JPH05329169A - モノポーラ型電気凝固用接子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】生体組織を破壊せずに止血、癒着、乾燥等を電
気凝固法にて行うモノポーラ型電気凝固用接子に於い
て、針先の交換を容易に行える様に改善する。 【構成】導体よりなる雌型嵌合キャップ６頂端から延出
する注射針状外側パイプ電極７内に挿通部８ａ表面を絶
縁被膜９にて被覆された針状内側軸心電極８の斜截触端
８ａを外側パイプ電極７の斜截触端７ａに揃えて挿通す
ると共に内側軸心電極８の嵌入基端８ｃを雌型嵌合キャ
ップ６の嵌口６ｂ中心より突出したヘッダαと、外部の
電源装置からの電源コード２端を後端に貫着した絶縁軸
筒ホルダ１０と、絶縁軸筒ホルダ１０の先端受口１０ｃ
に内嵌突出し、かつ突出部１１ｃを雌型嵌合キャップ６
に嵌脱自在に内嵌するとともに貫通部１２ａ表面を絶縁
被膜１３にて被覆され軸心電極８の嵌入基端８ｃを外端
口１２ｃから内挿自在とし、コード２の導線２ｂと接続
する内端部１２ｂを突出して軸心に沿って軸パイプ１２
を貫通し、コード２の導線２ａと接続する雄型嵌合プラ
グ１１とからなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、各種手術等に際して、
生体組織を破壊せずに止血、癒着、乾燥等を電気凝固法
にて行うモノポーラ型電気凝固用接子の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】生体組織が二つの電極間に置かれた場
合、電流は回路を完成させようとして組織を通過しなけ
ればならないが、総ての生体組織は主として液体で構成
される電気の良導体であるから、高周波電流は生体組織
の細胞を流れ患者の体を通過する。よって、生体組織の
細胞は前記高周波電流の流れに抵抗してジュール熱を発
生して加熱され、その結果凝固が起る。これが電気凝固
法である。

【０００３】当該電気凝固法に供される電気凝固用接子
には、バイポーラ型とモノポーラ型のものとが知られて
いる。バイポーラ型電気凝固用接子とは、ピンセット状
の二本の接子を具備し、当該接子間に同じ密度で電流を
流して双方に同じ熱量を発生させるものである。一方、
本発明と同型のモノポーラ型電気凝固用接子とは、注射
針状の外側パイプ電極内に絶縁体を挟んで内側軸心電極
を貫通配置し、当該外側パイプ・内側軸心の電極先端付
近の組織に流れる電流を集中させて、熱を発生させるも
のである。

【０００４】前記何れの型に於いても、電流は電極接子
の両先端間の組織を通過するので、電極接子先端間の組
織のみが凝固され、過大な出力に対しても凝固範囲が電
極接子先端間の範囲を越えることがなく他の組織に影響
を与えない。よって、主に血管凝固のように限定された
範囲内の凝固に使用され、亦、電極接子の特性を活かし
て組織の癒着，縫合に使用される。

【０００５】この種、従来のモノポーラ型電気凝固用接
子の構成を図２の一部中央縦断面図に付き説明する。図
中、Ａは従来のモノポーラ型電気凝固用接子、１は樹脂
製軸筒ホルダ、２は電源コード、３は注射針状外側パイ
プ電極、４は内側軸心電極、５は絶縁被膜である。

【０００６】従来のモノポーラ型電気凝固用接子Ａの構
造は、導線２ａにて外部の電源装置からの電源コード２
に結線された注射針状の外側パイプ電極３内端に、同じ
く導線２ｂにて前記電源コード２に結線され、貫通部表
面を絶縁被膜５にて被覆された内側軸心電極４を貫通配
置すると共に、前記外側パイプ電極３を樹脂製軸筒ホル
ダ１先端から内挿固着し、その先端より電極斜截触端３
ａ，４ａを突出したペン状構造となっていた。

【０００７】前記の如く、当該モノポーラ型電気凝固用
接子Ａは、斜截触端３ａ，４ａにて前記外側パイプ電極
３及び内側軸心電極４先端間に流れる電流を集中させて
熱を発生させ、当該外側パイプ及び内側軸心電極３，４
斜截触端３ａ，４ａ付近の組織のみを凝固することが出
来るので、主に血管凝固やその特性を活かした組織の癒
着，縫合等の外科手術に使用されるものである。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モノポ
ーラ型電気凝固用接子は、前記の如く斜截触端３ａ，４
ａに電流を集中して熱を発生するので、外側パイプ及び
内側軸心電極３，４斜截触端３ａ，４ａ付近に於いては
使用経過による劣化が避けられず、亦、使用の度に専用
の薬品にて洗浄・消毒する必要があるため、さらなる劣
化が生じる。

【０００９】その結果、前記従来のモノポーラ型電気凝
固用接子Ａに於いては、経験的に四，五回の使用で、斜
截触端３ａ，４ａ間付近の絶縁被膜５が剥離してしま
い、前記外側パイプ及び内側軸心電極３，４同志が接触
することがあった。当該外側パイプ及び内側軸心電極
３，４同志が接触してしまっては、短絡回路が完成して
しまって電流が生体組織に流れなくなり、言うまでもな
く電気凝固が行えなくなる。

【００１０】しかし、従来のモノポーラ型電気凝固用接
子Ａは、前記の如く外側パイプ及び内側軸心電極３，４
が樹脂製軸筒ホルダ１に固着された構造であったから、
斜截触端３ａ，４ａのみが使用不能になった場合にでも
全体が使用出来なくなる。この様な場合、医師自身が斜
截触端３ａ，４ａを研磨して修理することもあったが、
殆どの場合は販売業者に無料で修理させたり、新しいも
のに買い替えたりしていた。こゝに於いて、本発明は前
記従来の欠点に鑑み、触端の交換を容易に行えるモノポ
ーラ型電気凝固用接子を提供せんとするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記課題の解決は、本発
明が次に列挙する新規な特徴的構成手段を採用すること
により達成される。即ち、本発明の第１の特徴は、導体
よりなる雌型キャップ頂端から延出する注射針状パイプ
電極内に挿通部表面を絶縁被膜にて被覆された軸心電極
を触端を揃えて挿通するとともに当該軸心電極の嵌入基
端を前記雌型キャップの嵌口中心より突出としたヘッダ
と、外部の電源装置からの電源コード端を後部に貫着し
た絶縁軸筒ホルダと、当該絶縁軸筒ホルダの先端に内嵌
突出しかつ当該突出部を前記雌型嵌合キャップに嵌脱自
在に内嵌するとともに貫通部表面を絶縁被膜にて被覆さ
れ前記軸心電極の嵌入基端を外端口から内挿自在とし前
記コードの内端部を突出して軸心に沿って軸パイプを貫
通し前記コードの他導線を接続する雄型嵌合プラグとか
らなるモノポーラ型電気凝固用接子である。

【００１２】本発明の第２の特徴は、前記第１の特徴に
おける雌型嵌合キャップと雄型嵌合プラグの突出部が、
それぞれ外形をテーパ形に形成してなるモノポーラ型電
気凝固用接子である。

【００１３】

【作用】本発明は、前記の様な手段を講じたので、ヘッ
ダは外側パイプ及び内側軸心電極を延出したキャップ及
び当該軸心電極の嵌入基端にて絶縁軸筒ホルダ先端の雄
型嵌合プラグの突出部及び軸心パイプに導通嵌合取外し
自在となる。また、雌型嵌合キャップと雄型嵌合プラグ
の突出部を相互に安定密嵌自在なテーパ形とした。

【００１４】

【実施例】本発明の実施例を図面に付き説明する。図１
は本実施例のモノポーラ型電気凝固用接子の一部中央縦
断面図である。図中、Ｂはモノポーラ型電気凝固用接
子、αはヘッダ、６はパイプ電極７を頂端に延出した内
外周テーパ形雌型嵌合キャップ、６ａは鍔部、７ａは斜
截触端、８は軸心電極、８ａは斜截触端、９は絶縁被
膜、１０は樹脂製絶縁軸筒ホルダ、１１は雄型嵌合プラ
グ、１２は軸パイプ、１３は絶縁被膜である。尚、従来
例と同一部材には同一符号を付した。

【００１５】図１に示す様、本実施例に係るモノポーラ
型電気凝固用接子Ｂに於いて、ヘッダαは、注射針状外
側パイプ電極７の内部に挿通部８ｂ表面を絶縁被膜９で
被覆され当該外側パイプ電極７と絶縁された針状の内側
軸心電極８を斜截触端７ａ，８ａを揃えて挿通すると共
に、当該外側パイプ電極７基端を導体よりなる内外周テ
ーパ形雌型嵌合キャップ６の頂端に取付け、かつ当該雌
型嵌合キャップ６の頂端を貫通した内側軸心電極８の嵌
入基端８ｃを前記雌型嵌合キャップ６の嵌口６ｂ中心よ
り突出した構成となっている。

【００１６】一方、樹脂製絶縁軸筒ホルダ１０は、その
先端受口１０ａに嵌着部１１ａをストッパ鍔部１１ｂま
で嵌込み前記雌型嵌合キャップ６の内周テーパ形状と嵌
合自在なテーパ形状に突出部１１ｃ外周を成形した導体
よりなる雄型嵌合プラグ１１を設けると共に、当該雄型
嵌合プラグ１１の軸心部に貫通部１２ａ表面を絶縁被膜
１３で被覆されて当該雄型嵌合プラグ１１と絶縁された
円筒状内側軸パイプ１２を挿通配置し内端部１２ｂを樹
脂製軸筒ホルダ１０内に突出している。

【００１７】当該軸パイプ１２の外端口１２ｃ内径は、
前記ヘッダαの嵌入基端８ｃと嵌合自在にその外径とほ
ぼ同一径にする。亦、当該雄型嵌合プラグ１１及び軸パ
イプ１２のそれぞれ内端は、樹脂製軸筒ホルダ１０内部
にてそれぞれ導線２ａ，２ｂによって外部の図示しない
電源装置からの電源コード２に結線されている。

【００１８】本実施例に係るモノポーラ型電気凝固用接
子Ｂは、この様な具体的実施態様を呈するので、ヘッダ
αの雌型嵌合キャップ６及び内側軸心電極８の嵌入基端
８ｃは、それぞれ樹脂製軸筒ホルダ１０先端の雄型嵌合
プラグ１１の突出部１１ｃ及びその中心の軸パイプ１２
外端口１２ｃとのはめ合い方式によって導通嵌合取外し
自在となる。よって、必要に応じて前記樹脂製軸筒ホル
ダ１０の雄型嵌合プラグ１１突出部１１ｃより前記ヘッ
ダαを取外し交換出来る。

【００１９】尚、前記ヘッダαの雌型嵌合キャップ６の
形状や樹脂製軸筒ホルダ１０の雄型嵌合プラグ１１突出
部１１ｃの形状は、前記説明した様な略円錐テーパ形に
限るものではなく、亦、それらの嵌合方法にしても、本
実施例では、はめ合い方式に付き説明したが、これに限
らず螺子方式等でもよいことは言うまでもない。

【００２０】

【発明の効果】かくして本発明によれば、四，五回の使
用後、触端の劣化のために絶縁被膜が剥離し、内側軸心
及び外側パイプ電極同志が接触して電気凝固が行えなく
なった場合、従来のモノポーラ型電気凝固用接子に於い
ては、全体が使用出来なくなっていたものを、ヘッダの
交換だけですぐにも使用可能とすることが出来る。よっ
て、四，五回の使用の度に医師自身が針截触端を研磨し
て修理する必要がなく、亦、高価なモノポーラ型電気凝
固用接子を買い替えたりせずとも、原価で約１２０分の
１の安価なヘッダのみを買い替えればよいから、使用者
にとって経済的負担が激減する。亦、販売業者側も無料
で修理する必要がなくなり負担が減る等優れた実用性、
有用性を具有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例のモノポーラ型電気凝固用接子
の一部中央縦断面図である。

【図２】従来のモノポーラ型電気凝固用接子の一部中央
縦断面図である。

【符号の説明】

Ａ，Ｂ…モノポーラ型電気凝固用接子 １，１０…樹脂製軸筒ホルダ ２…電源コード ２ａ，２ｂ…導線 ３，７…パイプ電極 ３ａ，７ａ…針截触端 ４，８…軸心電極 ４ａ，８ａ…斜截触端 ５，９，１３…絶縁被膜 α…ヘッダ ６…雌型嵌合キャップ ６ａ…鍔部 ６ｂ…嵌口 ８ｂ…挿通部 ８ｃ…嵌入基端 １０ａ…受口 １１…雄型嵌合プラグ １１ａ…嵌着部 １１ｂ…ストッパ鍔部 １１ｃ…突出部 １２…軸パイプ １２ａ…貫通部 １２ｂ…内端部 １２ｃ…外端口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】導体よりなる雌型嵌合キャップ頂端から延
   出する注射針状パイプ電極内に挿通部表面を絶縁被膜に
   て被覆された軸心電極を前記雌型嵌合キャップの頂端か
   ら貫通して触端を揃えて挿通すると共に当該軸心電極の
   嵌入基端を前記雌型嵌合キャップの嵌口中心より突出し
   たヘッダと、外部の電源装置からの電源コード端を後部
   に貫着した絶縁軸筒ホルダと、当該絶縁軸筒ホルダの先
   端に内嵌突出しかつ当該突出部を前記雌型嵌合キャップ
   に嵌脱自在に内嵌するとともに貫通部表面を絶縁被膜に
   て被覆され前記軸心電極の嵌入基端を外端口から内挿自
   在とし前記コードの導線と接続する内端部を突出して軸
   心に沿って軸パイプを貫通し前記コードの他導線と接続
   する雄型嵌合プラグとからなることを特徴とするモノポ
   ーラ型電気凝固用接子。
2. 【請求項２】雌型嵌合キャップと雄型嵌合プラグの突出
   部は、それぞれ外形をテーパ形に形成したことを特徴と
   する請求項１記載のモノポーラ型電気凝固用接子。