコーを含む
前記摩擦圧接材の内部欠陥信号より、前記摩擦圧接材の
内部欠陥を検出する。これにより、摩擦圧接材の内部の
ミクロ欠陥を含む欠陥を精確に検出することができる。
【0020】
【発明の効果】
(第1発明の効果)本第1発明の摩擦圧接材の超音波検
査方法により、摩擦圧接材内部のマクロ欠陥の検出なら
びにミクロ欠陥の検出を同時に、かつ精確に行うことが
できる。
【0021】(第2発明の効果)本第2発明の摩擦圧接
材の超音波検査装置により、摩擦圧接材内部のマクロ欠
陥の検出ならびにミクロ欠陥の検出を同時に行うことが
できるとともに、該欠陥を精確に特定することができ
る。
【0022】
【実施例】
【0023】以下に、第1発明および第2発明をさらに
具体的にした発明(具体例)について説明する。
【0024】本発明において検出の対象とする微小領域
からの後方散乱波は、図7のAスコープで例示するよう
に、試料表面からのエコーTと林状エコーF(複数のエ
コーFをここでは林状エコーFと定義する)とからな
る。この林状エコーFは、本発明の検査対象が摩擦圧接
材の摩擦圧接状態であるので、該部の圧接界面近傍の厚
みが数mmと薄く、他の領域が母材に近い状態となるた
め、林状エコーの対象領域が他の領域と異なるため小さ
く制限されることになる。この領域は、摩擦圧接界面の
検査(受信)対象領域であるため、ゲート幅を小さくで
き複数のエコー成分を検出できる状況が生まれる。
【0025】本発明では、検査波供給手段が、異なった
周波数帯域をもつ複数の超音波プローブからなることが
好ましい。これより、材料の種類や摩擦圧接材の大きさ
が異なった場合でも、容易に対応することができる。
【0026】また、欠陥信号検知手段が,検知した内部
欠陥信号を相関処理をしてノイズを除去する手段を有
し、演算処理手段が,前記欠陥信号検知手段から出力さ
れた信号をデジタル信号処理してエコーパルス計数値に
変換する信号変換手段と,該計数値を受信音圧の所定間
隔で音圧エコーレベルに分割し数量化して摩擦圧接材の
内部欠陥の程度及び/又は位置を示す定量的情報とする
定量化処理手段を有してなり、該演算処理手段から出力
された内部欠陥出力信号と、予め用意されたエコーパル
ス数と圧接強度の関係を示す知識ベースの情報と比較
し、該比較結果により被検査体の合否を判定することが
好ましい。
【0027】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0028】第1実施例 本第1実施例の超音波検査装置を、図1、図8ないし図
13を用いて説明する。本発明の超音波検査装置10
は、検査波供給手段20と、ビーム走査位置制御手段3
0と、欠陥信号検知手段40と、演算処理手段50と、
表示手段60と、検査用水槽90とからなる。
【0029】検査波供給手段20は、送信−受信を兼用
し欠陥信号検知手段40を兼ねた直線収束型超音波探触
子21と、該探触子21の先端に嵌合され不要な音波を
除去するコリメータ22とからなる。超音波探触子21
は、該探触子21の位置とコリメータ22により、被検
体としての摩擦圧接材80の側面方向で照射される超音
波が直線状に収束するように(図9)、かつ断面方向で
被検体80の中心軸点でその収束点となるように(図
8)配置されている。その際、図8に示す中心軸上の収
束点を得るためには、図9に示す被検体80を支持固定
する心押し台を兼ねた細線ワイヤを有する超音波ビーム
収束点決め治具23を使うことにより行う。なお、この
超音波探触子21は、周波数が15MHzで、該探触子
からの超音波ビームの入射角が18.9度、屈折角が4
5度の横波となるように配置されている。
【0030】ビーム走査位置制御手段30は、コンピュ
ータ部31と、コントローラ部32と、モータ部33
と、メカニカルスキャナ部36とからなる。コンピュー
タ部31は、前記摩擦圧接材80及び/又は検査波供給
手段20の位置を示す情報に基づき、該摩擦圧接材80
の位置および検査波供給手段20の位置を制御するため
の制御量を演算し、コントローラ部32に出力する。
【0031】コントローラ部32は、電気系の同期制御
を行うもので、I/OとCPUに割り込みを行うICと
A/DコンバータとD/Aコンバータ(ともに図示せ
ず)などからなり、前記コンピュータ部31より出力さ
れた制御信号に基づき該摩擦圧接材80の位置および検
査波供給手段20の位置を制御するためにモータに供給
される電力を調節する。モータ部33は、前記コントロ
ーラ部32より出力された電力に基づき摩擦圧接材80
および検査波供給手段20の位置を所定の位置とすべく
制御軸の回転角を連続的に可変制御する第1のモータ3
31および第2のモータ332とからなり、該モータに
はそれぞれ位置検出のためのエンコーダ(図示せず)が
設けられている。
【0032】メカニカルスキャナ部36は、被検体80
を保持し該被検体80を回転させるターンテーブル36
1と、超音波探触子21を保持する探触子保持手段36
2とからなり、5軸(X,Y,Z,θ,R)で構成され
る。ターンテーブル361は第1のモータ331により
回転駆動されて被検体80を回転させ、探触子保持手段
362は第2のモータ332により駆動されて前記探触
子21の位置を被検体80の軸方向に移動させる。これ
により、検査波供給手段20から照射される超音波ビー
ムが、前記摩擦圧接材の内部の所定位置を円周方向及び
/又は軸方向に走査されるように、前記摩擦圧接材及び
/又は前記検査波供給手段の位置が制御される。
【0033】欠陥信号検知手段40は、送信−受信の両
機能を有し欠陥信号を検知する機能を兼用した前記直線
収束型超音波探触子401(21)と、デジタル制御型
超音波探傷器402とからなる。前記超音波探触子40
1は、前記検査波供給手段20から照射された超音波ビ
ームが前記摩擦圧接材の内部に存在する欠陥により散乱
された前記ビームのうち林状エコーを含む後方散乱波を
検知し、該検知信号を出力する。デジタル制御型超音波
探傷器402は、前記超音波探触子401より出力され
た検知信号を増幅して林状エコーを含む前記摩擦圧接材
の内部欠陥信号を演算処理手段50に出力するととも
に、該探傷器402の有するCRT(図示せず)に該内
部欠陥を含む信号をアナログ表示する。また、デジタル
制御型超音波探傷器402および前記超音波探触子21
のパルス繰り返し送信のタイミングは、コンピュータ部
501を介して制御される。
【0034】演算処理手段50は、前記欠陥信号検知手
段40より出力された林状エコーを含む前記摩擦圧接材
の内部欠陥信号を演算処理して前記摩擦圧接材の内部欠
陥の程度をデジタル出力するもので、前記ビーム走査位
置制御手段30のコンピュータ部31が兼用する(50
1)。該コンピュータ部501は、図11のフローチャ
ートに示す演算処理により、内部欠陥の程度を数量化す
る。なお、該コンピュータ部501は、前記デジタル制
御型超音波探傷器402および超音波探触子21のパル
ス繰り返し送信のタイミングと、前記ターンテーブル3
61の回転および探触子保持手段362の移動を制御す
るコントローラ部32の制御との同期制御を行ってい
る。
【0035】表示手段60は、前記演算処理手段50よ
り出力された被検体の内部欠陥の程度を表示する手段
で、CRTモニタ601とプリンタ602とからなる。
【0036】検査用水槽90は、該水槽内に接触媒質と
しての水を収容し、送信−受信を兼用した検査波供給手
段20(401)と、ビーム走査位置制御手段30のメ
カニカルスキャナ部34とを該水中に収容する。さら
に、接触媒質内のゴミ等が不要散乱源とならないよう
に、水の浄化を行うポンプ901、フィルター902を
設置されている。
【0037】次に、この超音波検査装置10を用いて、
摩擦圧接材80の圧接部近傍を単一走査により検査をし
た。
【0038】先ず、被検体80として、φ10 mm ×長
さ220 mm の丸棒(S45C)を摩擦圧接して得たも
のを準備した。次いで、該被検体80をメカニカルスキ
ャナ部36のターンテーブル361に取り付けて保持し
た。
【0039】次に、所定位置に配置された検査波供給手
段20により、被検体80の所定位置に超音波を送受信
させるようにした。図10に、超音波ビームの走査領域
について示す。図10に示すように、超音波ビームの収
束点後の斜線で示す領域(図8も併せて参照)を検知の
対象とした。次いで、該超音波の後方散乱波の受信信号
を該超音波探触子401(検査波供給手段20)、デジ
タル制御型超音波探傷器402により送信し、その出力
信号をコンピュータ部501で演算処理した。なお、該
超音波の送受信は、該探傷器402と超音波探触子21
の繰り返し送信パルスを2.339 kHzとし、被検体80の
回転角1度毎に1点のエコーデータを収録した。このと
き、ターンテーブル361の回転数を389.8 rpm、超
音波探触子21の移動を図10のY軸方向に0.125 mm/
一回転(360点)で行い、全走査領域はY軸方向に1
2 mm 移動することにより、全エコーデータ点数34,
560点を得た。
【0040】なお、超音波探触子21パルス繰り返し送
受信信号の時間制御はデジタル制御型超音波探傷器40
2とコンピュータ部501により行い、検査波供給手段
20と被検体80の位置の制御はそれぞれ保持する前記
探触子保持手段362およびターンテーブル361の移
動量および回転数をコントローラ部32を介して行い、
それぞれの同期制御はコンピュータ501により行って
いる。
【0041】ここで、コンピュータ部501とデジタル
制御型超音波探傷器402において行う検査条件設定と
演算処理を、図11に示すフローチャートに基づいて詳
細に説明する。
【0042】先ず、5軸のメカニカルスキャナ部36
(X,Y,Z,θ,R)の原点設定を行う(P1)。す
なわち、探触子保持手段362のX,Y,Z軸の基準原
点設定および水平回転(θ軸)軸の基準原点設定、ター
ンテーブル361の回転(R軸)軸の基準原点設定を行
う。
【0043】次に、スキャナ動作条件入力を入力する
(P2)。すなわち、Xには被検体80と検査波供給手
段20との最適水距離(被検体80の中心軸で収束点と
なる距離)を設定、Yには被検体80の軸方向走査距離
を設定、被検体80の中心軸にZを設定、θには検査波
供給手段20の入射角を設定、Rには検査波供給手段2
0の走査ピッチおよび走査長さを設定した。
【0044】次いで、エコー検出条件を入力した(P
3)。すなわち、複数ある検査波供給手段20の中から
周波数15MHzを選定する。なお、このP3の処理を
終了した後、被検体80を所定位置に配設する。
【0045】次に、ゲイン変動チェックを行う(P
4)。すなわち、デジタル型超音波探傷器402の現在
のゲインの状態をテジタル出力させ、設定範囲内にはい
っているかどうかの確認を行う。
【0046】次いで、基準エコーの位置測定およびゲー
ト位置の設定を行う(P5)。すなわち、検査波供給手
段20と被検体80の間の基準エコー位置測定と被検体
80内部のゲート位置設定を行う。
【0047】次に、同期スキャンデータを集録する(P
6)。すなわち、超音波ビーム走査により34,560
点のエコーデータを得る。
【0048】次いで、ノイズ除去処理を行う(P7)。
すなわち、前記P6で得られたエコーデータのうち、2
点(走査ピッチ以上のもの)以上連続しているものをエ
コーデータとして扱い、1点のものは電気的ノイズ等と
見做してエコーデータから除去する。
【0049】次に、エコーパルス計数を行う(P8)。
すなわち、前記P7のノイズ処理により得られたデータ
の全数を計数する。
【0050】次いで、エコー高さを出力表示する(P
9)。すなわち、前記P7のノイズ処理により得られた
データを基にして、5つの所定の閾値以上のものを5段
階の受信音圧レベルに分類し、その数をCRTモニタ6
01に表示させる。
【0051】次に、エコー像を表示する(P10)。す
なわち、検査波供給手段20により走査した領域を前記
P8で得られたデータにより、二次元的に点でCRTモ
ニタ601上に表示させ、エコーの疑似画像とする。
【0052】次いで、試料軸方向位置0.5 mm 間隔につ
いてのエコーデータを特定領域に分割し数量化して、エ
コー像数量化処理を行う(P11)。すなわち、前記P
6により得られたデータ(34,560点)を基にし
て、試料軸方向位置に24分割(12/0.5=24)し
て、1分割領域に1,440点(34,560/24=
1,440)のエコーデータの割当て数値とする。
【0053】次に、MAXエコー高さを数量表示する
(P12)。すなわち、前記P11ににより分割したエ
コーデータをP9の処理に従い全分割領域で行い、得ら
れた数をCRTモニタ601上に表示させる。
【0054】次に、演算処理手段50により演算処理さ
れたデータとして、図12および図13に示す画像が表
示手段のCRTモニタ601に表示され、該データをプ
リンタ602により紙に印刷した。
【0055】ここで、前記CRTモニタ601に表示さ
れたエコー高さを(P9)、エコー像(P10)、MA
Xエコー高さ(P12)、およびそれらの印刷結果の一
種および二種以上により、被検体の合否判定を行う(P
13)。
【0056】図12は、前記P9およびP10の処理に
より得られた被検体80の検査結果を示した図で、これ
より、被検体80の圧接境界面112付近の中央部近傍
にφ1mmの人工的に設けたマクロ欠陥が、さらに0.05
〜0.1mm程度の材料製造時の又は摩擦圧接時に生じたミ
クロ欠陥が多数点在していることが分かる。また、図1
3は、図12に示した結果をP12の処理により得られ
た検出エコー像の5段階閾値で数量化した結果を示す図
で、これより、試料軸方向位置のエコーの数量化が可能
となり、試料軸方向位置の欠陥が特定できることが分か
る。
【0057】以上より明らかのごとく、図12に示した
エコー像により、摩擦圧接部近傍の欠陥の分布状態を知
ることができ、さらに図13に示したエコー像の数量化
により試料軸方向位置の欠陥の特定ならびに被検体間の
数値比較が可能となるので、この数量化データを基に、
予め用意されたエコーパルス数と圧接強度の関係を示す
知識ベースの情報とを比較し、被検体の合否を判定する
ことができる。また、この合否判定を、前記コンピュー
タ部501などを用いてコンピュータ処理することによ
り自動的に行うことができる。
【0058】第2実施例
【0059】前記第1実施例の超音波検査装置と同様の
装置を用い、被検体としての摩擦圧接材への超音波検査
を円筒分割走査法により行った。以下、前記第1実施例
との相違点を中心に説明する。
【0060】超音波ビームの走査は、図14に示すよう
に、被検体80の最外周部から中心部に6分割し、複数
個の円筒分割によりそれぞれの円筒分割した領域に対し
て前記第1実施例において示したと同様のエコー像の表
示を行わせるようにした。なお、データ容量は、前記第
1実施例の34.56Kバイトに対し、本実施例では2
07.36Kバイトと約6倍であった。
【0061】ここで、本実施例においてコンピュータ部
501とデジタル制御型超音波探傷器402において行
う検査条件設定および演算処理過程を、図15のフロー
チャートに示す。
【0062】先ず、前記第1実施例のP1〜P3と同様
にしてP21〜P23を行う。なお、この行程におい
て、前記6分割超音波照射のための条件を入力した。次
に、被検体80を所定位置に配設する。次いで、前記第
1実施例のP4と同様にしてP24を行う。
【0063】次に、前記第1実施例のP5〜P8および
P9〜P10の行程と同様にしてP25〜P28および
P29〜P30の行程を、被検体80に対して前記のよ
うに円筒状に6分割するため、それぞれ超音波照射位置
を変えて6回行い、6種類のエコー像を得た。
【0064】次いで、前記より得られた6種類のエコー
像を結合して1つの緻密走査情報を含んだエコー像(ス
ーパーポーズ)を得た(P31)。
【0065】本実施例より得られた結果を、図16〜図
22に示す。図16〜図21は、図14で示した超音波
ビームの走査領域のNo.21〜No.26のそれぞれに対
応するエコー像である。本実施例において用いた被検体
は、摩擦圧接条件を通常よりも悪い条件としたものであ
り、圧接界面位置からミクロ欠陥と推定される多くのエ
コーが検出されていることが分かる。また、検出された
エコーの分布状態は、被検体の外周部(No.21および
No.22)に多く確認できた。また、摩擦圧接接合断面
内での切断観察試験を行った結果、本実施例により得ら
れた前記検出エコーの分布状態は該試験により観察され
たミクロ欠陥の分布状態と良い対応ができていることが
確認された。
【0066】図22は、前記6種のエコー像(No.21
〜No.26)を重ね合わせた図である。図22より明ら
かのように、第1実施例の結果と比較して、6倍のデー
タ容量を含む緻密走査情報であるため、摩擦圧接条件を
通常より悪い条件とした場合に生ずる圧接界面からのミ
クロ欠陥が密集して検出されることになる。従って、第
2実施例の円筒分割走査法を用いることにより、摩擦圧
接状態の悪いものに関するミクロ欠陥の状態を詳細に解
析可能となる。
【0067】第3実施例
【0068】摩擦圧接条件の異なる5種類の摩擦圧接材
を用意し、前記第1実施例の超音波検査装置と同様の装
置を用いて本発明にかかる超音波検査を行った。さら
に、該摩擦圧接材の強度評価試験を行い、超音波検査の
結果との比較を行った。
【0069】先ず、被検体80として、φ10 mm ×長
さ220 mm の丸棒(S45C)を摩擦圧接して得たも
のを準備した。このとき、摩擦圧接条件は、摩擦圧接サ
イクルの摩擦圧(P1:kgf/mm2)およびアプセット圧
(P2:kgf/mm2)と、アプセット量(全寄りしろ;U:
mm)をそれぞれ変え、5つの条件を設定して行った(試
料番号:31〜35)。
【0070】次に、該被検体80をメカニカルスキャナ
部36のターンテーブル361に取り付けて保持し、前
記第1実施例と同様にして超音波検査を行った。
【0071】なお、コンピュータ部501とデジタル制
御型超音波探傷器402において行った検査条件設定と
演算処理のフローチャートを、図23に示す。
【0072】先ず、前記第1実施例のP1〜P3と同様
にしてP41〜P43を行う。次に、被検体80を所定
位置に配設する。次いで、前記第1実施例のP4〜P1
0の行程と同様にしてP44〜P50の行程を行った。
なお、P49およびP50において、それぞれの結果
は、CRTモニタ601に表示される。
【0073】次に、P51において、前記P48におい
て得られた全エコーパルス数に基づき、コンピュータ部
501に記憶された下記に示す合否判定基準に従い、被
検体の合否を判定した。なお、P51において、合否判
定の結果は、CRTモニタ601に表示される。 1) 全エコーパルス数 ≦ 10000 → 合格 2) 全エコーパルス数 > 10000 → 不合格
【0074】次いで、被検体を交換して同様にP45〜
P51の行程を行い、5種類の被検体のエコー像および
合否結果を得た。
【0075】次に、得られた結果として、エコー像およ
び合否判定結果がプリンタ602より出力された。その
結果を、エコー像を図24〜図28に、合否判定結果を
図29にそれぞれ示す(試料番号:31〜35)。図
中、「○」は「前記合否判定結果が合格」を、「×」は
「同不合格」をそれぞれ示す。
【0076】次に、前記5種類の被検体の圧接強度試験
を行った。その結果を、図30に示す。なお、破断部位
は、試料番号31〜33が母材で、試料番号34および
35が圧接部であった。図30には、前記合否判定結果
を併せて示した。図中、「○」は「前記合否判定結果が
合格」を、「×」は「同不合格」をそれぞれ示す。ま
た、前記実施例と同様に、摩擦圧接接合断面内での切断
観察試験を行った結果、本実施例により得られた前記合
否結果は、該試験により観察されたミクロ欠陥の分布状
態より判断した合否結果と一致していることが確認され
た。
【0077】図30より明らかの如く、本実施例の超音
波検査装置により得られた検査結果は、通常行われてい
る評価試験結果に基づく評価と一致していることが分か
る。
【0078】第4実施例
【0079】摩擦圧接条件の異なる2種類の摩擦圧接材
を用意し、超音波検査を行った。
【0080】先ず、被検体として、φ20 mm ×長さ3
00 mm の丸棒(S45C)を摩擦圧接して得たものを
準備した。このとき、摩擦圧接条件は、摩擦圧接サイク
ルの摩擦圧(kgf/mm2)、アプセット圧(kgf/mm2)、アプ
セット量(mm)をそれぞれ変え、比較的摩擦圧接条件の
よいもの(試料番号:41)と、一部が摩擦圧接するよ
うな条件(試料番号:42)の2つとした。
【0081】次に、前記実施例と同様の超音波検査装置
を用い、該被検体をメカニカルスキャナ部36のターン
テーブル361に取り付けて保持し、該被検体の超音波
検査を行った。
【0082】なお、コンピュータ部501とデジタル制
御型超音波探傷器402において行った検査条件設定と
演算処理のフローチャートを、図31に示す。
【0083】先ず、前記実施例と同様にしてP61〜P
63を行う。なお、P62のスキャナ動作条件として、
摩擦圧接界面の全体のデータが収集できるように設定し
た。次に、被検体80を所定位置に配設する。次いで、
前記実施例と同様にしてP64〜P70の行程を行っ
た。なお、P69およびP70において、それぞれの結
果は、CRTモニタ601に表示される。なお、P70
においてモニタ601に表示されるエコー像は、被検体
の摩擦圧接界面の断面に対応するものとして10倍に拡
大して表示されている。
【0084】次に、単位格子当りのエコーパルス数を算
出する(P71)。すなわち、前記70において得られ
たエコー像を縦横1cmの格子に分割し、該分割されたそ
れぞれの領域に対応するP8のデータをそれぞれ計数
し、該計数値を該当部の面積で除して単位格子当りのエ
コーパルス数を算出する。
【0085】次いで、摩擦圧接界面の接合状態を判定す
る(P72)。すなわち、P71で得られた単位格子当
りのエコーパルス数を基に、予めコンピュータ部501
に記憶された知識ベース中の図32に示す組織状態判定
基準に従い、被検体の接合状態を7段階に判定する。
【0086】次に、前記得られた判定結果を、モニタに
表示する(P73)。すなわち、図32中に示した表示
模様により、該当する格子に模様を表示することにより
判定結果をCRTモニタ601に表示する。次いで、こ
の結果を、プリンタ602により印刷した。得られた結
果を、試料番号41については図33に、試料番号42
については図34にそれぞれ示す。
【0087】次に、被検体の摩擦圧接界面のそれぞれの
切断面観察試験を行った結果、本実施例により得られた
前記判定結果は、該試験により観察されたミクロ欠陥の
分布状態より判断した判定結果とよく一致していること
が確認された。
【0088】以上より明らかの如く、本実施例の超音波
検査装置により得られた検査結果は、通常行われている
評価試験結果に基づく評価と一致していることが分か
る。また、本実施例装置および方法により、単にミクロ
異常組織の存在を判断できるだけでなく、割れなどのマ
クロ欠陥から粗大結晶粒や間隙欠陥、介在物などのミク
ロ結果まで、欠陥の状態を精確に判定することができる
ことが分かる。また、本実施例において、さらに組織状
態と摩擦圧接条件との関係を示す第2の知識ベースを構
築し、該第2の知識ベースと得られた組織状態を示す情
報に基づいて、最適な摩擦圧接条件を算出することもで
きる。
【0089】第5実施例
【0090】異種金属からなる摩擦圧接材を用意し、前
記第1実施例の超音波検査装置と同様の装置を用いて本
発明にかかる超音波検査を行った。
【0091】先ず、被検体80として、φ10 mm ×長
さ220 mm の2種類の丸棒(耐熱鋼とステンレス鋼)
を摩擦圧接して得たものを準備した。次いで、該摩擦圧
接材の溶体化処理を行った。このとき、溶体化処理温度
は、1000℃(試料番号51)、1050℃(試料番
号52)、1100℃(試料番号53)の3種類とし
た。
【0092】次に、該被検体80をメカニカルスキャナ
部36のターンテーブル361に取り付けて保持し、前
記第1実施例と同様の方法で超音波検査を行った。
【0093】該超音波検査により得られた結果のうち、
全エコーパルス数と溶体化処理温度との関係を、図35
に示す。図35より、溶体化処理温度の上昇に従って、
全エコーパルス数が増加していることが分かる。しか
も、前記処理温度が1050度以上から全エコーパルス
数が急激に増加している。また、被検体の摩擦圧接界面
のそれぞれの切断面観察試験を行った結果、前記処理温
度が1050℃および1100℃では析出物が顕著に増
加している様子が観察された。これより、本実施例によ
り得られた結果は、該切断面観察試験により観察された
ミクロ欠陥の分布状態より判断した判定結果とよく一致
していることが確認された。
【0094】以上より、ミクロ欠陥のうち、析出物につ
いても本超音波検査装置および方法により精確に検査で
きることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例で用いた超音波検査装置を
模式的に示す説明図である。
【図2】従来の超音波検査装置および方法を模式的に示
す説明図である。
【図3】図2の従来の超音波検査装置により得られた検
査結果を示す図で、受信音圧と時間との関係を示す図で
ある。
【図4】従来の他の超音波検査装置および方法を模式的
に示す説明図である。
【図5】図4の従来の超音波検査装置により得られた検
査結果を示す図で、受信音圧と時間との関係を示す図で
ある。
【図6】摩擦圧接材の圧接界面の状況を説明する説明図
である。
【図7】本発明の具体例の超音波検査装置において得ら
れた林状エコーを説明する図で、受信音圧−時間(距
離)の関係を示す図である。
【図8】本発明の第1実施例で用いた超音波検査装置を
示し、該装置の一部の配置を説明する説明図で、摩擦圧
接材の試料断面方向から見た配置図(A視断面)であ
る。
【図9】本発明の第1実施例で用いた超音波検査装置を
示し、該装置の一部の配置を説明する説明図で、摩擦圧
接材の試料側面方向から見た配置図である。
【図10】本発明の第1実施例で用いた超音波検査装置
の超音波ビームの走査領域を説明する説明図である。
【図11】本発明の第1実施例で用いた超音波検査装置
を示し、コンピュータ部と超音波探傷器において行う検
査条件と演算処理を示すフローチャート図である。
【図12】本発明の第1実施例の検査結果を示す図で、
単一走査によりエコー像のプリンタ出力結果を示す図で
ある。
【図13】本発明の第1実施例の検査結果を示す図で、
エコー像の数量化表示結果を示す図である。
【図14】本発明の第2実施例の超音波検査方法を示
し、超音波ビームの円筒分割走査方法を説明する説明図
である。
【図15】本発明の第2実施例で用いたコンピュータ部
と超音波探傷器において行う検査条件と演算処理を示す
フローチャート図である。
【図16】本発明の第2実施例の検査結果を示す図で、
超音波ビーム走査条件No.21のエコー像の出力結果を
示す図である。
【図17】本発明の第2実施例の検査結果を示す図で、
超音波ビーム走査条件No.22のエコー像の出力結果を
示す図である。
【図18】本発明の第2実施例の検査結果を示す図で、
超音波ビーム走査条件No.23のエコー像の出力結果を
示す図である。
【図19】本発明の第2実施例の検査結果を示す図で、
超音波ビーム走査条件No.24のエコー像の出力結果を
示す図である。
【図20】本発明の第2実施例の検査結果を示す図で、
超音波ビーム走査条件No.25のエコー像の出力結果を
示す図である。
【図21】本発明の第2実施例の検査結果を示す図で、
超音波ビーム走査条件No.26のエコー像の出力結果を
示す図である。
【図22】本発明の第2実施例の検査結果を示す図で、
超音波ビーム走査条件No.21〜No.26のエコー像を
結合した緻密走査情報を含んだエコー像の出力結果を示
す図である。
【図23】本発明の第3実施例で用いた超音波検査装置
を示し、コンピュータ部と超音波探傷器において行う検
査条件と演算処理を示すフローチャート図である。
【図24】本発明の第3実施例の検査結果を示す図で、
試料番号31のエコー像の出力結果を示す図である。
【図25】本発明の第3実施例の検査結果を示す図で、
試料番号32のエコー像の出力結果を示す図である。
【図26】本発明の第3実施例の検査結果を示す図で、
試料番号33のエコー像の出力結果を示す図である。
【図27】本発明の第3実施例の検査結果を示す図で、
試料番号34のエコー像の出力結果を示す図である。
【図28】本発明の第3実施例の検査結果を示す図で、
試料番号35のエコー像の出力結果を示す図である。
【図29】本発明の第3実施例の検査結果を示す図で、
合否判定の出力結果を示す図である。
【図30】本発明の第3実施例の超音波検査結果と被検
体の評価試験結果との関係を示す図で、全エコーパルス
数と被検体の圧接強度との関係を示す線図である。
【図31】本発明の第4実施例で用いたコンピュータ部
と超音波探傷器において行う検査条件と演算処理を示す
フローチャート図である。
【図32】本発明の第4実施例で用いた知識ベース中の
摩擦圧接界面の組織状態判定基準を示す図である。
【図33】本発明の第4実施例の検査結果を示す図で、
試料番号41の判定結果の出力結果を示す図である。
【図34】本発明の第4実施例の検査結果を示す図で、
試料番号42の判定結果の出力結果を示す図である。
【図35】本発明の第5実施例の検査結果を示す図で、
全エコーパルス数と溶体化処理温度との関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 ・・・ 超音波検査装置 20 ・・・ 検査波供給手段 30 ・・・ ビーム走査位置制御手段 40 ・・・ 欠陥信号検知手段 50 ・・・ 演算処理手段 60 ・・・ 表示手段 80 ・・・ 被検体 90 ・・・ 検査用水槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深谷 茂生 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 馬場 敬明 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波探触子から超音波ビームを摩擦圧
    接材に対して,収束点が該摩擦圧接材の内部の所定位置
    となるようにかつ斜めに入射させ、前記摩擦圧接材の内
    部に存在する欠陥からの後方散乱波を検知し、該後方散
    乱波に含まれる林状エコーを含む欠陥を示す情報から内
    部欠陥を検出することを特徴とする摩擦圧接材の超音波
    検査方法。
  2. 【請求項2】 摩擦圧接材の内部のミクロ欠陥を含む欠
    陥を超音波を用いて検査する装置であって、 超音波探触子を有し、検査対象としての摩擦圧接材に対
    して所定の位置に配設され、収束点が前記摩擦圧接材の
    内部の所定の位置になるように、かつ前記超音波探触子
    から照射される超音波ビームが前記摩擦圧接材の軸方向
    に対して斜めに入射するように配設された検査波供給手
    段と、 該検査波供給手段から照射される超音波ビームが、前記
    摩擦圧接材の内部の所定位置を円周方向及び/又は軸方
    向に走査されるように、前記摩擦圧接材及び/又は前記
    検査波供給手段の位置を制御するビーム走査位置制御手
    段と、 前記検査波供給手段から照射された超音波ビームが前記
    摩擦圧接材の内部に存在する欠陥により散乱された前記
    ビームのうち林状エコーを含む後方散乱波を検知する欠
    陥信号検知手段と、 前記欠陥信号検知手段から出力された林状エコーを含む
    前記摩擦圧接材の内部欠陥信号より前記摩擦圧接材の内
    部欠陥を検出する演算処理手段とからなり、 摩擦圧接材の内部のミクロ欠陥を含む欠陥を精確に検出
    するようにしたことを特徴とする摩擦圧接材の超音波検
    査装置。
  3. 【請求項3】 検査波供給手段が、異なった周波数帯域
    をもつ複数の超音波プローブからなることを特徴とする
    請求項2記載の摩擦圧接材の超音波検査装置。
  4. 【請求項4】 欠陥信号検知手段が、検知した内部欠陥
    信号を相関処理をしてノイズを除去する手段を有し、演
    算処理手段が、前記欠陥信号検知手段から出力された信
    号をデジタル信号処理してエコーパルス計数値に変換す
    る信号変換手段と、該計数値を受信音圧の所定間隔で音
    圧エコーレベルに分割し数量化して摩擦圧接材の内部欠
    陥の程度及び/又は位置を示す定量的情報とする定量化
    処理手段を有してなり、 該演算処理手段から出力された内部欠陥出力信号と、予
    め用意されたエコーパルス数と圧接強度の関係を示す知
    識ベースの情報と比較し、該比較結果により被検査体の
    合否を判定することを特徴とする請求項2記載の摩擦圧
    接材の超音波検査装置。
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