JPH05332359A - ハイブリッド軸受 - Google Patents

ハイブリッド軸受

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JPH05332359A
JPH05332359A JP13692492A JP13692492A JPH05332359A JP H05332359 A JPH05332359 A JP H05332359A JP 13692492 A JP13692492 A JP 13692492A JP 13692492 A JP13692492 A JP 13692492A JP H05332359 A JPH05332359 A JP H05332359A
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split
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Iwao Matsumoto
岩男 松本
Hitoaki Ezaki
仁朗 江崎
Toyoaki Furukawa
豊秋 古川
Mitsunari Gotou
充成 後藤
Hidehiko Idaka
英彦 伊高
Shigetoshi Narusue
繁利 成末
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高速、軽荷重の回転状態となる回転軸の安定
性を向上させる。 【構成】 軸受は、軸受パッド1、パッド支持ピボット
2、及びスリーブ軸受メタル7を有する。スリーブ軸受
メタル7には静圧給油ポケット5とこのポケット5へ給
油するための静圧給油穴6を有する。この軸受は通常軸
荷重をスリーブ軸受メタル7で受けるが、高速回転で、
かつ、軸荷重と駆動歯車による噛み上げ力とが鈴り合っ
て軸受荷重がゼロとなるような極めて安定性の悪い状況
のときは、スリーブ軸受メタル7に設けられた給油ポケ
ット5を利用して軸を押し上げ強制的に軸受荷重を与え
て軸系の安定性を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転機械に用いられる
軸受、特に、運転範囲が広く、軸受荷重が非常に小さく
なる領域の運転を含む高回転数の回転機械に用いられる
軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の代表的な軸受として、軸受安定性
に優れた分割軸受や、軸受背面をダンパ構造としたダン
パ形分割軸受がある。
【0003】ダンパ分割軸受には、ラジアル荷重を図9
に示すようにすべり軸受としたものと、図10のように
転がり軸受としたものとがある。図9において、15は
ダンパ軸受支持用板ばね、16は軸受パッド、17はパ
ッド支持ピボット、18は背面ダンパ、20は軸を示し
ている。図10において、19はダンパ軸受支持用丸
棒、21は背面ダンパ、22は転がり軸受を示してい
る。
【0004】高速回転機械において、振動の小さい安定
的な運転状態を実現するためには通常の危険速度の有
無、不釣合い応答特性の良否に加えて軸系安定性の確認
検討が不可欠であり、特に軸系安定性が機械の成否を左
右する。
【0005】従来、分割軸受は油膜係数の連成項が生じ
ないため、絶対的に安定な軸受として安定性の検討はな
されていなかった。しかし、高速回転機での運転になる
と、軸受荷重が小さいため、油膜係数の主対角項も小さ
くなり、軸受パッド自身の慣性効果により生じる油膜係
数の連成項が無視できなくなり不安定振動が発生する。
【0006】このため、パッド枚数を増やし1個あたり
のパッド慣性を低減したり、パッドの裏側を切除するな
どパッド慣性を減らし、安定性能改善を実施中であるが
充分な安定性を確保できない。特に、軽荷重域では油膜
剛性が小さく不安定となり易い。
【0007】一方、ダンパ形軸受についていえば、高速
回転機械の軸受は、一般に小さくなるためダンパ軸受の
芯保持が非常に困難となり、信頼性の高いダンパ特性が
得にくい。
【0008】また、ダンパー油膜のばね係数KE は、K
E =Kd −Mω2 (ここでMは可動部重量、ωは回転角
速度)で示されるが、回転数が高くなるとMω2 の項が
大きくなるため、KE の絶対値が大きくなり、ダンパー
部が可動しにくくなり、ダンパー減衰による有効な制振
効果が期待できない。
【0009】このように、近年の高速、軽荷重の軸系に
ついては、充分な軸系安定性を確保できず、従来技術で
は限界に近づいている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
の軸受にみられた欠点を解消し、高速軽荷重の運転状態
を含む回転機械の安定性を向上させうる軸受を提供する
ことを目的としている。
【0011】特に、本発明では、単なる高速軽荷重軸受
の安定性を増すというのではなく、運転範囲内に軽荷重
状態があるもの、即ち、重荷重から軽荷重状態を含む運
転荷重範囲の広い機械に対して安定的な軸受性能をもつ
軸受を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記課題を
解決するため軸受に対し次の手段を採用している。
【0013】(1)油膜の動圧効果を利用する負荷面
と、軸受荷重が広範囲に変動しないよう軸受荷重を調整
できる複数個の静圧ポケットを配置する。
【0014】(2)油膜の動圧効果を利用する分割軸受
形の負荷面と、軸を定められた方向に強制的に偏心させ
る力を生じさせるオフセット加工部をもつスリーブ軸受
とを組み合せる。
【0015】(3)油膜の動圧効果を利用する分割軸受
形の負荷面と、軸を定められた方向に強制的に偏心させ
る力を生ずる圧力ダムをもつ中央溝を形成したスリーブ
軸受とを組み合せる。
【0016】(4)分割軸受パッドを有する、回転軸を
支持する軸受において、1部分の前記軸受パッドを、支
持すべき回転軸側に近づけてプリロードを大きく配設し
た軸受とする。
【0017】
【作用】
(1)油膜の動圧効果を利用する負荷面と、軸受荷重を
調整できる給油ポケットを組み合せたものでは、軸受パ
ッドに生ずる動圧効果で軸受荷重を支持しつつ静圧給油
ポケットによって軸を反対方向へ押えつけて荷重を調整
する。これによって、安定性が問題となる軽荷重域を作
らないよう軸受荷重を調整する。
【0018】(2)油膜の動圧効果を利用する分割軸受
形の負荷面と、軸を定められた方向に強制的に偏心させ
る力を生じさせるオフセット加工部をもつスリーブ軸受
とを組み合せたものでは、荷重は分割軸受形の負荷面で
受け、高速域で軸受荷重が軽くなり分割軸受でも不安定
となりうる領域では分割軸受の反対側に配設されたオフ
セット加工したスリーブ軸受の油膜反力で軸を分割軸受
側に押して等価荷重を大きくし軸系の安定性を向上させ
る。
【0019】(3)油膜の動圧効果を利用する分割軸受
形の負荷面と、軸を定められた方向に強制的に偏心させ
る力を生ずる圧力ダムをもつ中央溝を形成したスリーブ
軸受を組み合せたものでは、下向き荷重の場合には従来
の圧力型軸受に近い特性を示すが上向き荷重の時には分
割軸受の安定的な特性を期待でき、かつスリーブ軸受メ
タルの中央溝の圧力ダムでせき止られて生じる油膜圧力
により軸を分割軸受側に押える。
【0020】このため、分割軸受で安定性が悪化する軽
負荷状態を作らないようにすることができる。
【0021】(4)分割軸受パッドを有する、回転軸を
支持する軸受において1部分の前記分割軸受パットを、
支持すべき回転軸側に近づけてプリロードを大きくした
軸受においては、運転負荷の軽減により上向き荷重が小
さくなる場合には軸が下方に沈んでくるが下方のパッド
に近づくにつれ、下方パッドの油膜圧力が大きくなるの
で軸が上方に押し上げられる。このため、上方の分割軸
受に対しては偏心率の小さくなる軽負荷状態を作らない
ことができ、軸系安定性を高めることができる。
【0022】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明を図示した実施例に基いて具
体的に説明する。
【0023】図1において、1は軸受パッド、2はパッ
ド支持ピボット、3は軸受裏金、4は給油穴、5は静圧
給油ポケット、6は静圧給油穴、7はスリーブ軸受メタ
ルを示している。
【0024】このように構成された図1の軸受を、広範
囲な軸受荷重変化のある回転軸系の例として歯車駆動方
式によるコンプレッサー軸の軸受に適用した場合につい
て図2、図3によって説明する。図2、図3において、
モータ8がフレキシブルカップリング9を介してホイー
ル軸12に連結されている。
【0025】10′は、ホイール軸を支える従来形の軸
受、11はホイールである。ホイール11はピニオン1
4と噛み合っている。13はピニオン14が取付けられ
たコンプレッサ軸で、コンプレッサ軸13を支持するの
に図1に示したハイブリッド軸受が用いられている。
【0026】この図2、図3に示すコンプレッサー軸1
3の軸受10に関し、軸系安定性に重大な影響を与える
軸受荷重について、実際の運用を想定して説明すれば次
のようになる。コンプレッサー軸13はホイール11と
ピニオン14の噛み合いにより噛み上げられるのでコン
プレッサー軸13の軸受10は負荷に応じた上向きの力
を受ける。(図3参照) この場合、起動時には無負荷であるので軸受荷重はロー
タの自重に応じた下向きの荷重を受けている。但し、通
常定格負荷の場合には噛み上げによる荷重が自重に比べ
相当に大きくなる。
【0027】このため、実機では無負荷で定格回転数ま
で回転上昇させた後、負荷をかける段階で噛み上げによ
る上向き荷重とロータ自重による軸受荷重が釣り合い、
有効な軸受荷重がゼロとなり、極めて安定性の悪い領域
が存在する。
【0028】また、負荷によっては軸受荷重がゼロには
ならないまでも非常に小さくなる領域が存在すること
で、軸系の安定性が確保できない。以上のことを踏ま
え、図2に示すコンプレッサー軸13に図1に示す軸受
を採用することで軸受の荷重が極端に軽くなる領域を無
くすことができ軸系の安定的な運転が可能となる。
【0029】以下、これを説明すると、まず、起動時は
無負荷であるので軸受荷重は下向きにロータ自重のみを
受ける。但し、軸受10はロータ自重よりもはるかに大
きい上向きの噛み上げ反力を想定した設計を行うので下
向き荷重を支持するスリーブ軸受メタル7は十分な余裕
を持って下向き荷重に対応できる。従って、この場合に
は特に静圧給油ポケット5を利用して軸13を押し上げ
る必要は無い。
【0030】回転数が定格まで上昇の後、前述の如く徐
々に負荷をかける場合、定格荷重から徐々に負荷を低減
する場合及び長期的に低負荷で使用する場合などに軸受
有効荷重が非常に小さくなる領域が考えられるが、この
時にスリーブ軸受メタル7に設けられた静圧給油ポケッ
ト5を利用して軸13を上方に押し上げ、強制的に軸受
荷重を与える。
【0031】これによって、軸受10の支持剛性を高め
ることで軸系の安定性を高めることができる。すなわ
ち、軸受荷重が小さいと僅かの外乱に対して任意の方向
に振動し易く不安定となるが、前記のように静圧給油ポ
ケット5を利用して適切な荷重をかけると僅かな外乱で
は軸13は振動しにくくなり軸系の安定性が増す。
【0032】ここで、静圧給油ポケット5による軸13
の押え力による悪影響は、全く考えなくても良い。なぜ
なら上半部は分割軸受であり適切な荷重がかかりさえす
れば本質的に安定な軸受であることから静圧給油ポケッ
ト5による軸13の押し上げ力と噛み上げ反力との総和
を定格負荷時の軸受荷重よりも大きくする必要は無いか
らである。
【0033】なお、静圧給油ポケット5の押し上げ力は
軸受荷重の極端に小さい領域を避けるだけの役目で充分
であり、この値は、定格負荷時の軸受荷重の約1/5で
ある。従って、静圧給油ポケット5は非常に簡略的なも
ので良く、吐出圧力も低くできるので給油装置が小さく
て済む利点がある。
【0034】また、本実施例では適切な荷重条件を調整
できるので、従来の高速回転における軽荷重領域を含め
て、確実な軸系安定性を確保できるので背面ダンパ等の
外部ダンパ構造が必要ない。このため、特に高速回転機
械の軸受としては構造が簡略化される利点も大きい。
【0035】更に、分割軸受自身の性能改善のために実
施していたパッド背面の切除、パッド枚数の増加(パッ
ド張り角を小さくする)などの一連のパッド慣性の低減
策が必らずしも必要では無くなるため構造の簡略化が図
れる。
【0036】(実施例2)次に図4及び図5に示す実施
例について説明する。なお、本実施例による軸受も、実
施例1の場合と同様、図2、図3に示す歯車駆動方式に
よるコンプレッサーの軸受として適用した場合を想定し
ている。図4において、図1と同様の部分には同一の符
号を付して示してある。
【0037】図5において、25は軸受パッドの加工曲
率による隙間円、26はスリーブ軸受の加工曲率による
隙間円、そしてAは、前記隙間円25,26により定ま
る本発明によるハイブリッド軸受の隙間円を示してい
る。
【0038】本実施例は、軸受パッド1をもつ分割軸受
と、通常オフセット加工して構成する2円弧軸受の片側
の部分円弧軸受としてのスリーブ軸受メタル7を組み合
せたハイブリッド軸受である。
【0039】ここで、分割軸受は軸受パッド1に生じる
動圧効果で軸受荷重を支持するものであり、部分円弧軸
受としてのスリーブ軸受メタル7は軸受負荷面も兼ねる
が主目的は部分円弧軸受に生じる油膜圧力により、軸を
反対方向に押しつける荷重を得るためのものである。
【0040】この結果、本実施例のハイブリッド軸受で
は安定性が問題となる軽荷重域が出来ないので軸系の安
定性を著しく高めることが出来る。
【0041】この第2実施例の軸受の作用について更に
説明する。起動時は無負荷であるので軸受荷重は下向き
にロータ自重のみを受ける。但し、軸受10はロータ自
重よりもはるかに大きい上向きの噛み上げ反力を想定し
た設計を行うので下向き荷重を支持する部分円弧軸受と
してのスリーブ軸受メタル7は十分な余裕を持って下向
き荷重に対応できる。また楕円率が大きくなるよう部分
円弧軸受としてのスリーブ軸受メタル7を組み込むこと
で下向き荷重に対する軸受安定性を確保できる。
【0042】回転数を定格まで上昇・下降させる段階で
噛み上げ反力がロータ自重とバランスし、有効な軸受荷
重がゼロになる領域あるいは低負荷領域でコンプレッサ
ーが運用される場合には、従来の軸受では非常に不安定
となる。
【0043】これに対して、本実施例の軸受では偏心率
の小さい、つまり軽荷重時に限って部分円弧軸受である
スリーブ軸受メタル7に油膜圧力が発生して軸をティル
パッド側に押し付ける作用が生じる。
【0044】これによって、軸13の平衡点が中心より
ずれ分割軸受としての軸受パッド1にとっては、等価な
軸受荷重が作用した状況となるので分割軸受の安定性能
を確保できる。
【0045】また、定格荷重で荷重が上向きの時におけ
る部分円弧に生じる油膜圧力の悪影響は無い。この状態
では部分円弧側の軸受すきまが大きいので油膜圧力が小
さく、ほとんど影響を与えない。
【0046】(実施例3)図6、図7において、図1と
同様の部分には図1と同一の符号を付してあり、本軸受
も図2、図3に示す歯車駆動方式によるコンプレッサー
の軸13の軸受10に使用する場合を考える。
【0047】35はスリーブ軸受メタル7に設けた中央
溝、36は同中央溝35の圧力ダムである。
【0048】本実施例では高速域の安定性を確保する意
味で荷重を受ける側には分割軸受としての軸受パッド1
を配置し、高速域で軸受荷重が軽くなり分割軸受でも不
安定となり得る領域に対して、分割軸受の反対側にオフ
セット加工した圧力型軸受としてのスリーブ軸受メタル
7を配置することで安定性を高める。
【0049】一般にスリーブ軸受の場合には中・低速の
回転数で比較的に軸受荷重の大きいものに用いられるが
安定作動域が狭い。これに対して、分割軸受では軸受荷
重が小さく高速回転域を除けばほぼ全域で軸系安定性を
確保できる。
【0050】従って、本実施例の軸受構造によれば中央
溝35を設けたスリーブ軸受メタル7からなる圧力型軸
受の中央溝35の圧力ダム36のせき止め油膜圧力によ
り軸を押し上げることで強制的に分割軸受側に作用する
等価荷重を大きくして、軸系安定性を向上させる。
【0051】すなわち、中央溝35と圧力ダム36を設
けたスリーブ軸受メタル7は、軸受負荷面も兼ねるが主
目的はこの圧力型軸受の中央溝35のせき止め部に相当
する圧力ダム36に発生する油膜圧力により、軸13を
反対方向に押しつける荷重を得るためのものである。
【0052】この結果、本実施例のハイブリッド軸受で
は安定性が問題となる軽荷重域が出来ないので軸系の安
定性を著しく高めることが出来る。以下これを説明す
る。
【0053】起動時は、無負荷であるので軸受荷重は下
向きにロータ自重のみを受ける。但し、軸受10はロー
タ自重よりもはるかに大きい上向きの噛み上げ反力を想
定した設計を行うので下向き荷重を支持する圧力型軸受
としてのスリーブ軸受メタル7は十分な余裕を持って下
向き荷重に対応できる。
【0054】回転数を定格まで上昇・下降させる段階で
噛み上げ反力がロータ自重とバランスし、有効な軸受荷
重がゼロになる領域あるいは低負荷領域でコンプレッサ
ーが運用される場合には、従来の軸受では非常に不安定
となる。
【0055】これに対して、本実施例では偏心率の小さ
い、つまり軽荷重時に限ってスリーブ軸受メタルの中央
溝35の圧力ダム36に生じる油膜圧力により軸13を
ティルパッド側に押し付ける作用が生じる。
【0056】これによって、軸13の平衡点が中心より
ずれ分割軸受にとっては、等価な軸受荷重が作用した状
況となるので分割軸受の安定性能を確保できる。
【0057】また、定格荷重で荷重が上向きの時におけ
るスリーブ軸受メタル7の油膜圧力の悪影響は無い。こ
の状態では軸の平衡点は分割軸受側にあり、スリーブ軸
受メタル7側の軸受すきまが大きいので油膜圧力が小さ
く、ほとんど影響を与えない。
【0058】(実施例4)図8において、図1に示した
ものと同等の部分には同一の符号をつけて示してある。
【0059】なお、この実施例でも図2、図3に示す歯
車駆動方式によるコンプレッサーの軸13の軸受に使用
した場合を考えている。本実施例においては、負荷面の
正規プリロードを有する分割パッドと反負荷面の大プリ
ロードを有する分割パッドを組み合わせたハイブリッド
形分割軸受である。
【0060】ここで、上方の分割軸受パッド1は上向き
に作用する噛み上げ接線反力を想定した正規プリロード
のものであるが下方の分割軸受パッドは上方の他のもの
よりも軸13に近づけ、プリロードを大きくしたもので
ある。なお、上方の分割軸受パッド1が大きな噛み合い
接線反力を受けるのに対し、下方の分割軸受パッド1は
通常噛み合い接線反力の1/10以下であるロータ自重
のみを受ける。
【0061】従って、下方の分割軸受パッドはプリロー
ドを大きくしても条件的には、上方の分割軸受パッドよ
りも楽であり、問題となることは無い。
【0062】また、プリロードの大きな下方の分割軸受
パッドに発生する油膜圧力により、軸13は上方に押し
上げられる。このため、負荷が小さく、上向き荷重が小
さい場合でも等価軸受荷重を大きくすることが出来、本
実施例のハイブリッド形分割軸受では、安定性が問題と
なる軽荷重域が出来ないので軸系の安定性を著しく高め
ることが出来る。
【0063】まず、起動時は、無負荷であるので軸受荷
重は下向きにロータ自重のみを受ける。但し、軸受はロ
ータ自重よりもはるかに大きい上向きの噛み上げ反力を
想定した設計を行うので下向き荷重を支持する圧力型軸
受は十分な余裕を持って下向き荷重に対応できる。
【0064】回転数を定格まで上昇・下降させる段階で
噛み上げ反力がロータ自重とバランスし、有効な軸受荷
重がゼロになる領域あるいは低負荷領域でコンプレッサ
ーが運用される場合には、従来の軸受では非常に不安定
となる。
【0065】これに対して、本実施例では偏心率の小さ
い、つまり軽荷重時にはプリロードを大きくして設置し
た下方の分割軸受パッドに油膜圧力が発生する。このた
め油膜圧力により軸13が上方に押し上げられるので、
本実施例のハイブリッド形分割軸受にとっては、等価な
軸受荷重が作用した状況となるので分割軸受の安定性能
を確保できる。
【0066】また、定格荷重で荷重が上向きの時におけ
る下向の分割軸受パッドの油膜圧力の悪影響は無い。こ
の状態では軸13の平衡点は正規プリロードの分割軸受
パッド側にあり、下方分割軸受パッドの軸受すきまが大
きくなるので油膜圧力が小さく、ほとんど影響を与えな
い。
【0067】
【発明の効果】以上具体的に説明したように、本発明で
は、動圧効果を利用する負荷面と、給油ポケット、オフ
セット加工部、又は圧力ダムつきの中央溝をもつスリー
ブ軸受を組み合せ、更にまた、分割パッドの1部をプリ
ロードを大きくして配置するという簡単な手段によって
軸系の安定性が悪化する軽負荷状態を作らないよう軸負
荷を調節できるものである。しかも、通常の負荷状態で
は分割軸受として優れた軸受安定性を発揮する。
【0068】従って、運転範囲内に軽荷重状態を含むよ
うな重荷重から軽荷重状態までの広い運転範囲の回転機
械に対し安定性の良い軸受として作動できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例による軸受の縦断面図、
【図2】本発明による軸受を適用するコンプレッサーの
軸系を示す系統図、
【図3】図2おけるホイールとピニオンの噛み合い状態
を示す側面図、
【図4】本発明の他の実施例による軸受の縦断面図、
【図5】図4に示す軸受における隙間円を示す図面、
【図6】本発明の更に他の実施例による軸受の縦断面
図、
【図7】図6に示す軸受におけるスリーブ軸受メタルの
展開図、
【図8】本発明の他の実施例による軸受の縦断面図、
【図9】従来の軸受を示す部分的断面図、
【図10】従来の他の軸受を示す部分的断面図
【符号の説明】
1 軸受パッド 2 パッド支持ピボット 3 軸受裏金 4 給油穴 5 静圧給油ポケット 6 静圧給油穴 7 スリーブ軸受メタル 10 ハイブリッド軸受 13 回転軸 35 中央溝 36 圧力ダム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 充成 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内 (72)発明者 伊高 英彦 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内 (72)発明者 成末 繁利 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を支持する軸受において、前記回
    転軸の回転に伴う油膜の動圧効果を利用する負荷面及び
    前記回転軸を軸受側に押え込み軸受荷重を調節する静圧
    給油ポケットを設けた負荷面を有することを特徴とする
    ハイブリッド軸受。
  2. 【請求項2】 回転軸を支持する軸受において、前記回
    転軸の回転に伴う油膜の動圧効果を利用する分割軸受形
    の負荷面及び前記回転軸を定められた方向に強制的に偏
    心させる力を生じるオフセット加工部をもつスリーブ軸
    受面を有することを特徴とするハイブリッド軸受。
  3. 【請求項3】 回転軸を支持する軸受において、前記回
    転軸の回転に伴う油膜の動圧効果を利用する分割軸受形
    の負荷面及び前記回転軸を定められた方向に強制的に偏
    心させる力を生じさせる圧力ダムをもつ中央溝を形成し
    たスリーブ軸受面を有することを特徴とするハイブリッ
    ド軸受。
  4. 【請求項4】 分割軸受パッドを有する、回転軸を支持
    する軸受において、1部分の前記軸受パッドを前記回転
    軸側に近づけてプリロードを大きくして配設したことを
    特徴とするハイブリッド軸受。
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