JPH0533062A - 無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH0533062A
JPH0533062A JP20886791A JP20886791A JPH0533062A JP H0533062 A JPH0533062 A JP H0533062A JP 20886791 A JP20886791 A JP 20886791A JP 20886791 A JP20886791 A JP 20886791A JP H0533062 A JPH0533062 A JP H0533062A
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JP
Japan
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steel sheet
annealing
silicon steel
finish annealing
magnetic field
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JP20886791A
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Inventor
Masao Iguchi
征夫 井口
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 けい素鋼スラブに熱間圧延を行った後、熱延
板焼鈍に次ぐ1回又は中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延
を行って最終板厚としたのち、仕上げ焼鈍を施す無方向
性電磁鋼板の製造方法において、上記仕上げ焼鈍時の少
なくとも回復ないし再結晶の初期段階に、鋼板の圧延方
向に磁場を印加する。 【効果】 集合組織がランダムし、磁気特性の優れた無
方向性電磁鋼板を安定して製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、無方向性電磁鋼板、
特に鉄損が著しく低い無方向性電磁鋼板を有利に製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無方向性電磁鋼板なかでも低鉄損の高級
無方向性電磁鋼板は、大型回転機の磁心材料等に主とし
て使用されている。かかる無方向性電磁鋼板に関して
は、JISC 2552で規定されていて、最高級グレード:S 9
では、板厚0.50 mm のもので鉄損W15/50が2.9 W/kg以
下、板厚0.35 mm のもので鉄損W15/50が2.4 W/kg以下と
規定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、コストの低減及
び大型回転機の高効率化への要請が高まって、磁心材料
についても見直しが図られつつあり、上記JIS C 2552で
規定されているS 9 よりも優れた磁気特性を有するS 8
グレード以上といった、より高級な無方向性電磁鋼板が
要求されるようになった。
【0004】このような高級無方向性電磁鋼板を製造す
べく、従来から素材成分の限定、冷間圧延後の再結晶集
合組織の見直しに重点をおいて種々検討が行われてきた
が、満足できる鉄損特性は得られていないのが現状であ
った。というのは、成分調整による鉄損低減化には自ず
と限界があり、また目標とする再結晶集合組織を安定し
て得ることが困難であったからである。また無方向性電
磁鋼板は通常、冷間圧延を施して得られるわけである
が、特に圧下率50%以上で圧延した場合には、次工程の
焼鈍における再結晶段階で{111 }面の結晶の集積度が
高くなり過ぎて、結果として磁気特性を劣化を招くこと
が、従来からの懸案となっていた。
【0005】この発明は、上記の問題を有利に解決する
もので、鉄損が著しく低い無方向性電磁鋼板を安定して
製造し得る方法を提案することがその目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、C:0.01wt
%(以下単に%で示す)以下、Si:2.0 〜4.0 %、Al:
0.1 〜2.0 %、S:0.01%以下及びN:0.00%以下を含
むけい素鋼スラブに熱間圧延を行った後、熱延板焼鈍に
次ぐ1回又は中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延を行って
最終板厚としたのち、仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼
板の製造方法において、上記仕上げ焼鈍時の少なくとも
回復ないし再結晶の初期段階に、鋼板の圧延方向に磁場
を印加することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方
法である。
【0007】発明者らは、上記課題を有利に解決して、
安定した工程で低鉄損の製品を得るには、出発材から最
終製造工程に至る製造全般にわたる根本的な再検討が必
要であるとの認識に立脚し、種々検討を重ねるなかで集
合組織の観察につき、これまで常用されていたX線回折
法やエッチピット法に代えて、微小領域の結晶方位やひ
ずみ量を手軽に測定できる透過コッセル装置〔井口征
夫,清水洋,嶋中浩:川鉄技報:12(1980), P.297 、井
口征夫:鉄と鋼, 70 (1984),p.2033、Y.Inokuti,C.Maed
a and Y.Ito:Trans.ISIJ, 25(1985), p.233 、井口征
夫:日本金属学会会報,27(1988),p.250及び井口征夫:
バウンダリー6(1990),No.6,p.32参照〕を用いてみた。
ここに上記の透過コッセル法は5〜20μm の微小領域の
結晶方位やひずみ量を正確に測定できるだけでなく、さ
らにこれらの情報と画像処理とを組合せたコンピュータ
・カラーマッピングとして表示すれば、各工程での微小
領域における情報を詳細に知ることが可能であり、その
利点を活用して一方向性けい素鋼板の二次再結晶挙動に
関し多数の新規知見を得ることができたことは、発明者
が先に特願平2-336439 号明細書に述べたとおりであ
る。
【0008】そこで発明者らは、前述のコッセル法を無
方向性電磁鋼板の各工程に適用して、再結晶粒の結晶方
位を測定しながら、鋭意実験を重ねた結果、冷間圧延後
の仕上げ焼鈍の際の回復、再結晶の初期段階に、鋼板の
圧延方向に磁場を印加することによって、{hk0 }〜
{110 }〈001 〉方位の集積度が高くなり、結果として
{111 }面方位の集積度を弱くすることができ、全体と
して集合組織のランダム化を図り、磁気特性の優れた無
方向性電磁鋼板を製造することが可能であることを見出
し、この発明を完成するに至ったのである。
【0009】この発明を導くに到った実験結果について
説明する。C:0.023 %、Si:3.14%、S:0.0015%、
Al:1.05%、Mn:0.13%及びN:0.016 %を含み、残部
は鉄及び不可避的不純物からなる鋼スラブを熱間圧延
後、930 ℃で150 秒の熱延板焼鈍を施し、次いで冷間圧
延を施して板厚0.5 mmの冷延板とした。引き続き1000℃
で20秒の仕上げ焼鈍を、その際鋼板の回復、再結晶初期
段階(400 〜800 ℃の範囲)に圧延方向に磁場を450 ガ
ウス印加して行った。かくして得られた鋼板の磁気特
性:B50(T)、W15/50(W/kg)を、磁場を印加しない場
合と比較して表1に示す。
【0010】
【0011】表1から明らかなように、磁場印加材で
は、仕上焼鈍後の磁気特性が極めて良好であることが注
目される。この理由について調査するために、X線回折
を用いて磁場の印加の有無による結晶面強度を比較して
調べた。その結果を図1に示す。同図から明らかなよう
に、磁場を印加しない製品板では(111) 面が強いのに対
して、この磁場を印加した製品板では(200) 、(110) 面
強度が強くなっていることが注目される。すなわち磁場
の印加によって圧延方向に{111 }〈112 〉及び{111
}〈110 〉方位の結晶粒が少なくなり、{100 }〜{h
k0 }〜{110 }〈001 〉方位の結晶粒が優先成長して
いることによってランダム化を図ることができ、磁気特
性が向上したと解釈される。
【0012】このような実験事実は従来は全く知られて
いないものであり、また磁場の印加によって集合組織を
直接変化させるので磁気特性の向上効果が大きく、この
発明は、従来の公知文献に比較して、また発想の点にお
いて極めて新規なものである。
【0013】
【作用】この発明の素材である含けい素鋼の成分組成に
ついて述べる。 C:0.01%以下 Cは、磁気特性を劣化させる成分で、0.01%を超えて含
有すると炭化物が析出して鉄損を増大させ、また磁気時
効(磁気余効)を生じるので0.01%以下とする。鉄損を
低くするための好ましい含有量は、0.005 %以下であ
る。 Si:2.0 〜4.0 % Siは、けい素鋼の固有抵抗を高めて渦電流損を減らして
鉄損を低下させるので2.0 %以上含有される。しかしそ
の含有量が多くなると鋼をぜい化し、冷間圧延性を劣化
させるので4.0 %以下とする。 Al:0.1 〜2.0 % Alは、鋼の固有抵抗を高め前記Siと同様に鉄損を低下さ
せる作用があり、その作用を発揮させるためには0.1 %
以上望ましくは0.3 %以上が必要である。一方その含有
量が増すと鋼をぜい化させるので上限を1.5 %とする。 S:0.01%以下、Sは、鋼のマトリックス中に微細な硫
化物を形成して、鉄損を劣化させるので0.01%以下、望
ましくは0.005 %以下とする。 N:0.00%以下 Nは、磁気特性を劣化させる成分であるので、0.006 %
以下望ましくは0.004%以下に抑制するものとする。 Mnは、加工性向上のために有効な成分であり、かかる加
工性向上のために含有させてもよいが、0.1 %に満たな
いと加工性が悪く、一方1.0%を超えると熱間加工性を
劣化させるうれいがあるので、0.1 〜1.0 %の範囲が好
適である。なお、不可避的に含まれる不純物成分は、少
ないほど好ましい。
【0014】前記成分を含有する鋼スラブは、転炉また
は電気炉、その他公知の製鋼法を用いて溶製された後、
連続鋳造あるいは造塊−分塊圧延により製造される。得
られた鋼スラブは、公知の方法で加熱され、次いで厚み
1.0 〜3.5 mmの板に熱間圧延される。熱間圧延後には、
例えば800 〜1050℃で熱延板焼鈍を行い、次いで1回の
冷間圧延により最終板厚例えば0.35〜0.5 mmにするか、
あるいは熱延板焼鈍は施さずに中間焼鈍をはさみ2回以
上の冷間圧延により最終板厚にする。
【0015】次いで仕上げ焼鈍を施す。この仕上げ焼鈍
は、900 〜1200℃に加熱し、この温度で5秒〜15分間均
熱することで行う。加熱温度が900 ℃に満たないと、結
晶粒が小さいままで、鉄損が劣化するので900 ℃以上と
する。一方加熱温度があまりにも高温になると鋼板の内
部酸化が進行し、磁気特性の劣化を招くために上限を12
00℃とする。また均熱時間は5秒未満では鉄損の向上が
少なく、一方15分を超えると雰囲気ガスが非酸化性とい
えども内部酸化を生じることがあるので15分以下とす
る。
【0016】この発明においては、仕上げ焼鈍の際の回
復、再結晶初期段階に鋼板の圧延方向に磁場を印加する
ことが必須要件である。この磁場の印加方法は、鋼板の
通板に沿ってコイルを使用する等、従来公知の方法を採
用すればよく、またそのときの磁場は20〜20000 ガウス
程度が最適である。
【0017】このような磁場印加処理をした後、場合に
よっては特公昭62-61087号公報あるいは特開平2-11802
0 号公報で開示されているように、仕上げ焼鈍後、酸化
被膜を除去し、あるいは研削、研磨して次いで再び焼鈍
してもよい。ちなみに表1の材料について仕上げ焼鈍
後、研削、研磨して次いで再び焼鈍したところ、B50
1.70(T)、W15/50が1.85(W/kg)の極めて良好な特性を
示した。
【0018】仕上げ焼鈍後あるいは上記の追加処理後の
鋼板表面にりん酸、ほう酸、酸化マグネシウム、酸化ア
ルミニウム、クロム酸、コロイド状シリカ等の耐熱性絶
縁被膜を形成する溶液を塗布し、乾燥後、前記熱処理を
施すことによって鉄損はさらに向上する。
【0019】
【実施例】C:0.0029%, Si:3.16%, Mn:0.23%, A
l:1.0 %, S:0.002%およびN:0.0031%を含有し、
残部は実質的にFeの組成になるけい素鋼スラブに、熱間
圧延を施した後、 950℃で60秒の熱延板焼鈍を施した
後、冷間圧延を施して厚み0.50mmの冷延板を得た。その
後1030℃で30秒の仕上げ焼鈍を、その回復・再結晶段階
(400 〜800 ℃)にて1500ガウスの磁場を圧延方向に印
加しつつ行った。 かくして得られた製品の磁気特性は
50が1.68(T)、W15/50が2.00(W/kg)の良好な特性
を示した。
【0020】
【発明の効果】この発明の無方向性電磁鋼板の製造方法
は、仕上げ焼鈍の回復・再結晶初期段階にて該鋼板の圧
延方向に磁場を印加することにより、{111}面の集積
度を弱め、かわりに{hk0 }〜{110 }〈001 〉方位の
集積を強化して全体にランダム化を図り、磁気特性を向
上させることができる。この発明は、従来とは全く異な
った方法により無方向性電磁鋼板の製造を意図している
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、X線回折を用いて調べた、磁場の印加
の有無による結晶面強度を比較して示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 C:0.01wt%以下、 Si:2.0 〜4.0 wt%、 Al:0.1 〜2.0 wt%、 S:0.01wt%以下及び N:0.00wt%以下 を含むけい素鋼スラブに熱間圧延を行った後、熱延板焼
    鈍に次ぐ1回又は中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延を行
    って最終板厚としたのち、仕上げ焼鈍を施す無方向性電
    磁鋼板の製造方法において、 上記仕上げ焼鈍時の少なくとも回復ないし再結晶の初期
    段階に、鋼板の圧延方向に磁場を印加することを特徴と
    する無方向性電磁鋼板の製造方法。
JP20886791A 1991-07-26 1991-07-26 無方向性電磁鋼板の製造方法 Pending JPH0533062A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6340648B1 (en) * 1999-04-13 2002-01-22 Toshiba Ceramics Co., Ltd. Calcium phosphate porous sintered body and production thereof
US6713420B2 (en) 2000-10-13 2004-03-30 Toshiba Ceramics Co., Ltd. Porous ceramics body for in vivo or in vitro use
CN102676748A (zh) * 2012-05-29 2012-09-19 武汉理工大学 一种金属材料软化退火处理方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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