JPH0533062A - 無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
無方向性電磁鋼板の製造方法Info
- Publication number
- JPH0533062A JPH0533062A JP20886791A JP20886791A JPH0533062A JP H0533062 A JPH0533062 A JP H0533062A JP 20886791 A JP20886791 A JP 20886791A JP 20886791 A JP20886791 A JP 20886791A JP H0533062 A JPH0533062 A JP H0533062A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel sheet
- annealing
- silicon steel
- finish annealing
- magnetic field
- Prior art date
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- Pending
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- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 けい素鋼スラブに熱間圧延を行った後、熱延
板焼鈍に次ぐ1回又は中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延
を行って最終板厚としたのち、仕上げ焼鈍を施す無方向
性電磁鋼板の製造方法において、上記仕上げ焼鈍時の少
なくとも回復ないし再結晶の初期段階に、鋼板の圧延方
向に磁場を印加する。 【効果】 集合組織がランダムし、磁気特性の優れた無
方向性電磁鋼板を安定して製造することができる。
板焼鈍に次ぐ1回又は中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延
を行って最終板厚としたのち、仕上げ焼鈍を施す無方向
性電磁鋼板の製造方法において、上記仕上げ焼鈍時の少
なくとも回復ないし再結晶の初期段階に、鋼板の圧延方
向に磁場を印加する。 【効果】 集合組織がランダムし、磁気特性の優れた無
方向性電磁鋼板を安定して製造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、無方向性電磁鋼板、
特に鉄損が著しく低い無方向性電磁鋼板を有利に製造す
る方法に関するものである。
特に鉄損が著しく低い無方向性電磁鋼板を有利に製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無方向性電磁鋼板なかでも低鉄損の高級
無方向性電磁鋼板は、大型回転機の磁心材料等に主とし
て使用されている。かかる無方向性電磁鋼板に関して
は、JISC 2552で規定されていて、最高級グレード:S 9
では、板厚0.50 mm のもので鉄損W15/50が2.9 W/kg以
下、板厚0.35 mm のもので鉄損W15/50が2.4 W/kg以下と
規定されている。
無方向性電磁鋼板は、大型回転機の磁心材料等に主とし
て使用されている。かかる無方向性電磁鋼板に関して
は、JISC 2552で規定されていて、最高級グレード:S 9
では、板厚0.50 mm のもので鉄損W15/50が2.9 W/kg以
下、板厚0.35 mm のもので鉄損W15/50が2.4 W/kg以下と
規定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、コストの低減及
び大型回転機の高効率化への要請が高まって、磁心材料
についても見直しが図られつつあり、上記JIS C 2552で
規定されているS 9 よりも優れた磁気特性を有するS 8
グレード以上といった、より高級な無方向性電磁鋼板が
要求されるようになった。
び大型回転機の高効率化への要請が高まって、磁心材料
についても見直しが図られつつあり、上記JIS C 2552で
規定されているS 9 よりも優れた磁気特性を有するS 8
グレード以上といった、より高級な無方向性電磁鋼板が
要求されるようになった。
【0004】このような高級無方向性電磁鋼板を製造す
べく、従来から素材成分の限定、冷間圧延後の再結晶集
合組織の見直しに重点をおいて種々検討が行われてきた
が、満足できる鉄損特性は得られていないのが現状であ
った。というのは、成分調整による鉄損低減化には自ず
と限界があり、また目標とする再結晶集合組織を安定し
て得ることが困難であったからである。また無方向性電
磁鋼板は通常、冷間圧延を施して得られるわけである
が、特に圧下率50%以上で圧延した場合には、次工程の
焼鈍における再結晶段階で{111 }面の結晶の集積度が
高くなり過ぎて、結果として磁気特性を劣化を招くこと
が、従来からの懸案となっていた。
べく、従来から素材成分の限定、冷間圧延後の再結晶集
合組織の見直しに重点をおいて種々検討が行われてきた
が、満足できる鉄損特性は得られていないのが現状であ
った。というのは、成分調整による鉄損低減化には自ず
と限界があり、また目標とする再結晶集合組織を安定し
て得ることが困難であったからである。また無方向性電
磁鋼板は通常、冷間圧延を施して得られるわけである
が、特に圧下率50%以上で圧延した場合には、次工程の
焼鈍における再結晶段階で{111 }面の結晶の集積度が
高くなり過ぎて、結果として磁気特性を劣化を招くこと
が、従来からの懸案となっていた。
【0005】この発明は、上記の問題を有利に解決する
もので、鉄損が著しく低い無方向性電磁鋼板を安定して
製造し得る方法を提案することがその目的である。
もので、鉄損が著しく低い無方向性電磁鋼板を安定して
製造し得る方法を提案することがその目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、C:0.01wt
%(以下単に%で示す)以下、Si:2.0 〜4.0 %、Al:
0.1 〜2.0 %、S:0.01%以下及びN:0.00%以下を含
むけい素鋼スラブに熱間圧延を行った後、熱延板焼鈍に
次ぐ1回又は中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延を行って
最終板厚としたのち、仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼
板の製造方法において、上記仕上げ焼鈍時の少なくとも
回復ないし再結晶の初期段階に、鋼板の圧延方向に磁場
を印加することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方
法である。
%(以下単に%で示す)以下、Si:2.0 〜4.0 %、Al:
0.1 〜2.0 %、S:0.01%以下及びN:0.00%以下を含
むけい素鋼スラブに熱間圧延を行った後、熱延板焼鈍に
次ぐ1回又は中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延を行って
最終板厚としたのち、仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼
板の製造方法において、上記仕上げ焼鈍時の少なくとも
回復ないし再結晶の初期段階に、鋼板の圧延方向に磁場
を印加することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方
法である。
【0007】発明者らは、上記課題を有利に解決して、
安定した工程で低鉄損の製品を得るには、出発材から最
終製造工程に至る製造全般にわたる根本的な再検討が必
要であるとの認識に立脚し、種々検討を重ねるなかで集
合組織の観察につき、これまで常用されていたX線回折
法やエッチピット法に代えて、微小領域の結晶方位やひ
ずみ量を手軽に測定できる透過コッセル装置〔井口征
夫,清水洋,嶋中浩:川鉄技報:12(1980), P.297 、井
口征夫:鉄と鋼, 70 (1984),p.2033、Y.Inokuti,C.Maed
a and Y.Ito:Trans.ISIJ, 25(1985), p.233 、井口征
夫:日本金属学会会報,27(1988),p.250及び井口征夫:
バウンダリー6(1990),No.6,p.32参照〕を用いてみた。
ここに上記の透過コッセル法は5〜20μm の微小領域の
結晶方位やひずみ量を正確に測定できるだけでなく、さ
らにこれらの情報と画像処理とを組合せたコンピュータ
・カラーマッピングとして表示すれば、各工程での微小
領域における情報を詳細に知ることが可能であり、その
利点を活用して一方向性けい素鋼板の二次再結晶挙動に
関し多数の新規知見を得ることができたことは、発明者
が先に特願平2-336439 号明細書に述べたとおりであ
る。
安定した工程で低鉄損の製品を得るには、出発材から最
終製造工程に至る製造全般にわたる根本的な再検討が必
要であるとの認識に立脚し、種々検討を重ねるなかで集
合組織の観察につき、これまで常用されていたX線回折
法やエッチピット法に代えて、微小領域の結晶方位やひ
ずみ量を手軽に測定できる透過コッセル装置〔井口征
夫,清水洋,嶋中浩:川鉄技報:12(1980), P.297 、井
口征夫:鉄と鋼, 70 (1984),p.2033、Y.Inokuti,C.Maed
a and Y.Ito:Trans.ISIJ, 25(1985), p.233 、井口征
夫:日本金属学会会報,27(1988),p.250及び井口征夫:
バウンダリー6(1990),No.6,p.32参照〕を用いてみた。
ここに上記の透過コッセル法は5〜20μm の微小領域の
結晶方位やひずみ量を正確に測定できるだけでなく、さ
らにこれらの情報と画像処理とを組合せたコンピュータ
・カラーマッピングとして表示すれば、各工程での微小
領域における情報を詳細に知ることが可能であり、その
利点を活用して一方向性けい素鋼板の二次再結晶挙動に
関し多数の新規知見を得ることができたことは、発明者
が先に特願平2-336439 号明細書に述べたとおりであ
る。
【0008】そこで発明者らは、前述のコッセル法を無
方向性電磁鋼板の各工程に適用して、再結晶粒の結晶方
位を測定しながら、鋭意実験を重ねた結果、冷間圧延後
の仕上げ焼鈍の際の回復、再結晶の初期段階に、鋼板の
圧延方向に磁場を印加することによって、{hk0 }〜
{110 }〈001 〉方位の集積度が高くなり、結果として
{111 }面方位の集積度を弱くすることができ、全体と
して集合組織のランダム化を図り、磁気特性の優れた無
方向性電磁鋼板を製造することが可能であることを見出
し、この発明を完成するに至ったのである。
方向性電磁鋼板の各工程に適用して、再結晶粒の結晶方
位を測定しながら、鋭意実験を重ねた結果、冷間圧延後
の仕上げ焼鈍の際の回復、再結晶の初期段階に、鋼板の
圧延方向に磁場を印加することによって、{hk0 }〜
{110 }〈001 〉方位の集積度が高くなり、結果として
{111 }面方位の集積度を弱くすることができ、全体と
して集合組織のランダム化を図り、磁気特性の優れた無
方向性電磁鋼板を製造することが可能であることを見出
し、この発明を完成するに至ったのである。
【0009】この発明を導くに到った実験結果について
説明する。C:0.023 %、Si:3.14%、S:0.0015%、
Al:1.05%、Mn:0.13%及びN:0.016 %を含み、残部
は鉄及び不可避的不純物からなる鋼スラブを熱間圧延
後、930 ℃で150 秒の熱延板焼鈍を施し、次いで冷間圧
延を施して板厚0.5 mmの冷延板とした。引き続き1000℃
で20秒の仕上げ焼鈍を、その際鋼板の回復、再結晶初期
段階(400 〜800 ℃の範囲)に圧延方向に磁場を450 ガ
ウス印加して行った。かくして得られた鋼板の磁気特
性:B50(T)、W15/50(W/kg)を、磁場を印加しない場
合と比較して表1に示す。
説明する。C:0.023 %、Si:3.14%、S:0.0015%、
Al:1.05%、Mn:0.13%及びN:0.016 %を含み、残部
は鉄及び不可避的不純物からなる鋼スラブを熱間圧延
後、930 ℃で150 秒の熱延板焼鈍を施し、次いで冷間圧
延を施して板厚0.5 mmの冷延板とした。引き続き1000℃
で20秒の仕上げ焼鈍を、その際鋼板の回復、再結晶初期
段階(400 〜800 ℃の範囲)に圧延方向に磁場を450 ガ
ウス印加して行った。かくして得られた鋼板の磁気特
性:B50(T)、W15/50(W/kg)を、磁場を印加しない場
合と比較して表1に示す。
【0010】
【0011】表1から明らかなように、磁場印加材で
は、仕上焼鈍後の磁気特性が極めて良好であることが注
目される。この理由について調査するために、X線回折
を用いて磁場の印加の有無による結晶面強度を比較して
調べた。その結果を図1に示す。同図から明らかなよう
に、磁場を印加しない製品板では(111) 面が強いのに対
して、この磁場を印加した製品板では(200) 、(110) 面
強度が強くなっていることが注目される。すなわち磁場
の印加によって圧延方向に{111 }〈112 〉及び{111
}〈110 〉方位の結晶粒が少なくなり、{100 }〜{h
k0 }〜{110 }〈001 〉方位の結晶粒が優先成長して
いることによってランダム化を図ることができ、磁気特
性が向上したと解釈される。
は、仕上焼鈍後の磁気特性が極めて良好であることが注
目される。この理由について調査するために、X線回折
を用いて磁場の印加の有無による結晶面強度を比較して
調べた。その結果を図1に示す。同図から明らかなよう
に、磁場を印加しない製品板では(111) 面が強いのに対
して、この磁場を印加した製品板では(200) 、(110) 面
強度が強くなっていることが注目される。すなわち磁場
の印加によって圧延方向に{111 }〈112 〉及び{111
}〈110 〉方位の結晶粒が少なくなり、{100 }〜{h
k0 }〜{110 }〈001 〉方位の結晶粒が優先成長して
いることによってランダム化を図ることができ、磁気特
性が向上したと解釈される。
【0012】このような実験事実は従来は全く知られて
いないものであり、また磁場の印加によって集合組織を
直接変化させるので磁気特性の向上効果が大きく、この
発明は、従来の公知文献に比較して、また発想の点にお
いて極めて新規なものである。
いないものであり、また磁場の印加によって集合組織を
直接変化させるので磁気特性の向上効果が大きく、この
発明は、従来の公知文献に比較して、また発想の点にお
いて極めて新規なものである。
【0013】
【作用】この発明の素材である含けい素鋼の成分組成に
ついて述べる。 C:0.01%以下 Cは、磁気特性を劣化させる成分で、0.01%を超えて含
有すると炭化物が析出して鉄損を増大させ、また磁気時
効(磁気余効)を生じるので0.01%以下とする。鉄損を
低くするための好ましい含有量は、0.005 %以下であ
る。 Si:2.0 〜4.0 % Siは、けい素鋼の固有抵抗を高めて渦電流損を減らして
鉄損を低下させるので2.0 %以上含有される。しかしそ
の含有量が多くなると鋼をぜい化し、冷間圧延性を劣化
させるので4.0 %以下とする。 Al:0.1 〜2.0 % Alは、鋼の固有抵抗を高め前記Siと同様に鉄損を低下さ
せる作用があり、その作用を発揮させるためには0.1 %
以上望ましくは0.3 %以上が必要である。一方その含有
量が増すと鋼をぜい化させるので上限を1.5 %とする。 S:0.01%以下、Sは、鋼のマトリックス中に微細な硫
化物を形成して、鉄損を劣化させるので0.01%以下、望
ましくは0.005 %以下とする。 N:0.00%以下 Nは、磁気特性を劣化させる成分であるので、0.006 %
以下望ましくは0.004%以下に抑制するものとする。 Mnは、加工性向上のために有効な成分であり、かかる加
工性向上のために含有させてもよいが、0.1 %に満たな
いと加工性が悪く、一方1.0%を超えると熱間加工性を
劣化させるうれいがあるので、0.1 〜1.0 %の範囲が好
適である。なお、不可避的に含まれる不純物成分は、少
ないほど好ましい。
ついて述べる。 C:0.01%以下 Cは、磁気特性を劣化させる成分で、0.01%を超えて含
有すると炭化物が析出して鉄損を増大させ、また磁気時
効(磁気余効)を生じるので0.01%以下とする。鉄損を
低くするための好ましい含有量は、0.005 %以下であ
る。 Si:2.0 〜4.0 % Siは、けい素鋼の固有抵抗を高めて渦電流損を減らして
鉄損を低下させるので2.0 %以上含有される。しかしそ
の含有量が多くなると鋼をぜい化し、冷間圧延性を劣化
させるので4.0 %以下とする。 Al:0.1 〜2.0 % Alは、鋼の固有抵抗を高め前記Siと同様に鉄損を低下さ
せる作用があり、その作用を発揮させるためには0.1 %
以上望ましくは0.3 %以上が必要である。一方その含有
量が増すと鋼をぜい化させるので上限を1.5 %とする。 S:0.01%以下、Sは、鋼のマトリックス中に微細な硫
化物を形成して、鉄損を劣化させるので0.01%以下、望
ましくは0.005 %以下とする。 N:0.00%以下 Nは、磁気特性を劣化させる成分であるので、0.006 %
以下望ましくは0.004%以下に抑制するものとする。 Mnは、加工性向上のために有効な成分であり、かかる加
工性向上のために含有させてもよいが、0.1 %に満たな
いと加工性が悪く、一方1.0%を超えると熱間加工性を
劣化させるうれいがあるので、0.1 〜1.0 %の範囲が好
適である。なお、不可避的に含まれる不純物成分は、少
ないほど好ましい。
【0014】前記成分を含有する鋼スラブは、転炉また
は電気炉、その他公知の製鋼法を用いて溶製された後、
連続鋳造あるいは造塊−分塊圧延により製造される。得
られた鋼スラブは、公知の方法で加熱され、次いで厚み
1.0 〜3.5 mmの板に熱間圧延される。熱間圧延後には、
例えば800 〜1050℃で熱延板焼鈍を行い、次いで1回の
冷間圧延により最終板厚例えば0.35〜0.5 mmにするか、
あるいは熱延板焼鈍は施さずに中間焼鈍をはさみ2回以
上の冷間圧延により最終板厚にする。
は電気炉、その他公知の製鋼法を用いて溶製された後、
連続鋳造あるいは造塊−分塊圧延により製造される。得
られた鋼スラブは、公知の方法で加熱され、次いで厚み
1.0 〜3.5 mmの板に熱間圧延される。熱間圧延後には、
例えば800 〜1050℃で熱延板焼鈍を行い、次いで1回の
冷間圧延により最終板厚例えば0.35〜0.5 mmにするか、
あるいは熱延板焼鈍は施さずに中間焼鈍をはさみ2回以
上の冷間圧延により最終板厚にする。
【0015】次いで仕上げ焼鈍を施す。この仕上げ焼鈍
は、900 〜1200℃に加熱し、この温度で5秒〜15分間均
熱することで行う。加熱温度が900 ℃に満たないと、結
晶粒が小さいままで、鉄損が劣化するので900 ℃以上と
する。一方加熱温度があまりにも高温になると鋼板の内
部酸化が進行し、磁気特性の劣化を招くために上限を12
00℃とする。また均熱時間は5秒未満では鉄損の向上が
少なく、一方15分を超えると雰囲気ガスが非酸化性とい
えども内部酸化を生じることがあるので15分以下とす
る。
は、900 〜1200℃に加熱し、この温度で5秒〜15分間均
熱することで行う。加熱温度が900 ℃に満たないと、結
晶粒が小さいままで、鉄損が劣化するので900 ℃以上と
する。一方加熱温度があまりにも高温になると鋼板の内
部酸化が進行し、磁気特性の劣化を招くために上限を12
00℃とする。また均熱時間は5秒未満では鉄損の向上が
少なく、一方15分を超えると雰囲気ガスが非酸化性とい
えども内部酸化を生じることがあるので15分以下とす
る。
【0016】この発明においては、仕上げ焼鈍の際の回
復、再結晶初期段階に鋼板の圧延方向に磁場を印加する
ことが必須要件である。この磁場の印加方法は、鋼板の
通板に沿ってコイルを使用する等、従来公知の方法を採
用すればよく、またそのときの磁場は20〜20000 ガウス
程度が最適である。
復、再結晶初期段階に鋼板の圧延方向に磁場を印加する
ことが必須要件である。この磁場の印加方法は、鋼板の
通板に沿ってコイルを使用する等、従来公知の方法を採
用すればよく、またそのときの磁場は20〜20000 ガウス
程度が最適である。
【0017】このような磁場印加処理をした後、場合に
よっては特公昭62-61087号公報あるいは特開平2-11802
0 号公報で開示されているように、仕上げ焼鈍後、酸化
被膜を除去し、あるいは研削、研磨して次いで再び焼鈍
してもよい。ちなみに表1の材料について仕上げ焼鈍
後、研削、研磨して次いで再び焼鈍したところ、B50が
1.70(T)、W15/50が1.85(W/kg)の極めて良好な特性を
示した。
よっては特公昭62-61087号公報あるいは特開平2-11802
0 号公報で開示されているように、仕上げ焼鈍後、酸化
被膜を除去し、あるいは研削、研磨して次いで再び焼鈍
してもよい。ちなみに表1の材料について仕上げ焼鈍
後、研削、研磨して次いで再び焼鈍したところ、B50が
1.70(T)、W15/50が1.85(W/kg)の極めて良好な特性を
示した。
【0018】仕上げ焼鈍後あるいは上記の追加処理後の
鋼板表面にりん酸、ほう酸、酸化マグネシウム、酸化ア
ルミニウム、クロム酸、コロイド状シリカ等の耐熱性絶
縁被膜を形成する溶液を塗布し、乾燥後、前記熱処理を
施すことによって鉄損はさらに向上する。
鋼板表面にりん酸、ほう酸、酸化マグネシウム、酸化ア
ルミニウム、クロム酸、コロイド状シリカ等の耐熱性絶
縁被膜を形成する溶液を塗布し、乾燥後、前記熱処理を
施すことによって鉄損はさらに向上する。
【0019】
【実施例】C:0.0029%, Si:3.16%, Mn:0.23%, A
l:1.0 %, S:0.002%およびN:0.0031%を含有し、
残部は実質的にFeの組成になるけい素鋼スラブに、熱間
圧延を施した後、 950℃で60秒の熱延板焼鈍を施した
後、冷間圧延を施して厚み0.50mmの冷延板を得た。その
後1030℃で30秒の仕上げ焼鈍を、その回復・再結晶段階
(400 〜800 ℃)にて1500ガウスの磁場を圧延方向に印
加しつつ行った。 かくして得られた製品の磁気特性は
B50が1.68(T)、W15/50が2.00(W/kg)の良好な特性
を示した。
l:1.0 %, S:0.002%およびN:0.0031%を含有し、
残部は実質的にFeの組成になるけい素鋼スラブに、熱間
圧延を施した後、 950℃で60秒の熱延板焼鈍を施した
後、冷間圧延を施して厚み0.50mmの冷延板を得た。その
後1030℃で30秒の仕上げ焼鈍を、その回復・再結晶段階
(400 〜800 ℃)にて1500ガウスの磁場を圧延方向に印
加しつつ行った。 かくして得られた製品の磁気特性は
B50が1.68(T)、W15/50が2.00(W/kg)の良好な特性
を示した。
【0020】
【発明の効果】この発明の無方向性電磁鋼板の製造方法
は、仕上げ焼鈍の回復・再結晶初期段階にて該鋼板の圧
延方向に磁場を印加することにより、{111}面の集積
度を弱め、かわりに{hk0 }〜{110 }〈001 〉方位の
集積を強化して全体にランダム化を図り、磁気特性を向
上させることができる。この発明は、従来とは全く異な
った方法により無方向性電磁鋼板の製造を意図している
ものである。
は、仕上げ焼鈍の回復・再結晶初期段階にて該鋼板の圧
延方向に磁場を印加することにより、{111}面の集積
度を弱め、かわりに{hk0 }〜{110 }〈001 〉方位の
集積を強化して全体にランダム化を図り、磁気特性を向
上させることができる。この発明は、従来とは全く異な
った方法により無方向性電磁鋼板の製造を意図している
ものである。
【図1】図1は、X線回折を用いて調べた、磁場の印加
の有無による結晶面強度を比較して示すグラフである。
の有無による結晶面強度を比較して示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 C:0.01wt%以下、 Si:2.0 〜4.0 wt%、 Al:0.1 〜2.0 wt%、 S:0.01wt%以下及び N:0.00wt%以下 を含むけい素鋼スラブに熱間圧延を行った後、熱延板焼
鈍に次ぐ1回又は中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延を行
って最終板厚としたのち、仕上げ焼鈍を施す無方向性電
磁鋼板の製造方法において、 上記仕上げ焼鈍時の少なくとも回復ないし再結晶の初期
段階に、鋼板の圧延方向に磁場を印加することを特徴と
する無方向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20886791A JPH0533062A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20886791A JPH0533062A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0533062A true JPH0533062A (ja) | 1993-02-09 |
Family
ID=16563440
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20886791A Pending JPH0533062A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0533062A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6340648B1 (en) * | 1999-04-13 | 2002-01-22 | Toshiba Ceramics Co., Ltd. | Calcium phosphate porous sintered body and production thereof |
US6713420B2 (en) | 2000-10-13 | 2004-03-30 | Toshiba Ceramics Co., Ltd. | Porous ceramics body for in vivo or in vitro use |
CN102676748A (zh) * | 2012-05-29 | 2012-09-19 | 武汉理工大学 | 一种金属材料软化退火处理方法 |
-
1991
- 1991-07-26 JP JP20886791A patent/JPH0533062A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6340648B1 (en) * | 1999-04-13 | 2002-01-22 | Toshiba Ceramics Co., Ltd. | Calcium phosphate porous sintered body and production thereof |
US6713420B2 (en) | 2000-10-13 | 2004-03-30 | Toshiba Ceramics Co., Ltd. | Porous ceramics body for in vivo or in vitro use |
CN102676748A (zh) * | 2012-05-29 | 2012-09-19 | 武汉理工大学 | 一种金属材料软化退火处理方法 |
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