JPH05331968A - 角形鋼コラムとその製造方法 - Google Patents

角形鋼コラムとその製造方法

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JPH05331968A
JPH05331968A JP14303692A JP14303692A JPH05331968A JP H05331968 A JPH05331968 A JP H05331968A JP 14303692 A JP14303692 A JP 14303692A JP 14303692 A JP14303692 A JP 14303692A JP H05331968 A JPH05331968 A JP H05331968A
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square
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Masaaki Hirota
正昭 廣田
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OSAKA TOKUSHU KOKAN SEIZOSHO K
OSAKA TOKUSHU KOKAN SEIZOSHO KK
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OSAKA TOKUSHU KOKAN SEIZOSHO K
OSAKA TOKUSHU KOKAN SEIZOSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 極厚大口径で高負荷構造材としての信頼性に
優れた角形鋼コラムを、容易に、高い寸法精度、低コス
トで製造する方法を提供する。 【構成】 厚さ16mm以上の鋼板4を温度500℃以
上の温度において雄型2と雌型1の間で挟圧して、曲が
り部の外側半径が鋼板厚さの4倍以下となる断面コ字状
に熱間成形し、この成形鋼材40の一対を対向する両側
縁で溶接して角筒状とする角型鋼コラム6の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高層ビル用鉄骨柱等の
高負荷構造材として有用な角形鋼コラムとその製造方法
に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】近年、超高層ビル等の背が高く
且つ大型の建造物が増加しており、これに伴って鉄骨柱
等の構造材に使用される角形鋼コラムとして、高負荷に
耐える極厚大口径のものが必要になっている。従来、ビ
ル用鉄骨柱等に使用される角形鋼コラムとしては、図1
1の如き板張り工法により4枚の鋼板11a,11a、
11b,11bを溶接した四面ボックスコラム11、図
12の如き冷間成形加工で得られる一対の断面コ字状の
鋼材12a,12aを対向する両側縁で溶接したツーシ
ーム型冷間コラム12、図13の如き一枚の鋼板を複数
次の冷間成形加工で角形に曲成して突き合わせ側縁で溶
接したワンシーム型冷間コラム13が知られる。
【0003】しかるに、上記のツーシーム型やワンシー
ム型の冷間コラム12,13は、加工時の残留応力によ
り曲げ部位の靱性が低下すること等から極厚大口径に設
定できず、一般に肉厚32mm以下で700mm角以下
のものに限られ、しかも肉厚になるほど曲がり部の曲率
半径を小さく設定できないという問題があり、高層ビル
用構造材として利用できなかった。従って、高層及び超
高層ビルの鉄骨柱等の高負荷構造材には、専ら厚み及び
口径の制約が少なく極厚大口径に設定できる四面ボック
スコラム11が使用されている。しかしながら、この四
面ボックスコラム11は、4枚の鋼板11a…を溶接す
ることから溶接線長が非常に長くなり、それだけ製造に
手間がかかり高コストに付き、また溶接部が多いために
強度面で信頼性に劣ると共に高い寸法精度に設定しにく
いという難点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の状況に
鑑み、高負荷構造材としての信頼性に優れ、特に極厚大
口径で曲がり部の曲率半径が小さくとも充分な実用的強
度特性を保持し得る角形鋼コラムと、これを容易に高い
寸法精度で且つ低コストで製造する方法を提供すること
を目的としている。
【0005】上記目的を達成するために、請求項1に係
る発明は、16mm以上の肉厚を有する断面コ字状の一
対の熱間成形鋼材が対向する両側縁で溶接されてなる角
形鋼コラムを要旨としている。
【0006】同様目的において、請求項2に係る発明
は、上記請求項1の熱間成形鋼材の断面コ字状を構成す
る2ヵ所の曲がり部の外面側が、肉厚の4倍以下のアー
ル半径である角形鋼コラムを要旨としている。
【0007】また請求項3に係る発明は、厚さ16mm
以上の鋼板を500℃以上の温度において雄型と雌型の
間で挟圧して、曲がり部の外側アール半径が鋼板厚さの
4倍以下となる断面コ字状に熱間成形し、この成形鋼材
の一対を対向する両側縁で溶接して角筒状とする角型鋼
コラムの製造方法を要旨としている。
【0008】請求項4に係る発明は、上記請求項3の角
型鋼コラムの製造方法において、溝形をなす雌型の開口
両側縁部に、成形用鋼板の表面に転接するガイドロール
が配置されてなる構成を採用したものである。
【0009】請求項5に係る発明は、上記請求項3又は
4の角型鋼コラムの製造方法において、成形鋼材の曲げ
部に対応する雌型のコーナー部が、成形の最終段階で該
成形鋼材の表面との間に余剰空間を生じる形状である構
成を採用したものである。
【0010】
【発明の細部構成と作用】本発明の角形鋼コラムは、断
面コ字状の一対の熱間成形鋼材が対向両側縁で溶接され
てなる肉厚16mm以上のものであり、熱間成形品であ
るために残留応力が極めて少なく、曲げ部位の靱性が高
く機械的特性に優れ、高層及び超高層ビルの鉄骨柱等の
高負荷構造材として非常に高い信頼性を具備する。
【0011】ここで、上記の肉厚が16mm未満(規格
上は14mm以下となる)の場合は、冷間成形鋼材を用
いた鋼コラムでも実用的に支障がないため、本発明のよ
うに熱間成形鋼材を用いる利点に乏しく熱間成形に要す
るエネルギーコスト面より却って不経済である。しかる
に、上記の肉厚が16mmである場合は、熱間成形鋼材
を用いることにより、シャルピー吸収エネルギーで表さ
れる耐衝撃性等の機械的特性が冷間成形鋼材を用いたも
のに比較して飛躍的に向上することが判明している。従
って、従来の冷間成形鋼材を用いた角形鋼コラムの使用
可能な肉厚範囲つまり32mm以下の肉厚範囲でも、本
発明品は、強度面で格段に高い信頼性を具備することか
ら充分な有用性がある。
【0012】なお、本発明の角形鋼コラムは、通常、口
径が300〜1800mm程度、長さが4〜12m程度
に設定されるが、特に肉厚30mm以上で口径600m
m角以上の極厚大口径のものとして非常に有用である。
【0013】一方、角形鋼コラムは、高層ビルや超高層
ビル等を始めとする大型建造物の柱や梁等に利用する上
で、角部の曲率半径ができるだけ小さいことが望まし
い。しかるに、従来の冷間成形鋼材を用いた肉厚16m
m以上(ただし、実用上は既述のように32mm以下)
の角形鋼コラムでは、曲がり部の曲率が大きいほど加工
時の残留応力により曲げ部位の靱性が低下することか
ら、比較的良好な耐衝撃性を備えた実用製品として採用
できるのは曲がり部の外側アール半径が一般に肉厚の5
倍(5tR)以上のものに限られ、このために使用部位
等に大きな制約を受け、構築物の設計上から使用できな
い場合がある。この点、本発明の角形鋼コラムでは、肉
厚32mmを遙かに越える超厚のものでも、曲がり部の
外側アール半径が肉厚の4倍(4tR)以下といった小
さな曲率半径に設定して、充分な耐衝撃性が得られるか
ら、従来の四面ボックスコラムとほぼ同等の汎用性を確
保できる。
【0014】このような角形鋼コラムに用いる断面コ字
状の熱間成形鋼材を製作するには、厚さ16mm以上の
鋼板を、500℃以上の温度において雄型と雌型の間で
挟圧して断面コ字状に熱間成形すればよい。このとき、
鋼板の温度が500℃より低い場合は曲げ部位の残留応
力が大きくなり高負荷構造材としての信頼性が低下す
る。なお、この信頼性より最適な加工時の鋼板温度は7
00〜900℃程度である。また構造材としての有用性
の面から、この熱間成形による曲げ部の外側アール半径
は肉厚の4倍以下に設定するのがよい。
【0015】しかして、鋼板の温度を上記のように設定
するには、成形型自体に加熱機構を付設してもよいが、
その場合には成形装置構成が複雑となり、設備コストが
非常に高くつくため、好適には、予め加熱炉中で該鋼板
を加熱し、この加熱後の鋼板が500℃以上の温度を保
持する状態で成形する手段を採用するのがよい。この加
熱炉中での加熱温度は、炉中からの取出しより成形開始
までの経過時間と母材鋼板の厚みによって異なるが、一
般的には850〜900℃程度である。
【0016】熱間成形に用いる成形型としては、特に限
定されないが、雌型を溝形、雄型を該溝形に遊嵌する筒
枠状とし、下位に配置する一方の型上に鋼板を配置し、
その上方から他方の型を圧接して徐々に鋼板を湾曲さ
せ、最終的に雌型と雄型の間で該鋼板を挟圧して内面側
が雄型の外形に沿う断面コ字状に曲成する方式のものが
好適である。しかして、この場合に雌型の開口両側縁部
に鋼板の表面に転接するロールを配置すれば、鋼板の外
面側が雌型の開口縁に擦過させることなく上記湾曲が進
行するため、鋼板外面側の損傷が回避される。
【0017】また、この成形過程では、雄型が雌型内に
ある程度まで嵌入すると、鋼板はU字状の断面形状とな
って両側部が雄型の側面にほぼ密接する状態になるが、
幅方向中間部は略円弧状をなして雄型に接しておらず、
次いで該中間部の外面側が雌型の底面に接した段階から
上記の円弧状が偏平化されてゆき、最終的に該中間部が
内外両面で雄型と雌型の対向面に密着して平板状とな
る。従って、上記の中間部は円弧状から平板状に変化す
る過程で幅方向長さが短縮することになるから、雌型が
雄型の外面形状に対応した内面形状である場合、成形品
の底部つまり上記中間部が厚肉になる一方、曲げ部が引
き伸ばされて薄肉になり、この加工により曲げ部の靱性
低下ひいては角形鋼コラムとしての強度低下をきたす。
【0018】しかるに、鋼材の曲げ部に対応する雌型の
コーナー部を、成形の最終段階で該鋼材表面との間に余
剰空間を生じる形状に設定すれば、上記の中間部が円弧
状から平板状に変化する過程で、その長さ短縮に伴う両
側の余り部分が該コーナー部側へ移動し、もって成形品
の曲げ部の薄肉化が回避される。
【0019】
【実施例】次に、本発明に係る角型鋼コラムの製造方法
の一実施例に付き、図1〜図4を参照して説明する。図
1において、1は雌形であり、底板1a上に左右一対の
側板1b、1bが垂直状態に溶接固着されて上向きに開
放した溝形をなし、両側板1b、1bの外側に多数枚の
幅方向に沿う縦形補強板1cが型長手方向の所定間隔置
きに溶接固着されている。2は雌型1の上方に配置して
昇降駆動する雄型であり、下板部2a及び上板部2bと
左右側板部2c,2cとで略角筒状に構成され、内側に
は複数枚の幅方向に沿う補強板2dが所定間隔置きに配
置され、下部両側のコーナー部20がアール状をなして
いる。3はガイドロールであり、雌型1の両側板1b、
1bの頂部に構成された各段部10に、その周面上側が
雌型1よりも高く、且つ周面内側が側板1bの表面と略
同位置となる状態で遊転自在に配置されている。
【0020】成形を行うには、厚さ16mm以上の鋼板
4を予め加熱炉(図示省略)中で加熱し、この加熱後の
鋼板4を図1の如く雌型1上に位置決めして載置する。
このとき、鋼板4は両側のガイドロール3,3にて支承
されている。しかして、鋼板4が500℃以上の温度を
保持する状態で雄型2を下降させて圧接し、更に雄型2
の下降を続行する。これにより、鋼板4は、両ガイドロ
ール3,3に転接しつつ、図1の仮想線に示すように次
第に湾曲度を深めるように変形してゆき、更に図2に示
すように、幅方向の中間部4aが円弧状をなして両側部
4b,4bを雄型2の側面にほぼ密接させた断面U字状
の形態で、雄型2と共に雌型1内に持ち込まれる。そし
て、中間部4aの外面側が雌型1の内底面に接した段階
から、雄型2の下降に伴って該中間部4aが円弧状から
偏平に変化してゆき、最終的に該中間部4aの両面が両
型1,2の表面に密接して成形が終了し、鋼板4は断面
コ字状の成形鋼材40(図4参照)となる。
【0021】なお、上記の中間部4aが円弧状から偏平
に変化する過程ではその幅方向長さが短縮するが、雄型
2の下部両側のコーナー部20がアール状であるのに対
し、これに対向する雌型2のコーナー部が直角であるた
め、図3の如く余剰空間5ができ、上記形状変化に伴っ
て中間部4aの両側が図3の矢印yの如くコーナー側へ
移動し、もって曲げ部4cの引き伸ばしによる薄肉化が
回避される。
【0022】かくして成形した断面コ字状の成形鋼材4
0は、雄型2を上方へ離脱させた上で雌型1から取り外
す。なお、言うまでもなく雌型1の両内側面と雄型2の
両外側面は共に型抜きのために僅かに上拡がりに傾斜し
ており、従って成形直後の成形鋼材40の両側部4b,
4bも上拡がりに若干傾斜しているが、冷却によって両
側部4b,4bは垂直になる。また、成形鋼材40が非
常に大重量であるため、雌型1から離脱を容易にする目
的で、予め鋼板4の端面に鉤形や把手形等の係止片を溶
接しておき、成形後に該係止片にワイヤー掛けして吊り
上げるようにしてもよい。
【0023】かくして、雌型1から取り出した成形鋼材
40は、図4に示すように、その2本を突き合わせた状
態で対向する両縁部を内外から溶接7することにより、
極厚大口径の角形鋼コラム6となる。
【0024】次に、母材の鋼板4として共に汎用性の高
いJIS G 3106 SM490B鋼種である住友
金属工業(株)鹿島製鉄所製の50mm鋼板(幅143
0mm,長さ4.200mm)及び80mm鋼板(幅1
380mm,長さ4200mm )を使用し、上記方法
において雄型2の下部両側のコーナー部20を半径10
0mmのアールに設定し、鋼板温度700℃にて熱間成
形し、得られた成形鋼板40の2本を前記同様に溶接す
ることにより、肉厚50mm,800mm角の角形鋼コ
ラムと、肉厚80mm,800mm角の角形鋼コラムを
製造した。
【0025】これらの角形鋼コラムについて、各種の寸
法精度を測定すると共に、成形鋼材40の状態における
底部(中間部4a…図4のB位置),R中心部(曲げ部
4c…図4のRO位置),R止まり部(曲げ部4cと中
間部4aとの境界部…図4のRS位置)の板厚を測定し
た。その結果を、寸法精度については寸法許容値(ボッ
クスコラム規格の値)と共に表1に示し、板厚について
は母材の対応位置の板厚とこれに対比した板厚減少と共
に表2に示す。なお、表1中の「辺の長さ」項のA辺は
非溶接側(図4の中間部4a)、B辺は溶接側である。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】上記の表1及び表2より、本発明の方法に
よって製造される極厚大口径の角形鋼コラムは、寸法精
度が高く、且つ成形による各部の板厚減少(変動)が極
めて少ないことが判る。
【0029】次に、前記の肉厚50mm及び80mmの
角形鋼コラムについて、成形鋼材40の底部、R中心
部、R止まり部の各部位より、L方向(長手方向)及び
C方向(横断方向)に沿う試験片(JIS 6号及びJ
IS 1B号の規定形状)を表面部と1/2t(厚み)
位置と全厚の各3点ずつ採取し、降伏点、引張強さ、伸
び、絞り(幅絞り)の性能試験を行った。その結果を母
材の測定値及び材料規格値(JIS G 3106 S
M490B値)と共に図5〜図8に示す。
【0030】また、上記の両角形鋼コラムについて、同
じく前記成形鋼材40の底部、R中心部、R止まり部の
各部位より、L方向,C方向,Z方向(厚み方向)に沿
う試験片(JIS 4号…2V,10×10×55)を
表面部と1/2t位置と裏面部の各3点ずつ採取し、シ
ャルピー吸収エネルギー(0℃…衝撃試験)を測定し
た。その結果を母材の測定値と共に図9及び図10に示
す。
【0031】図5〜図8より、本発明の方法によって製
造される極厚大口径の角形鋼コラムは、底部、R中心
部、R止まり部の全ての部位において各方向及び各厚み
方向位置共に各種機械的特性が材料規格値を充分に上回
り、極めて高性能であることが明らかである。また図9
及び図10より、耐衝撃性に関しても各部位の各方向及
び各厚み方向位置の殆どで母材時の性能を充分に維持し
ていることが判る。
【0032】一方、前記の50mm鋼板を母材とし、図
1及び図2に示す成形装置における雄型2の下部両側の
コーナー部20のアール半径が異なるものを使用し、室
温での冷間成形により、それぞれ曲がり部の外側アール
半径Rを150mm(肉厚tの3倍…3tR)、200
mm(同4倍…4tR)、250mm(同5倍…5t
R)に設定した断面コ字状の成形鋼材を製作し、その各
2本を用いて前記同様に溶接して角形鋼コラムを製造し
た。そして、これら鋼コラムのR中心部より、L方向に
沿う試験片(前記同様)を表面部と1/2t位置と裏面
部の各3点ずつ採取し、シャルピー吸収エネルギー(0
℃…衝撃試験)を測定した。その結果を図9の左欄(L
方向の特性)に、各外側アール半径Rの符号(3tR〜
4tR)を付けて示す。
【0033】この図より、冷間成形による成形鋼材を用
いた角形鋼コラムは、曲がり部の外側アール半径Rを肉
厚tの3倍としたものでは該曲がり部の耐衝撃性が材料
規格値を大きく下回るために全く実用に供し得ず、同4
倍としたものでも材料規格値の限界に近く実用性がある
とは言えず、同5倍としたものでは漸く材料規格値を越
えるが、母材の特性を遙かに下回っており、実用製品と
しては信頼性が不充分であることが判る。これに対し、
熱間成形による成形鋼材を用いた角形鋼コラムでは、曲
がり部の外側アール半径Rが肉厚tの3倍と小さいもの
でも、該曲がり部の耐衝撃性は母材の特性を維持してお
り、極めて高い実用性を具備することが判る。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、高層及び超高
層ビルの鉄骨柱等の高負荷構造材としての信頼性に優れ
た製造容易な角形鋼コラム、特に極厚大口径の角形鋼コ
ラムを提供できる。
【0035】請求項2の発明によれば、特に曲げコーナ
ー部の曲率が小さく汎用性の高い極厚の角形鋼コラムと
して、該曲げコーナー部の耐衝撃性が大きく充分な機械
的強度を備えるものを提供できる。
【0036】請求項3の発明によれば、高負荷構造材に
適する極厚大口径の角形鋼コラムとして、成形後の残留
応力が小さく曲げ部位の靱性に優れ、高い機械的特性及
び寸法精度を具備するものを容易に且つ確実に製造でき
る。
【0037】請求項4の発明によれば、特に熱間成形時
に鋼材外面側に傷を生じにくく、且つ成形性が著しく向
上するという利点がある。
【0038】請求項5の発明によれば、特に熱間成形時
の曲げ部位の薄肉化を防止でき、機械的特性が極めて高
く、より信頼性に優れる極厚大口径の角形鋼コラムを製
造できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る角形鋼コラムの製造
方法の熱間成形工程の初期段階を示す縦断側面図。
【図2】 同熱間成形工程の後期段階を示す縦断側面
図。
【図3】 同熱間成形工程の最終段階を拡大して示す縦
断側面図。
【図4】 同実施例により製造した角形鋼コラムの横断
面図。
【図5】 同実施例により製造した肉厚50mmの角形
鋼コラムの降伏点及び引張強さの特性図。
【図6】 同実施例により製造した肉厚50mmの角形
鋼コラムの伸び及び絞りの特性図。
【図7】 同実施例により製造した肉厚80mmの角形
鋼コラムの降伏点及び引張強さの特性図。
【図8】 同実施例により製造した肉厚80mmの角形
鋼コラムの伸び及び絞りの特性図。
【図9】 同実施例により製造した肉厚50mmの角形
鋼コラムのシャルピー吸収エネルギー特性図。
【図10】 同実施例により製造した肉厚80mmの角
形鋼コラムのシャルピー吸収エネルギー特性図。
【図11】 従来の四面ボックスコラムの横断面図。
【図12】 従来のワンシーム型冷間コラムの横断面
図。
【図13】 従来のツーシーム型冷間コラムの横断面
図。
【符号の説明】
1 雌型 2 雄型 3 ガイドロール 4 鋼板 4a 中間部 4b 側部(側片) 4c 曲げ部 5 余剰空間 6 角形成形コラム 7 溶接 40 成形鋼材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 16mm以上の肉厚を有する断面コ字状
    の一対の熱間成形鋼材が対向する両側縁で溶接されてな
    る角形鋼コラム。
  2. 【請求項2】 熱間成形鋼材の断面コ字状を構成する2
    ヵ所の曲がり部の外面側が、肉厚の4倍以下のアール半
    径である請求項1記載の角形鋼コラム。
  3. 【請求項3】 厚さ16mm以上の鋼板を500℃以上
    の温度において雄型と雌型の間で挟圧して、曲がり部の
    外側アール半径が鋼板厚さの4倍以下となる断面コ字状
    に熱間成形し、この成形鋼材の一対を対向する両側縁で
    溶接して角筒状とする角型鋼コラムの製造方法。
  4. 【請求項4】 溝形をなす雌型の開口両側縁部に、成形
    用鋼板の表面に転接するガイドロールが配置されてなる
    請求項3記載の角型鋼コラムの製造方法。
  5. 【請求項5】 成形鋼材の曲がり部に対応する雌型のコ
    ーナー部が、成形の最終段階で該成形鋼材の表面との間
    に余剰空間を生じる形状である請求項3又は4に記載の
    角型鋼コラムの製造方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103231190A (zh) * 2013-04-26 2013-08-07 四川华通特种工程塑料研究中心有限公司 高效率u型钢的焊接装置
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