JPH0532981A - 燃料油組成物 - Google Patents
燃料油組成物Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 従来のガソリンよりも点火性がよく、かつ火
炎伝播速度の大きい火花点火機関用の燃料油組成物を提
供する。 【構成】 1分子中に3重結合又は2重結合と酸素とを
共有するアルキニルアルコール、アルキニルエーテル、
アルキニルケトン、アルケニルアルデヒド、これより誘
導されたアセタール、及びフラン等特定の有機化合物を
通常の火花点火機関用ガソリンに配合してなる火花機関
用燃料油組成物。 【効果】 火炎伝播速度が広い範囲の燃料/空気比にお
いて改善され、火花点火機関の点火時期の最適化が容易
に行え、運転条件によらずエンジンの出力を改善するこ
とができ、希薄もしくは過濃な混合気での運転時に金属
分の使用無しに点火性を高め、さらに定常運転時にも生
じる混合気形成のばらつきに起因するサイクル毎の変動
を少なくし得て、その結果燃料/空気比の変化に関わら
ず図示平均有効圧力や筒内最大圧力等の変動を抑え得
る。
炎伝播速度の大きい火花点火機関用の燃料油組成物を提
供する。 【構成】 1分子中に3重結合又は2重結合と酸素とを
共有するアルキニルアルコール、アルキニルエーテル、
アルキニルケトン、アルケニルアルデヒド、これより誘
導されたアセタール、及びフラン等特定の有機化合物を
通常の火花点火機関用ガソリンに配合してなる火花機関
用燃料油組成物。 【効果】 火炎伝播速度が広い範囲の燃料/空気比にお
いて改善され、火花点火機関の点火時期の最適化が容易
に行え、運転条件によらずエンジンの出力を改善するこ
とができ、希薄もしくは過濃な混合気での運転時に金属
分の使用無しに点火性を高め、さらに定常運転時にも生
じる混合気形成のばらつきに起因するサイクル毎の変動
を少なくし得て、その結果燃料/空気比の変化に関わら
ず図示平均有効圧力や筒内最大圧力等の変動を抑え得
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主成分となる火花点火機
関に使用するガソリンと少なくとも一種以上の特定の含
酸素化合物とからなる燃料油組成物に関する。
関に使用するガソリンと少なくとも一種以上の特定の含
酸素化合物とからなる燃料油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】火花点火機関に適した従来のガソリンの
火炎伝播速度は種々の方法で測定され、従来のガソリン
の様々な条件下での火炎伝播速度は既に知られている。
火花点火機関において、燃料/空気比が理論混合比近傍
のとき、表面着火や自己着火などの異常燃焼を回避する
ために、燃焼時の最大圧力を本来の最大圧力よりも低く
抑えなければならず、そのため火花点火時期を上死点よ
りも進角していた。ここで進角とは、圧縮上死点のクラ
ンク角度を0゜とし、それ以前の点火時のクランク角度
を表現したものであり、例えば圧縮上死点前10゜の時
に点火させることを点火を10゜進角させるという。し
かし、点火を進角することにより、圧縮行程中に燃焼圧
力が上昇し始めるため、出力の損失が発生し熱効率が低
下してしまう。また燃料/空気比が低過ぎるときまたは
高過ぎるとき、火炎伝播速度は小さくなり出力は大幅に
減少し、さらに点火性も悪化するのでサイクル変動が増
加してしまう。従って、従来のガソリンの火炎伝播速度
及び点火性ではこのような出力損失及びサイクル変動は
避けられなかった。
火炎伝播速度は種々の方法で測定され、従来のガソリン
の様々な条件下での火炎伝播速度は既に知られている。
火花点火機関において、燃料/空気比が理論混合比近傍
のとき、表面着火や自己着火などの異常燃焼を回避する
ために、燃焼時の最大圧力を本来の最大圧力よりも低く
抑えなければならず、そのため火花点火時期を上死点よ
りも進角していた。ここで進角とは、圧縮上死点のクラ
ンク角度を0゜とし、それ以前の点火時のクランク角度
を表現したものであり、例えば圧縮上死点前10゜の時
に点火させることを点火を10゜進角させるという。し
かし、点火を進角することにより、圧縮行程中に燃焼圧
力が上昇し始めるため、出力の損失が発生し熱効率が低
下してしまう。また燃料/空気比が低過ぎるときまたは
高過ぎるとき、火炎伝播速度は小さくなり出力は大幅に
減少し、さらに点火性も悪化するのでサイクル変動が増
加してしまう。従って、従来のガソリンの火炎伝播速度
及び点火性ではこのような出力損失及びサイクル変動は
避けられなかった。
【0003】一般に火花点火機関の基本となるサイクル
(オットーサイクル)においては、燃料/空気混合気の
火炎伝播速度は無限大で、圧縮行程の上死点で点火を
し、瞬時に燃焼が完結することにより最大出力が得られ
るとされている。従って、それに近づくように進角をよ
り少なくできる、従来のガソリンよりも火炎伝播速度の
大きいガソリンが好ましいことも知られている。
(オットーサイクル)においては、燃料/空気混合気の
火炎伝播速度は無限大で、圧縮行程の上死点で点火を
し、瞬時に燃焼が完結することにより最大出力が得られ
るとされている。従って、それに近づくように進角をよ
り少なくできる、従来のガソリンよりも火炎伝播速度の
大きいガソリンが好ましいことも知られている。
【0004】燃焼速度及び可燃限界は、化合物各々の物
性値であり、NACA(米国航空諮問委員会)円管法な
どにより常温・常圧におけるその数値が測定され、燃焼
速度が大きくかつ可燃範囲が広い含酸素有機化合物があ
ることも知られている。しかしながら、これらは主とし
て安全工学の観点に基づく測定結果であり、これら含酸
素有機化合物について、火花点火機関内における火炎伝
播速度、点火性等については議論されていなかった。
性値であり、NACA(米国航空諮問委員会)円管法な
どにより常温・常圧におけるその数値が測定され、燃焼
速度が大きくかつ可燃範囲が広い含酸素有機化合物があ
ることも知られている。しかしながら、これらは主とし
て安全工学の観点に基づく測定結果であり、これら含酸
素有機化合物について、火花点火機関内における火炎伝
播速度、点火性等については議論されていなかった。
【0005】ある一定の条件下における火炎伝播速度に
ついて、任意の燃料/空気比で、液体燃料の火炎伝播速
度及び点火性を簡便に比較測定する実験的手法ととも
に、液体燃料油の燃焼特性評価定容燃焼装置が新たに開
発された(特願平3−1550954号)。
ついて、任意の燃料/空気比で、液体燃料の火炎伝播速
度及び点火性を簡便に比較測定する実験的手法ととも
に、液体燃料油の燃焼特性評価定容燃焼装置が新たに開
発された(特願平3−1550954号)。
【0006】当該装置は、内部に密閉された燃焼室を形
成しかつ観測用窓を有する燃焼器本体と、前記燃焼器本
体の外面に装着されたヒーターと、前記燃焼室の温度を
検出する温度検出器と、前記燃焼室に所定量の液体燃料
油を供給する液体燃料油供給器と、前記燃焼室に空気を
供給する空気供給器と、前記燃焼室で可動の攪拌部材を
有する攪拌器、および前記燃焼室内に火花を形成し得る
点火栓とを備えることを特徴とするものであり、火炎伝
播を観察窓を通し、レーザービーム屈折法等で測定する
ことが可能で、液体燃料油の燃焼性を実験室的に評価で
きるものである。
成しかつ観測用窓を有する燃焼器本体と、前記燃焼器本
体の外面に装着されたヒーターと、前記燃焼室の温度を
検出する温度検出器と、前記燃焼室に所定量の液体燃料
油を供給する液体燃料油供給器と、前記燃焼室に空気を
供給する空気供給器と、前記燃焼室で可動の攪拌部材を
有する攪拌器、および前記燃焼室内に火花を形成し得る
点火栓とを備えることを特徴とするものであり、火炎伝
播を観察窓を通し、レーザービーム屈折法等で測定する
ことが可能で、液体燃料油の燃焼性を実験室的に評価で
きるものである。
【0007】火花点火機関における前述のサイクル変動
については、ガソリンなど多成分系の燃料と空気の混合
気を燃焼室内で燃焼させる場合、混合気の形成における
サイクル毎のばらつきや、点火性の差などが大きな要因
となることが知られている。従って、燃料/空気比が低
過ぎるときまたは高過ぎるときもしくは定速運転時にお
いても起こる混合気形成のばらつきや、点火性の差が生
じるような条件においても、サイクル毎の燃焼状態の変
動を少なくし、安定燃焼を実現するような燃料添加物及
び燃料配合物が使用できると有利である。
については、ガソリンなど多成分系の燃料と空気の混合
気を燃焼室内で燃焼させる場合、混合気の形成における
サイクル毎のばらつきや、点火性の差などが大きな要因
となることが知られている。従って、燃料/空気比が低
過ぎるときまたは高過ぎるときもしくは定速運転時にお
いても起こる混合気形成のばらつきや、点火性の差が生
じるような条件においても、サイクル毎の燃焼状態の変
動を少なくし、安定燃焼を実現するような燃料添加物及
び燃料配合物が使用できると有利である。
【0008】ところで、希薄な混合気の点火性を向上せ
しめる添加物については、特開昭62−1785号公報
は、例えばコハク酸誘導体のアルカリまたはアルカリ土
類金属塩が点火性を向上させ、スパークプラグギャップ
から10mmの距離にあるレーザービームへ火炎が移動す
る時間が短縮、すなわち点火遅れが改善され、またエン
ジン内を汚さないことについて記載している。しかし、
これらの化合物には金属分が含まれているため、その金
属分が排ガスとともに排出され、排気系内に蓄積もしく
は大気中に排出されてしまい、環境対策上問題があり、
また排気ガス処理系統内に保持される触媒の活性維持の
点で好ましくないことが判明している。また、上記公報
では点火性のみの評価であり、火炎伝播速度については
何等検討されていない。
しめる添加物については、特開昭62−1785号公報
は、例えばコハク酸誘導体のアルカリまたはアルカリ土
類金属塩が点火性を向上させ、スパークプラグギャップ
から10mmの距離にあるレーザービームへ火炎が移動す
る時間が短縮、すなわち点火遅れが改善され、またエン
ジン内を汚さないことについて記載している。しかし、
これらの化合物には金属分が含まれているため、その金
属分が排ガスとともに排出され、排気系内に蓄積もしく
は大気中に排出されてしまい、環境対策上問題があり、
また排気ガス処理系統内に保持される触媒の活性維持の
点で好ましくないことが判明している。また、上記公報
では点火性のみの評価であり、火炎伝播速度については
何等検討されていない。
【0009】
【解決しようとする課題】本発明は、従来のガソリンよ
りも点火性がよく、かつ火炎伝播速度の大きい火花点火
機関用の燃料油組成物を提供することを目的とするもの
である。
りも点火性がよく、かつ火炎伝播速度の大きい火花点火
機関用の燃料油組成物を提供することを目的とするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題に鑑み金属分を排出することなく、安定した燃焼を可
能とし、出力向上を可能とする火花点火機関用の燃料油
組成物を得るべく鋭意検討した結果、特定の含酸素有機
化合物を従来の火花点火機関用ガソリンに配合すること
によって上記目的を達しうることを見出し本発明を完成
するに至った。
題に鑑み金属分を排出することなく、安定した燃焼を可
能とし、出力向上を可能とする火花点火機関用の燃料油
組成物を得るべく鋭意検討した結果、特定の含酸素有機
化合物を従来の火花点火機関用ガソリンに配合すること
によって上記目的を達しうることを見出し本発明を完成
するに至った。
【0011】すなわち、その目的を達成するための第1
の発明は、火花点火機関に使用するガソリンと、一般式 R1−C≡C−R2−O−R3 (I) (式中R1、R3はそれぞれ水素または直鎖もしくは分岐
型の炭素数1から3のアルキル基から独立に選択され、
またR2は直鎖もしくは分岐型の炭素数1から6の二価
の炭化水素基である。)により表されるアルキニルアル
コールまたはアルキニルエーテルからなることを特徴と
する火花点火機関用燃料油組成物であり、第2の発明
は、火花点火機関に使用するガソリンと、一般式 R4−C≡C−CO−R5 (II) (式中R4は水素または直鎖もしくは分岐型の炭素数1
から3のアルキル基、またR5は直鎖もしくは分岐型の
炭素数1から3のアルキル基である。)により表される
アルキニルケトンからなることを特徴とする火花点火機
関用燃料油組成物であり、第3の発明は、火花点火機関
に使用するガソリンと、一般式
の発明は、火花点火機関に使用するガソリンと、一般式 R1−C≡C−R2−O−R3 (I) (式中R1、R3はそれぞれ水素または直鎖もしくは分岐
型の炭素数1から3のアルキル基から独立に選択され、
またR2は直鎖もしくは分岐型の炭素数1から6の二価
の炭化水素基である。)により表されるアルキニルアル
コールまたはアルキニルエーテルからなることを特徴と
する火花点火機関用燃料油組成物であり、第2の発明
は、火花点火機関に使用するガソリンと、一般式 R4−C≡C−CO−R5 (II) (式中R4は水素または直鎖もしくは分岐型の炭素数1
から3のアルキル基、またR5は直鎖もしくは分岐型の
炭素数1から3のアルキル基である。)により表される
アルキニルケトンからなることを特徴とする火花点火機
関用燃料油組成物であり、第3の発明は、火花点火機関
に使用するガソリンと、一般式
【化4】
(式中R6、R7、R8はそれぞれ水素または直鎖もしく
は分岐型の炭素数1から3のアルキル基から独立に選択
される。)により表されるアルケニルアルデヒドまたは
そのアルデヒド基をアルコールにより処理したアセター
ルからなることを特徴とする火花点火機関用燃料油組成
物であり、第4の発明は、火花点火機関に使用するガソ
リンと、一般式
は分岐型の炭素数1から3のアルキル基から独立に選択
される。)により表されるアルケニルアルデヒドまたは
そのアルデヒド基をアルコールにより処理したアセター
ルからなることを特徴とする火花点火機関用燃料油組成
物であり、第4の発明は、火花点火機関に使用するガソ
リンと、一般式
【化5】
(式中R9、R9′、R10、R10′はそれぞれ水素または
直鎖もしくは分岐型の炭素数1から3のアルキル基、あ
るいはCHO基から独立に選択される。但し、CHO基
は1分子中に同時に2個以上含まれない。)により表さ
れるフランまたはフラン誘導体からなることを特徴とす
る火花点火機関用燃料油組成物であり、そして第5の発
明は、火花点火機関に使用するガソリンと、一般式
直鎖もしくは分岐型の炭素数1から3のアルキル基、あ
るいはCHO基から独立に選択される。但し、CHO基
は1分子中に同時に2個以上含まれない。)により表さ
れるフランまたはフラン誘導体からなることを特徴とす
る火花点火機関用燃料油組成物であり、そして第5の発
明は、火花点火機関に使用するガソリンと、一般式
【化6】
(式中R11、R12、R14、R16、R17、R18はそれぞれ
水素または直鎖もしくは分岐型の炭素数1から3のアル
キル基から独立に選択され、R13、R15はそれぞれ直鎖
もしくは分岐型の炭素数1から3の二価の炭化水素基か
ら独立に選択される。)により表されるアルケニルエー
テル類からなることを特徴とする火花点火機関用燃料油
組成物である。ここで、直鎖もしくは分岐型の二価の炭
化水素基をさらに具体的に述べれば、メチレン基、アル
キレン基またはアリキリデン基である。
水素または直鎖もしくは分岐型の炭素数1から3のアル
キル基から独立に選択され、R13、R15はそれぞれ直鎖
もしくは分岐型の炭素数1から3の二価の炭化水素基か
ら独立に選択される。)により表されるアルケニルエー
テル類からなることを特徴とする火花点火機関用燃料油
組成物である。ここで、直鎖もしくは分岐型の二価の炭
化水素基をさらに具体的に述べれば、メチレン基、アル
キレン基またはアリキリデン基である。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いる含酸素化合物は、少なくとも一つの3重結合また
は2重結合と酸素原子を分子内に同時に有している、好
ましくは3重結合または2重結合に隣接する炭素原子上
に酸素原子を有している、特定の非環式含酸素化合物、
もしくはフランまたはフラン誘導体であり(以下、これ
らを総称して「含酸素化合物」という。)、ガソリンに
含有させることにより、点火性を高め、火炎伝播速度を
も速めることができるものである。
用いる含酸素化合物は、少なくとも一つの3重結合また
は2重結合と酸素原子を分子内に同時に有している、好
ましくは3重結合または2重結合に隣接する炭素原子上
に酸素原子を有している、特定の非環式含酸素化合物、
もしくはフランまたはフラン誘導体であり(以下、これ
らを総称して「含酸素化合物」という。)、ガソリンに
含有させることにより、点火性を高め、火炎伝播速度を
も速めることができるものである。
【0013】これら本発明で用いる含酸素化合物は通常
のガソリンの沸点範囲約30〜230℃に沸点をもつ含
酸素化合物であり、一分子中の直鎖もしくは分岐型のア
ルキル基等の炭素数の合計が3〜10程度の化合物が好
適に用いられる。
のガソリンの沸点範囲約30〜230℃に沸点をもつ含
酸素化合物であり、一分子中の直鎖もしくは分岐型のア
ルキル基等の炭素数の合計が3〜10程度の化合物が好
適に用いられる。
【0014】本発明に用いられる含酸素化合物の具体例
としては、3重結合もしくは2重結合に隣接する炭素原
子上に酸素原子を有するアルコール等であり、(I)式
に該当するものとしては、プロパルギルアルコール、3
−ブチン−2−オール、3−ブチン−1−オール、3−
メチル−1−ペンチン−3−オール、メチルプロパルギ
ルエーテル等が挙げられ、(II)式に該当するものとし
ては、3−ブチン−2−オン、(III)式に該当するも
のとしては、アクロレン、メタクロレン、チグリンアル
デヒド、これらのアルデヒド基をメタノールで処理した
アクロレンジメチルアセタール等が挙げられる。また、
(IV)式に該当するものとしては、フラン、2−メチル
フラン、フルフラール、(V)式に該当するものとして
は、ジアリルエーテル等を挙げることができる。
としては、3重結合もしくは2重結合に隣接する炭素原
子上に酸素原子を有するアルコール等であり、(I)式
に該当するものとしては、プロパルギルアルコール、3
−ブチン−2−オール、3−ブチン−1−オール、3−
メチル−1−ペンチン−3−オール、メチルプロパルギ
ルエーテル等が挙げられ、(II)式に該当するものとし
ては、3−ブチン−2−オン、(III)式に該当するも
のとしては、アクロレン、メタクロレン、チグリンアル
デヒド、これらのアルデヒド基をメタノールで処理した
アクロレンジメチルアセタール等が挙げられる。また、
(IV)式に該当するものとしては、フラン、2−メチル
フラン、フルフラール、(V)式に該当するものとして
は、ジアリルエーテル等を挙げることができる。
【0015】火炎伝播速度を速めるには、炭素数が小さ
い化合物を使用するとより効果がある。例えば、アルキ
ニルアルコールに関しては特にプロパルギルアルコール
がその効果が大きい。しかしながら、プロパルギルアル
コールそのものはガソリン中への相溶性が余り高くない
ので、相溶性を高めるためにメチルエーテル化したメチ
ルプロパルギルエーテルが特に好ましい。
い化合物を使用するとより効果がある。例えば、アルキ
ニルアルコールに関しては特にプロパルギルアルコール
がその効果が大きい。しかしながら、プロパルギルアル
コールそのものはガソリン中への相溶性が余り高くない
ので、相溶性を高めるためにメチルエーテル化したメチ
ルプロパルギルエーテルが特に好ましい。
【0016】含酸素化合物の配合量は、後述するガソリ
ン基材によって調整されたガソリンに対して、燃焼特性
の向上には約0.05〜50容量%が好ましい。特に、
出力特性の顕著な向上には約5〜50容量%が好まし
い。更に、通常ガソリンと同等の性状に調製する場合の
調製容易性の点で一般には約0.05〜40容量%の範
囲の配合量が好適に用いられる。
ン基材によって調整されたガソリンに対して、燃焼特性
の向上には約0.05〜50容量%が好ましい。特に、
出力特性の顕著な向上には約5〜50容量%が好まし
い。更に、通常ガソリンと同等の性状に調製する場合の
調製容易性の点で一般には約0.05〜40容量%の範
囲の配合量が好適に用いられる。
【0017】本発明において用いられる含酸素化合物に
おいて酸素置換基がガソリンへの溶解性を決定する大き
な要因となるので、置換基の性質は重要であり、ガソリ
ンへの溶解性については、酸素置換基はエーテル結合型
(フランを含む)が適切である。酸素置換基が水酸基で
ある場合、3重結合炭化水素基は炭素数が大きくなるに
つれてガソリンへの溶解性が増してゆく。しかし、ガソ
リンの蒸留性状に影響を与えるため炭素数3ないし6の
化合物が好ましい。また、ガソリンへの溶解性が好まし
くない場合、ターシャリーブチルアルコールなどを相溶
剤として少量添加してもよい。
おいて酸素置換基がガソリンへの溶解性を決定する大き
な要因となるので、置換基の性質は重要であり、ガソリ
ンへの溶解性については、酸素置換基はエーテル結合型
(フランを含む)が適切である。酸素置換基が水酸基で
ある場合、3重結合炭化水素基は炭素数が大きくなるに
つれてガソリンへの溶解性が増してゆく。しかし、ガソ
リンの蒸留性状に影響を与えるため炭素数3ないし6の
化合物が好ましい。また、ガソリンへの溶解性が好まし
くない場合、ターシャリーブチルアルコールなどを相溶
剤として少量添加してもよい。
【0018】この含酸素化合物は、単体でガソリンに含
有させるか、上述した(I)式〜(V)式で表される化
合物の中で任意の化合物同士を組み合わせた混合物をガ
ソリン中に含有させて用いてもよい。また、含酸素化合
物を含有させ得るガソリンは、火花点火機関に使用する
のに適したガソリンであり、その主成分は約30〜23
0℃に沸点を持つ炭化水素混合物である。このガソリン
は不飽和炭化水素、及び芳香族炭化水素混合物を任意に
含んでいてもよく、一般走行用、レース用ガソリン等そ
の目的に応じて適宜調製することが可能である。例え
ば、一般走行用の燃料として用いる場合においては、こ
の含酸素化合物を含有させるに当たって、火花点火機関
に適した性状の燃料となるように、直留ガソリン、分解
ガソリン、改質ガソリン、アルキレートガソリン、異性
化ガソリン、重合ガソリン、またはそれらを蒸留カット
することによって得られた成分などを適宜組み合わせて
配合し、リサーチ法オクタン価90以上、リード蒸気圧
0.6〜0.9kg/cm2、15℃における密度0.70
0〜0.783g/cm3の範囲とし、蒸留性状等も火花
点火機関に適したガソリンと同等の性状とすることが可
能である。
有させるか、上述した(I)式〜(V)式で表される化
合物の中で任意の化合物同士を組み合わせた混合物をガ
ソリン中に含有させて用いてもよい。また、含酸素化合
物を含有させ得るガソリンは、火花点火機関に使用する
のに適したガソリンであり、その主成分は約30〜23
0℃に沸点を持つ炭化水素混合物である。このガソリン
は不飽和炭化水素、及び芳香族炭化水素混合物を任意に
含んでいてもよく、一般走行用、レース用ガソリン等そ
の目的に応じて適宜調製することが可能である。例え
ば、一般走行用の燃料として用いる場合においては、こ
の含酸素化合物を含有させるに当たって、火花点火機関
に適した性状の燃料となるように、直留ガソリン、分解
ガソリン、改質ガソリン、アルキレートガソリン、異性
化ガソリン、重合ガソリン、またはそれらを蒸留カット
することによって得られた成分などを適宜組み合わせて
配合し、リサーチ法オクタン価90以上、リード蒸気圧
0.6〜0.9kg/cm2、15℃における密度0.70
0〜0.783g/cm3の範囲とし、蒸留性状等も火花
点火機関に適したガソリンと同等の性状とすることが可
能である。
【0019】この含酸素化合物は、3重結合などの不飽
和結合を分子内に有しているが、ガソリン中へ含有させ
た場合に酸化安定性の低下が予想されるような使用条件
下においては、必要に応じガソリン中に、アミン、フェ
ノール、及びハイドロキノン類などの酸化防止剤を添加
しても良い。このときの酸化防止剤の添加量は約10〜
100ppmの範囲が好ましい。
和結合を分子内に有しているが、ガソリン中へ含有させ
た場合に酸化安定性の低下が予想されるような使用条件
下においては、必要に応じガソリン中に、アミン、フェ
ノール、及びハイドロキノン類などの酸化防止剤を添加
しても良い。このときの酸化防止剤の添加量は約10〜
100ppmの範囲が好ましい。
【0020】また、ガソリン中には必要に応じて、チオ
アミド類などの金属不活性剤、コハク酸イミド、ポリア
ルキルアミン、ポリエーテルアミンなどの清浄分散剤、
多価アルコール及びそのエーテルなどの氷結防止剤、高
級アルコールの硫酸エステルなどの助燃剤、アニオン系
界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤な
どの帯電防止剤及びアゾ染料などの着色剤など、公知の
燃料油添加剤を1種または数種組み合わせて添加しても
よい。これら燃料油添加剤の添加量は任意であるが、通
常、その合計添加量が1000ppm以下となるように添
加するのが好ましい。
アミド類などの金属不活性剤、コハク酸イミド、ポリア
ルキルアミン、ポリエーテルアミンなどの清浄分散剤、
多価アルコール及びそのエーテルなどの氷結防止剤、高
級アルコールの硫酸エステルなどの助燃剤、アニオン系
界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤な
どの帯電防止剤及びアゾ染料などの着色剤など、公知の
燃料油添加剤を1種または数種組み合わせて添加しても
よい。これら燃料油添加剤の添加量は任意であるが、通
常、その合計添加量が1000ppm以下となるように添
加するのが好ましい。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定され
るものではない。 実施例1 混合気の火炎伝播速度の改善を確かめるために、液体燃
料の燃焼特性評価定容燃焼装置を用いてテストを実施し
た。本装置の容器は内寸60x40x208mm、内容積
は499ccであり、向かい合う2面にパイレックスガラ
ス製観測用窓が設けられており、また安定な混合気の形
成や加熱及び点火等を行う設備も有している。この容器
を用い規定の条件下においてHe−Neレーザービーム
屈折法により容器の任意の位置における火炎面到達時間
を計測し、火炎面の移動距離と時間の関係から火炎伝播
速度を求めた。市販レギュラーガソリンに本発明に係る
含酸素化合物を配合し調製した5種類の燃料組成物を用
いて、前記測定法によって得られた火炎伝播速度を、市
販レギュラーガソリンの火炎伝播速度に対する改善率で
比較した結果を表1に示す。
に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定され
るものではない。 実施例1 混合気の火炎伝播速度の改善を確かめるために、液体燃
料の燃焼特性評価定容燃焼装置を用いてテストを実施し
た。本装置の容器は内寸60x40x208mm、内容積
は499ccであり、向かい合う2面にパイレックスガラ
ス製観測用窓が設けられており、また安定な混合気の形
成や加熱及び点火等を行う設備も有している。この容器
を用い規定の条件下においてHe−Neレーザービーム
屈折法により容器の任意の位置における火炎面到達時間
を計測し、火炎面の移動距離と時間の関係から火炎伝播
速度を求めた。市販レギュラーガソリンに本発明に係る
含酸素化合物を配合し調製した5種類の燃料組成物を用
いて、前記測定法によって得られた火炎伝播速度を、市
販レギュラーガソリンの火炎伝播速度に対する改善率で
比較した結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】実施例2
火炎伝播速度の増加が火花点火機関の発生出力向上へ及
ぼす効果を示すために、排気量403ccの単気筒ガソリ
ンエンジン(AVL社製530タイプ)を圧力測定を行
えるように改造し、燃焼室内の圧力を測定し、燃焼解析
を行った。市販レギュラーガソリンと市販レギュラーガ
ソリンにメチルプロパルギルエーテルを20容量%配合
した燃料を用いて、エンジン回転数:1000rpm、点
火時期:MBT(最大トルクを発生する最小点火進角)
でエンジン混合気の濃度を変えて運転したときの図示平
均有効圧力を測定した結果を図1に、用いた試料の性状
を表2に示す。ここで、図示平均有効圧力とは、内燃機
関における燃焼の遅れ、弁開閉時期の影響、熱解離、冷
却などによる機関の損失を差し引いたシリンダ内の圧力
−容積線図の面積をもとに、1サイクルにおけるピスト
ン表面に与えた単位面積当たりの圧力平均値であり、一
般的に機関出力の評価に用いられる値である。
ぼす効果を示すために、排気量403ccの単気筒ガソリ
ンエンジン(AVL社製530タイプ)を圧力測定を行
えるように改造し、燃焼室内の圧力を測定し、燃焼解析
を行った。市販レギュラーガソリンと市販レギュラーガ
ソリンにメチルプロパルギルエーテルを20容量%配合
した燃料を用いて、エンジン回転数:1000rpm、点
火時期:MBT(最大トルクを発生する最小点火進角)
でエンジン混合気の濃度を変えて運転したときの図示平
均有効圧力を測定した結果を図1に、用いた試料の性状
を表2に示す。ここで、図示平均有効圧力とは、内燃機
関における燃焼の遅れ、弁開閉時期の影響、熱解離、冷
却などによる機関の損失を差し引いたシリンダ内の圧力
−容積線図の面積をもとに、1サイクルにおけるピスト
ン表面に与えた単位面積当たりの圧力平均値であり、一
般的に機関出力の評価に用いられる値である。
【0024】
【表2】
【0025】実施例3
実施例2で用いたエンジン及び装置を使用して、エンジ
ン回転数:1000rpm、点火時期:MBT、当量比
(実際の燃空比/理論燃空比):1.0及び0.8の条
件下において、本発明に係る含酸素化合物を配合した燃
料3種と、市販レギュラーガソリンについて筒内最大圧
力を測定し、その1000サイクルの標準偏差を比較し
た。その結果を図2及び図3に示す。なお、試料の性状
は含酸素化合物の配合量が少ないため、表2に示した市
販レギュラーガソリンとほぼ同様である。筒内最大圧力
とは、内燃機関において、1サイクル中で混合気の燃焼
時に到達するシリンダ内の最高圧力値である。当量比
1.0及び0.8、何れのケースも通常の市販レギュラ
ーガソリンよりも、サイクル毎の筒内最大圧力の標準偏
差が小さく、燃焼のサイクル変動が改善された。また図
3に示すとおり、燃料希薄側の当量比0.8では、当量
比1.0の通常の市販レギュラーガソリン並の値まで改
善された。
ン回転数:1000rpm、点火時期:MBT、当量比
(実際の燃空比/理論燃空比):1.0及び0.8の条
件下において、本発明に係る含酸素化合物を配合した燃
料3種と、市販レギュラーガソリンについて筒内最大圧
力を測定し、その1000サイクルの標準偏差を比較し
た。その結果を図2及び図3に示す。なお、試料の性状
は含酸素化合物の配合量が少ないため、表2に示した市
販レギュラーガソリンとほぼ同様である。筒内最大圧力
とは、内燃機関において、1サイクル中で混合気の燃焼
時に到達するシリンダ内の最高圧力値である。当量比
1.0及び0.8、何れのケースも通常の市販レギュラ
ーガソリンよりも、サイクル毎の筒内最大圧力の標準偏
差が小さく、燃焼のサイクル変動が改善された。また図
3に示すとおり、燃料希薄側の当量比0.8では、当量
比1.0の通常の市販レギュラーガソリン並の値まで改
善された。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る燃料油組成物を使用すると
火炎伝播速度が広い範囲の燃料/空気比において改善さ
れ、それにより火花点火機関の点火時期の最適化が行
え、運転条件によらずそのエンジンの出力を改善するこ
とができる。
火炎伝播速度が広い範囲の燃料/空気比において改善さ
れ、それにより火花点火機関の点火時期の最適化が行
え、運転条件によらずそのエンジンの出力を改善するこ
とができる。
【0027】また、火花点火機関における希薄もしくは
過濃な混合気での運転時に金属分の使用無しに点火性を
高め、さらに定常運転時にも生じる混合気形成のばらつ
きに起因するサイクル毎の変動を少なくする能力を有す
る。従って、これらの含酸素化合物を含有する燃料油組
成物は、燃料/空気比の変化に関わらず図示平均有効圧
力や筒内最大圧力等の変動を抑え、安定した燃焼を与え
ることができる。
過濃な混合気での運転時に金属分の使用無しに点火性を
高め、さらに定常運転時にも生じる混合気形成のばらつ
きに起因するサイクル毎の変動を少なくする能力を有す
る。従って、これらの含酸素化合物を含有する燃料油組
成物は、燃料/空気比の変化に関わらず図示平均有効圧
力や筒内最大圧力等の変動を抑え、安定した燃焼を与え
ることができる。
【0028】さらに、安定燃焼を実現するので排ガス特
性をも向上させることができ、火花点火機関の始動性改
善等その作動状況を良好にすることができるものであ
り、工業的価値の高いものである。
性をも向上させることができ、火花点火機関の始動性改
善等その作動状況を良好にすることができるものであ
り、工業的価値の高いものである。
【図1】市販レギュラーガソリンと実施例2のガソリン
についての各当量比における図示平均有効圧力のグラフ
である。
についての各当量比における図示平均有効圧力のグラフ
である。
【図2】市販レギュラーガソリンと実施例3のガソリン
について当量比1.0における筒内最大圧力のサイクル
変動の標準偏差を示すグラフである。
について当量比1.0における筒内最大圧力のサイクル
変動の標準偏差を示すグラフである。
【図3】市販レギュラーガソリンと実施例3のガソリン
について当量比0.8における筒内最大圧力のサイクル
変動の標準偏差を示すグラフである。
について当量比0.8における筒内最大圧力のサイクル
変動の標準偏差を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 池辺 博道
埼玉県幸手市戸島2945−100
(72)発明者 原 浩昭
埼玉県幸手市権現堂1134−2
Claims (5)
- 【請求項1】 火花点火機関に使用するガソリンと、一
般式 R1−C≡C−R2−O−R3 (I) (式中R1、R3はそれぞれ水素または直鎖もしくは分岐
型の炭素数1から3のアルキル基から独立に選択され、
またR2は直鎖もしくは分岐型の炭素数1から6の二価
の炭化水素基である。)により表されるアルキニルアル
コールまたはアルキニルエーテルからなることを特徴と
する火花点火機関用燃料油組成物。 - 【請求項2】 火花点火機関に使用するガソリンと、一
般式 R4−C≡C−CO−R5 (II) (式中R4は水素または直鎖もしくは分岐型の炭素数1
から3のアルキル基、またR5は直鎖もしくは分岐型の
炭素数1から3のアルキル基である。)により表される
アルキニルケトンからなることを特徴とする火花点火機
関用燃料油組成物。 - 【請求項3】 火花点火機関に使用するガソリンと、一
般式 【化1】 (式中R6、R7、R8はそれぞれ水素または直鎖もしく
は分岐型の炭素数1から3のアルキル基から独立に選択
される。)により表されるアルケニルアルデヒドまたは
そのアルデヒド基をアルコールにより処理したアセター
ルからなることを特徴とする火花点火機関用燃料油組成
物。 - 【請求項4】 火花点火機関に使用するガソリンと、一
般式 【化2】 (式中R9、R9′、R10、R10′はそれぞれ水素または
直鎖もしくは分岐型の炭素数1から3のアルキル基、あ
るいはCHO基から独立に選択される。但し、CHO基
は1分子中に同時に2個以上含まれない。)により表さ
れるフランまたはフラン誘導体からなることを特徴とす
る火花点火機関用燃料油組成物。 - 【請求項5】 火花点火機関に使用するガソリンと、一
般式 【化3】 (式中R11、R12、R14、R16、R17、R18はそれぞれ
水素または直鎖もしくは分岐型の炭素数1から3のアル
キル基から独立に選択され、R13、R15はそれぞれ直鎖
もしくは分岐型の炭素数1から3の二価の炭化水素基か
ら独立に選択される。)により表されるアルケニルエー
テル類からなることを特徴とする火花点火機関用燃料油
組成物。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3215868A JPH0532981A (ja) | 1991-08-01 | 1991-08-01 | 燃料油組成物 |
US07/921,695 US5354344A (en) | 1991-08-01 | 1992-07-30 | Gasoline fuel composition containing 3-butyn-2-one |
DE4225420A DE4225420A1 (de) | 1991-08-01 | 1992-07-31 | Treibstoffzusammensetzung |
FR9209584A FR2679918A1 (fr) | 1991-08-01 | 1992-07-31 | Composition de carburant pour moteur a allumage par etincelle. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3215868A JPH0532981A (ja) | 1991-08-01 | 1991-08-01 | 燃料油組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0532981A true JPH0532981A (ja) | 1993-02-09 |
Family
ID=16679599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3215868A Pending JPH0532981A (ja) | 1991-08-01 | 1991-08-01 | 燃料油組成物 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5354344A (ja) |
JP (1) | JPH0532981A (ja) |
DE (1) | DE4225420A1 (ja) |
FR (1) | FR2679918A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019065215A (ja) * | 2017-10-03 | 2019-04-25 | Jxtgエネルギー株式会社 | リーンバーンエンジン用ガソリン組成物 |
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BRPI0815440B1 (pt) | 2007-09-07 | 2018-11-13 | Furanix Technologies B.V. | 5-substituidos 2- (alcoximetil) furanos |
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1991
- 1991-08-01 JP JP3215868A patent/JPH0532981A/ja active Pending
-
1992
- 1992-07-30 US US07/921,695 patent/US5354344A/en not_active Expired - Fee Related
- 1992-07-31 FR FR9209584A patent/FR2679918A1/fr not_active Withdrawn
- 1992-07-31 DE DE4225420A patent/DE4225420A1/de not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Also Published As
Publication number | Publication date |
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DE4225420A1 (de) | 1993-02-04 |
US5354344A (en) | 1994-10-11 |
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